カホヴカ貯水池破壊のザポリージャ原発 への影響、別見解

日本語のメディア報道では、IAEAによる
「数か月は、冷却水は得られる」ばかり
が流れていますよね。
でもBeyond Nuclear Bulletinの6月9日号
では、次のSouth China Morning Postと
いう香港の英語紙の記事を紹介して
います。
Destruction of Nova Kakhovka dam jeopardizes Zaporizhzhia NPP cooling – Beyond Nuclear

その記事を、いつもどおり
私の抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
で、紹介しますね。

Argument II -- Existence / Non-existence
片面だけ見ていると~~
”Argument II: Existence/Non-existence”
私の昔の作品

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Ukraine Kakhovka dam’s reservoir no longer has enough water to cool nuclear plant, operator says | South China Morning Post (scmp.com)

Ukraine Kakhovka dam’s reservoir no
longer has enough water to cool nuclear
plant, operator says
(ウクライナのカホヴカ ダム貯水池、
原発の冷却用の水が不充分と事業者)

ウクライナ南部にあるカホヴカ ダムの
貯水池からはザポリージャ原発の原子炉
を冷却する水を組みだせないと、同ダム
の運営事業者がこの木曜日 <8日> に
語った。

<その事業者である> Ukrhydroenergo
の Igor Syrota CEOによれば、この
貯水池の水位は「重要な閾値である
12.7mを割り込んでしまっている」
つまり、この貯水池からはもはや
ザポリージャ原発の冷却水池に水を供給
できない」と、同CEOはウクライナ
テレビで述べた。

だが国連の核エネルギー機関 <IAEA
のこと> は、ダム事業者による水供給が
不能になっているとの主張を否定した。

IAEAの発表には、「ウクライナの
ザポリージャ原発では今もカホヴカ
貯水池からの水のくみ上げを続けて
いる」 とある。

このダムはドニプロ川にあり、貯水池を
形成している。そこから約150㎞上流の
ザポリージャ原発に冷却水を供給して
いるが、これはヨーロッパ最大の原発で
目下ロシアが占拠している。

IAEAのRafael Grossi事務局長は来週
同原発を訪問する予定だが、やはり
以前に水位が12.7mを下回るとポンプ
での水のくみ上げができなくなると
語っている。

同原発敷地内外にある冷却水池はまだ
「しばらくは」使用可能で、原子炉と
建屋内の使用済み核燃料冷却プールの
冷却に使えると、Grossiは述べている。
****************************************

当面は大丈夫 ・・・スヤスヤ おい、寝ていて大丈夫なのか??

当面は大丈夫 ・・・スヤスヤ
おい、寝ていて大丈夫なのか??            かなり昔の、私の人体デッサン

さらに、ウクライナ国内からの報道も
見てみましょうね。

Destruction of Kakhovka Dam continues, reservoir water levels keep declining – Ukrhydroenergo – Euromaidan Press

Euromaidan Press(2014年設立の、
ウクライナの英語報道機関)

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Destruction of Kakhovka Dam continues,
reservoir water levels keep declining –
Ukrhydronergo

(カホヴカ ダムの崩壊続く、貯水池の
水位低下が続ているとUkrhydronergo)

2023年6月8日

ウクライナの水力発電事業者
Ukrhydroenergoの発表によれば、
カホヴカ貯水池の水位は低下を今も
続けており、しかも排水用ダムならびに
発電所ビルと水門の間にある土製の
挿入構造物も崩壊を続けている。

「カホヴカ貯水池の水位は昨日1日で
1m以上低下した」 ― Ukrhydroenergo.

このダムが枯渇したら~~

このダムが枯渇したら~~

カホヴカ水力発電所(HPP) 下流での
洪水を軽減するため、Ukrhydroenergo
はHPPの稼働を調整していると発表
している。ダムより上流の水をドニプロ
水系の他の貯水池に貯水しているのだ。
この水系には他にも、ドニプロ側に
沿って数か所の発電所やダムがある。

「Ukrhydroenergoでは、設計研究所で
あるUkrhydroproject と協力して、
カホヴカ貯水池に防水せきを建設して
爆破以前の本来の水位を回復する
プロジェクトに取り組んでいる。目下、
優先課題と作業の一覧を作成中だ」
― Ukrhydroenergo

まともに工事などできるのか??

まともに工事などできるのか??

