韓国政府は2008年の「国家エネルギー基本計画」で、原発の発電比率を07年の36%から30年に59%にする方針を示しています。 現在23基稼働中で韓国における原子力発電所の発電容量は合計17.5ギガワットを超えています。これは韓国の総発電容量の28.5%、総電力消費量のうち45%を占めます。韓国の原子力発電所の設備利用率は95%以上です。10年から21年の間に12基の原子炉が増設される計画で、完成すれば合計15.2ギガワットの発電容量が加わります。また「30年までに80基を輸出する」との目標を掲げ、原発を輸出産業に育てようとしています。韓国の原子力発電所は4ヶ所と比較的少ないが、それぞれが4基以上の原子炉を持っています。韓国では今年に入ってからだけでも7件の原発事故(日本の報道)が発生しており、反対運動も活発です。電力会社は「KEPCO(韓国電力公社)」です 。
☆古里原発(4基) 運転中
新古里原発(4基)1号機 運転中
2-4号機 建築中
古里原発は78年4月に稼働した韓国最初の原発で、1号機は設計寿命を迎えた07年6月に停止したが、国際原子力機関(IAEA)の検査を経て、韓国政府が10年間の稼働延長を認め、08年1月に再稼働した。12年2月、定期点検中に停電が起こり、非常用外部電源が故障していたため、炉心溶融(メルトダウン)の危険があった。
☆月城原発(4基) 運転中
新月城原発(4基)1号機 12年7月31日運転開始 2-4号機建設中
月城は、世界遺産に指定された古都で韓国を代表する観光地である慶尚北道の慶州の海岸線に位置します。月城原発の4基が原子炉に世界的に少数派であるCANDU炉(カナダ型重水炉)を使用していることが特徴です。新月城原発1号機は出力100万キロワットの加圧水型軽水炉ですが、運転開始後僅か19日後に制御棒関連の部品が損傷したため12日間運転を停止しました。
今年(12年)11月に設計寿命を迎える月城原発1号機で12年9月16日に変圧器が故障し、タービンと発電機が停止した事故のため3日間運転を停止しました。
☆霊光原発(6基) 運転中
全羅南道霊光郡にある原子力発電所で現在6基が稼動しており、韓国では最も規模の大きな原発です。運営は韓国水力原子力がおこなっている。1号機は81年2月着工し、86年8月竣工。12年7月31日に6号機が故障のため運転を停止、8月5日運転を再開しました。
☆ 蔚珍原発(4基) 運転中
新蔚珍原発(4基) 計画中
慶尚北道蔚珍郡北面にある原子力発電所。運営は韓国水力原子力がおこなっています。
蔚珍(ウルジン)原発1号機(加圧軽水炉型)が12年7月23日原子炉およびタービン発電機が停止した。88年9月に商業運転を始めた。
【韓国の原子力発電所一覧】
大韓民国の韓国電力公社が設計した原子炉(加圧水型原子炉)。略称KSNP。
1983年から1991年にかけてスイスのアセア・ブラウン・ボベリ社(ABB社)と技術提携を行い、同社の原子炉System80をベースに設計された出力100万kwの「OPR1000」を開発。1995年、同国内の霊光原子力発電所3号機で使用された。また1990年代末にかけてアセア・ブラウン・ボベリ・アトム・コンバッション・エンジニアリング社(ABB-CE社)のSystem80+をベースにした140万kwの「APR1400」が開発され、新蔚珍原子力発電所など韓国内の原子力発電所に採用されている。
3.11福島原発事故を契機に、韓国原発に対する総体的な安全点検が予告された中、2000年代に入って韓国内の原発で196件の故障が報告。韓国原子力安全技術院が明らかにした原発別故障件数を見ると、蔚珍が66件で一番多く、霊光、古里、月城が後に続きました。
参照(韓国語)
2011年
4/12 古里1号機、スイッチ部品の破損で停止
4/19 古里4号機、外部電源が1時間半遮断、非常用ディーゼル発電機作動
6/21 古里2号機、送電トラブルで停止
11月 蔚珍4号機、伝熱細管3800本以上損傷見つかる(定期検査中)
12月 古里原発に中古部品が使われていたことが判明、検察捜査
12/13 蔚珍1号機、警報により停止
12/14 古里3号機、過剰電圧発生のため自動停止
2012年
1/12 月城1号機、冷却材ポンプの故障で自動停止
2/9 古里1号機、12分間にわたり全電源喪失し、炉心溶融(メルトダウン)の危険。検査データの捏造疑惑、1カ月間隠蔽(定期検査中)
7/31 霊光6号機が原子炉とタービンが自動停止、8月5日運転を再開した。
8/19 新月城1号機制御系統の故障のため発電を停止。7/31商業運転開始後わずか19日で。
8/23 蔚珍1号機が原子炉およびタービン発電機が停止
9/16 月城1号機で変圧器が故障し、タービンと発電機が停止した事故のため3日間運転を停止
10/2 霊光原発5号機で、蒸気発電機の水位低下が起こり発電停止
ソウル市は12年4月26日、太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用拡大や省エネの徹底によって、2014年までに原発1基を削減できるだけの代替効果を挙げることを目指す総合政策を発表した。福島第1原発事故を教訓に、朴元淳市長が打ち出した「脱原発依存」構想に基づくもの。市内にある1万以上の建物や公共施設の屋上などに太陽光発電パネルを設置したり、燃料電池による発電所をつくったりして、クリーンエネルギーの「生産都市」づくりを進める。
さらに既存の建物などの照明を発光ダイオード(LED)に変更したり、新たに建設されるビルに関してはエネルギー効率を高めるよう奨励したりする方針だ。
☆12.1.18横浜世界会議の韓国資料
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事務局/崔 勝久
NNAA/ FACE BOOK
【MAP】
●東アジア原発マップ
●世界の被爆マップ