NuScale社、財務的危機に?

Beyond Nuclear Bulletin
2023年11月2日号より
NuScale on financial hot seat – Beyond Nuclear

NuScale on financial hot seat
(NuScale社、財務的危機に?)
2023年11月2日

NuScale社といえば、SMRの代表的
企業の 1つですね。正式名称はNuScale
Power Corporationで、本社はオレゴン州
ポートランド、2007年設立です。
NuScale Power – Wikipedia) SMRの
設計や販売を営む株式公開企業ですね。
「やかんをのせたら~~」でも、
ページ s-0)、s-2)、s-3)、s-4) (多数)、
s-5)、s-6)、s-7) などでNuScale社に
言及しています。
「SMRって、なに??」と仰る方は、
ページ s-1) をお読みくださいませ。

SMRって? 人間だから、忘れることもありますよね

SMRって?
人間だから、忘れることもありますよね

そのNuScale社による「でっち上げ
契約」の疑惑が。
英語の記事を読める方々は、
NuScale Power ($SMR): A Fake Customer and a Major Contract in Peril Cast Doubt on NuScale’s viability | Iceberg Research (iceberg-research.com)
もお読みくださいな。

日本でも原発がらみでは、関西電力の
「自治体役人との癒着」、東京電力に
よる発表データの改ざん?隠蔽? など、
「キタねー行為」が後を絶ちませんが、
原発はもともと核兵器用技術に「やかん
をのっけた」ものですから、隠蔽や秘密、
巨額のカネの動きがひっついている
ものです。

では、そのNuScaleの疑惑について、
Bulletinの記事を。

いつもどおり、
私による日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。

原発業界の不正経理? またかよ ・・・

原発業界の不正経理?
またかよ ・・・

******************************************
アメリカのエネルギー省 <Department
Of Energy、DOE> は新型の小型
モジュール原子炉 <Small Modular
Reactors、SMR> 推進の「顔」として
NuScale Corporationを取り上げて
いるが、Iceberg Research <不正経理
などを究明する企業です> がNuScale
による発表に関して公表した報告を
受け、NuScale社は財務危機に陥って
いる。NuScaleはその発表で、同社の
最新式77MW加圧水型SMRの設計に
24基の受注契約を結んだというものだ。
この設計は、まだ承認はされていない。
Iceberg Researchの主張では、NuScale
はStandard Powerという「でっち上げの
顧客」と契約を締結したそうだ。この
Standard Powerもスタートアップの
有限責任企業で、業界全般に及ぶ暗号
通貨と核発電とを融合させている。だが
その核発電には、「実現する可能性が
全くない」。

Iceberg Researchは投資関連調査企業
として認められており、自社の目的を
「財務操作や不正経理を暴くこと」だ
としている。今回の同社による調査
結果から、新型原子炉業界全体に
ショック ウェーブが広がる恐れも
ある。NuScaleへの投資家たちの代理
で、司法捜査が始まっているためだ。
NuScale Corpがニューヨーク株式
取引場で株式を公開したのは2022年
5月2日のことで、同取引場での名称
NYSE: SMRである。それ以来、
同社の株価は下落を続けており、
2022年のピーク時の価格と比べ75%
以上も下落している。

2023年10月6日、NuScaleは新たな
原子炉の契約を締結したと発表したの
だが、 Iceberg Research によればその
発表は「偽りの契約」であり、アメリカ
のスタートアップ企業であるStandard
Power社というエンド ユーザー1社が
1,848MW相当の新型原子炉を370億
ドルで購入するというものだ。Standard
Power社は暗号通貨のデータ マイニング
を営む企業で、アメリカのオハイオ州と
ペンシルヴァニア州でプロジェクト開発
を計画している。Iceberg Researchの
報告を見ると、Standard Power の
従業員数は30名で、同社の経営の
在り方についてはinvestors beware
<要注意の投資先> という警告を
発している。

あそこに投資したら、あきまへんでえ

あそこに投資したら、あきまへんでえ

Standard PowerのCEO、Maxim
Sereshin はニューヨーク州への州税
引当債券5,400万ドルが未払いである
ことが判明しており、ここから彼の会社
(Aurelian Global Holdings) が納税
義務を果たしていないことが分かる。
同社の前取締役専務Adam Swickleは
以前United Currency Groupという企業
のCEOを2001年5月から2002年
12月まで務めていたが、誤解を招く情報
を流して詐欺性証券を販売していた。
さらに彼は、投資家に偽装したFBI
捜査官にも偽証をしていた。彼は有罪
判決を食らい、$483,989の変換を
Swickleに命じた。さらに利子として
$107,842、罰金も$120,000が課された。
だがIceberg Researchがさらに公表
している情報によれば、Swickle は
それ以前にも法廷から罰金などの
支払いを命じられていたのだが、
それらの未払いという前科があった。
Iceberg Researchがさらに報じている
ところでは、Standard Powerの取締役
会長Douglas Wurthは、Bluejay
Diagnosticsという診断・医療機器の
会社の会長を兼任している。同報告
によれば、Bluejay Diagnosticsの
「財務状態は悲惨なもの」だ。同社を
担当している公認会計士事務所である、
ボストンに本拠を置くWolf and
Companyは2022年の監査の結果、
Bluejayの「存続そのものが、深刻な
問題のまま」だそうだ。

