f-4)(これから)イランの核、2000年代半ばから現在

反政府組織が情報を得ている場合も

ページ f-3) で言及したモサドによる秘密文書の発見以外にも、2002年8月にはイラン国民抵抗評議会(NCRI)がイラン国内の秘密核施設の存在を公表しています。ナタンズのウラン濃縮複合施設、アラクに当時建設中だった重水製造工場(重水は、重水炉で中性子減速材として用います。できるプルトニウムの濃度が、軽水炉よりも高くなります)、その他です。

 

やっぱりやめた~~

やっぱりやめた~~

「やっぱりやめた~」を何度もやらかすと ・・・

そんなこんながあって、イランも一度は2003年に、IAEAの追加議定書(Additional Protocol)を受け入れています。この追加議定書に同意すると、IAEAはイランの核プログラム関連施設に立ち入り、最新の技術を駆使して調査を実施することができます。

しかし。ここで、イラン国内政治に変動がありました。2005年8月、強硬派で有名なアフマディネジャド大統領が就任したのです。翌年には追加議定書を破棄、新たな核施設の建設を発表しました。2,784台の遠心分離機を収容できたそうです。さらに2009年には、U235濃度が20%を超える高濃縮ウランを製造する能力があるとイランは発表しています。

こういう「裏切り行為」が繰り返されたことが、2010年のStuxnetサイバー攻撃の背景でもありました。上の黒いメニューで、d-4) をクリックしてくだされば、短い説明があります。

JCPOA合意、しかし ・・・

そうした「やっぱ、やめた」の実例をいちいち紹介していると、かなり長いページになってしまうので、詳しくは紹介しません。

とにかく、2013年にイラン大統領選挙があり、穏健派のロウハニーが大統領に選出、これから米・英・仏・独・中・露という6か国 +EUとイランの交渉が続きます。

そして2015年7月にJCPOA(Joint Comprehensive Plan Of Action、直訳すると「合同包括的行動プラン」)が合意に至ります。これはイランのウラン濃縮に制限を加えることで、核兵器製造を遅らせようという狙いの合意です。具体的には、遠心分離機施設の建設や重水関連の活動、兵器グレードのプルトニウムやウラニウムの製造・保有を制限するものです。それをイランが守ってくれるなら、西側からの経済制裁を緩和しましょう、というわけですね。

しかし・・・
この合意には、ミサイルのテストに関する規定がないのです。つまり、JCPOA締結後も、ミサイルのテストは自由にできたのですね。

さらに、時限のある合意だという点も、問題にされています。時限が過ぎれば、また核開発が再開してしまう・・・

 「やっぱ、こいつには厳罰を」「おい、おい」


「やっぱ、こいつには厳罰を」「おい、おい」

 

 

それやこれやで、ご存じのとおり、2018年には当時のトランプ大統領のアメリカが、JCPOAから「イチ抜けた」しています。そしてアメリカは、イランへの制裁を再開。この「イチ抜けた」をめぐり、国際世論が割れたことも覚えてらっしゃるでしょう。
サウディアラビアや湾岸諸国の動き

上記のようなイランの核兵器開発疑惑が何十年も続いたのですから、当然、近隣諸国がじっとしているハズもございません。

その「核緊張」を典型的に表す事実の1つとして、2018年3月のサウディのモハメド王子(防衛大臣を兼任)による次の発言が挙げられます。Reutersのウェブサイトより。
https://www.reuters.com/places/mexico/article/us-saudi-iran-nuclear/saudi-crown-prince-says-will-develop-nuclear-bomb-if-iran-does-cbs-tv-idUSKCN1GR1MN )

Saudi crown prince says will develop nuclear bomb if Iran does: CBS TV

・・・(中略)・・・

“Saudi Arabia does not want to acquire any nuclear bomb, but without a doubt if Iran developed a nuclear bomb, we will follow suit as soon as possible,” Prince Mohammed bin Salman told CBS in an interview that will air in full on Sunday.

(サウディの皇太子、イランが核爆弾開発するならサウディも、とCBS TVで発言

・・・・・・

「サウディアラビアはいかなる核爆弾の取得も望んでいない。だが、もしイランが核爆弾を開発するなら、可能な限りサウディもそれに続くことになろう」と、サウディのモハメド ビン サルマン皇太子がCBSとのインタビューで述べた。このインタビューは、この日曜日に放送予定)

次のページ f-5) では、そのサウディアラビアと湾岸諸国の核に関する動きを見てまいりますね。やはり、アレコレ調べながら執筆しますので、時間がかかります。あらかじめ、ご了承くださいませ。

隣が鉄砲を買い込んでるから、ウチも・・・

隣が鉄砲を買い込んでるから、ウチも・・・

 

サウディや湾岸諸国の核開発について、ページ f-5) で短く取り上げます。

 

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