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原子力関連メーカー Nuclear energy-related companies

原子力関連メーカーとは

原子力関連メーカーには原子炉メーカーの他、原子力発電の原料メーカー、原子力発電所建屋建設ゼネコンなど数多くの企業が存在します。原子力関連メーカーは原賠法により、原子力事故を起こした場合にも、責任を負うことなく企業活動を続けているだけでなく、海外に原発を輸出を検討しています。原賠法改正の検討およびメーカー提訴の準備を進めています。

【世界の原発メーカー一覧】

陣営 メーカー名 原発事業内容 納入実績・予定
東芝とW
H
東芝 日本を代表する大手総合家電、電子機器、重電メーカー。BWR(沸騰水型原子炉)・PWR(加圧水型原子炉)両型炉の提供。 日本原子力研究開発機構、日本原子力発電、東京電力、中部電力、東北電力、日本原燃など
ウェスチング
ハウス (Westinghouse)
東芝傘下の原子力発電設備メーカー。PWR(加圧水型原子炉)のリーディングカンパニー。 米南部ジョージア州の原子炉建設(米国34年振り認可)
GEと日立 ゼネラル・
エレクトリック
 (GE)
米国に本社を置く世界最大の重電、電機、軍需機器メーカー。事業分野は非常に多岐にわたる。BWR(沸騰水型原子炉)を開発した。 福島第一原発、米国内多数の原発
日立 通信、鉄道、家電、電子デバイスなどを手がける総合電機メーカー。同分野では国内最大規模の会社となる。原子力分野ではGEと事業統合。原子炉のうち、ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)としては国内トップのシェアを持つ。 沸騰水型原子炉を東京電力など各社に納入
三菱重工とアレバ 三菱重工 日本を代表する重工業、建機、航空機、船舶、防衛機器のメーカー。 国内のPWR(加圧水型原子炉)は初期のものを除き、すべて同社が設計・制作・建設を手がける。 四国電力、関西電力、北海道電力、日本原子力発電
アレバ
(AREVA SA)
フランスの原子炉メーカー。PWRを採用。09年度はアレバグループの38%は同事業からの売上。12,000名の従業員を擁する。競合企業のなかで唯一原料のウラン採掘から燃料製造までを一貫して行える企業。 世界各国に102基の加圧水型原子炉の納入実績がある。世界の3分の1を狙う。
斗山重工業 斗山重工業
(とさん・ドゥサン・トゥサン、Doosan)
韓国の財閥系斗山グループの重電メーカー。PWR(加圧水型原子炉)の技術を持つ。もともと火力発電所の廃熱回収ボイラーでは世界シェア1位を持つ企業として知られ、加圧器を供給していたが、原子炉にも参入。 2009年には韓国産の原子炉を中国に輸出している。 韓国国内の原子炉20基のうち19基を建設した実績を持つ。世界最大の発電所をインドで受注している。アラブ首長国連邦(UAE)
ロスアトム ロスアトム
(PocAtom)
1992年に設立されたロシア国営の原子力企業。かつては米国と覇権を争った大国であり、数多くの原子力関連技術を保有する。傘下には、新たに民間原子力ホールディング企業として創設されたアトムエネルゴプロムをはじめ、ロシア国内の核兵器関連企業、研究機関、原子力保安機関がある。 インドのクダンクラム発電所に2基の原子炉、イランのブシェール発電所に1基、ブルガリアのベレネ発電所に2基の販売実績を持つ。ロスアトムのロシア国内原発MAP

*東芝・日立・三菱重工については、こちらのHPをご参照下さい。

【日本の主な原発関連メーカー一覧】

事業項目 メーカー名 事業内容 備考
原子炉
製作
日本製鋼所室蘭製作所
The (Japan Steel Works, Ltd. Muroran Plant)
詳細情報はこちら
原子炉の心臓部とされるシェルフランジ(原子炉圧力容器)やその付属パーツ、さらに、蒸気発生器のタービンローターシャフト等を製作しています。 国内の原発すべてに納入されており、「室蘭が止まれば、世界の原発建設はストップする」とも言われております。
ペレットおよび
核燃料体製作
グローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)http://www.gnfjapan.com 日立、東芝、GEといった大手原発メーカーの合弁会社。日本国内の沸騰水型原子炉で使われるペレットおよび核燃料体を製作しています。 日本国内のペレットおよび核燃料体はすべてこの工場でつくられています。
原子力建屋等建設 大手ゼネコン5社(鹿島建設、大林組、大成建設、竹中工務店、清水建設) 全国の原子力発電所の原子炉を含む総建設費用は約13兆円。ゼネコン5社が独占受注 原子炉別建屋メーカー一覧(しんぶん赤旗・日曜版 2011年9月18日号)


