|
11.10 NNAAメディア発表 |
私たちは、国内における原子力発電所というのは、いずれの国においても、非民主的な手段によって作られてきた「国内植民地主義」の縮図であると認識しています。
それは原子力発電所の存在が電気の主な消費地である都会ではなく、遠く離れた、豊かな自然の恵みが残された地方に押し付けられてきたものであるからに外なりません。アメリカ、日本と韓国においては、国内に留まることなく海外へと原発輸出を展開するに至っていますが、事故があった場合にも責任をとらないことを条件とした、戦後体制下の新たな植民地主義であると考えられます。
3.11福島第一原子力発電所の事故を経験した私たちは、これまで強調されてきた、原発は安全、廉価、クリーンであるという宣伝はまったく事実ではないということを知るに至りました。原発は立地地域とそこで働く労働者の被曝という犠牲の上でなりたっているのです。そして日本に居住する者、及び海を隔てた国々の人々までもがこの原発事故で発生した放射能によって多大な被害を蒙っています。私たちにはこの大事故によっていまだに放出され続けている放射能から子どもたちを守る責任があります。私たちの生命は核とは共存することができないのです。
原子力発電所はそもそもウラン鉱石の採掘の段階から多くの被曝労働者を生み出します。モンゴルでは世界の列強がこぞって採掘権を買い漁っています。アメリカは核拡散防止を建前に、モンゴルが輸出するウランを核兵器と原発に使用したあとの核廃棄物を引き取りモンゴル埋蔵する、CFS(包括的燃料サービス)構想を具体化しようとしています。日本、UAE(アラブ首長国連邦)―実質は韓国―も表面下での契約を進め、モンゴルはそれに応えるべく施設建設の予算を国会で通したことが報じられました。
アジアの経済大国となった日本、韓国、台湾とアメリカの国民はもはや使用済核燃料を自国に埋蔵することを認めることはないでしょう。しかし私たちはそれを他国に持ちこむ、植民地主義ともいえる計画を黙認することはできません。
私たちは各国との連帯を深めることによって、アジアの、そしてひいては世界の脱・反原発運動を進めることをここに宣言します。
2013年11月10日
No Nukes Asia Actions(NNAA)
Korea, Japan, Mongolia, Taiwan, USAより
|
11.10 NNAA共同宣言文 賛同団体、個人 リスト(順不同)
脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会」(eシフト)
CNFE(原発体制を問うキリスト者ネットワーク)国際連帯プロジェクト
原子炉メーカーを糾弾する会
NPO 南北海道自然エネルギープロジェクト
No Nuke Asia Forum Japan
玄海原発プルサーマル裁判の会
アジェンダ・プロジェクト
脱原発かわさき市民
核燃を考える住民の会
第二次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会
緑の党Greens Japan
外国人への差別を許すな・川崎連絡会議
佼成学園教職員組合
国際環境NGO FoE Japan
反核青年会議
日本キリスト教会人権委員会
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
千葉西ネット
白井伊征子(日本ソーラーエネルギー教育協会)
野副達司(日本友和会理事)
牧野時夫(泊原発を止める会代表、脱原発ネットワークしりべし代表)
吉田 明彦(沖縄県民の基本的人権の保障を求める市民の会)
石地 かおる(自立生活センターリングリング事務局長)
秋山眞兄、川上純平、石井摩耶子、井口 真、安田治夫、清水竹人、中村紀子
与那城初穂、長沢俊夫、鈴木怜子、申 英子、内藤新吾、坂内宗男、小林 望
岩井健作、寺本 和泉、Tadako Okita、井口 延、栗原茂、高柳富夫、西堀俊和
小宮周一、東海林 勤、藤澤一清、尾毛佳靖子、毛利亮子、上山 紀代子
長尾比呂未、関田寛雄、森田晄子、金井美彦、相沢緑
NNAA-M モンゴル
Mongolia Green Party
