Atlantic Councilの卓上シミュレーション、その3

Atlantic Councilの卓上シミュレーション、その3
元の英語記事は、こちら

Atlantic Councilによる昨年(2025年)5月12日付の卓上
シミュレーションの結果紹介、締めくくりです。

このシミュレーション結果報告は最後に、発見事項や
推奨事項を列挙しているのですが、その発見事項の中から
特に核兵器関連のものを。

ごく短く抜粋要約・日本語化して紹介しますね。
<  > 内は、私からの補足説明です。

今までは良かったけど、道が変化している~
MAD理論に頼りすぎると ・・・

***************************************

アメリカは、限定的な核攻撃を受ける可能性に備える
必要がある。その一環として、<従来のMAD理論に
あるような> 全面的な破壊という報復以外の
対応策を
用意しておくべきだ。敵から限定的な核攻撃を受ける
危険が増大しているのだが、アメリカとその同盟諸国に
よるそれへの対応は今のところ、大がかりな
<報復という> 処罰による抑止という手段に依存して
いる。だがこれは、リスクの大きい手法なのだ。
例として、現時点でアメリカが北朝鮮に対し宣言している
方針は、北朝鮮がどのようなものであれ核兵器を使用する
なら、北朝鮮の現政権は終焉を迎えるぞ、というものだ。
だがこの方針は、2030年までには信用されなくなろう。
限定的な核攻撃により良く対処しその攻撃を受けた後での
対応を効果的なものとするためには、苦痛をしのびつつ
政治的・軍事的な厳しい決定を下すことが迫られるのだが、
それを回避しようとする傾向がある。そのため、<相手から
の核攻撃の被害程度と比べ> あまりにも程度が違う
<全面破壊という> 報復による抑止が機能しない場合に、
通常兵器による報復としてはあまり良い選択肢が見当たら
ないという可能性がある。一方、アメリカからの小型
核兵器による報復については意図的な制限が設けられて
おり、そのためアメリカからの核による報復は効果が
小さいか、過剰と見られてしまう恐れがあるのだ。

    • 今回のシミュレーションからは、政権を終わらせるぞ
      という大規模の核による報復は、遅くとも2030年まで
      には効果を失う恐れがある。今回のシミュレーション
      で北朝鮮を担当したチームからは、北朝鮮の政権を
      終了させるぞという現在のアメリカの報復方針では、
      挑発的であるとともに信頼性が小さいとの指摘が
      あった。上述の通り、今回のシミュレーションからは
      北朝鮮の政権が核兵器を使用したのにかかわらず存続
      してしまうシナリオもいくつか明らかになった。
    • 今回のシミュレーションからは、アメリカとその同盟
      諸国とが限定的な核攻撃に対処してその後に効果的な
      対応をするための行動を回避したがるという傾向が
      存在するというさらなる証拠が得られた。ようやく
      対応をする時点では、遅すぎるという結末がありえる
      のだ。

      *****************************************

      それ、もう古いのよね~
      私のクロッキー(速写画)、Croquis Cafeベース

限定的な核攻撃に対しては、確かに戦略核による
「すべて滅ぼすぞ」という報復では、やりすぎです
よね。つまり、「核を一度使用すると、自分も滅ぼ
される」というMAD理論が通用しない世界情勢・
軍事情勢になっているというわけです。
現時点で日本の核武装を求める主張の多くは、その
時代遅れのMAD理論に立脚してしまっております。
このあたり、よく軍事や世界の情勢を考えてものを
言いませんと、トンでも核武装論を唱える結果に
なってしまいますね。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
This entry was posted in Uncategorized. Bookmark the permalink.

Comments are closed.