【日本の原発別メーカー一覧】

電力会社 原発名 号機 機種 メーカー 備考
北海道電力 1〜3 PWR 三菱重工
東北電力 東通 1 BWR 東芝
女川 1 BWRマークT 東芝
2 BWRマークT改 東芝
3 BWRマークT改 日立製作所
東京電力 福島第一 1 BWRマークT GE 廃止
2 BWRマークT GE(東芝) 廃止
3 BWRマークT 東芝 廃止
4 BWRマークT 日立製作所 廃止
5 BWRマークT 東芝
6 BWRマークU GE(東芝)
福島第二 1 BWRマークU 東芝
2 BWRマークU改 日立製作所
3 BWRマークU改 東芝
4 BWRマークU改 日立製作所
柏崎刈羽 1 BWRマークU 東芝
2〜3 BWRマークU改 東芝
4〜5 BWRマークU改 日立製作所
6〜7 ABWR 日立製作所
北陸電力 志賀 1 BWR 日立製作所
2 ABWR 日立製作所
日本原子力発電 敦賀 1 BWR GE(日立製作所)
2 PWR 三菱重工
東海第二 1 BWR 日立製作所
関西電力 美浜 1 PWR WH(三菱重工)
2〜4 PWR 三菱重工
大飯 1〜4 PWR 三菱重工
高浜 1〜4 PWR 三菱重工
中部電力 浜岡 1〜2 BWRマークT 日立製作所 運転終了
3〜4 BWRマークT改 日立製作所
5 ABWR 日立製作所
中国電力 島根 1〜2 BWR 日立製作所
四国電力 伊方 1〜3 PWR 三菱重工
九州電力 玄海 1〜4 PWR 三菱重工
川内 1〜2 PWR 三菱重工