No Nuclear Power Plants and Wastes in Mongolia
Atop Nuclear Genocide
Anti Nuclear Movement
Nuclear Free Mongolia
Kh. Selenge Prof. Ph.D. Law school of Mongolian State University,
J. Ganbaatar Coordinator of Mongolian National Disaster response center,
M. Baatarkhuyag Gal undesten holboo, L.Bor, L.Selenge,
O.Boum-Yalagch Mongolian Greens, Aldraa LD
NNAA-Aアメリカ
No Nukes Action Committee (サンフランシスコ)
Todos Somos Japon(ニューヨーク)
Nuclear Free California(カリフォルニア全土の反原子力団体のネットワーク)
Residents Organized for a Safe Environment (ROSE)
Mothers For Peace
NNAA-T台湾
台湾緑の党(Green Party Taiwan)
台湾長老派教会(PCT)
台湾緑色公民行動聯盟(GCAA)
台湾環境保護連盟(TEPU)
台湾・台東市民カレッジ
(財)蘭嶼部落文化基金会(Tao Foundation)
NNAA-K韓国
韓国・核のない社会のための合同行動
韓国・脱核エネルギー教授の会
韓国緑の党プラス
韓国環境運動連合
核のない世界のための韓国キリスト者連帯
韓国YMCA全国連盟
韓国YWCA連合会
韓国生命平和センター
釜山緑の党
慶州の市民フォーラム
日韓100年平和市民ネットワーク
韓国NCC
韓国光州環境運動連合
No Nukes Asia Actions-Japan (NNAA-J) 11.10宣言
NNAAは、モンゴル、韓国、日本、台湾、アメリカ(西海岸)において、現地のウラン開発、あるいは原発問題に危機感を抱いて立ち上がった市民が、戦後の植民地主義である原発体制を解体するため、国際的に連帯して行動しようとするネットワークです。
(1)3.11福島原発事故以降もアジアを中心として世界中に拡散する原発
1979年のスリーマイル島、1986年のチェルノブイリ、2011年の福島第一原発のシビアアクシデントによって、人類は原発と共存できないことがはっきりと示されました。
世界有数の地震国である日本の3.11福島第一原子力発電所事故から1年8ヵ月が経ちましたが、事故原因は未だ明らかにされていません。ドイツ、イタリア、スイス、ベルギーは脱原発を宣言しましたが、核兵器を開発している国々は「原子力の平和利用」を看板にして、基本的に原発推進の政策を変更しようとはしていません。アメリカではスリーマイル島の事故以降34年間、そのリスクの大きさゆえ原発の新規建設はされませんでした。しかし、現政権は日本とのパートナーシップを元に4基(東芝の子会社のウェスチング社がサウスカロナイナ州とジョージア州に2基ずつ)の原発建設許可を出すに至りました。民主・共和党の両大統領候補者はいずれも原発推進を謳っています。
また韓国は原発密度世界一であるにもかかわらず、現政権は原発倍増を図っています。さらに、世界の新規原発建設の20%を受注すると豪語しています。
原発の建設計画は、アメリカの核戦略の下で世界中に拡がりました。発展途上国のエネルギー確保という口実により、世界の原発の約半数が東北アジアに集中しています。
アジアでは日本と韓国が原発輸出を拡大することを国策として積極的に進めています。戦後アジアで経済成長してきた日本、韓国、台湾はいずれも原発大国ですが、使用済み核燃料の最終処分は具体的な場所も処分方法も見出せない状況にあります。
