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上の黒いメニュー内の項目は基本的に
アルファベット順ですので、
hal-1) を見つけてクリック!
(あるいは、ここの hal-1) というリンクを
クリック!)

ロシアのウクライナ侵略をきっかけに
アメリカがHALEUを自国内生産しようと
しているとの、報道が少なからずあります。

しかし、
そもそもHALEUってなに?
HALEUには、強いproliferation risksが
つきまとうのでは??
といった疑問がおありと思います。

そうした問題を説明しようとするのが、
ページ シリーズ hal-x) です。

ページ hal-1) ではまず、
・ そもそもHALEUって?
・ HALEU市場をロシアが独占している現状
・ そこで、アメリカが ・・・
といった問題を説明しております。
HALEU推進の立場からの主張を、私の
日本語化で紹介しておりますが、
決して私自身の主張じゃありませんよ!
(対立する立場の主張も知っておかないと)

HALEUの問題点については、次回
hal-2) で取り上げます!

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HALEUに関するページを2つ、制作中

最近、特にアメリカから、HALEUの自国(アメリカ)製造に関する動向を耳にします。HALEUとは、おおざっぱに言って、LEU(低濃縮ウラニウム)の一種ではあるのだが「低濃縮」に分類される上限である20%近くまで濃縮された U のことですね。(既存の軽水炉用 U の濃縮度は 3-5%程度)

現時点ではHALEU供給をロシアが独占しており、ウクライナ侵略でロシアに経済制裁を実施しているものの、HALEUはロシアから買わざるを得ない ・・・ そんな事情による動きです。でも当然、proliferation 問題がつきまといますよね。

それに関するページです。しばしお待ちくださいませ。

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San Luis Obispoの反核団体の功績

Beyond Nuclear Bulletin
October 5, 2023号より

カリフォルニア州中部、太平洋岸から
少し離れたところに San Luis Obispo
という町があります。Yesというprog
rockバンドがお好きな方であれば、
この町での録音アルバムなどがある
ので、お聞きになったことがあるかも。

San Luis ObispoとDIablo Canyon

San Luis ObispoとDIablo Canyon

30年ほど昔、私もこの町に行ったこと
があります。Grey HoundバスでSFから
向かいました。バス ターミナルを出ると
とにかく山脈や牧場が連なり、牛や羊の
群れが歩き回っており、人の個体数より
羊の人口のほうが大きいんじゃ??
と思いました。
それほど、きれいな ”いなか町”
ですよ。

そんなきれいな町のそば、沿岸に原発を
建てるのは ・・・ それが困った
ことに、Diablo Canyonという原発が
あるのですよ! カリフォルニアも、
ご存じのように地震が多い地域ですし。
津波が来たら、どうするんだろう?
でも、その原発を監視する地元の
お母さんたちやその他メンバーによる
団体もあって、優れた仕事をして
らっしゃる、という記事です! その
団体、なんとDiablo Canyon原発が
できるずっと以前、1969年から今も
活動を続けてきてらしゃるんです。

Watching you! 私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

Watching you!
私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
**************************
カリフォルニア州のディアブロ
キャニオン原発の脆弱さ
NRC委員、スタッフに問題を
突き返す

カリフォルニア州中部太平洋岸そばに
ある町サンルイス オビスポにある
San Luis Obispo Mothers for Peace
<「サンルイス オビスポ 平和のため
の母親連合」> と Friends of the
Earth <日本ではFoE> とは、同地
太平洋岸にあるディアブロ キャニオン
原発を長年監視し警告などを発して
きている。この両団体は連名でアメリカ
のNuclear Regulatory Commission
<原子力規制委員会、NRC> 委員に対し
同原発1号機の即時停止を求めていたが
それに対するNRCの返答に対し両団体
が反応を示した。両団体では、原子炉
圧力容器 (RPV) の中性子脆化
<下記参照> のレベルを検査するよう
求めている。加圧熱衝撃が加わると、
RPVの壁部に亀裂が発生する場合があり
そこから炉心のメルトダウンや放射性
物質の大量漏出などを招く危険性が
ある。ディアブロ キャニオンの1号機
は、全米の原子炉の中でも3番目に
脆弱だ。これ以上に脆弱なのは2つだけ
<ミシガン州のミシガン湖畔にあり、
1971年に稼働開始した老朽原発である>
パリサデス原発、そしてウィズコンシン
州にありやはりミシガン湖に突き出て
いるポイント ビーチ原発2号機だけだ。
NRCの委員たちはこの問題をNRCの
スタッフにつき戻したが、スタッフたち
はもう何十年もこの問題を
無視してきた。
*************************************

しっかり見ている人がいないと ・・・

しっかり見ている人がいないと ・・・

Bulletin自体には Read Moreというボタン
があって、それをクリックすると下記の
ウェブページが登場します。
Beyond Nuclearのウェブサイトではなく、
Mothers for Peaceという別団体のサイト
ですので、勝手に日本語化できません。
NRC Commissioners Fail to Take Action on Critical Safety Issue at Diablo Canyon (mothersforpeace.org)
でお読みになれます。

中性子脆化
エネルギーの高い中性子を鋼鉄やその
合金などに照射すると、結晶格子中の
原子の一部がはじき出されますよね。
そうすると、その鉄の ”柔らかさ /
粘り” が低下し、さらに固くなる ⇒
脆くなる、という結果を招きます。
つまり、亀裂が生じたりしやすくなる
のですね。原子炉の壁は大変分厚い
鋼鉄などでできていますが、原子炉で
ある以上は中性子線を壁が浴びるので、
この中性子脆化がつきまとう問題に
なります。