更新情報

Ukrhydroenergoの Ihor Syrota CEO が
この防水せきプロジェクトに関する
詳細を知らせてくれた:

  • この防水せきは、この貯水池の
    上流部に設ける。
  • その建設には約2か月を要するが
    該当地域が解放され次第着工が
    可能になる。
  • 現時点では防水せきの設計を
    進めており、必要な材料と機械類
    の検討を行っている。
  • その設計と建築は、ウクライナの
    事業者が行う。

さらにSyrota によると、今回の洪水の
ピークはすでに過ぎているのだが、
カホヴカ貯水池からの水の漏出は今も
続いているそうだ。

「(貯水池の水位が) もうすぐ重要な
敷居値である12.70 にまで低下して
しまう。そうなると、発電所上流での
取水は不可能になってしまう」とも、
Syrotaは語っている。
****************************

不安・・・ 私の20分クロッキー

不安・・・
私の20分クロッキー

防水せきは2か月ほどでできるとの
ことですが、ロシア軍からの妨害が
あったら??
その場合、今の状態がいつまで続いて
しまうのか、神のみぞ知りたもう
・・・そうなると、ザポリージャ原発は
冷却水と冷却用電源の二重の不足を
抱えることになります
核発電はヒトの手におえない困難な
災害をもたらしえる、特に軍事が
絡んだ場合には・・・ ってこと
ですよね。

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カホヴカ ダム運営事業者とIAEAの間で見解の食い違い??

カホヴカ ダム破壊によるザポリージャ原発
への影響について、
ダム運営事業者のとIAEAの間で見解の相違
があるのかも??
と匂わせる報道の紹介です。

Beyond Nuclear Bulletin  2023年6月9日
にある
Destruction of Nova Kakhovka Dam
jeopardizes Zaporizhzhia NPP cooling
という記事の冒頭部を引用します。

***********************
June 9, 2023 , UPDATE:  Ukrainian operators at the Zaporizhzhia nuclear power station (still under Russian military occupation) warn that the water level in the Kakhovka reservoir behind the breached Nova Kakhovka Dam has dropped below 42 feet and that the nuclear reactor’s cooling water pumping station is no longer capable of pumping water up to  replenish cooling water levels going into the six shutdown reactors from the reserve cooling water canal and storage pond system.  IAEA is disputing this  reporting of the reactor operator’s alert and maintains that there is no imminent threat of fuel damage given that current cooling water reserves onsite in cooling channels and ponds are adequate for several more months.

(以下略)
***********************

詳しくは、近日中に!

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カホヴカ ダム破壊のザポリージャ原発への影響

オーストラリアのabc Newsウェブ
サイトより
The Zaporizhzhia nuclear plant used water from the destroyed Nova Kakhovka dam. What happens now? – ABC News

The Zaporizhzhia nuclear plant used water
from the destroyed Nova Kakhovka dam.
What happens now?
(ザポリージャ原発はノヴァ カホヴカ
ダムから水を引いていた。そのダムが
破壊された今、何が起きるのか?)

崩壊・・・

崩壊・・・

6月9日JST現在、ノヴァ カホヴカ
ダムの破壊とそこからの大洪水が
ニュースを賑わせ、「ザポリージャ原発
には大きな影響はない」との報道が多い
のですが、「原発には影響ない」と
安心しきって良いのでしょうか??

6月9日朝JST時点の、オーストラリアの
abc Newsウェブサイトが、この問題に
特化した記事を公表してくれています。

そこから、例によって
私の抜粋・日本語化で紹介しますね。
< >内は、私からの補足説明です。

***********************************
・・・・・
(記事の冒頭部は省略)
・・・・・

このダム貯水池からザポリージャ原発
への水供給は、途絶えてしまって
いるのか?

現時点ではまだ、途絶えていない。

IAEAのチーフRafael Grossi によれば、
ダムが崩壊してしまったものの、まだ
数日は水をポンプでくみ上げることは
可能だそうだ。

“「ただ、単位時間あたりにくみ上げ
られる水量は、水位が低下しているため
減る恐れがある」と、Grossiは述べた。

この火曜日 <6日> にGrossi が語った
ところによれば、同貯水池の水位はその
時点で16.5mだったが、これが 2.7m に
なると、ポンプでのくみ上げが不可能
になる

ウクライナの原発 あくまで、概略地図ですよ

ウクライナの原発
あくまで、概略地図ですよ

 

・・・(原文ではここにTweetが引用
されていますが、省略)

Grossiによれば、まだパニックに陥る
理由はないが、ザポリージャ原発が
深刻な危機に直面していることは確かだ。

「この危機を軽視して、何も問題が
ないかのように思わせるわけには、
いかない」とGrossiはジャーナリスト
のLenka Whiteに語っている。 .

(Tweet引用)
「この貯水池の水位が確実に低下を
続けているので、それが大問題である
ことに間違いはない。原子炉の冷却に
欠かせない貯水池の水位も、下がり
続けている」

同原発が他の水源から水を得ることは
可能か?

