イラン、90%近いU濃縮??

まず、「U-235の濃度を90%近くにまで濃縮
すると、何が問題なの??」 と真顔で
おっしゃる方がもし読者の中にいらっしゃ
れば、最初に上の黒いメニュー (項目は
基本的にアルファベット順) で、ページ
d-3)、f-4)、そして h-3) にある「「濃縮」U中
の235Uの比率」 という図を最初にお読み
くださいませ。下記の記事紹介は、その後で。

日本語メディアでも紹介されている通り、
イランのU濃縮が 「やっぱり??」 90%
近くに達していたと報じられています。

これについては、イラン政府寄りの報道と
西側報道とで主張が全く対立することは
明らかなので、その両方を紹介しますね。

いつもどおり、
私による抜粋・日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。

Argument II -- Existence / Non-existence
「存在している!」 「してない!」
“Argument II”
私の昔の作品

ではまず、イラン政府寄りの報道機関、
Tasnim News Agencyによるものを。
Iran Rules Out Uranium Enrichment above 60% – Nuclear news – Tasnim News Agency | Tasnim News Agency

****************************
Iran Rules Out Uranium Enrichment
above 60%
(イラン、60%を超えるU濃縮は
あり得ない)

2023年3月1日

テヘラン発(Tasnim) ― イラン核エネルギー
機関のヘッド、モハンマド エスラーミが、
同国が84%のウラニウム濃縮を実施したの
ではないかとの嫌疑を否定した。

この水曜日 <3月1日> 、IAEAが機密の
四半期報告書で、1月22日に実施した
<イランにある> フォルドウ核施設の同
機関による査察において検出した粒子の
中に83.7%にまで濃縮されたウラニウムが
含まれていた、と述べていたことが判明した。
これを受け、エスラーミはその嫌疑を否定
した。


どっちがほんと??
私が、かなり昔にあるウェブサイト用に
描いたイラスト

「このほぼ84%濃縮の粒子についてだが、
処理過程で使うタップの側面から検出した
サンプルだとされているが、顕微鏡で見ても
可視化できない。問題とすべきは、濃縮後に
保管されているウラニウム含有物の量で
あるはずなのだが」 と、エスラーミは
述べている。

さらにエスラーミは、IAEAの査察官たちが
「処理過程でできた物質も観察したのだが、
そのU-235濃度が60%を超えていない
ことを計測している」 と述べたと、Press TV
は報じている。

「イランの濃縮限度は、60%だ。査察官たち
も自分たちの報告書に、イランの濃縮が60%
であると述べている」

さらにIAEAによる報告書にも、今回の
高濃度粒子がどこから出たものか、
IAEAとイランの間での 「話し合いはまだ
継続中である」 と記載がある。

エスラーミはまた、そうした話し合いの結論
として、イランの各プログラムに具体的な
規約違反は見当たらなかったとしている。

「この2週間、IAEA の代表者たちが
テヘランを訪問、<イランのウラニウム濃縮
施設で使われる> 遠心分離機の設計や
申告されている検出粒子に関する記載に
規約違反がないか査察を行った。そうした
専門家による査察と調査の結果 ・・・
具体的な違反は見当たらないと結論付けて
いる」 とエスラーミは述べた。

Truth Gone I
「消えてしまったのか??」
“Truth Gone I”
私のかなり昔の作品

イランの核担当チーフによれば、IAEAの
ラファエル グロッシ事務局長がテヘランを
訪問する予定で、アメリカが脱退した
2015年の核合意の再建交渉がとん挫し
かかっているが、その訪問がその打開に
つながる可能性もあるそうだ。

エスラーミはさらに、IAEAの事務局長代理
マッシーモ アパロとは既に交渉を行って
いる、とも述べた。グロッシはここ両日中に
テヘランに来る予定で、未解決の諸問題を
検討する予定であるとのことだ。
*************************

以上、イラン側からの弁明でした。

See? Lovely colors, but hard to "grade" / ご覧のとおり、きれいな色なのですが、グラデーションが困難です
消えてしまう??
私の、昔の下絵より

では、反対に西側の代表的報道機関の1つ、
CNNのウェブサイトより。
Iran: Near bomb-grade level uranium found in nuclear plant, says IAEA report | CNN

***********************

Near bomb-grade level uranium found in
Iranian nuclear plant, says IAEA report
(原爆レベルに近い濃縮度のウラニウム、
イランの核施設で発見とIAEA報告)

CNNのAdam Pourahmadi記者
2023年3月1日

アブダビ発、CNN ― 原爆レベルに近い
濃縮ウラニウム粒子が、イランの核施設で
検出されたと、国連の各監視機関 <である
IAEA> が報じている。アメリカはすでに、
イランによる核兵器製造能力が加速して
いるとの警告を発している。

CNNでは、その限定閲覧の報告書を閲覧
したが、ウィーンに本拠を置くIAEAは濃度
83.7% にまで濃縮されたウラニウム粒子が
イランのフォルドウ核燃料濃縮施設
(Fordow Fuel Enrichment Plant、FFEP)
で検出されたと報じている。この地下核施設
は、クォムという都市 <テヘランから南南
西約130㎞ほどの地点にある、古都。
「ゴム」 とも表記> の北東約32㎞の
地点にある。83.7% というのは、核爆弾
の製造に必要な濃度90%に近い。