やれやれ~~ 私の10分クロッキー

やれやれ~~
私の10分クロッキー

San Luis Obispo Mothers for Peace
さんやFriends of the Earthさんは、
こうした技術的な問題までNRCに指摘
してらっしゃるわけで、大したもの
だと思います。
2011~12年ごろには日本で市民の
皆様が自発的に立ち上げた反原発団体
などが多数あり、私も誘われて
出席したことがありましたが、中性子
脆化のような技術的問題への言及を
(講師ではなく)一般会員の方々から
は、聞いたことがありませんでした。
反省点の1つでしょう。
(上の黒いメニューでは項目を基本的
にはアルファベット順に並べて
いますが、その最初の方にある
ページ a-4) 参照)

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ロシア、ザポリージャ4号機をホットに

ウクライナのオンライン新聞
Ukrayinska Pravdaのウェブサイトより
Russia puts power unit 4 of Zaporizhzhia nuclear plant on hot shutdown, increasing likelihood of accident (yahoo.com)

Russia puts power unit 4 of Zaporizhzhia
nuclear plant on hot shutdown,
increasing likelihood of accident
(ロシア、ザポリージャ原発の4号機を
ホット シャットダウンに: 事故の
リスクが高まる)

やっぱりね ・・・ って感じですね。
ロシア軍のやりそうなことですよ。

なお、ホット シャットダウン(「温態
停止」と日本語では呼ぶそうですが、
この日本語自体が分かりにくいですよね)
とコールド シャットダウン(「冷態
停止」)については、以前にも本ウェブ
サイトで短く説明しましたが、
ATOMICAにも説明があります。
温態停止 – ATOMICA – (jaea.go.jp)

概略図

概略図

では、例によって
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

Ukrayinska Pravda
2023年10月4日
***********************************

ロシア軍が、ザポリージャ原発(ZNPP)
4号機をコールド シャットダウンから
ホット シャットダウンに切り替えた。
これにより、放射線漏出事故が発生して
しまう可能性が増大している。
ウクライナ国営の核エネルギー公社
Energoatomの発表による。

ソース: EnergoatomによるTelegram
<というロシアのソーシャル メディア>
での発表

Energoatomによる発表の引用:
「一次的にロシア軍に占拠されている
ザポリージャ原発で、侵略ロシア軍が、
それまでコールド シャットダウン状態
であった4号機をホット シャット
ダウンに切り替えた。だがIAEAに
よれば6号機はホット シャットダウン
状態であったものをコールド シャット
ダウンに移したそうだ」

故障が増加 ・・・

故障が増加 ・・・

詳細: Energoatomの Petro Kotin
社長は、ロシアがこうした状態切り替え
を行ったため、同原発の安全に欠かせ
ない設備やシステムが必然的に劣化して
しまうと力説している。

「この切り替えのため、機器の故障が
増加してしまうだけでなく、放射線漏れ
事故に至る危険性も増えた」 と、
Kotinは強調している。

同社長によると、原子炉稼働の許可要件
をしっかりと順守することが、原発の
安全稼働や職員の安全、周辺住民や環境
の保護のためのカギとなる。

さらにKotinによれば、「そうした許可
要件はウクライナの法令や規則だけで
なく、国内外での長年の原発稼働実績
にも基づいて定められているものだ」

ザポリージャ原発の各原子炉の稼働に
関する国家核規制監査局(State
Nuclear Regulatory Inspectorate)に
よる許可要件は今年6月に改定された
のだが、それによればザポリージャ
原発の原子炉はすべてコールド
シャットダウン状態に保たねばなら
ない。ホット シャットダウン状態に
切り替えると危険が増すので、
禁じられている。

Energoatom の説明によると、
ザポリージャ原発の稼働に関しては
こうした要件の改定がなされたのは、
同原発をロシア軍が占拠して以来
今まで、質の高いメインテナンス作業や
必要とされる定期的な機器修理が
タイムリーに実施されてこなかったこと
を受けてのことだ。

そのワームアップ、あきまへん!

そのワームアップ、あきまへん!

 

さらにEnergoatomによると、ロシア軍
の行動のためすでに緊急事態が幾度も
発生してきている。特に4号機では、
放射能を帯びた冷却材(軽水)の漏出が
一次冷却系から二次冷却系にかけて発生
していた。過熱のためだ。放射性物質に
よる汚染拡散を防止するための防御策の
1つに対する違反である。.

ロシア軍は6号機を「ワームアップ」
しようとしたことがあり、その際にも
同様の事故が発生していた。ロシア軍
の行為のため、同原発現場での放射性
廃棄液体の量が大幅に増大、原発職員
にも周辺住民にも環境にも害を及ぼす
危険性がある。
***********************************

イカレてるわ~~ 私の20分クロッキー

イカレてるわ~~
私の20分クロッキー

ウクライナ側からの報道ですから、
本来ならロシア側からの情報と照らし
合わせる必要がありますが ・・・
このところ、ロシアからの発表には
明らかにイカレタものが多くて~~

放射性物質の漏れが既に発生していた
との報道内容ですが、こんな大問題を
日本語メディアはあまり報じていない
ですよね。
そうした日本語メディアの「悪癖」の
ようなものもあるので、核(兵器も
発電も)の廃絶を目指す皆様は、
日本語以外の各種情報にも目を光らせて
おく必要がありますよね。
でも、
「そうしたいけど、日本語でしか
ニュースが読めない」という方々も
いらっしゃることと思います。そこで、
「やかんをのせたら~~」では、国外の
ニュースの日本語化も頻繁に行っている
のですね。

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ニジェール、ウラニウム価格をkgあたり $0.80から200ユーロに大幅引き上げ??