Grossiによれば、このダム以外に
利用できる水源もあるそうだ。

「主な代用水源となるのが、原発のすぐ
そばにある大型の冷却水池だ。この池は
ダムの貯水池の高さよりも高い位置に
設けられている」と、Grossiは言う。

ウクライナの国営核エネルギー公社
EnergoatomのヘッドPetro Kotinに
よれば、ダム貯水池の水位が低下
しても、この冷却水池の水位には
影響がない。.

さらにザポリージャ原発は現在停止して
いるので、Grossi によれば 「数か月は」
冷却水がなくなることはないという。

橋(道路)が壊れた~~

橋(道路)が壊れた~~


この原発が洪水に見舞われる恐れは?

ザポリージャ原発が洪水に見舞われる
恐れはない。

このダムからは濁流がウクライナ南部に
流れ落ちているが、ザポリージャ原発は
このダムよりも川の上流にある。

さらにGrossiによると、この原発の
安全面には、「緊急のリスクはない」
とのことだ。

ダムと同様、原発が軍事標的にされる
恐れは?

Atlantic Council <大西洋評議会、
アメリカに本部を置く国際問題のシンク
タンク> のMichael Bociurkiw によれば
ロシアに水源地を攻撃する能力と意図が
あったのであれば、原発も標的にされ
うると考えても、「想像の飛躍
ではない」。

「それは想像するのも恐ろしく、まさに
今回の戦争でロシアが肥えてはいけない
一線だ」と、BociurkiwはABC News.に
語った。

Bociurkiwによれば、今回のダム攻撃は
戦争の局面が変わりつつあり、
ヴラディミール プーティンが「隅に
追い詰められている」ことの現れかも
しれない。

Grossi はこの5月終わりにロシアと
ウクライナに対し、戦闘で同原発に
リスクを発生させないよう求めている。

さらに同氏によれば、上述の冷却水池は
停止中のこの原発の冷却に充分な冷却水
を供給しているので、それに損傷を
もたらさないことが不可欠だそうだ。

この池に損傷をもたらすような
行為は、何1つ行ってはならない」
と、Grossiは求めている。
********************************

不安 ・・・ 私の15分クロッキー

不安 ・・・
私の15分クロッキー

要するに、ノヴァ カホヴカ ダムは
ザポリージャ原発より下流にあるので、
ザポリージャ原発を洪水が襲うことは
考えにくい
原発専用の冷却水プールは被害を受けて
いないので、そこから冷却水は向こう
数か月間得られる
ということですね。
確かに、今回のダム破壊は原発への
影響を狙ってのものではないだろうと
私も考えます。

ただ、すると問題は、
・ その冷却水プールが攻撃を受けたら?
・ 数か月はプールの冷却水で大丈夫
だけど、ダムの修復なんて、数か月で
できるの??それも、ロシア軍からの
妨害があるかもしれないのに??
・ このままダムを復旧できずに貯水池
の水位が下がり続け、数か月経過して
しまったら?
・ 水があっても、以前から問題に
なっている電力供給は??

ということですね。
核発電という以上、何らかの形で放射性
物質を大量に使います。
すると、放射性物質からの崩壊熱を
冷まさないと・・・
そこに戦争が介入してきたら??

つい2~3年前なら、「ワイルドな
想像力が生んだ杞憂」で片付けられて
いたでしょうけど、今や現実の問題に
なってしまったわけですね。

気を失う ・・・ 私の20分クロッキー

気を失う ・・・
私の20分クロッキー

以下は、起こってほしくない大惨事なの
ですが~~
結局、数か月経過してザポリージャ原発
が結局メルトダウンを起こしてしまった
場合、
原発 ⇒ 巨大ダーティ ボム化(一種の
核兵器使用、上の黒いメニューにある
ページ d-6) のリスク 3) )
ということで、NATOが介入するのか?
という懸念が噂されていますよね。

IAEAが今のところ原発には差し迫った
リスクはないと発表、数か月分の貯水が
あるとしているのも、NATOの介入 ⇒
第三次大戦 というリスクを招きたくない
という配慮によるものでは?? という
推察もあります。
むろん、そんな事態へと発展しないこと
を祈りますが、

少なくても明白なのは:
1か所の原発が戦争に巻き込まれた結果、
第三次大戦へのエスカレーションが
少なくても一部で懸念される事態にまで
なってしまっている
ということです。