20min croquis, another pose of the same male model / 20分クロッキー、同じ男性モデルさんの別のポーズ
ああ、困った~~
私の20分クロッキーより
男性のモデルさんです

同報告によると、今年1月、IAEAは
フォルドウ核施設にて環境中のサンプルを
採取したのだが、その中には最大で濃度が
83.7%tの高濃縮ウラニウムが検出された。

これを受け、IAEA はイランに対しこうした
発見事項は 「イランが申告していた
フォルドウ核施設での濃縮レベルと合致
しておらず、イランに対しこうしたウラニウム
粒子がどこから出たものかを報告するよう」
求めた、智子の報告は述べている。

さらにイランは以前から60%まで濃縮した
ウラニウムの在庫量も、前回の四半期報告
の時点と比べ、25.2 kgから87.5 kgにまで
急増していたと、このIAEAによる機密報告
にある。

このIAEA報告によれば、この問題を解明
するためのイランとの話し合いを続けている
が、「こうした発見事項からは、イランにある
核施設の活動に変化があれば、それを
検知し報告する能力がIAEAにあることが
明らかだ」 とも述べている。

イランのホセイン アミール アブドラヒアン
外相は、この火曜日に行われたCNNの
クリスティアンヌ アマンプールとの独占
インタビューで、このウラニウム濃縮関連の
報告に関する質問には、直接的には答え
なかった。

アミール アブドラヒアン外相は、IAEAの
事務局長代理マッシーモ アパロが既に
先週までに2回イランを訪問したこと、
またIAEAのラファエル グロッシ事務局長
がイランを訪問するよう招待されていること
を述べた。


「実りある交渉」って・・・ ほんと??
私の20分クロッキー

「イランは、IAEAと協力していくロード
マップを設けている。 [ラファエル] グロッシ
氏の代理である [マッシーモ] アパロ氏が
すでに先週までの2-3週間にイランを
来訪、建設的で実りある交渉を行った。
さらにイランはグロッシ氏も近日中にイラン
に来られるよう、招待した」 と、アミール
アブドラヒアン外相はCNNに対し語った。
「だから、イランとIAEAとの関係は然る
べき正常な状態にある」

昨年、イランは以前IAEAが設置していた
監視・モニター活動用の機器類をすべて
撤去している。この機器類は、正式には
Joint Comprehensive Plan of Action
(JCPOA) という核合意のためのものだ。

この撤去のため、「イランの核プログラムが
平和利用のためのものかどうかを確認する
IAEAの能力にマイナスの影響が出た」 と、
IAEAの報告には記載がある。


やれやれ・・・
私の20分クロッキー

アメリカ国務省のスポークスマンが火曜日
に述べたところによれば、このIAEA報告
からは、「極めて深刻な進展」 が読み
取れる。

「アメリカは同盟諸国やヨーロッパならびに
中東地域パートナーたちとの密接に連絡を
取り合っており、この極めて深刻な展開で
あり得る事態に関するさらに詳細な情報を
IAEAから待機している」 とも、同スポークス
パーソンは語った。

国防政策担当次官のコリン カールが火曜
日に述べたところによれば、「2015年締結
の核合意からアメリカが2018年に脱退
して以来、イランの核開発の発展は目を
見張るほど急速だ」 とのことだ。しかも
2018年にアメリカがJCPOAから脱退
した時点では、「イランが原爆1発分の
核分裂性物質を製造するまでには、
12か月ほど要するだろう」 と見ていた
とも述べた。

「今となっては、12日ほどしかかから
ないだろう」

2015年の核合意を再建しようとする
アメリカとイランの間での交渉が行われたが
2022年9月に座礁した。両国間の緊張は、
イラン全土での抗議活動をイラン政府が
弾圧し、さらにウクライナ戦争でイラン政府
がロシアにドローンを供給した件で、
さらに悪化している。

火曜日にカールが述べたところでは、
核合意は 「凍結されてしまっている」
*************************

"Argument III -- To the Rescue"
凍り付いちゃってるよ!
“Argument III – To the Rescue”
私の、昔の作品

さて、IAEAとイランの代表者同士の会合
結果がどうなるか? それを待ちましょう。

その結果がどうであれ、ウラン濃縮を
行うと原爆製造とは 「単なる程度差」
だってことですね。
当面は、たとえばウラニウム濃縮という
行為はすべてIAEAが運営し、
それ以外の濃縮も施設も禁じるといった
ような世界的対策を講じないと、
各国で独自にU濃縮を行わせている
限りは、今回のような問題は必然的に
「いつか・どこかで」 発生してしまうもの
でしょう。

そしていずれは、核発電そのものを
核兵器と一緒に廃絶する、と。

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カホヴカ貯水池の水位低下

・・・ といきなり言っても、何のことだか
お分かりにならない方々も、日本語圏では
多いでしょう。
ドニエプル川にある、ザポリージャ原発に
冷却水を供給しているカホヴカ貯水池の
ことです。