The Deep Dive (というニュース
ウェブサイト)
Niger Boosts Price of Uranium to €200 Per Kilogram From Just $0.80 | the deep dive

Uranium Niger Boosts Price of Uranium to
e200 Per Kilogram from Just e0.80
(ニジェール、ウラニウム価格をkgあたり
0.80 ユーロから200ユーロに大幅引き上げ)

September 13, 2023

金 食い虫だよ

金 食い虫だよ

3週間ほど前の記事ですが、値上げ幅が
凄まじいので紹介しておきます。
同時に、値上げ率があまりにも大きい
ので、うのみにして良いのかどうか、
疑わしくもあります。
10月6日 朝6am JST時点での為替
レートは
euro = 156.59 yen
でしたので、おおまかに
125.2 yen から31,320 yen へと、約250
倍の破壊的な値上げですよね。
(もっといえば、原発大国フランスは、
今までニジェール産ウラニウムを相場
外れのとんでもない安価で入手、
フランスの原発を動かしていたわけ
ですね)

上の黒いメニュー(項目は基本的に
アルファベット順)にあるページ s-0)
などで、私は「ウラニウム価格だって、
世界情勢や市場動向に応じて変動する」
と申しました。
だから、「石油や天然ガス価格が
上がって電気料金が高騰している ⇒
原発再稼働しろ」という現時点で日本の
巷にはびこっている主張は、おかしいと。
エネルギーのセキュリティを本気で
求めるなら、再生可能エネルギーと蓄電
とを進めてエネルギーの地産地消を
目指すべきだ、と。(付録 w-14) 参照)

それに対する反論として、すぐに考え
られるのは:
「いや、原発はコスト中での燃料費の
比率が極めて小さく、大まかに5%程度
なので、ウラン価格による電気料金の
影響は小さい」
というものでしょう。

でも:
★ 今回の「とんでもない大幅値上げ」
が事実である場合、さすがに原発からの
電気料金にも影響が出ないわけでは、
ありますまい。
★ そもそも「燃料費比率が小さい」
のは、原発の燃料以外のコストが巨大
だからです。
★ 言うまでもなく、ウラニウムは強度に
戦略的物資です。価格だけが問題なの
ではなく、その他世界情勢や軍事的動向
などが大きく影響します。(その実例と
して、現在アメリカがHALEUの自国内
製造を目指しております ― 詳しくは、
後日)

戦略に振り回される現実

戦略に振り回される現実

今日のところは、まずはニジェールから
のウラニウム価格急騰の報道記事を。
異常な話だと私は思うのですが、
まずはそのまま日本語化して紹介
しますね。

例によって
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
***********************************
世界のウラニウム市場では主要
プレイヤーの1つであるニジェール。
そのニジェールが、とんでもない手に
打って出た。ウラニウム 1kgあたりの
価格を、なんと€0.80から€200へと
大幅に引き上げたのだ。これは
ニジェールの経済だけでなく、国際
関係や世界のウラニウム市場に大波を
もたらす動きだ。

歴史的にみると、ニジェール産
ウラニウムを主に購入してきたのは
フランスであり、アフリカのこの地域
でのウラニウム価格にはフランスが
強力な影響力を行使してきた。今回の
値上げ以前にはフランスはニジェール
産ウラニウムの価格をkgあたり€0.80
に設定しており、これは世界の
ウラニウム市場での価格よりもかなり
低いものであった。他国産の
ウラニウム、例えばカナダのものは
今回の値上げ後と同様にkgあたり
€200 であった。

電気代 ⇒ エアコンつけない ・・・ U価格が高騰しても、このパターンは起こりえる

電気代 ⇒ エアコンつけない ・・・ U価格が高騰しても、このパターンは起こりえる

 

値上げの理由
ニジェールがウラニウム価格を世界
市場の相場に合わせることに踏み
切ったのは現実的・経済的な動きだと
ニジェールに本拠を置くニュース報道
機関The Spectaclesは報じている。
この価格変更により、ニジェールに
とっては収入が大幅に増大し、重要な
インフラストラクチャー プロジェクト
や社会開発計画への投資が可能になる。
さらに、ニジェールのウラニウム資源
がもたらす利益を、ニジェールが本来
受け取るべきシェアで受け取ることが
確実になる。

自国産ウラニウムの価格を国際市場
での価格に合わせることで、ニジェール
のウラニウム資源は適正な評価を得る
ことになる。それまでの €0.80/kg と
いう価格は、ウラニウム資源としては
あまりにも安価で、世界市場でのある
べき価値を表していないとも、
The Spectaclesは述べている。

フランスはニジェール産ウラニウムを
大量に消費しているが、今回の値上げ
については憂慮を表明する可能性が
ある。だがThe Spectaclesによれば、
この値上げをきっかけに、フランスは
ニジェールとの公正な取引条件を
再考し「より公正な長期的関係」を
打ち立てるべく交渉を始めることが
できる。

何で、こない値段が違うねん??

何で、こない値段が違うねん??

注意すべき点として、フランスの
核発電の20%はニジェールからの
ウラニウムによるものとされており、
2022年には1,440トンのウラニウムを
ニジェールから輸入していた。 同年の
ニジェールによるウラニウム生産量
2,020トンの過半数を占めていた。Kg
あたり€0.80 という価格では、フランス
が支払ったウラニウム代金は合計で
€120万と推定されている。今回改定
された価格だと、この金額は跳ね上がり
€2億8,800万になる。

自国産ウラニウム価格を国際市場相場
に合わせようという今回のニジェール
の決定により、世界のウラニウム市場
全体に波紋が及ぶ可能性もある。他の
ウラニウム輸出諸国の価格設定戦略や
交渉のあり方にも影響を及ぼし、価格
決定慣行の公正化のための先例となる
可能性がある。

ニジェールとその以前の宗主国
フランスの間の関係が緊迫しているが、
その緊迫化が始まったのはこの7月の
クーデターの時であった。そのため、
モハメド バズーム大統領の追放劇と
なった。フランスのエマニュエル
マクロン大統領はハッキリとその
クーデターを非難、この地域での脅威で
あるだけでなくより広域に影響を及ぼし
えると主張していた。

これからどうなるの?? 私の20分クロッキー

これからどうなるの??
私の20分クロッキー

ニジェールの現在の軍部政権に対しては
国際社会からの制裁が実施されており、
それを受けフランスの核企業グループ
Orano SAはニジェールにある同
グループの施設の1つでのウラニウム
鉱石処理を一時停止すると発表した。.