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固定ページ e-7) をアップロード

固定ページ e-7) をアップロードしました。

今までの日本での反核運動に欠けて
いたものの1つとして、基礎コース
とでも呼ぶべき初心者向けの学習
コースが見当たらない、という問題を
指摘しております。

反原発セミナーなどに出てみると、
難しくて、わからない。
でも、講師さんに質問したくても、
どんな質問をすればよいのやら~~
といったひそひそ話をよく聞きます。

要するに、セミナーの内容を聞く前に、
そうした方々はまず基礎コースを
学ぶべきですよね

ところが!
今のところ、日本語ではそうした
基礎コースに当たるものが見当たりません
これは、反核勢力の有志が基礎コースを
作成すべきだと思うのですが。。

上の黒いメニュー(項目は基本、
アルファベット順)で、e-7) を見つけて
クリック!

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カホヴカ ダム破壊の件、BBCの記事

What we know about Nova Kakhovka dam incident – BBC News

6月6日JSTに報道されたこの大惨事、
報道を見かけるようになってから数時間
はごく短い報道しか見つかりません
でしたが、同日夜(JST) になってから
詳しい記事を見るようになりました。
とにかく、ザポリージャ原発の惨事に
つながらないことを、また

直接・間接に被害を受けた方々のために、
祈ります!

かなり巨大な貯水池なのですが、原発は
ここまで大量の水を必要とします。
「やかんをのせたら~~」で幾度か
指摘している通りですね。
(上の黒いメニューで下のほうにある、
付録 w-2)、付録 w-10) など)
さらに、どうもロシア軍が何らかの悪さ
をやらかしたように見える本件ですが、
まさしく「核兵器の製造に原発を利用
していない場合でさえ、原発そのものが
一種の核兵器になりかねない」リスクが
ハッキリ現実化してしまいましたね。
(ページ d-6) にある 3) 巨大ダーティ
ボム化リスク)
いまだに「平和利用という洗脳」に
マヤかされている皆さん、目を覚まし
ましょうよ!

ついに・・・

ついに・・・

ここでは、BBCウェブサイトにある
関連記事をいつもどおり私の日本語化で
紹介します。
< > 内は、私からの補足説明です。

************************************
ノヴァ カホヴカ ダムの惨事について、
分かっていること

ウクライナ南部でロシア占拠下にある
地域の巨大ダムが破壊され、洪水が
発生している。

ウクライナ軍とNATOは、ロシア軍に
よるダム爆破だと主張、非難している。
一方、ロシアはウクライナの仕業だと
主張している。

ダム周辺市域のコミュニティからは、
何千人もの住民が避難している。どの
ようなものであれ洪水となれば破局を
招きかねず、それを恐れている。
では、現時点までに判明していること
を以下に紹介する。

このダムは、どこに?

カホヴカ水力発電所は、ウクライナは
ケルソン(ヘルソン)地区のノヴァ
カホヴカという町にある。現時点では、
この地区はロシアが占拠している。

このダムは旧ソヴィエト時代に建設
されたもので、ドニプロ川にある6か所
のダムの1つだ。この川はウクライナ
北部から南部を貫通して黒海に流れ込む。.

大変大きな貯水池であり、地元の人たち
は「カホヴカ海」と呼んでいるほどだ。
湖岸の場所によっては、対岸の陸が見え
ないためだ。貯水量はアメリカはユタ州
にあるソルトレイク湖の水量に匹敵する
ほどだと、Reutersは報じている。.

エスカレートしたら・・・

エスカレートしたら・・・

何が起きたのか?

静画画像や動画を見ると、このダムが
大きく破損している。大量の水が零れ
落ち、下流のケルソン方面が洪水に
なっている。

ダムの損壊がいつ発生したのかは、
はっきりしていない。だが衛星画像
からは、何日か前に損壊した模様だ。

このダムに至る道路には、すでに6月
2日に損傷がみられたが、水の流れに
変化が見られたのは6月6日のこと
だった。6日の画像では、壁の欠損と
周辺建築物の崩壊とが明らかだった。
現時点では、この道路の損傷が6月6日
のダム崩壊と関連しているのか否かは
不明。

ウクライナのノヴァ カホヴカ ダムの
受けた損害

下流での洪水がどこまで広がるのかは
明らかではないが、重要な集落を壊滅
させてしまうのでは、という不安が
広まっている。そうした重要地域には、
およそ16,000人の住民が暮らしている。

ノヴァ カホヴカの画像を見ると、
建築物が洪水に囲まれている様子が
わかり、自治体役所周辺ではなんと
白鳥が泳いでいる。

こんなことに、ならないことを!

こんなことに、ならないことを!