台湾においては使用済み核燃料の量が増大し、このままでは今ある原発の稼働に影響するといわれる事態にまでなってきています。また台湾の南東部にある欄嶼島(Orchid Island)という美しい名前の島に貯蔵されていた放射線物質がずさんな管理のためか、島の各所で高い放射線量が計測されています。住民や観光客への影響と共に、大きな津波がこの島を襲った場合、海流に乗って日本、韓国などにも放射性物質が及ぶことが予想されます。
このように、いずれの国においても使用済み核燃料の最終処分に関する国民的論議は不可避です。何十万年もの期間、核廃棄物を管理し続けるという途方もない計画、これが実現可能であると一体誰がいえるでしょうか。
さらに、現在秘密裏に進められているのが、モンゴルでのCFS(核燃料一括活用サービス)構想です。ウランの採掘、精錬、輸出、使用済み核燃料の輸入、処理、埋蔵を一貫して行なうものです。アメリカ主導の下で、日本、モンゴル、UAE (実態は韓国がUAEに原発輸出をして使用済み核燃料の引き取りを密約している)がその計画を進めており、モンゴルでは今年の政権交代のどさくさに紛れ、核施設及び小型実験炉の建設予算が通過されました。
経済成長著しい中国やインドにおいても原発建設は急がれていますが、インドでは住民による反対運動に対する過激な弾圧が行なわれています。また、中国ではアメリカに肉薄する100基の原発を建設する予定ですが、それでも必要なエネルギーの7%にしかならないと言われており、世界の原発メーカーは中国への販売拡大に力を注いでいます。
マイクロソフト社の創始者ビル・ゲイツ氏は中国において新型原子炉開発の協議を行っています。アメリカで4基の原発建設をすることになったウェスチング・ハウス(WH)社を買収した東芝に莫大な私財をつぎ込み、小型で「安全」で廉価な新型原発をうたい文句に中国政府と契約をしました。韓国とも提携して中国への原発売込みに拍車をかけています。
(2)日本の原子力メーカーは政府の支援の下、原発輸出の拡大に全力をあげている
日本政府は「2030年代を目標に「原発ゼロ」を可能とするようあらゆる政策資源を投入する」と発表しましたが、再稼働・再処理を認め、青森県の大間や東通原発の中断していた工事の再開を認めるなど実質的には国内的にも原発体制の持続を図っています。自民党が政権を取ればさらにその動きは速まるでしょう。再稼働と再処理は日本の安全保障と関連し、核兵器の開発と表裏一体です。
そして、原子力プラントの輸出は日本の国策として3・11以降も継続されています。その中心を担うのは東芝・日立・三菱重工です。これらの企業は自然エネルギー開発の事業に関わりながらも、一方では世界最大級の原発プラントメーカーとして、特にアジアを中心として世界中に原発を建設しようと計画し、さらにウラン採掘にも手を伸ばしているのです。
しかも、日本も韓国も原発輸出国の核廃棄物を引き取ることを約束していますが、果たして実現可能なのでしょうか。さらに、輸出国で事故が起こった場合はいかにして責任をとるのでしょうか。日立、東芝は福島第一原発事故を起こした原子炉の納入業者でありながら製造物責任を問われることはありませんでした。しかしメーカーとしての責任を逃れることはできません。
また日本製鋼所 は「鋼と機械の総合メーカー」として全世界の原子炉圧力容器の80%のシェアーを占めており、事故を起こした福島第一原発の1号機から4号機までの全ての圧力容器を製造しています。日本政府は閣議決定でこれら原発メーカー、基幹部品メーカーの輸出を支援していますが、その「支援」は私たちの税金によって賄われているのです。
日本の原子力とエネルギー政策を決定するこの重要な時期に、原発輸出によって原発体制を維持、発展させようとする日本政府の方針をよしとするのか、また再稼働は、再処理は、そして核廃棄物の最終処分問題はどうするのか、これらの重要な諸問題に関して国民的な議論が必要です。
私たちは日本の原子力メーカーや関連する部品メーカーが、原発の輸出政策を採るのではなく、その優れた技術力、開発力を原発の廃炉技術開発や自然エネルギーを活用する装置・システム開発に注ぎ、人類の平和に貢献することを求めます。
日本政府は日本の高い技術を活用して世界の要望に応えて原発を輸出すると公言していますが、その要望がはたしてその国に住む人たちの要望であるのかは大いに疑問です。