そのため、Oranoはニジェール以外の
ウラニウム産出諸国への依存を高め
ないとならなくなりそうだ。たとえば
カザフスタンやカナダ、
オーストラリアなどだ。
*********************************

それにしても、日本語メディアでは
このU価格大幅正常化の件はあまり報道
されておらず、
「石油やガス価格上昇中 ⇒ 原発再稼働
を」といった主張は見かけますよね。
いったい、どういう見識なのでしょう、
そうした日本語メディアは??

では、近いうちにHALEU問題に
ついての報道も紹介しますね。

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Bulletin of the Atomic Scientists、サウディのU濃縮はやめるべき

Bulletin of the Atomic Scientists
https://thebulletin.org/2023/08/there-should-be-no-saudi-uranium-enrichment/

下の2023年9月24日付記事で、
サウディ アラビアでのアメリカ技術に
よるU濃縮をイスラエルが容認するか
否か、というかなり深刻な問題を紹介
しました。中東の平和に強くかかわる
問題でして、しかも日本は原油での中東
依存率が極めて高いとエネ庁も認めて
いる
日本のエネルギーと中東諸国~安定供給に向けた国際的な取り組み|エネルギー安全保障・資源|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
のに、日本語メディアがこの問題を
あまり紹介していないのは、どういう
ことなのでしょうかねえ??

もう時間が・・・

もう時間が・・・

このU濃縮計画について、「終末時計」
で有名な Bulletin of the Atomic Scientists
には、すでに2023年8月28日付で
批判が発表されていました。
Victor Gilinskyさんという物理学者による
もので、彼はフォード、カーター、
レーガンの各政権時にアメリカの原子力
規制委員会のコミッショナーを務めて
いました。

それを、いつもどおり
私の抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
でお届けしますね。

*****************************

よくわからぬ交渉

よくわからぬ交渉

中東の安全保障のための「グランド
取引」をアメリカが進めており、それが
話題として関心を集めている。その取引
の主眼となっているのが、イスラエルと
サウディ アラビア間の国交正常化だ。
今の状況にあってジョー バイデンが
この取引を進めている真意は、明らか
ではない。言うまでもなく、この取引の
目標とは中東での平和という今までに
実現したためしのない理想の追求に
関連したものだ。だがどうも、この
取引の真意は中国の影響力からサウディ
を遠ざけることにあるのでは、と
思われる節がある。1つ明確な事実と
して、バイデン政権の担当者たちは
上院でのロビー活動に躍起で、サウディ
のモハメド ビン サルマン皇太子から
のかなり無理な要望の一部を認めさせ
ようと努めている。そうした要請の
1つとして、皇太子はサウディでの
ウラニウム濃縮技術の利用を求めている。
表向きは、将来のサウディの原発で使う
燃料を確保するためだ。確かに、
ウラニウム濃縮は核燃料製造の中の
ステップの1つだ。同時に、核兵器
製造のための2種類あるプロセスの
1つでもある。

好きなようにさせてはおけない

好きなようにさせてはおけない

 

恒例のように、「現実主義者たち」の
主張では、パートナー諸国に対しては
あまり厳格に対応すべきではない。
サウディの核に対する食指をアメリカ
が拒否してしまうと、ロシアや中国が
割って入ってしまい、アメリカの中東
での影響力は低下してしまうだろう。
だがそうした「現実主義的な」外交
政策の今までの実績を見ると、決して
その成果は優れたものではない。
この皇太子の不当な要求をそのままに
しておくのは、危険がありすぎる。

同皇太子は、<元は> 民生用の
核エネルギー プロジェクトであっても
他に転用する可能性を恥ずかしくも
なく明言していた。2018年のCBS
Newsでのインタビューでのことだ。
彼はこう述べた。「サウディ
アラビアは、核爆弾を一切手に入れ
たくはない。だがもしイランが
核爆弾を開発した場合には、可能な
限り早急にサウディもそれに続く。
これは、疑いようのないことだ」
そうした事態になって、核開発を行う
日が来るのを待っているのだろうか?
国際的なシステムによってイランの
核兵器開発をやめさせるという選択に
ついては、皇太子は全く言及して
いない。すぐにでも核兵器開発に
転用できるような核エネルギー
プログラムを彼は望んでいるのだ。

どこを探しても、見つからない・・・

どこを探しても、見つからない・・・

 

まあ、皇太子の核関連の計画は、
そうした露骨なものだけではない。
彼の発言によれば、国内のウラニウム
を使用したいそうだ。サウディ国内
には、大量のウラニウム鉱山がある
という。それを使用して民生用原子炉
の燃料としたいようだ。国内で核燃料
を製造したいので、濃縮技術が必要
なのだ、という。だがそうした
サウディの主張とは裏腹に、実は
同国にはウラニウム鉱山はあまりない。
最近の報告書いくつかによれば、
地質学者のチームがウラン鉱脈を探す
べくサウディに送り込まれたのだが、
全く成果なく戻って来たそうだ。だが
それでも、この皇太子は濃縮への関心を
失ってはいない。この事実だけからでも
彼の真意が窺える。そしてその真の
意図に基づき、彼はアメリカの支援を
求めているのだ。他国からそうした
強力な嫌疑の目を向けられていること
に当惑したサウディは、対応として
核施設などの監視をある程度強化して
くれても構わないと言い出した。
皮肉なことに、アメリカ議会が多少
顔をしかめながらも、こうした監視
強化策を承認してくれることを
サウディは望んでいる。

人間の都合だけで、おかしなことを始めるな!