やはり、Beyond Nuclear のBulletinに
あった、同団体のプレス リリースより。
BN_PressRelease_PDF_NPP_Ukraine_OneYear (beyondnuclear.org)

説明のため、英語版Wikipediaや
Newsweekウェブサイトからも抜粋紹介
いたします。

いつもどおり、
私の抜粋・日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。


私のTシャツ作品

******************************
NEWS FROM BEYOND NUCLEAR
For immediate release

問い合わせ先: Linda Pentz Gunter, international
specialist, ・・・
Paul Gunter, director of reactor oversight ・・・

Ukraine’s nuclear power plants face daily
risk of deadly disaster while war continues
(ウクライナの原発 <← 複数>、戦争が続く
中、日々死を招く災害のリスクに直面)

Safe zones can’t prevent inherent dangers of
nuclear reactors leading to catastrophe,
group warns
(安全地帯を設けても、原子炉に付き
まとう破局に至りかねない危険性を防止
できないと、Beyond Nuclearが警告)

2023年2月23日、アメリカ、
メリーランド州タコマ パーク発 —
ウクライナの各原発は現在、1年前のロシア
軍による侵略が始まった時点と比べ、
さらに想像を超えた危険な状況にあると、
Beyond Nuclearは警告する。さらに、原発
周囲に安全地帯を設けても、各発電という
技術に本質的に付きまとう危険性や破局を
招き得るリスクをなくすことはできない、
とも警鐘を鳴らす。

—- (中略) —-

A steady supply of cooling water is also
essential. However, alarms have recently
been raised by the seemingly deliberate
draining of the Kakhovka Reservoir, on
which the Zaporizhzhia nuclear power
plant relies for its cooling water.
(<原発には> 冷却水を絶やさず供給する
ことも、不可欠だ。だがカホヴカ貯水池で
近日、排水が行われており、どうも
<ロシア軍による> 意図的なものと
見られる。ザポリージャ原発は、この
貯水池から冷却水を取水している。
文字色協調は、私>)

—- (後略) —-
********************************

Truth Gone II
扇動者のやらかすことは ・・・
“Truth Gone II”
私の、かなり昔の作品

このseemingly deliberateというところが
大問題で、どうもロシア軍が故意に
やらかした県議が拭えませんよね。
それについては私は断言できないの
ですが、この貯水池について、もう
少し情報を。
まず英語版Wikipediaより。
Kakhovka Reservoir – Wikipedia

******************************
カホヴカ貯水池 (ウクライナ語:
Каховське водосховище, Kakhovs′ke
vodoskhovyshche
) は、ウクライナの
ドニエプル川にある貯水池。1956年に
カホヴカ水力発電所に合わせて建設
された。ドニエプル川には数か所の
貯水池が連続して建設されているが、
その1つ。

・・・(中略)・・・

2022 年のロシアによるウクライナ侵略
Since early November 2022年11月初旬
以来、カホヴカ水力発電所の放水路が
開かれており、同貯水池の水位はこの30
年間で最低の位置にまで低下した。
そのため灌漑用水も飲用水も供給が
途絶えるリスクに晒されており、しかも
ザポリージャ原発の冷却水システムも危険
に直面している。2022年12月1日から翌年
2月6日にかけて、水位が2mも低下した
文字色協調は、私
********************************

* なお、仕様については、
Max. length 240km (ちなみに、東京の
新宿から福島第一原発までの直線距離に
近いです)
Max. width  23km (おおまかに、新宿駅
から松戸市中心部までの直線距離)
Surface area  2,155km2
Average depth  8.4m
だそうです。

ついでながら、上の黒いメニューの
終わりのほうにある ページ 付録 w-2)
や付録 w-10) でも論じましたが、原発が
いかに大水飲みか分かりますよね。農業
用水や飲用水も兼ねているとはいえ、
実に巨大な貯水池が必要なのですね。
そして、それだけの大量の冷却水が
ないと、冷却ができない ⇒ 最悪、
メルトダウンという惨劇を招きます。


“Angel of Water”
私の昔の作品

この貯水池については、すでにウクライナ
市民への給水が絶たれたという点で
大問題であり、各種メディアでも報道
されました。その一例として、
NewsweekのFeb. 28, 2023号によるもの
を抜粋紹介しますね。
Russia Draining Reservoir to Leave Over 1M People Without Water: Ukraine (newsweek.com)

Russia Draining Reservoir to Leave
Over 1M People Without Water: Ukraine
(ロシア軍が貯水池の水を排出、
100万人以上が水道を使えず ―
ウクライナ情勢)
Jon Jackson記者
2023年2月17日

*****************************
金曜日 <2月17日> にウクライナ高官
が述べたところでは、ロシア軍は
ウクライナのカホヴカ貯水池からの
放水を試みており、場合によっては
100万人以上への飲用水の供給が
途絶えてしまいかねない。