ダムの下流80㎞に満たない距離にある
ケルソン市の低地帯に住む住民には、
可能な限り早く非難し高台に避難場所を
見つけるよう警告が出ている。

ケルソン地域の首長Oleksandr Prokudin
が今朝ウクライナのTVに述べたところ
では、すでに8か所の村落が完全に洪水
に沈んでおり、被害はさらに広がる
模様だ。

ドニプル川はさらに150トンもの産業用
潤滑剤で汚染されており、加えてさらに
300トンが漏出するリスクがあると、
ヴォロディミール ゼレンスキー大統領は
述べている。

攻撃されたのか?

このダムの決壊原因は、まだ明らかに
なっていない。ウクライナ軍は、ロシアが
意図的に爆破したのだ、としている。
確かに、そう見える。このダムに至る
道路を進軍してウクライナ軍がダム
経由で川を渡りロシア占拠地域に入り
込んで反攻をしかけてくるのでは、
とロシアは恐れていた可能性がある。

だがクレムリン <ロシア政府> の
スポークスパーソンDmitry Peskov は
ロシアの関与を否定しており、
ウクライナによる蛮行だと主張して
いる。クリミア半島から水供給を奪おう
とする、ウクライナによる破壊工作だと
いうのだ。クリミア半島は、2014年
以来ロシアに占領されている。

BBCは、いずれの主張もまだ検証
できていない。

このダムを爆破すれば、~~

このダムを爆破すれば、~~

このダムは極めて重要なもので、用途が
いくつもある。

このダムの水がある貯水池は巨大なも
ので、上流の集落多数に上水を供給して
いる。農業用水として作物の栽培を
支えており、今回の決壊被害が広まれば
何万人もの住民が被害をこうむる。

このダムはさらに、160㎞ほど上流に
あるザポリージャ原発の冷却水も供給
している。同原発は現時点ではロシアが
占拠しており、この貯水池からの水が
なければこの原発は問題を起こす。

IAEAによれば、これで直ちに核事故
発生のリスクはないが、状況を凝視して
いくという。

IAEAが後に発表した声明によると、
ダムの水位がポンプでくみ上げられる
最低水位である12.7mを下回ったと
しても、ダムの上流では今もザポリージャ
原発へのポンプ給水は可能で、冷却水源
としては他の水源も利用できるそうだ。
その一例として、今回の破壊現場の隣
には大型の冷却水プールがある。

闇で何が行われたのか??

闇で何が行われたのか??

カホヴカのダムと貯水池

そうであっても、このダムはドニプロ川
の水をロシアが占拠中のクリミア半島
へと供給するための不可欠な設備だ。
つまり、クリミアの上水供給に影響が
出るものとみられる。

2014年にロシアはクリミア半島を占拠
したが、それ以来ウクライナはノヴァ
カホヴカからの水供給チャネルを
ブロック、クリミア半島では水不足に
よる危機が発生していた。

昨年、ロシアがウクライナへの全面
侵略を開始し、ロシアはこの水チャネル
を再度開通させた。だが、このダムが
決壊した今、水位が低下しており同
チャネルの水の流れが再度停滞する
可能性がある。

今回の侵略開始以来、ロシア軍は
ウクライナ全土のダムに攻撃を幾度も
加えており、洪水や停電を引き起こし
てきている。

*****************************
凝視を続けます
私の昔の作品
Kettle2015Oct19

凝視を続けます 私の昔の作品

凝視を続けます
私の昔の作品

では、このダム破壊とそのザポリージャ
原発への影響については、今後も
適宜、報道記事を紹介してまいり
ますね。

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カホヴカ ダム破壊の件

ukraine southern operational command – Search Results | Facebook

より

このカホヴカ ダムが危機に瀕している
件については、「やかんをのせたら
~~」では以前にも取り上げました。
その心配していたことが、どうも
現実化してしまったようです。
発表当事者であるSouthern Operational
CommandのFacebookページより。

いつもどおり、私の日本語化、
< >内は私からの補足説明。

******************************
The Kyiv Independentの報道より

ウクライナ軍の南部作戦司令部が6月
6日<現地時間>早く発表したところに
よれば、ロシア軍がカホヴカ水力発電所
を爆破した模様だ。ウクライナ軍の公式
Facebookページによれば、「破壊の規模、
水の量と流速、浸水してしまいそうな
地域の面積をw去りだす作業を行って
いるところだ」

各種ソーシャル メディア<SNS> で
広く公開されている動画を見ると、
このダムのうちロシア軍が占拠している
ドニプル川東岸寄りの箇所に、大きな
損傷が発生している。

Euronews Englishの報道より

ウクライナ軍の南部作戦司令部が火曜日
朝発表したところによれば、ノヴァ
カホヴカ水力発電所をロシア軍が爆破
した模様だ。このため、ケルソン市と
周辺が壊滅してしまう恐れがある。
****************************

崩壊熱  (使用済みも含めた) 核燃料  送電グリッド ディーゼル発電機 ~~ 燃料があとわずか 冷ましてくれ~~!