人間の都合だけで、おかしなことを始めるな!

 

アレコレ制限のついた濃縮でもよい
から濃縮をこの取引に含めよと
サウディが固執しているのだが、
だからといってアメリカとサウディが
それから「ワンツースリー(123)」
で核協力を進めていくとは限らない
じゃないか、と考える読者諸氏も
おられよう。(アメリカとサウディが
実質的な核関連の通称を始めるには、
アメリカのAtomic Energy Act
<核エネルギー法> の第123条に準拠
せねばならない。 こんなことは常識
なのだが、アメリカ政府での核関連
政策という問題になると、こうした
常識があてにならない。強力なロビー
団代が議会で蠢いており、何年間も
原子炉の中東への販売許可を求め、
さらにそのための巨額の補助金を
催促している。エネルギー相や
国務省もそれを支持しており、
国際的な safeguards <転用防止策>
で民生用核エネルギー施設の転用を
防げるはずだと主張している。核
エネルギー政策での公式な方針とは、
いまだに <1953年の> Atoms for
Peace, <核の平和利用> なのだ。
アイゼンハワー大統領が <国連総会
での>演説でそれを提唱した時以来、
変わっていない。思い返していただき
たいのだが、ジョージ W ブッシュ
前大統領 <在任2001年ー2009年>
はイランの発電用原子炉についてさえ
それ自体は全く適正なものだと述べて
いた。

わけわからないけど、とにかく使うって~~

わけわからないけど、とにかく使うって~~

これが実に問題なのだが、アメリカ議会
には、核技術を正しく理解している
人間は、ほとんどいない。安全だ、
炭素排出のないエネルギー源だ、と
いった核推進勢力の主張を聞いて、
舞い上がってしまうのだ。特に、
「小型」や「モジュール式」、
「改良型」といった形容詞を耳に
すると、真に受けてしまうのである。
国際情勢を議会で論じるにしても、
「核エネルギーにおけるアメリカの
競争力を回復する」以上の話し合い
は、ほとんどなされない。

さらに国際的なsafeguardsつまり
IAEAによる監査システムには限界が
あることについても、理解はほとんど
見られない。(たとえば、サウディが
何か <IAEAの> ルールを破った場合、
現実にはどこに訴えられるという
のか?) サウディ アラビアは
あらゆる方策を講じて自国の
safeguards関連の任務を最小限度に
抑えようと努めてきているが、
ここからも同国のIAEAに対する姿勢
が窺える。そうした最小責任という
方策そのものは、確かにIAEAの要件
に違反するものではない。だがある
国が自国の核発電が非軍事目的である
ことを実証したいのであれば、
proliferation<民生用核技術や物質が
核兵器にあくっ用されてしまうという
意味での、核拡散> 防止対策にもっと
積極的に協力するべきだ。

この点で、2008年のアメリカとインド間
で締結された民生用核合意を忘れては
ならない。大統領も議会も中国に対抗
するうえでの同盟国が得られる、しかも
何十基も原子炉を販売できるという
展望に浮かれてしまうと、アメリカの
国際的な核政策が脱線してしまいかね
ない、。という実例がこの核合意
だったのだ。このインドとの核合意は
核比較さん条約に横穴を開ける結果と
なり、しかも原子炉の販売は1つも
実現していない。.<この合意以前
には、インドの核実験を受けアメリカ
はインドへの核技術や核物質の輸出
などを制限していました。しかしこの
合意の結果、ウラニウム濃縮や
プルトニウム抽出に転用できる技術を
インドに提供できる結果になって
しまったようです>

取引の裏表

取引の裏表

サウディも、アメリカに減速に関する
妥協をさせることが可能だと分かって
いる。最近も、人権や石油価格に
関してアメリカ大統領に苦汁を飲ま
せた。<石油価格と引き換えに、
人権問題での妥協がありましたよね。
英語報道ですが、
Oil vs human rights: Biden’s controversial mission to Saudi Arabia | Financial Times (ft.com)
参照>  したがって、第123条に
基づく合意であっても、ウラニウム
濃縮を認めさせたいという姿勢を
弱めることはなさそうだ。ホワイト
ハウスはそれを受け入れるための
方策を探すだろうが、同時に何らか
の製薬、もしくは製薬のように
見える規定を取り入れるだろう。
たとえばパレスティナ人の人権の
ような「甘味料」を取引に加える
のだ。それに騙され、上下院の議員
たちもこのアメリカとサウディ間の
合意にウラニウム濃縮を受け入れる
というわけだ。

だれか、とめてくれ!

だれか、とめてくれ!