三菱重工 24  日立製作所 16  東芝 10 合計 50

(注)日立製作所と東芝が連携して納入しているものもあり、上表とは異なる見解もあり得る。

【日本の主な原発関連組織一覧(官民)】

区分 組織名 内容
内閣府 原子力委員会 国の原子力政策大綱を定める最大の行政機関。大学教授や東電の顧問ら5人で構成されている。
経済産業省 資源エネルギー庁 エネルギーの安定供給政策や省エネルギー・新エネルギー(原子力、太陽光、風力、スマートコミュニティ等)政策を所管するし、インフラ政策の推進を担う経産省の外局。
原子力安全基盤機構
(JNES)
原発の検査業務などを行う。役員は経産省の役人、大学教授ら。同機構が、原子力発電所の安全検査について、検査内容の原案を対象の電力事業者に対し事前に作成させた上で、それを丸写しした資料に基づいた検査を実施してきていることが、11年11月になって発覚し、検査の形骸化に批判の声が噴出した。
総合資源エネルギー  調査会 原子力部会 経済産業大臣の諮問機関。分科会の原子力安全・保安部会の委員には東電副社長など。また原子力部会の委員には東電常務、関電社長など業界関係者多数。
環境省 原子力規制委員会 12年9月19日発足。以前は原発を推進する「資源エネルギー庁」と規制する「原子力安全・保安院」が同じ経産省の中にあったために、同じ人間が省内の異動によって推進と規制を往復する人事交流が行われ、規制対象である電力会社に天下りした退職者が規制行政に干渉するなど、規制機関がその機能役割を果たしていないとの非難により、経産省の「原子力安全・保安院」と内閣府「原子力安全委員会」等、原子炉施設等の規制・監視に関わる部署がまとめて移管された。国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに日本の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること(原子力にかかる製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること、並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制、その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む)を任務とする。
文部科学省 日本原子力研究開発機構(JAEA) 国内有数の原子力研究機関で職員数約4000人。2005年に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合。2010年9月まで東電の早瀬佑一元副社長が副理事長。
業界団体 日本原子力技術協会
(JANTI)
民間の自主規制機関。会員:プラントメーカー、原子燃料加工メーカー、建設会社、電力会社9社、公益法人など122社(2011年4月1日現在)
日本原子力産業協会
(JAIF)
原子力関連産業と、これを支える基礎産業、学会、報道機関、大学・研究機関、原発を抱える地方自治体、原発を抱える自治体など多数の会員によって構成されている。              具体的な産業としては、電力会社・原子炉メーカー・プラントメーカー、原子燃料加工メーカー、保険会社・銀行・建設会社・製鉄製鋼メーカー・セメントメーカー・商社など幅広い範囲の産業界が参加しており、国内会員の総数約700に加え、海外から90余りの会員が参加している。原子力ムラならぬ原子力ポリス(都市国家)とも呼べ、生命を経済のリスクとする巨大な原発利益共同体である。
福島第一原発事故発生後の4月19日に英語版のホームページに「日本の原発は安全で高品質」など事故に触れずに日本の原子力を宣伝している内容を発表していた。これに対して日本国外からも批判が続出、25日に削除された。理事に電力会社関係者多数。
国際原子力開発
(JINED)
原子力設備のインフラ輸出を目指す目的に設立。社長は東電フェローの武黒一郎。
日本原燃 核燃料サイクルの商業利用を目的に設立された日本の国策会社で、工場・本社は六ヶ所村。ウランの濃縮、使用済み核燃料の再処理を手がけている社長は東京電力元取締役理事、会長は関西電力社長、各電力会社や核関連法人、日立、三菱重工、東芝などから25人の取締役をむかえている。
電気事業連合会   (電事連) 現在10電力会社で運営、広報、宣伝活動。歴代の会長は東電社長らが務めていたが、現在は関西電力社長。
電力中央
研究所
業界研究機関。電力会社の合同出資により運営されているため、電力会社のニーズに沿った研究開発を推進。歴代理事長は電力会社副社長。

損害の賠償に関する法律(原賠法)について


1.原賠法の目的
  原賠法の目的は、原子炉の運転等によって原子力損害が生じた場合における損害賠償制度を定めることで、被害者保護と原子力事業の発達に資することとあります。(原賠法1条)。

2.原子力損害
  「原子力損害」とは、核燃料物質の原子核分裂の過程の作用又は核燃料物質等の放射線の作用若しくは毒性的作用(これらを摂取し、又は吸入することにより人体に中毒及びその続発症を及ぼすものをいう。)により生じた損害をいいます(原賠法2条2項)。
一般的には、原発事故と社会通念上相当と認められる範囲で因果関係が認められる損害が賠償の対象とされます。具体的には、生命・身体への損害だけでなく、精神的損害、避難費用、農作物の出荷制限や風評被害による営業損害なども含まれます。原子力損害賠償紛争審査会が提示する指針をご参照下さい。

3.原子力事業者の無過失責任
  東電などの原子力事業者は、原子力損害を発生させたときは、損害の発生につき故意・過失があったか否かに関わりなく、賠償責任を負います(無過失責任、原賠法3条1項本文)。民法上は、不法行為一般について、被害者が加害者に損害賠償請求するためには、被害者が加害者の故意又は過失を立証する必要があるので、原賠法は、原子力事業者の無過失責任を定めることで、被害者保護を図ろうとしているといえます。諸外国の原子力損害賠償制度においても同様に、無過失責任とするのが通例です。