崩壊熱  (使用済みも含めた) 核燃料  送電グリッド
ディーゼル発電機 ~~ 燃料があとわずか
冷ましてくれ~~!

上記はいずれも2023年6月6日、
日本時間の午後発表の報道です。

ダムが決壊すれば、
下流地域での洪水
このダムから給水を受けていた地域での
水不足
は当然ですが、
ザポリージャ原発の冷却水も、このダム
からのものでしたよね。
(「やかんをのせたら~~」でも、
以前に紹介しました)
同原発はすでに発電を停止してはいます
が、稼働停止しても
原子炉内には核燃料その他の放射性物質
が大量に残っているため、
大量の崩壊熱を発しています。これを
冷やさないと当然、火災や最悪の場合
メルトダウンなどが起こりえるわけ
ですね。まさしく核発電所(原発)は
そのまま、核兵器にもなりえるわけです。
ザポリージャがそうなった場合、NATO
も黙ってはおりますまい。
原発をきっかけに、第三次世界大戦が
始まってしまうのでしょうか??

それにしても みなさん、
これでも核発電を「平和利用」などと
お考えになりますか?

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ザポリージャ原発、破局回避のための5か条

UN Newsウェブサイトより
IAEA chief outlines five principles to avert nuclear ‘catastrophe’ in Ukraine | UN News

IAEAは国連の機関の1つですから、IAEA
の動きはUN Newsウェブサイトでも
紹介されています。

そこから、ザポリージャ原発関連の
報道を。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

こんな事態に、はじめからするなよ!!

こんな事態に、はじめからするなよ!!

****************************
IAEA chief outlines five principles to avert
nuclear ‘catastrophe’ in Ukraine
(IAEAのチーフ、ウクライナでの
核の ”カタストロフィー” を回避
するための5原則の概要を説明)

2023年5月30日
IAEAのトップがこの火曜日
<5月30日>、国連の安全保障理事会
に対し、開始から15か月となる
ウクライナでの戦争のただ中で核事故
を防止するための5原則を明確に指示
するよう強く求めた。

IAEAのRafael Mariano Grossi 事務局長
は同理事会で最新状況の報告を行ったが、
ヨーロッパ最大のザポリージャ原発
(ZNPP) は今も極度に脆弱で危険に
満ちた状態にあると報告していた。.

同原発周辺では、今も軍事作戦が進行
しており、「近いうちに大幅に拡大して
しまう可能性も小さくない」と、同
事務局長は警告を発した。

危険なギャンブル・・・

危険なギャンブル・・・


さいころ博打をしているようなもの

今回の戦争でザポリージャ原発は砲火を
浴びてきた。外部電源供給が絶たれた
事態がすでに7回も発生しており、その
たび緊急用のディーゼル発電機に依存
してきた。<このディーゼル発電機は>
「核事故防止のための最後の防衛ライン
だ」 と、Grossiは語った。.

「まだ核事故が発生していないのは、
単にラッキーだ」と、グロッシ氏は各国
の大使たちに述べた。「この3月のIAEA
理事会でも述べたのだが、我々の現在の
状況はさいころを振り続けているような
ものだ。それが続くようなら、いずれ
幸運を使い果たすはずだ。だから我々
全員が、可能な限りの手を尽くし、核事故
発生の可能性を最小限度に抑えねば
ならない」

具体的な要請

Grossi氏の記憶にある限りでは、大規模な
核発電事業の施設が立ち並ぶただ中で
戦争が行われているのは、今回の
ウクライナ戦争が歴史の中でも初めての
ことだ。同氏によれば、ウクライナに
5か所ある原発や核施設のうちいくつかは
直接の砲撃を受けており、いずれの原発も
外部電源供給を絶たれた事態をすでに
経験している。

IAEA では昨年9月以来、ザポリージャ
原発に職員を配置している。同原発は
今回の侵略開始後まもなくロシア軍に
占拠され、操作作業に当たるウクライナ人
スタッフの人数は、「大幅に削減」
されてしまっている。.