 

それを妨害するのは、誰だろうか?
共和党では、ありえない。共和党は
ソモソモ、サウディのことが好きだ。
唯一考えられる妨害者として、
イスラエルがいる。サウディとの
合意がウラニウム濃縮を含む場合、
イスラエルがそれに反対する可能性
があるのだ。イスラエルの野党指導者
Yair Lapidが、最近イスラエルを
訪問したアメリカ民主党の議員団に
対し、サウディでのウラニウム濃縮を
含むサウディとイスラエルの外交関係
正常化取引には反対すると告げた。
そうした濃縮が行われれば、
イスラエルの安全保障上にとって有害
となりえるためだ。だが今までの
ところ、イスラエル政府つまり
ネタニヤフ首相からの応答が、
あいまいなのだ。

誰かが、立ち上がる必要がある。
アメリカはサウディでのウラニウム
濃縮にノーというだけでなく、
そもそもサウディ アラビアにある
原子炉という事実そのものを考え直す
必要がある。サウディに原子炉があり、
しかも同国は使用済み核燃料から
プルトニウムを抽出する再処理施設も
欲しがるのは確実だ。この両者が
そろえば、<ウラニウム型ではなく>
もう一種の核兵器つまりプルトニウム型
を作る道が開かれてしまう。

こんな場所に原発があっては ・・・

こんな場所に原発があっては ・・・

 

中東には、常に紛争の火種が絶えない。
そんな地域に、原子炉はあってはなら
ない。中東では既に今まで、原子炉が
空爆の標的とされたことが幾度も
あった。ロシア軍がウクライナの
ザポリージャ原発を占拠したが、それに
よって安全面での問題が発生している。
その現実からも、我々は学ぶべきだ。
紛争の危険性がある地域には、原子炉は
あってはならない。

今回のアメリカとサウディ間の合意に
対する最終的な反証とは、この皇太子
その人なのだ。彼は王位継承権を有し
すでに実質的には王である。その彼が
ウソつきで忌まわしい殺人者なのだ。
サウディ アラビアは現代的な国家の
ような体裁をしているが、実は
原始的な国家であり、王の権力の
乱用を防止できるようなチェックが
できない。王が法を定め、王の命令
がルールとなり、最高裁判官も王で
ある。英国の王が13世紀に放棄した
権力を、サウディの王はいまだに保持
している。サウディ アラビアが核
エネルギーを利用しても安全な国家に
なるまでには、長い道のりがあるのだ。
***********************************

地域の安定性や民主制も、核発電を
利用するための必須条件だとする主張
は納得できますよね。日本に暮らす人
であれば、「将軍様王朝」という独裁
国家の核兵器が常に不安の種になって
いますもんね。
ただ、日本自体もはたして原発を
再稼働できるだけの安全で民主的な
国家なのか、常に私たち市民が目を
光らせていませんとね。

実は、分からないの~~ 私の20分クロッキー

実は、分からないの~~
私の20分クロッキー

それと、アメリカ議会で核技術を
正しく理解している人が極めて
少ないという指摘、この著者自身が
アメリカのNuclear Regulatory
Commissionのコミッショナーを長
年務められた方だけに、悪寒が走り
ますよね。日本の政界にも、「新型
の小型原子炉なら、メルトダウン
しない」とSMR導入を提唱して
いた幹事長がいましたよね。
上の黒いメニュー(項目は基本的に
アルファベット順)で、ページ s-0)
をクリック!

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付録 w-14) を追加

付録 w-14) をアップロードしました。
オーストラリアのCSIROによるエネルギー
種類別発電コスト分析を紹介しています。

上の黒いメニュー(基本的に、項目は
アルファベット順に配列)で、
付録 w-14) を見つけてクリック!

CSIRO自体のウェブサイトにある情報を
紹介しておりますので、英語のリリース
などを読める方々は、
元のテキストを
https://blog.csiro.au/2020-gencost/
でお読みください。

「それは、しんどい!」という方々のため、
付録 w-14) で私が日本語化して紹介して
おります。

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再生可能エネルギーがコスト最小 ・・その根拠

オーストラリア最大の石炭火力発電企業
であるAGL エナジー社が、今後の選択肢
の1つとしての核発電を笑い飛ばし、
再生可能エネルギーを選んだという
記事をHOMEで紹介しました。

右の「アーカイブ」下にある
2023年9月をクリック ⇒
9月28日の
オーストラリアの石炭企業、核発電を笑い飛ばす
をご覧くださいませ。

そこで
AGLエナジーの決定の根拠となった
CSIROによる発電コスト比較を
紹介する固定ページを
付録 w-14)
として作成中です。

アップロードするまで、しばし
お待ちくださいませ。

英語のリリースをお読みになれる方は、
上記の固定ページを待たずに
https://blog.csiro.au/2020-gencost/
をお読みくださいな。

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オーストラリアの石炭企業、核発電を笑い飛ばす

↓ 9月26日に日本語化した Nuclear-
free, carbon-free! の元の英語ページ
にあるRead Moreをクリックした先に、
関連してオーストラリアの石炭企業が
核発電を笑い飛ばした、という記事が
ありますよね。
日本ではなんやら「原発は費用が少なく
て済むので、再稼働を増やせば電気
料金が下がる」という、将来を考えない
主張が巷にはびこってます。既存の
原発の稼働期間を延長して再稼働したと
しても、10~20年先には廃炉作業が
始まるので、核発電に固執するなら
新たな原発を建てることになります。
その費用と、再生可能エネルギー
(と電力の貯蔵施設や新たなグリッド
建設も含めた)の費用を比較したうえ
で、どちらが低コストなのか?将来を
考えるなら、必ず考えないといけない
問題ですよね。

笑うしかないわね~~ 私の点描練習

笑うしかないわね~~
私の点描練習

 

この問題との関連で、オーストラリア
最大の石炭火力企業が、今後の選択肢
として核発電を笑い飛ばし、再生可能
エネルギーを選んでいる ・・・
そんな記事です。

RenewEconomy(2012年に始まった、
グリーン エネルギーへの移行を説く
オーストラリアのウェブサイト)の
Clean Energy News and Analysisと
いうセクションより
Too expensive, too slow: Australia’s biggest coal generator says no to nuclear | RenewEconomy
(費用も工期もかかる ― オースト
ラリア最大の石炭火力企業、
核発電を拒否)

いつもどおり、
私による抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

金 食い虫だよ

金 食い虫だよ

 

****************************
Giles Parkinson記者
2023年8月10日

オーストラリア最大の石炭火力発電企業
であるAGL エナジー社がまたも、現存
する石炭火力に変わるオプションと
しての核発電を拒否した。しかも今回は、
強烈な拒否である。.