4.原子力事業者に対する免責
  「異常に巨大な天変地異又は社会的動乱によって生じた損害」については、原子力事業者に賠償責任がないとされています(原賠法3条1項但書)。このように原子力事業者が免責される場合、国が被災者の救助及び被害拡大防止のため必要な措置を講じます(原賠法17条)。
なお、11年5月13日、原子力発電所事故経済被害対応チーム関係閣僚会合において、東電の免責はないと決定しています。この主要な理由は、「異常に巨大な天災地変」とは、一般的には歴史上例の見られない大地震、大噴火、大風水災等が想定されており、今回の地震や津波は、歴史上例の見られない災害とまではいえないこと、原賠法3条1項但書で「異常に巨大な天変地異」と並記されている、戦争などの「社会的動乱」と同程度とはいえないこと、必ずしも地震により引き起こされたものとはいえないこと、また、地震時の全電源喪失は本件事故前から指摘されていたことなどがあげられます。

5.原子力事業者に対する責任集中
  原子力事業者以外の者、たとえば、原子力事業者に原子炉など各種機器を提供しているメーカーなどは、原子力損害を賠償する責任を負いません(原賠法4条1項)。また、原賠法4条3項では、製造物責任法なども適用されないと規定されていろので、原子力事業者以外の者が製造物責任法に基づく賠償責任を負うこともありません。このように、原子力損害の賠償責任は原子力事業者に集中しています。その趣旨は、上記原子力事業者以外の原子力関連事業者の保護のほかに、被害者が容易に賠償責任の相手方を知ることができる、つまり、原子力損害については、原子力事業者に対して請求すれば賠償してもらえる、というように簡単に理解できることをもって、被害者保護を図る点にあるとされています。
しかしながら、原子炉メーカーが製造物責任法の適用除外を受けている真の理由は、日本がアメリカから原子力関連技術の供与を受け、原子力発電事業を始める際にアメリカから提示された条件のひとつだったからと考えられます。アメリカの原子炉メーカーとしては、原子炉設備の瑕疵による事故が万一起これば巨額の賠償責任を負うことになりかねず、そのようなリスクを負うことはできないというビジネス判断をしたのが実態です。
このためアメリカの技術をもとにして原子力発電を始めた国々は、原子力事故の民事責任についてはほぼ同一の法制となっており、それらの国の間では原子炉メーカーの製造物責任は問わないというルールが国際標準となっています。
 原子力事業者への「責任集中」に真っ向から立ち向かっているのがインドです。インドには世界最大の化学工場事故という、歴史的な背景があります。1984年、インドのマディア・プラデシュ(中央州の意)の州都ボパールで米ユニオン・カーバイト社工場から漏れ出した化学物質イソシアン酸メチルにより一夜にして2000人以上が死亡し、その後さまざまな要因で1万5千人から2万5千人が亡くなったとされています。現在も周辺住人への健康被害は続いており、負傷者も含め、正確な数字は把握されていない状況です。そして、ユニオン・カーバイト社への訴訟や責任問題は未解決なのです。
そんな背景もあって、インドは原発の輸入に際しては輸出国、また製造メーカーへの訴追権を主張しています。輸出国との交渉では、これを条件としています。

6.原子力事業者の損害賠償措置、国の援助
  原子力事業者は、損害賠償責任が発生する事態への備え(損害賠償措置)を講じることが義務づけられています(原賠法7条1項)。この損害賠償措置とは、原子力損害賠償責任保険契約(民間保険契約)及び原子力損害賠償補償契約(政府補償契約)を締結することです。この損害賠償措置として必要とされる額は、原則として、1事業所当たり1、200億円とされていますので、通常の原子力損害を賠償する場合には、民間の損害保険会社により、賠償措置額(1、200億円)まで保険金が支払われることになります。そして、民間保険会社による保険では対応できない原子力損害、たとえば、地震、噴火、津波などの自然災害による原子力損害を賠償する場合には、原子力事業者と政府との間の補償契約により行われる政府補償により、賠償措置額(1、200億円)まで補償金が支払われることになります。
また、被害者救済に遺漏がないようにするため、賠償措置額(1、200億円)を超える原子力損害が発生した場合には、国が原子力事業者に必要な援助を行うことができます(原賠法16条)。この国による必要な援助とは、補助金の交付や低利融資等が考えられます。