The Kyiv Independent 紙ウェブサイト
の報道によると、ウクライナの環境
保護大臣Ruslan Strilets が記者会見で、
上述の破壊工作の疑いについて述べた。
Strilets大臣はさらに、この貯水池の
水位を下げると、ザポリージャ原発の
タービン用キャパシターにも悪影響が
出かねない。

同ウェブサイトによれば、ウクライナ
南部のドニエプル川にある同貯水池の
水位が近日、13.6mにまで低下しており、
現時点では13.83mだという。標準水位は、
16mだ。

・・・(中略)・・・


何かやらかしてる ・・・
私の20分クロッキーに、後で背景色をつけたもの

先週、NPR <というアメリカの公共ラジオ>
が報じたところでは、衛星画像を見れば
ロシアのヴラディミール ぷーティン大統領の
軍がカホヴカ貯水池から放水をしている様子
が窺えるという。この報道によると、この
攻撃とみられる行為により飲用水に影響が
出るだけでなく、地域の農業にも損害が及び、
しかもザポリージャ原発の安全性にも
深刻な影響がありそうだという。

・・・(中略)・・・

IAEAもこの2月3日に、同貯水池の水位低下が
ザポリージャ原発に悪影響をもたらす
危険性を認識していると認めている。

「現時点まででは、この水位低下は同原発
の安全性やセキュリティに直ちに緊急の
危険を及ぼすわけではないが、このまま
低下が続けば憂慮材料となりえる」 と、
IAEA のラファエル M グロッシ事務局長は
IAEAのウェブサイトで述べている。

・・・(以下略)
***************************


さあ、これからどうすれば ・・・
私の20分クロッキー

Beyond NuclearのBulletinにsubscribe
なさりたい方は、
Beyond Nuclear : Sign Up to Stay in Touch (constantcontact.com)
をご覧ください

それにしても、巨大貯水池の水を放出して
しまうとは、ロシア軍というのは実に陰湿で
凶暴な行為をやらかしますなあ! 最悪、
冷却水不足でザポリージャ原発がメルト
ダウンに陥った場合、ロシアにも放射性
物質が舞い降りてくることを、計算に
入れているのでしょうかねえ??

ロシア連邦政府が正気を取り戻し、
ウクライナに1日も早く平和が戻ることを!

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ロシア、新STARTへの参加を遅延 (>へ <;;)

Beyond NuclearのBulletinより

ロシアが新STARTへの関与を遅延する
問題について~~

アメリカの反核非営利団体にBeyond
Nuclearというものがあって、私も登録
しており毎週 BulletinをEメールして
くれています。

2月23日付の同Bulletinより。
記事のほぼ全体を、私の日本語化で
紹介しますね。
いつもどおり、
< > 内は私からの補足説明です。


“Run! For your life!”
私の昔の作品

Beyond Nuclear’s Bulletin 2023年
2月23日号より

下記で原文をお読みになれます:
Reckless escalation or emotional own goal? – Beyond Nuclear
英語の記事をお読みになれる方々は、
ぜひ元の記事をお読みください。

*******************************
無謀な暴走か? 激情にかられたオウン
ゴールか?
2023年2月21日発表

プーティンが核軍縮条約へのロシアの参加を
延期する決定を下したが、これは全世界に
とってのみならず、ロシア自体にとっても
深刻な誤りとなりえる。

2月21日にモスクワで行った重要な年次教書
演説で、ロシアのヴラディミール プーティン
大統領は 「今日は、ロシアがSTARTへの
参加を遅延させることにしたと、発表せざる
を得ない」 と述べた。

国際社会は、直ちに反応した。その大半は、
ロシアの決定を激しく非難するものだが、
一部の声は、この発表は現実の核武装強化と
いうよりも、とんでもない言葉で暗黙の脅し
を込めたものかもしれないとの警告を発して
いる。

プーティンが言及していたのは新START
条約 <2011年にアメリカとロシアの間で
発行した核兵器軍縮条約。2026年2月に
失効するので、新たなSTARTを設ける
交渉を進めてきたのですが ・・・> の
ことで、バラク オバマと <当時のロシア
大統領>ドゥミトゥリ メドゥヴェージェフ
がプラハにて2010年に署名した。
<上のリンク先には、その時の写真が
あります。headline photo/kremlin.ru/
Wikimedia Commons

この新START条約では、アメリカとロシアが
配備できる戦略核弾頭の個数、ならびに陸上
発射と潜水艦発射のミサイルそして核爆弾を
輸送できる爆撃機の数について、上限を
設けている。同条約は、2021年に5年間
延長された。

Wanna Get Nuked?
“Wanna get nuked?”
私の昔の作品

新STARTが設けている上限を、さらに具体的
に見てみよう。ここまではアメリカもロシア連邦
も、この上限を守り、あるいはそれ未満に
核兵器を抑えている。

  • 配備済みの大陸間弾道弾 (ICBM)、
    配備済み潜水艦発射弾道ミサイル
    (SLBM)、核兵器用の装備をした配備
    済み重爆撃機の合計は、700まで
  • 配備済みの大陸間弾道弾 (ICBM)、
    配備済み潜水艦発射弾道ミサイル
    (SLBM)、核兵器用の装備をした配備
    済み重爆撃機搭載の核弾頭の合計は
    1,550まで <1つのミサイルに複数の
    核弾頭があるMIRVというものがすでに
    配備されています>  (この場合の
    重爆撃機はいずれも、この上限との
    関連では核弾頭1個とみなす)
  • 配備済みか未配備かを問わず、大陸間
    弾道弾 (ICBM)、潜水艦発射弾道
    ミサイル (SLBM)、核兵器用の装備を
    した重爆撃機の合計は、800まで