AGL社からのそのコメントが発表された
とき、おりしも全国の核推進イデオ
ローグたちや保守系メディアが連帯して
再生可能エネルギーに反対し核発電を
推すキャンペーンを展開していた。
その連帯のエネルギー担当スポークス
マンであるTed O’Brien は、石炭火力
の廃止を先送りにし、同じ敷地にSMR
<上の黒いメニューでページ シリーズ
s-x) を参照、メニュー内項目は基本的
にアルファベット順> を設けよと呼び
かけている。

オーストラリアでの反原発主張は本質
的に、コストと工期に根拠を置いて
いる。核エネルギーの崇拝者として最も
熱心な一人である前チーフ サイエン
ティストであったAlan Finkelでさえ、
SMRはあまりにも経費が掛かりすぎ、
しかも工期が長すぎると述べている。

Finkelに限らず、SMRという技術は
まだ商用化ができておらず、最初の
パイロット発電所もこの2020年代終わり
までには稼働できそうにない。気候変動
対策の目標を達成したいのであれば、
<炭素の> 排出を削減するため再生
可能エネルギーと蓄電施設を2020年代末
までに実現すべきだ。

 U235濃縮、原子炉の冷却、使用済み核燃料の冷却 どれも、大いに電気を食う

U235濃縮、原子炉の冷却、使用済み核燃料の冷却
どれも、大いに電気を食う

 

オーストラリアのエネルギー業界も
核発電のキャンペーンには首を横に
振っているのだが、マードックの所有
するメディア コングロマリオットが総体
となって核発電推進キャンペーンを展開
していることに押され、核推進に惑わさ
れつつある。再生可能エネルギーが却下
され、ソーシャル メディアに限らず
主流メディアにおいてさえ、誤情報の
キャンペーンが異常なまでに展開されて
いるのだ。

AGLはこの4月に <オーストラリア
南西部にある> ニューサウス
ウェールズ州にあるその老朽化したよぼ
よぼのLiddell発電所を閉鎖したのだが、
その際に同社CEO の Damien Nicksは
上記の連帯による同石炭発電所の延命と
SMRに置き換えよという要請を笑い
飛ばした。

その際に同CEOは、頭を横に振り
ながら「ノー」と答えた。そして、
その場を離れた。

Then he walked away ---

Then he walked away —

 

<2023年8月9日の> 木曜日、
同社の年次業績を発表した際、AGLは
2か所の残っている石炭火力発電所で
ある Bayswater と Loy Yang A に
代えて12 GWの新規風力発電所、
太陽光発電所、ならびに蓄電施設を
設ける計画をアップデートした。今後
10年以内に実現される見込みだ。その
際、同CEOは核発電を採用しない
という判断を繰り返し述べた。

「AGLとしてはあくまで再生可能
エネルギー施設と常時稼働パイプライン
の開発に集中しており、核エネルギーに
投資する計画は皆無だ」
RenewEconomy宛にEメールで送信
された声明で、Nicksはそう述べている。

「オーストラリアの法律は核エネルギー
の開発をサポートしていないし、原発の
工期や経費、そして世論もすべて
核エネルギー開発には否定的だ」

核エネルギーを推す動きにはやはり、
気候変動に関する動きを歪曲し化石燃料
業界を守ろうとする狙いが絡んでいる。
この10年以上、そうした傾向が顕著だ。

送電グリッドに関するある種の見解も、
これに関与している。つまり、信頼性の
高い電力供給を実現するには、「ベース
ロード」電力が必要だというものだ。
だがオーストラリアの電力市場で稼働
している事業者や電力業界によれば、
安定した電力供給に必要なのは柔軟性と
常時供給能力なのだ。

アメリカの原子力規制委員会 (Nuclear
Regulatory Commission) の前委員長で
あったAlisson Macfarlaneがすでに
核エネルギーとSMRにともなう多数の
問題を指摘しているのだが、それは次の
リンク先に紹介している。 this piece here
<2023年9月24日 JST現在、この
リンク先は開かなくなっていました。
なぜ??>

あくまで、説明のための略図です SMRは地下に建造しえるので ・・・ s-3) の3枚目の図、再掲

あくまで、説明のための略図です
SMRは地下に建造しえるので ・・・
s-3) の3枚目の図、再掲

 

Macfarlaneの主張によれば、
核エネルギー技術を支えているのは
イデオロギーだけであり、「技術や
体質の」放任文化の産物である。本
ウェブサイト <RenewEconomyの
こと>  にある記事の中でも、この
Macfarlaneの指摘は、昨年もっとも
閲覧数が多くコメントも多数集めた
記事の一つでもある。

さらにMacfarlane によれば、SMR
技術を利用しても<二酸化炭素など
の> 排出削減には、あまり役立たない。
そもそも、SMRの推進勢力もこうした
削減を主な動機としてきたわけでは
ない。オーストラリアでの上述の連帯の
<化石燃料を延命せよという> 主張を
見れば、<排出削減を念頭に置いて
などいないということは> 明らかだ。

だが最大の問題は経費で、これはもう
何十年も昔からそうだ。Macfarlaneに
よれば、推定経費の金額は既に当初の
2倍に膨れ上がっており、今後もさらに
膨張を続ける見込みだ。しかもそうした
推定では、廃棄物の増大という問題や
そのリスクを含んでいない。

(  -_-)""> イカれてますなあ・・・

( -_-)””> イカれてますなあ・・・

 

