Iran Nuclear Chief Blasts IAEA for Being Exploited By Zionists – Politics news – Tasnim News Agency
イランの核関連チーフ、シオニストに利用されているとIAEAを非難
イラン政府に対する西側からの批判に対応して、イラン側が
困った対処に出た (監視カメラの取り外しなど) という
The New York Timesの6月9日付の報道は、下で紹介しました。
では、イランの国営報道機関 Tasnimは、その件をどう報じて
いるのか?それを見てまいりましょう。
“Argument IV – Conclusion” (議論の顛末)
私の昔の作品より
いつもどおり、私による抜粋・日本語化で、< > 内は私からの
補足説明です。
- 2022年6月10日
テヘラン発、タスニム – イラン核エネルギー機関(Atomic
Energy Organization of Iran、AEOI)の長モハンマド
エスターミ (Mohammad Eslami) は、今週 <2022年6月5日に
始まる週> ウィーンで開催されたIAEAの理事会議の後に
発表されたイラン政府を非難する決議に関し、遺憾を表明した。
エスターミ機関長によれば、IAEAはイスラエルの政権に支配
されており、利用されているという。
イラン核エネルギー機関の長であるモハンマド エスターミ が
この発言をしたのは、木曜日 <9日> に行われた国営テレビとの
インタビューでのことで、イランのIAEAとの協力と先述の35か国
理事が集まった会合で採択した決議とについて話していた時点での
ことだ。
「<イスラエルという> 非合法な政府によって国際機関が利用
されており、その評判も汚されているのは、残念なことだ」 と
エスターミは語った。これは、イスラエル政府のIAEAに対する
影響力を問題にしての発言だ。
イランのエスターミによれば、イランは2015年の正式には
「共同包括的行動計画」<JCPOA> という核合意の定める義務を
超えて行動しており、その誠意を実証してきた。だがそれに対して、
IAEAが誠実に応答していない、という。
「(こうした義務を)なぜ我々イランは引き受け、自らに拘束を
課したのか?それは単に、(イランに対する) 非難をかわすため
だけのことだ。だがイランの誠実さと楽観主義は無視されて
しまっている」 とエスターミは語った。
さらに彼によれば、イランは国内の各施設に新型遠心分離機の
設置を開始しており、違反行為をまったく始めていない。
同氏はまた、「イラン政府は初めて、国家プログラム枠組み
(Country Programme Framework、CPF) をIAEAに提出した」
とも語った。
「IAEAの憲章によれば、IAEAにはイランに技術的・教育的支援を
行う義務があるのだが、IAEAもその他の国際機関も、シオニスト
たちの手にとらえられてしまっている」
本文と関係ないですが、私の点描練習より
CPFとは、IAEAとその加盟国との間での技術協力の中期的な
立案をするうえでの枠組みで、その国の開発上の目標達成を
支援するため、核技術の移転と技術協力のためのリソースを
配置するうえでの優先分野を特定するものだ。
エスターミはイランの平和的な核エネルギー関連活動はIAEAの
規定の下で技術的に今後も続くと強調しつつ、そうした規定
枠組みの中でのみイランはIAEAの検査官たちによるイランの
核活動の監視を許容すると述べた。
・・・ (中略) ・・・
上述のイランを非難する決議はアメリカ、ドイツ、フランス、
英国が草案を作成したもので、<8日の> 水曜日遅くに採択された。
賛成30票、反対2票、棄権3票だった。
IAEAの事務局長ラファエル グロッシは先週、理事会に対して
<この決議案を> 紹介する発言において、イラン非難の
レトリックを繰り返していた。
グロッシの主張によれば、「イランはJCPOAの下での自国の
核関連任務の履行を停止するという決定を下しており、
それには追加議定書 <と呼ばれる規定、Additional Protocol> も
含まれている」 ため、2021年2月23日以来、IAEAの活動に
「深刻な影響が出ている」 とのことだ。
グロッシによればイラン政府は 「国内に、IAEAに通知していない
核施設を3か所有しており、それをIAEAが発見したのだが、
それらについて技術的に信頼できる説明をまだしていない」
この、西側が非難決議を採択した動きのきっかけとなったのは、
今回のウィーン会議に先立ちグロッシが足早にイスラエルを訪問
したのだが、その後でIAEAが発効したある報告書であった。
IAEAが発したイランの核関連活動に関する決議の直接的な根拠として、
イスラエルが提出した文書があるのだが、イラン政府はそれを捏造で
あるとして繰り返し否定してきている。
あっち向いてしまってる ・・・
私の20分クロッキー
イランの外務大臣はその声明において今回の決議を 「政治的な
ものであり、誤っており建設性がない」 と否定している。
「イランはIAEA加盟諸国の中でももっとも透明で平和的な
核開発プログラムを進めている諸国の1つであるのに、その
イランを非難するものだ」 としている。
イランは以前から、IAEAが本来の技術的アプローチから逸脱し、
イランの核プログラムに対し政治的なスタンスを取るのはおかしいと、
警告を発していた。それにも関わらず、今回のグロッシによる
<イランを非難する> 発言がなされた。
<8日> 水曜日には既に、イランは <その各施設に設置してある>
IAEAの監視カメラをオフにした。もともとこれは、<イラン側が>
「善意の現れ」 として自発的に設置許可したものだ。
イラン核エネルギー機関によれば、このカメラの役割は核非拡散
条約 (NPT) の拡散防止合意に定めたものではなく、この
「善意の現れ」をIAEAは「正しく受け取らず」、イランの「義務」と
理解してしまっている。
同核エネルギー機関のスポークスパーソン、ベルーズ カマルヴァンディ
(Behrouz Kamalvandi) によれば、今回の監視カメラのオフ化に続き、
イランはさらに追加の措置を講じるという。
カマルヴァンディは 「その他の措置も検討中であり、<IAEAが>
正気を取り戻しイランからの協力には協力で応じるようになって
くれることを願う」 と述べている。
電源を切断して監視カメラの接続を切った時点の記録を、
同核エネルギー機関が公開している。
・・・ (中略) ・・・
イランは報告に未記載の核関連活動や隠れた活動をまったく
行っておらず、そのことを今までにク度も公表してきた。
イラン政府は世界の信頼を得るため数々のステップを
踏んできており、これらはIAEAや国際社会に対し、
イランの核プログラムが平和目的のものであることを示す
事のみを目的としている。
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架空のバラ、やはり本文とは無関係な挿絵
私の作品より
やはり、西側メディアだけを見ていては、片翼飛行に
なりますね。
でもイラン側の主張を鵜呑みにするわけにも、まいりません。
そもそも60%を超えるウラニウムを濃縮して、核兵器以外の
何に使えるのか、説明が欲しくて以前から私は待っている
のですが ・・・
それと、相変わらずイラン政府は 「反イスラエル」 ですね。
ま、モサドが絡んだ暗殺事件とみられている事件が何度か
発生しているのは、存じておりますが。でも、
アフマディネジャド大統領のころから 「ホロコーストの事実否定」
発言があったりしたので、イスラエルが反応するのも当然だとも
言えます。
そんなわけで、「どちらを信じるかは、あなた次第」 などと
言って済ませるわけにはいきません。
私たちには、両方の主張を聞きながら、今までの経緯なども
考えつつ判断していくことが求められますね。
では、引き続き 「核抑止理論」 の調査を進めながら、何か
その他の情報が入ればここで紹介してまいりますね。