<今回の発表のように> 本条約への参加を
遅延させるというのは、それ自体が同条約へ
の違反である。さらにロシアは核兵器の査察を
拒否してきているので、すでに同条約に違反
している。

"Argument IV -- Conclusion" (口論 IV ・・ 結論)
もう聞かない ・・・
“Argument IV”
私の昔の作品

平和団体や軍縮団体は、ロシアがこの条約
への参加を一時停止するという今回の
プーティンによる発表を非難している。
アメリカに本拠を置くArms Control Association
<という軍縮を求める団体> は今回の決定を
「無謀」 と呼び、「世界的な核兵器競争の
危険性を高めてしまう」 と警告を発した。

The International Campaign to Abolish
Nuclear Weapons は Tweet を発表、「新
STARTの履行を延期するというのは、
プーティン大統領による危険で無謀な決定だ」
と述べている。

英国に本部がある Campaign for Nuclear
Disarmament もプーティンの決定を非難、
「核リスクの危険な悪化」 であり 「世界の
安心を破壊する深刻な打撃だ」 だとしている。

核兵器廃絶を求める Global Zero <という
軍縮運動体> の Managing Partner
(運営パートナー) を務めるDerek Johnson
もプーティンの言動を 「常軌を逸したもの」 と
呼び、世界を 「核によるカオスへと一歩近づけ
てしまうものだ」 としている。だが同時に
「アメリカとNATOは全力を尽くして、核兵器の
拡大という危険の軽減に努めねばならない。
さらに両者は動きを合わせて冷静を保ちつつ
プーティンの無謀な発表に対応すべきだ」 と
の警告も発している。

On a torso, front / トルソーに着せてみた正面
“Nuke-Free World”
私のTシャツ作品

この条約は2026年に失効するため、新たな
条約が締結されない場合には大変な事態に
なりかねない、との憂慮を抱いていた人たちも
一部にいた。「この条約が失効する2026年
までに新たな条約が締結されない場合には、
アメリカとロシアの核戦力を制限するものは
なくなってしまう。これは、1970年代以来の
ことだ」 と、米国科学者連盟 (Federation
of American Scientists 、FAS) のHans
Kristensen は2022年4月に記していた。

だが、プーティンの発表を、当初ロシアが想定
していたようなロシア軍の短期間での勝利が
実現できなかったため、断崖に追い込まれて
いるプーティンのヤケッパチの叫びだと見なし
ている人たちもいる。すでにプーティンは
核兵器の使用をほのめかしていたが、今回の
発表で新たな核兵器競争が始まるのも
アメリカとNATOにプレッシャーをかけ、
ウクライナへの財務と軍備両面での支援を
やめさせようとする試みと見られる、という
のだ。

さらに、この条約をロシアが無視することで
ロシアにどのような利益があるのか疑わしい。
FASで senior research associate (上級
研究員) を務めるMatt Kordaによれば、
今回の発表は 「プーティンによる杜撰な
オウン ゴールで、アメリカも新STARTから
大きな利益を得ているようにロシアもこの
条約から多大の利益を受けている。今回の
決定は明らかに政治的・感情的なもので、
戦略に基づくものではない}
***************************

もう、どうかしてる~~

もう、どうかしてる~~                 私の点描練習より

ほんと、すべての諸国は核廃絶に努めないと
・・・ 条約で上限を設けることは無論、
廃絶が実現するまでは必要なのですが、
条約だけでは今回のような事態も。

なお、
Beyond NuclearのBulletinにsubscribe
なさりたい方は、
Beyond Nuclear : Sign Up to Stay in Touch (constantcontact.com)
をご覧くださいな!
リンク先での入力は、英語ですよ。
そもそも先日はっきりと断ったように、
「やかんをのせたら~~」 も目安として
TOEICスコア500前後以上を、読者として
想定しております。(上の黒いメニュー
にあるページ b-4) 参照)

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固定ページ b-6) をアップロード

b-6) (原子炉の正体) フランス III
という固定ページをアップロードしました。

上の黒いメニュー (項目は、基本的に
アルファベット順で配列)で b-6) を
見つけてクリック!

“Unfit for Purpose” という2020年発表の
論文から、私の抜粋・日本語化で紹介して
おります。

フランスの核兵器導入初期の様子を調べ
なおした研究論文で、同国での核導入が
いかに理不尽なものであったかが
わかります。

フランスに限らず、日本にも核兵器導入を
訴えている声がありますが、本当に国防
戦略をよく検討したうえでの主張なの
でしょうかねえ???