要するに、つぶれかけ ・・・

要するに、つぶれかけ ・・・

Standard Power関連の原子炉取引では
NuScaleにはもう1社商的パートナー
がおり、 Entra1という。この企業が
NuScaleのSMRを開発・運用・保有・
稼働し、Standard Powerはエンド
ユーザーとしてブロックチェーン用
データ センターのサービスを営む、
という筋書きだ。Iceberg Research
では、デラウェア州に本拠を置く
Entra1の追跡調査も実施、すると
Fluor Corporationとのつながりが見つ
かった。Fluorはアメリカを代表する
核兵器製造メーカーでNuScaleに
決定権を有する投資企業でもある。
文字色強調は、私>

今回の NuScaleと Standard Power
の間での「でっち上げ契約」は、両社の
ぜい弱な財務状態にとっての大きな懸念
材料であり、これをきっかけに
核エネルギー業界という頼りない構造が
またもや崩壊してしまう危険性すら
ある。だが、それだけではない。
さらにIceberg Researchによれば、
今回の契約はNuScaleとしては最初の、
連邦政府のアイダホ国立研究所からの
場所に関する好意を得ての原子炉販売
契約であった。だが、その契約がでっち
上げであり、暗礁に乗り上げてしまった
のだ。もう1つの連邦政府がらみの契約
として、ユタ自治体連合電力システム
<Utah Associated Municipal Power
Systems、UAMPS> と462MWeの
契約があるのだが、それに加えて
77 MWeのおねじSMRを6基、
建設するという内容であった。
UAMPSはアメリカ西部のいくつかの州
の連合組織で、西部の自治体およそ
50に対し電力の卸売りを行っている。
NuScaleはこの連合体からの購入契約を
維持しようと苦戦している。その一番
最近の例として、ある自治体は核発電
への依存をやめ、太陽光と蓄電技術開発
に乗り換えた。

なんでまた、こんなつぶれそうな家を??

なんでまた、こんなつぶれそうな家を??

2023年3月現在、
NuScaleへの電力供給依頼件数は27の
都市にまで減少、これは想定していた
総出力の約26%に過ぎない。NuScaleが
UAMPSと締結している電力供給契約
では、 均等化発電原価 <Levelized
Cost of Energy、LCOE> を$89/MWh
未満に保ち、2024年2月までに供給
契約の締結者率を80%という高い率に
保つこととされているのだが、それ
にはもう時間が無くなりつつある。
この来年2月までという期限に間に
合わない場合には、UAMPSには契約
終了という選択肢もある。しかも現実
問題として、NuScaleが実際に契約を
得たのは、供給できる総量462 MWeの
うちわずか116に過ぎず、80%に
あたる370 MWeにはほど遠い。.

このIceberg Researchによる報告
では、NuScaleとStandard Powerと
いうベンチャー事業を評価した結論と
して、これは現時点では最大のSMR
プロジェクトであるが、「各種要因を
検討すると、Standard Powerの
バランスシートを見ればこうした契約を
維持できるだけの財務状態にないと見る
べきだ。現時点でも、今後も」と判断
している。

Icebergによる報告はさらに、こう
述べている。「NuScaleのStandard
Powerとのでっち上げ契約は、戦略的な
動きというよりも投資家の信頼を失わ
ないための切羽詰まった行為のようだ。
NuScaleは苦闘しており、政府からの
補助金などがなければ、同社の株式には
ほとんど価値はない。政府からの支援が
今後も続くと仮定しても、DOEの
通常の方針はあくまでコストは民間と
分け合うというものだ。つまり、既存の
株主にとっては軽減されてはいても
コストを負担することになる」

予想通り、2023年10月24日、
NuScaleはこの Iceberg Researchに
よる報告について、「不正確だ」と
反応した。
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やっぱり切り離せませんなあ

やっぱり切り離せませんなあ

ピンクの文字の個所、結局は核発電と
核兵器は不可分なのだという事実の
実例の1つですね。
Fluor社の核兵器製造への加担に
ついては、英語記事を読める方々は
Fluor – Don’t Bank on the Bomb (dontbankonthebomb.com)
もお読みになってください。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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