これは、実に皮肉な話だ。上述の「連帯」
は、費用増大のプレッシャーに対抗する
ためには核発電こそがソリューション
なのだと主張してやまない。もっとも、
どのようなエネルギー源と比べても、
明らかに核発電こそずば抜けて経費が
かさむ代物なのだが。最近、電気料金が
高騰しているが、その原因は化石燃料
業界が価格を釣り上げていることにある。

それを理解すれば、ソーシャル メディア
<SNSのこと> や主流派メディアが
再生可能エネルギーを悪魔扱いして譲歩
しないことも、理解できる。役に立た
ないとか、化石燃料の助けなしには稼働
できないといった主張を広め、各種技術
の費用に関するAEMOやCSIROによる
評価の基盤を誤りだと喧伝している。.
<AEMO: Australian Energy Market
Operator、60%政府支出、40%電気
その他の業界支出の機関で、電力やガス
供給市場の運営・監督を行う。
CSIRO: Commonwealth Scientific and
Industrial Research Organisation、科学
究を行うオーストラリア政府の機関。
太陽光発電や風力が2030年までに最も
安価な発電方法となるとの予測を公表
している。
Up to 90% of electricity from solar and wind the cheapest option by 2030: CSIRO analysis – CSIROscope

無論、CSIRO と AEMOが説明
してきたのは、風力と太陽光と同時に
バックアップ用発電施設も利用し、
そうしたバックアップ施設は本来、
化石燃料で発電した送電用グリッドの
ために建設したものだ。石炭火力や
核発電ではそうしたバックアップが
いらないとの神話が喧伝されているが、
これはひどい誤りの例だ。
<たとえば、上の黒いメニューの終わり
の方にある 付録 w-3) の後半も参照。
下の段落の「バックアップ」とは、
意味が違いますが。それに、そもそも
ザポリージャ原発ではこのところ、
外部電力(いわば一種のバックアップ)
の供給が絶たれて大問題になって
ますよね>

原発を基地にされると、手が出せない ・・・

原発を基地にされると、手が出せない ・・・

 

化石燃料や核発電でもバックアップは
必要であり、しかもそうした発電所は
大規模なものであるため、何らかの
問題やメインテナンス作業のため推す
ライン状態になった場合には、穴埋めの
ためのバックアップ発電量も大量に必要
となる。だが核発電を進めようとして
いる政治的な圧力は、ディテールを美緒
としている。あくまで、政治的に勢力を
得ることが目的で、化石燃料業界の利益
を求めてしまっている。だが、それは
危険性を帯びつつある。.
****************************

なによ、(核推進には)ウソばっかり! 私の、かなり昔のコラージュ作品

なによ、(核推進には)ウソばっかり!
私の、かなり昔のコラージュ作品

 

Up to 90% of electricity from solar and wind the cheapest option by 2030: CSIRO analysis – CSIROscope
にあるCSIROによる論調にも、多くの
皆様はご関心がおありかも。
「やかんをのせたら~~」のフォーカス
からは外れるのですが、日本社会では
いまだに「原発は安いよ~~」などといった
誤謬がまかり通っているので、このCSIRO
の主張をそのうち日本語化しますね。

それと、上の記事にもマードックのメディア
コングロマリオットに対する言及があり
ますが、日本でもメディアを利用した核推進
プロパガンダは、現実の社会問題です。
これについては、また将来「やかんを
のせたら~~」でも取り上げる予定です。

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Beyond Nuclear Bulletin 2023年9月21日号より

Beyond Nuclear Bulletin
2023年9月21日号より
Anti-nuclear contingents march for climate – Beyond Nuclear

「炭素排出減らそう!」と
「核をなくそう!」とが
マーチ(デモ)で合流した
実例を紹介している記事が
ありました。

Nuclear-free, carbon-free!
Anti-nuclear contingents march for climate
(核も炭素排出もない世界を!
反核プロテスターたちが偶然で合流、
気候変動についてのマーチ)

いつもどおり
私の日本語化
< >内は私からの補足説明
です。

私の反核シャツ作品の一例

私の反核シャツ作品の一例

*********************************
“Nuclear-Free, Carbon-Free” を唱える
ブロックが、国連総会の前日に行われた
大規模な気候変動プロテストのマーチ
<デモ> で登場した。9月17日の日曜日、
ニューヨークでのことだ。このスローガン
はArjun Makhijani 博士による2007年に
IEER <Institute for Energy and
Environmental Researchというアメリカ
に本拠を置く反原発団体>から出た書物
Carbon-Free and Nuclear-Free:
A Roadmap for U.S. Energy Policy
(「炭素胚珠なし、核もなし ― アメリカ
エネルギー政策のロードマップ」) から
取ったもので、このグループが気候
変動デモに登場したのは、これで少なく
ても3回目となる。以前にはニューヨーク
シティーで9年前、ワシントン DCでは
7年前のことだった。シンボルとなる
“Don’t Nuke the Climate!” (大気を核で
汚さないで)というイメージ <上の
リンクをクリック> 、そして明るい
イエローの  “Nuclear Power? No
Thanks!” (核エネルギー? いらない
よ!) という旗やプラカードが並び、
このグループは大人数のデモの中でも
目立っていた。 Indigenous
Environmental Network <アメリカに
本拠を置く、アメリカ先住民の皆さんに
よる草の根環境団体の連合体> のような
尊敬されるグループが今も、核発電の
ような偽りのソリューションに対する
警告を発している。
*************************************


もういっちょ、私の反核Tシャツ作品
原文のページでは、テキストの下に
Read Moreというボタンがあります。
それをクリックした先に、炭素排出に
関連して、オーストラリアの石炭企業
が核発電を笑い飛ばした、という記事
があります。
それを、次回に紹介しますね。

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