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日本国の大恥!! IAEA safeguardsをフォローできなかった!

日本国の大恥!!
共同通信の報道より

昨日ここでも紹介した東海第二原発での
非常用電源の喪失ですが、あまりメディア
での騒ぎにはなっていませんよね。でも
これって、おそらく多数メディアの認識の
甘さの表れだと、私は見ています。

東海第二も含めて軽水炉では、
1) 送電グリッドからの通常の外部電源で、
平常時には原子炉や使用済み核燃料
冷却プールなどを冷却。
2) 送電グリッドの故障や停電などの場合、
原発構内にある非常用発電機などで原子炉
に送電、原子炉や使用済み核燃料冷却
プールなどを冷却。
(U-238であれPu-239であれ、放射性
物質は 「勝手に」 放射線を出しながら崩壊
しますが、その際に 「崩壊熱」 というバカに
できない熱を発するので、使用済み核燃料も
何年かは常時冷却しないといけないのです)
という仕組みになっています。

3月21日には、このうち2) が使えなくなって
いた、ってことですね。
1) はあったのだから、騒ぐことはない ・・・
というのが、多くのメディアなどの判断だった
のでしょう。
でも。
21日にもし、地震や火力発電所の故障など
が発生して、送電グリッドからの電力供給が
停止した場合、どう対応できたのでしょうか??
もちろん、東海第二原発は稼働中では
なかったのですが、使用済み核燃料の冷却
は??

しかも、
東海第二原発 自動停止した非常用発電機冷却用ポンプが復旧 – NHK茨城県のニュース
にあるように、22日現在で今回の自動停止
の原因は未解明だそうです。


あの光が消えたら ??
私の昔の20分クロッキー

さらに22日には、もっと日本国の恥とも呼ぶ
べき事態がこの1月に発生していたとの
報道もありました。

再処理工場で核監視できず IAEAの保障
措置対象
再処理工場で核監視できず IAEAの保障措置対象(共同通信) – Yahoo!ニュース

**********************
2023年2月22日 JST

原子力規制委員会は22日、日本原燃の
使用済み核燃料再処理工場(青森県
六ケ所村)で1月、核物質を扱うため保障
措置上の監視対象になっている部屋の
照明が全て消え、国際原子力機関(IAEA)
が設置したカメラで一時的に監視できない
状態になっていたと明らかにした。

規制委によると、原燃は1月28日、原発の
使用済み核燃料を扱う部屋の保守管理で、
11カ所の照明のうち8カ所を消灯して作業
するとIAEAと規制委に報告。だが使用する
予定だった残り3カ所を含む6カ所の照明
は作業前から電球切れの状態で、全ての
照明が消えて真っ暗になり、作業した約
2時間は監視できない状態だった。
*********************

これ、諸外国からは相当な疑いの目で見られ
かねない事態です。
「照明が故障したくらいで、なんでそんな国
の恥になるんだ?」 とお考えの方々も
いらっしゃるかも。
その説明のため、ろくでもない例え話を
しますが、ご容赦ください。

(疑われて当然であることを説明するため
の例え話)
あなたに配偶者がいらっしゃって、その
配偶者がある日、見知らぬ異性と腕を
組んで歩いているところを、あなたは目撃
しちゃいました。その二人は、交尾収容所
(ラブホテル) に入っていったのです。
その収容所には監視カメラがあるのですが、
フロントに頼んでカメラの録画を見せてもらう
と、あなたの配偶者と見知らぬ異性とが部屋
にいた間、監視カメラは 「故障」 していた
ようで、何も映っていませんでした ・・・
さて、あなたは、その部屋でその二人が、
いったい何をしていたと推察なさいます
か??
当然、不倫を疑いますよね?

当たり前です。
交尾収容所という場所が場所です。
監視カメラで撮影ができなかったという
事実が、さらに嫌疑を深めます。

同じ理屈で、この 「核燃料再処理工場」 で、
作業中に2時間ほど 「監視カメラでの撮影
ができなかった」 というのは、「不倫」 ならぬ
「違法な作業」 の疑いを向けられてしまう
失態なのですね。
・ 交尾収容所 = 交尾をする施設 ~~
核燃料再処理施設 = 本来は、Puを抽出
してPu型原爆の爆薬とする施設 (だから、
IAEAは英仏や日本など一部諸国を除き、
核燃料再処理を禁じているわけです)
・ 監視カメラが撮影できなかった ⇒
何か、隠している?
というわけで、当然のように諸外国からは、
「日本って、隠れて原爆作ってるの??」 と
いう疑いの目を向けられかねない、そんな
お粗末なのですね。

何やってんだあ?? 私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

何やってんだあ??
私がかなり昔、あるウェブサイト用に描いたイラストより

核燃料の再処理を行うということは、
とりもなおさず 「原爆用のPu-239を抽出
したいのか?」 という疑いの目を向けられる、
ってことなのです。「例外的にIAEAから
認められているから」 というのであれば、
疑われないように万全の注意を払うべき
ですね。たとえば、照明系統が故障しても
緊急用の照明が作動して、監視カメラに
よる撮影を確保するとか。
そうでないと、国家としての信用を失い
ます。