日立はアメリカのジェネラル・エレクトリック(GE)社と組んでリトアニアの原発受注に成功しましたが、リトアニア国民の6割はこれに反対しています。発展途上国の人々は原発の「安全神話」を信じ込まされ、原発事故が起これば取り返しのつかない事態になること、放射能汚染がいかに深刻なものであるか、原発の実態を知らされないでいます。安全な原発など存在しないのです。
原発体制は、経済発展を口実に、利潤と効率を優先させ、労働者の分断、抑圧、差別、被曝と貧しい地域社会の犠牲の上に成り立つものです。原発増設は地域社会の民主化と逆行し、結果として地域社会を疲弊させ内在的な発展の芽を摘んできました。原発立地地域だけでなく、3.11福島原発事故によって放出された放射性物質は数10万人の住民の生活を破壊し、住民の避難を余儀なくさせ、関東圏においても食品の放射能汚染、ゴミ焼却灰の放射能濃縮など深刻な諸問題に直面させられています。私たちは、日本のみならず、アジアが、そして全世界が原発体制から脱することに全力を尽くし、人類が平和と人間性を回復することを願い、11月11日に【NNAA11.11宣言】を採択します。
(3)【NNAA Japan 11.11 宣言】
1.3.11福島原発事故にもかかわらず原発の再稼働・再処理、大間など新たな原発の建設を決定し、同時に原発輸出を強化する政策によって原子力産業の維持・発展を画策する日本政府の方針に対して、私たちはその是非を議論する、開かれた「場」を設けることを日本政府に求めます。
2.3・11福島原発事故に対して日本政府と東京電力の責任が問われていますが、私たちはその事故を起こした原発を製造・納入した日立、東芝、日本製鋼所にも責任があると考えます。原子力損害賠償法で原発メーカーの製造物責任は問われなくなっていますが、そもそもそのような原発メーカーの免責条項があっていいのでしょうか。私たちは改めて日立、東芝、日本製鋼所の法的責任を問います。
3.世界最大級の原子力プラント企業である日立、東芝、三菱重工及び、日本製鋼所が原発関連事業から撤退して、原発プラントの海外輸出を止めることを求めます。各社が蓄積してきた世界に誇る技術を原発の廃炉技術開発や自然エネルギーを活用する装置・システムの開発に向け、地域社会に貢献することを求めます。
4.私たちは日本、韓国、台湾それぞれの使用済み核廃棄物の最終処分方法を国民全体で議論し、ウランをモンゴルから購入する条件で廃棄物をモンゴルに持ち込む計画に反対します。
5.私たちは、原発体制が人類の生存を脅かすものと断定して、足下の地域社会の抱える問題を担いながら、国際連帯によって原発体制を一日も早くなくすべく、国際連帯による具体的なアクションを起こすことをここに宣言します。
(4)アクションプラン(今後取り組んでいく例として提示します)
@ 福島原発事故に関連した原発メーカーの法的責任の追及
A 原発メーカー製品の不買運動の展開
B 原発メーカーの問題、責任をマスコミやネットを通して市民に知らせる運動や署名活 動の展開
C 青森県の大間原発と六ヶ所村再処理工場の推進決定に反対する地元住民と函館の運動を支持し国際連帯する活動を展開
D モンゴルでのウラン採掘の実態を調査し、モンゴルに核廃棄物を持ち込むことを前提にしたモンゴルからのウラン購入に反対する。
E 台湾の欄嶼島(Orchid Island)での放射性物質の調査を徹底して行う現地の闘いを支持し、具体的な連帯の行動を起こす。
F アジアの国々に原発の実態、放射能汚染の恐ろしさを現地の言葉に翻訳した書籍や映像によって伝えるプロジェクトの立ち上げ
G 定期的な講演会、学習会の開催(海外との交流、セミナー開催)
H その他
2012年11月11日
NNAA-Japan 参加団体、参加者一同
連絡先:〒166-0003 東京都杉並区1-18-14
Facebook::http://www.facebook.com/groups/nonukesasia
HP: http://ermite.just-size.net/nnaa/NNAA.html#hpb-container
HP(英文):http://ermite.just-size.net/nucleare/
|
|