原発輸出の問題点

  世界史に残る地球規模で最悪の福島原発事故の収束がいまだに見えず、多くの人々が被ばくの不安と恐怖に苦しめられているというのに、原発輸出の是非に関する議論もほとんどされないまま原発輸出が遂行されていくのは許せません。原発輸出を推進するために、私たちの税金である公的資金も投入されています。公的資金と原発輸出<パワーポイント>11.11月緊急院内セミナー国際環境NGO FoE Japan 渡辺瑛莉氏)

<日本政府の原発輸出に関する基本姿勢>

 民主党政権は2010年6月にまとめた新成長戦略で、原発輸出を積極的に進める姿勢を示し、戦後初めて、官民一体のフルパッケージ型原発輸出の方針を打ち出した。電力会社や原子炉メーカーなどが参加する原発輸出専門の新会社「国際原子力開発」を設立し、オールジャパンの枠組みを整えた。ベトナムをはじめアジアの新興国は経済が発展し、電力不足が深刻化している。経済の発展には電力の安定供給が欠かせない。地球温暖化対策の面でも、長期的には新興国にも温室効果ガス削減の義務が課せられる可能性が高く、これらの国での原子力発電の必要性は高まっている。
 日本は60年代から原子力の平和利用という名目で取り組んでおり、多くの技術の蓄積を持つ。こうした蓄積を世界のために生かすことは、アジアの経済発展を取り込んで生きていくという、日本自身の国策にも合致するとしている。11年12月9日、第179回国会で、ベトナム、ヨルダン、ロシア、韓国との原子力協定を承認し、原発輸出に向けた重要な一歩を踏み出した。自国で危険だと分かったのに、他の国に輸出し、原発をつくるのは構わないという政府の論理には驚くのみ。自民党政権に変わっても、この方針に変更はないようだ。

【原発輸出の問題点を箇条書きにしてみました。】

1. 倫理性
  先ず第1に挙げられるのは倫理的な問題である。甚大な被害をもたらした福島原発事故の全容も明らかにならず、その問題解決が今後も長期に及ぶというのに、原発の他国への輸出など倫理的にも許されることではない。 三菱重工の佃会長も「自国で危ないと判断したものを海外に販売はできない」と発言している。企業の倫理からいっても、自国で受け入れられないものを、他国に輸出するは許されない。

2.安全性
  事故リスク、立地条件(冷却水確保や周辺人口)、施工・運転リスク、監視体制など 安全性の問題が発生する。さらに福島第1原発原発事故によって、被曝労働の実態や低線量被曝、内部被曝などのリスクも徐々に明らかになってきている。

3. 経済性
  世界で建設されつつある原発は、コストの急騰と建設期間の遅延で、非常に大きな投資リスクとなっているのが実態である。また、放射性廃棄物の処理費用および巨額な事故処理費用の負担を考慮するとコストは非常に高くなる。
  
4. 放射性廃棄物管理

  半永久的な管理が必要な使用済み燃料処分は日本でも未解決の大きな課題である。モンゴルを最終処分場にする計画など問題外。

5. 核拡散・テロのリスク
  軍事転用・テロのリスクが大きい。 近年、ロケット弾や爆弾を使用したテロが頻発しており、原発はテロの格好の標的となる危険性がある。

6. 環境・社会影響
  原発は温室効果ガス排出削減に寄与するなどと言われるが、ウラン採掘から原発の燃料とするまでの行程や原発が出す温排水問題など考慮すると削減効果は全くない。また原発建設予定の各地では住民移転などの問題も起こっている。

7.情報公開・市民参加
  原発が輸入・建設されていく過程で原発に関する十分な情報開示がされているか、住民説明会や公聴会が公平性をもって開催されているか。各地で原発建設中止を求めて、抗議行動や署名活動が繰り返し行われている。

8.日本の公的資金投入
  原発輸出には日本の税金もつぎ込まれ、得するのは、原子力ムラの人々と一部の企業だけでというのが実態である。また福島原発事故により、事故リスクの甚大さが明らかになった。事故が起これば国すなわち国民が賠償責任を負うことになり、国民負担に結びつく可能性が高い(日本国民が連帯保証人の立場)。十分な国民的議論もなく、公的資金を投入し、原発輸出を推進し続けることは大きな問題といえる。

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携帯 090-4067-9352
事務局/崔 勝久

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