でも、そもそも嫌疑を招くような行為は
しないのが、最も賢明な選択なのですが。

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「昨日」(2023年2月22日JST現在)、東海第二原発で非常用電源喪失

「やかんをのせたら~~」 としては珍しく、
日本の原発での事故を紹介しますね。
2023年2月22日早朝 (JST) 時点での報道
ですので、東海第2原発での非常用電源喪失
のことだろうなあ、とお察しのことでしょう。

報道記事は、下記にございます。
スクープ!東海第二原発で「非常用電源喪失」!岸田政権の「原発推進政策」に赤信号 (msn.com)
この報道によれば、
非常用電源が突然『待機状態』になり
ました。ポンプモーターに異常はなく、
外部電源が確保されていることは確認
しましたが、非常用電源停止の原因は、
今もって不明です。原因がわからない
ので、対処も未定ですが、
・・・
だそうです。
2021年3月の水戸地裁による判決は、
確かに避難計画という今回の問題とは別の
理由によるものではありましたが、
結果的に賢明な判決でしたね!

関連するYouTubeヴィデオも、すでに
ご覧になれます。
速報・東海第二原発非常用電源喪失、一体何が?週刊誌だけが報じた「スクープ!東海第二原発で「非常用電源喪失」!岸田政権の「原発推進政策」に赤信号」安冨歩東大教授。一月万冊 – YouTube

一方、日本原子力発電(株)のウェブ
サイトには、23日の朝4:30 JST時点で、
この電源喪失に関しては何の情報も
見当たりません。
東海第二発電所 | 日本原子力発電株式会社 (japc.co.jp)

Actually, 5 minutes of sleepy hands' work / 眠る手による、5分の作業
しっかりしてくれ ・・・・
私の昔の20分クロッキー
男性のモデルさん

原発に限らず、複雑なシステムというもの
には “原因が少なくてもすぐには分からない”
問題が発生するものですね。
そんな問題が発生しても、大規模・深刻な
被害につながらないのなら、まあ、社会は
それを許容してよいのかも。
しかし核発電の場合には、次の2種類の
「巨大な被害」 がありますよね。
1) 事故 → 火災、放射性物質の漏出など
2) 軍事的危険 ・・ テロ攻撃、放射性物質の
盗難、敵軍による原発占拠(現時点での
ザポリージャが実例)、原発のダーティ
ボム化 (上の黒いメニューにあるページ
d-6)参照)など

特に、2) は核兵器という地球上の生命の
存続にかかわる巨大問題につながりかねない
ですよね。日本語圏では従来、注目が
どうしても 1) に集まりやすかったので、
2) にも警告を鳴らすため、「やかんを
のせたら~~」 を一人でやっているわけ
ですね。

では、しばらく東海第2原発に関する
報道もwatchしてまいりますね。

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ザポリージャ原発でのIAEA専門家たちのローテーションをロシアが妨害と、ウクライナ外務省

The New Voice of Ukraineより
ザポリージャ原発でのIAEA専門家たちの
ローテーションをロシアが妨害と、
ウクライナ外務省
Russia interfering with IAEA work at occupied Zaporizhzhya nuclear plant — Ukraine news / The New Voice of Ukraine (nv.ua)

アメリカのバイデン大統領がキーフを
訪問したことが話題ですが、一方
ザポリージャ原発では ・・・

いつもどおり、
私の抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

"Get outa here!"

“Get outa here!”

****************************
Russia blocking rotation of IAEA experts
at Zaporizhzhia NPP, says Foreign
Ministry

2023年2月20日

ロシア軍は占拠中のザポリージャ原発の
軍事化を続けており、
IAEAの専門家の
ローテーションを妨害していると、
ウクライナの外務省が
219日の声明で
発表した。

「ロシア連邦は国際法を踏みにじっており、
核と放射線の安全基準を無視、IAEAの
理事会決議を全く無視している。この
決議によれば、ロシア軍はザポリージャ
原発から直ちに人員も機器類も撤去
せねばならないはずなのだが」 と、
ウクライナ外務省は述べた。

「ロシアを止めなければ、ウクライナの
核施設でのその犯罪行為は大破局に
つながる恐れがある。そうした破局は、
ヨーロッパにとって未曽有のものと
なりえる」

同外務省は、ロシアによるウクライナの
民間施設に対する犯罪には、緊急の
国際的対応が必要だと告げている。
この犯罪行為としては、ザポリージャ
原発の占拠、IAEAの活動への妨害、
<IAEAの> 国際的専門家たちの生命
への脅威などが挙げられる。

「ウクライナは国際社会に対し、
ロシアの国営核エネルギー公社Rosatom
やその系列各社機関、その他ロシアの
核エネルギー部門の主要プレイヤーへの
制裁の拡大を求める」 とも外務省は
述べている。

「さらに、核技術分野でのロシアとの
協力を完全にやめるよう、そしてIAEA
でのロシアの特権や権利を制限するよう、
強く緊急に要請する」
*********************