今回の紛争の開始から現在まで、IAEA
の同事務局長は核の安全と安全保障の
ために不可欠な7つの柱という原則を、
たびたび推し進めてきている。この安全
の内容としては、核施設の物理的に完全
な状態を維持すること、外部電源供給を
確保することも含む。

「何が必要なのか、さらに具体的に
明らかにすべき時期になっている。
危険な放射性物質の放出を、何としても
防止せねばならない」と、グロッシは
述べている。

守るべきもの 私のかなり昔の15分クロッキー

守るべきもの
私のかなり昔の15分クロッキー


具体的な5原則

側近も含めた広範囲にまたがる相談を
重ねたうえで、グロッシ氏は
ザポリージャ原発での「カタストロフィー
的事故」を回避するための具体的な
原則5種類を策定した。.

第1の原則の概要として、「原発からも
原発に対しても、軍事攻撃は一切行って
はならない。特に、原子炉や使用済み
核燃料の保管設備、その他重要な
インフラや人員に対しては、攻撃を
加えてはならない」と同氏は述べている。

さらに、同原発を複数ロケット用
ランチャーなどの重火器、ならびに
それらを使用した攻撃を行いえる軍人を
この原発に保管あるいは配備しては
ならない。

また同氏によれば、原発への外部電源
供給にリスクが発生してはならず、外部
電力を確実に利用できるよう、常時確保
するよう、あらゆる手を尽くさねば
ならない。

加えて、原発を安全かつ無事に稼働
させるために欠かせない核種の構造物や
システム、コンポーネントすべてを、
攻撃や破壊行為から守る必要がある。
最後に、原発の安全・無事な稼働の
ために不可欠な各種構造物やシステム、
コンポーネント類を攻撃や破壊活動から
守ること。最後に、以上の原則に反する
行為を一切してはならない。.

「はっきり断言しておく。以上の5原則
は誰の不利益にもつながらず、すべての
人の利益につながる。核事故は、回避
できる。IAEAの5原則を順守すること
から、<回避への> 道が始まる」 と
グロッシ氏は述べている。

これで順守??ああ~~ 私の20分クロッキー

これで順守??ああ~~
私の20分クロッキー

5原則を順守していると、ロシア 

ロシアのVasily Nebenzya 大使によれば
ロシアはザポリージャ原発の安全が
脅かされることのないよう、あらゆる
手段を尽くしているという。脅威となる
行為をしているのは、ウクライナとその
「西側の支援諸国」だそうだ。

「ウクライナは同原発に対し砲撃を加え
たが、これは断じて許容できない。
グロッシ氏の唱えるザポリージャ原発の
安全確保は、ロシアがずっと以前から
実施している方針と合致している。
それは、ロシアが国家レベルで下した
決定事項に則ったものだ」 とも、この
大使は語った。

さらにこの大使によれば、ザポリージャ
原発の敷地内から外への攻撃は、一度も
行われていない。さらに、敷地内に
重火器や弾薬が配置されたことは一度も
ない。それに、攻撃を行いえる軍人が
敷地内には配備されていない。

「現状において、ロシアの国家が定めた
法令そしてロシアが加盟している関連
する国際諸規定の下での我々の義務に
則り、同原発の安全とセキュリティを
強化するべく、ロシアはあらゆる可能な
手を尽くそうとしている」とも、
この大使は語っている。

そもそも、不法侵入者は出ていけ!

そもそも、不法侵入者は出ていけ!

原発から撤退せよと、ウクライナ 

ウクライナのSergiy Kyslytsya大使も、
安全保障理事会に対し話をした。

同大使によれば、ロシアは今も
ザポリージャ原発を軍事に利用しており
およそ500名の軍人員と重火器50
ユニット、さらにその他の各種設備や
弾薬、爆薬を同原発内に配備している。

「繰り返し言っておくが、ロシアは
ザポリージャ原発を不法に占拠し、
軍事戦略に利用している。それにより
ロシアは、核の安全とセキュリティに
関する主な国際的主要原則すべてを破り、
国際条約の下でのロシアの義務の大半
にも違反している」とも、同大使は
語った。

Kyslytsya大使からの提唱によれば、
IAEAの5原則に、現時点で非合法に
ザポリージャ原発を占拠しているロシア
軍部隊ならびに人員が撤退すべしという
原則も加えるべきだ。また、原発への
外部電源供給の確保、スタッフが安全
かつ秩序正しくローテーションで勤務
できるよう人道回廊を設けるという原則
も設けるべき、としている。

********************

見え透いたウソ

見え透いたウソ

以前から私は思うのですが、
ザポリージャ原発がロシアのRosatom
のものだと主張するなら、そもそも
なんでRosatomのスタッフだけで既に
運営していないのか??
個々の発電所ごとの「癖」というものが
あるので、他社が急に稼働させにくい
のは存じておりますが、だったら
原発施設とその周辺だけは、はじめから
ロシア軍が占拠しない
という選択もあったはずです。
今もザポリージャ原発にはウクライナ
国籍のスタッフが残って操作に当たって
いると、報じられております。
それにだいたい、本気で該当する国際的
規定を順守するつもりなら、他国の原発
を占拠したこと自体が問題では??