北朝鮮といい (上の黒いメニュー
(項目は基本的にアルファベット順) に
あるページ c-5))、イスラエルといい
(ページ c-4))、IAEAという国際機関
が存在していても、主権国家による核開発
や侵略行為などを止めさせられない場合
が実際にあるわけですね。
核兵器と核発電とは、やはり廃絶するしか
ないことの証左でしょう。

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今度は南ウクライナ原発至近距離をロシア軍の巡航ミサイルが

固定ページ b-4), b-5) の制作に時間が
かかり、しばらくウクライナの原発関連の
ニュース紹介をしませんでした。
その間にグロッシ事務局長のモスクワ
訪問などの出来事がありましたので、
事態が少しは良い方に進むのを希望
してらっしゃったと思います。

で、私はもっと早く見つけるべきだったの
ですが
The New Voice of Ukraineという
ウクライナの英語ニュース ウェブサイトが、
あります。
Ukraine News Premier Independent English-language Source — The New Voice of Ukraine (nv.ua)
皆様も、英語ニュースが読める方々は、
ぜひこの英語ニュースのサイトをお読み
くださいませ。
日本語メディアではあまり報じられていない
ニュースも散見されます。
今回も、その1つ

そのサイトから、
Two Russian cruise missiles fly dangerously close to South Ukrainian NPP – Energoatom / The New Voice of Ukraine (nv.ua)
にある
Two Russian cruise missiles fly dangerously
close to South Ukrainian NPP – Energoatom
という記事を紹介しますね。

いつもどおり、
私による抜粋・日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

20-min croquis / 20分クロッキー
Under pressure —
私の20分クロッキー
男性のモデルさんです

*********************
Two Russian cruise missiles fly dangerously
close to South Ukrainian NPP – Energoatom

2023年2月18日

218日の朝、ロシアがウクライナに対する
ミサイル攻撃を行ったが、ロシアの巡航
ミサイル2発が南ウクライナ原発の極めて
近くを飛行し危険性があったと、ウクライナ
の国営核事業公社Energoatom2
18
日にTelegram <というソーシャル
メディア> で報じた。 

この飛行物体はピヴデニー ブーフ川に
沿ってミコライフ州のペルヴォマイスクという
町めがけて移動していたが、その際に南
ウクライナ原発に危険なほど接近した。
<地図は、次を参照
南ウクライナ原子力発電所 – Bing 地図
南ウクライナ原発から西北に40㎞程の
地点に、ペルヴォマイスクがあることが、
お分かりと思います。>

敵であるロシア軍の巡航ミサイルによる南
ウクライナ原発そばの飛行が記録されたのは、
<現地自国で> 午前8:25 と 8:27 の
ことだ。

「原子炉を標的にすれば、核災害が発生し
かねない。その危険が、また高まっている」
と、Energoatom は述べている。

「ロシア連邦による各テロリズムが繰り返され
たことになり、これは全世界の安全を脅かす」

Energoatom によれば同社はIAEAに対し、
ロシア連邦による核テロリズムをやめさせる
ためあらゆる手段を講じるよう、要求したとの
ことだ。特に、ウクライナのすべての核施設
の上空に飛行禁止区域を設けるよう求めた。
次の<211日付の>記事もお読み
ください:

 Reactor at Khmelnytskyi NPP shut down after Russian missile attack

(クメルニツキー原発の原子炉、ロシア軍の
ミサイル攻撃があり停止)
************************

"Urban Mirage II
歪んだ赤い空 ・・・
“Urban Mirage II”
私の仮昔の作品

1回爆発すると終わりの核弾頭も甚大な被害
をもたらしますが、何十年か稼働した原子炉
の内部にはもっと大量の放射性物質が
たまっているので、核物質漏出に関する
限りは、原子炉の損壊は核弾頭爆発よりも
ひどい汚染を招きかねません。
確かに、「全世界の安全を脅かす」 の
ですね。

ロシア政府が勝機を取り戻してくれることを、
引き続き祈っております!

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b-5) (原子炉の正体) をアップロード

固定ページ b-5) をアップロードしました。
フランスでの各導入の歴史を説明する文書
French Nuclear Programの後半を、
私の抜粋・日本語化で紹介しています。

本来、キュリー博士などが「平和利用」に
とことんこだわって導入した核エネルギー
技術が、結果的には核兵器の開発・保有
になってしまった、悲惨な歴史です。

しかも、核実験で多数の人たちを巻き添えに ・・・

上の黒いメニューでは、項目を基本的には
アルファベット順に配列しております。
b-4) をお読みになった方は、b-5) をクリック!

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固定ページ b-4) (原子炉の招待) フランス I をアップロード

ページ シリーズ b-x) に追加するのは、
久しぶりです。今回は、フランスでの
核導入の歴史を。

Atomic Heritage Foundationのウェブ
サイトにある
French Nuclear Programという
文書から、私が抜粋・日本語化して紹介
しております。

長い文書なので、今回はその前半を。
後半は、後日アップロード予定の
b-5) で。

上の黒いメニューでは、項目を基本的に
アルファベット順で配列しております。
b-4) を見つけて、クリック!

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