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「核ゴミ」とか「放射性廃棄物」という おバカ単語

「核ゴミ」とか「放射性廃棄物」という
おバカ単語

「核ゴミ」なる単語そのものは、
文字数が少なくて便利なので、私自身も
よく使っています。

ただ、「短くて便利な単語」ってのは、
その付帯イメージなどに惑わされない
よう、注意が必要ですね。

で、「核ゴミ」とか「放射性廃棄物」
といった言葉は、まさしくそんな
「誤った付帯イメージ」を広げかねない
言葉なので、ここでハッキリ断って
おきますね。

固定ページ シリーズ d-x) をお読み
くださった方々なら、既にお気づきの
問題なのですが。

「巨大やかんをのせたんで、火事じゃなくて 調理器具です ~~」 「アホか!」

「巨大やかんをのせたんで、火事じゃなくて
調理器具です ~~」
「アホか!」

原子炉って、本来は「ゴミ」を作る
ための装置

シリーズ d-x) で詳しく述べたように、
原子炉というのは本来、原爆用の
Pu-239を製造するための装置です。
もちろん、それ以外の各種核分裂生成物、
たとえばSr-90とかCs-137などなども
発生しますが。

本来は、発生する熱こそが「ゴミ」

で、その「原爆の材料」を作る際に、
核分裂にともない大量の熱が発生します。

そこで、この熱に目を付け、

大量の熱が発生 ⇒ それで水蒸気を発生
させられる ⇒ 水蒸気タービンを回せる
⇒ 発電

ということになったのが、「原発」って
わけですよね。

で、ここで「本来の産物」が厄介な
ゴミに

「原発」となると大量の熱がほしい
わけで、「本来の産物」であるPu-239
や核分裂生成物は「処分に困る厄介な
ゴミ」になっちゃいます。どう処分
すれば毒にならないのか、いまだに
分かっていませんからね

本来の目的だった産物」が、用途を
変えたことで、「ゴミ」扱いになった

わけですね。

ふん、うそつき! 私の20分クロッキー

ふん、うそつき!
私の20分クロッキー

つまり、原子炉でできるPu-239や
核分裂生成物を「核ゴミ」と呼ぶ場合、
「原子炉は発電用設備」という
前提が暗黙にあるわけです。

原子炉の本来の用途が、見えにくく
なりますよね。

もっとも、「核ゴミ」という言葉を
回避するのは、現時点での日本語では
難しいです。
やむなく今後、「やかんをのせたら~~」
では、たとえば
「いわゆる核ゴミ」  とか、
「巷でいう核ゴミ」
などと ”まだろこっしい” 言葉遣いを
します
現時点での日本語ではやむを得ないこと
なので、ご了承くださいませ!

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この12年間の日本での反原発運動の衰退を
振り返り、主な改善点の1つ、つまり
「核発電と核兵器の不可分性」を
表に出さないで、原発事故ばかりを
問題にしていると、事故から年月が経過
⇒ 当然、社会で忘れられていく
という指摘をしております。

対して核兵器がらみの問題は、2011年以降も
頻発しており、現在もロシアの核兵器使用
の可能性やザポリージャ原発の命運、
イランのU濃縮、北朝鮮のミサイル
などなどと枚挙に暇ないですからね。

「核軍事と原発事故の両面で」
社会にアピールしていこうじゃ
ないですか!

上の黒いメニューでは、項目を
基本的にはアルファベット順に
配列しております。
ページ e-6) を見つけて、クリック!

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固定ページ e-6) を作成中

この12年間、日本での反原発運動は「風化」
してしまった感が否めませんよね。

それについて、私なりの考察をする
固定ページ e-6) を作成中です。
「核兵器と核発電の不可分性」に
フォーカスした私の立場から見ると、
この12年間の日本での反原発運動の
あり方には、かなり不満や疑問があり
ました

「結局、10年もすれば日本政府は
既存原発の再稼働と新型原子炉の
導入を訴えているだろう」との
予想も、既に2011年夏ごろに
しておりました
嘆かわしいことに、この当たって
ほしくなかった予想は、現実になって
しまっております。

この流れを変えるには、上述の
「不可分性」をしっかりと認識し、
表に打ち出した反核運動へと変わって
いかねば、という考察になります。

しばし、お待ちくださいませ。

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