イランのミサイル プログラム には打撃、だが核の脅威は 消えない

Israel Insightのウェブサイト
より
Iran’s missile program set back, but nuclear threat remains – Israel InSight

Iran’s missile program set
back, but nuclear threat
remains
(イランのミサイル プログラム
には打撃、だが核の脅威は
消えない)

最悪のモンスターは残ってる


イスラエルによるイランへの報復攻撃
でイランのミサイル装備などがかなり
のダメージを受けたことは、広く報道
されています。しかし、核施設は??
核施設なんてものは、いったんできて
しまうと悪戯には攻撃できない困った
代物です。しかし、攻撃側が腹を
決めて攻撃してしまうと、放射性物質
などの周辺への散乱、地球規模での
拡散なども招きかねません。さらに
敵国に占拠された場合、手に負えない
事態になることは、ザポリージャ原発
が証明していますよね。こんな困り
ものは、そもそも初めから作らないに
越したことは、ありません。

では、イスラエル ナショナル
ニュースのウェブサイトにあるLappin
さんの考察を読んでみましょう。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*****************************

最悪モンスターが残っている限り・・・


イスラエルは長期戦を覚悟か。差し
迫った軍事的脅威には打撃をもたらし
ているが、将来のイランからの攻撃の
危険性を残している。

Yaakov Lappin

2024年10月28日

Yaakov Lappinはイスラエルに本拠を
置く軍事問題担当の特派員兼アナリスト。
Miryam研究所の所属アナリストでもあり、
Alma Research and Education Center
<アルマ研究教育センター> のアソシ
エイト、さらにBar-Ilan大学のBegin-
Sadat Center for Strategic Studies
<ベギン・サダト戦略研究所> でも研究
アソシエイトを務める。Sky Newsや
24 Newsといった国際的テレビのニュース
番組でのゲスト コメンテーターも頻繁に
務めている。Lappinの著作としては、
Virtual Caliphate: Exposing the Islamist
State on the Internet <”仮想のカリフ国
― インターネット上のイスラム国を晒す”
> がある。Lappinのウェブサイトは 
www.patreon.com/yaakovlappin

<10月25日> 金曜の夜、イスラエル
軍はイランの軍事標的を攻撃、イラン
のミサイル プログラムと防空システム
とに損害をもたらした。同時に、
イスラエル空軍の長距離攻撃能力の
秀逸性をも証明した。

だがイランの核開発プログラムは無傷
であり、どうもイスラエル政府はイス
ラエルによる攻撃を限定的なものに
するよう求めたアメリカからのプレッ
シャーも考慮に入れた模様だ。今後の
問題として、今回の攻撃によるイランの
ミサイルや防空インフラストラクチャー
への損害を皮きりに将来も攻撃を実施
するのか、という点がある。

荒っぽい地図でゴメン!

イランの国営メディアの報道によると、
今回の攻撃を受けた標的は、次の3つ
だ: テヘラン、クゼスタン(イラン
南西部)、そしてイラーム(イラン
西部)。.

今回の攻撃をイスラエルは「懺悔の
日々作戦」(Operation Days of
Repentance)と読んでいるが、IAF
ジェット機数十機が任務にあたった。
それに、燃料補給機もともない、イス
ラエルの領土からおよそ1,600㎞
離れた地点を攻撃した。イラン上空で
IAFはほぼ難なく航空権を確保した。

イラン国営メディアは今回の攻撃に
よる影響を過小評価しているが、少なく
てもイスラエル軍がイラン領土の深い
ところまで攻撃でき、損害を受けずに
複数の複雑な波状攻撃を実施できる
ことを実証した。

<イスラエルの> IDF のスポークス
パーソン部によれば、今回のミッション
は成功をおさめ、すべての航空機が
無事に帰還した。

今回の攻撃を受け、ロイターはバイデン
政権の高官の一人による発言を紹介
した。ワシントンが「イランによる
どのような往復にも対応できる準備を
整えてはいるが、ジョー バイデン
大統領はイランが事態を悪化させる
ことはなかろうと見ていた」

やめとけよ

これは、イスラエルに対しイランの
核プログラムには直接攻撃を行わない
ようプレッシャーをかけるという
アメリカのいつもの姿勢とも整合して
いる。現時点ではあと何日かで
アメリカの大統領選挙が行われ、しかも
アメリカはイランの戦争にアメリカが
直接関与することを回避しようと外交
努力を展開している。

そうした事情から、今回の攻撃は単なる
軍事作戦ではなく、外交的な性格も兼ね
たものだ。核問題での直接的な対立を
回避することで、イラン政府は事態の
鎮静化に努める機会を得られる。

今回の作戦を受けて直ちに生じる戦術上
の問題として、今までのイスラエルに
よる攻撃によりイランのミサイルならび
に防空システムにはかなりの損害が
生じており、今後の展開にも影響がある
程度なのか否か、という点がある。

イランの防空ネットワークがかなりの
ダメージを受けたのであれば、イス
ラエルの今後のすべての作戦において、
イスラエルに有利に働く。今回の攻撃
作戦では、数時間をかけて何波かの
攻撃を実施しており、イランの反撃
能力を損なおうという継続的かつ
体系的な意図があったものと思われる。

イランのミサイル製造施設にどの程度の
損害があったのかは、今のところ分かっ
ていない。だがイランによる弾道
ミサイルの補充とアップグレードしよう
とする活動が遅延し、イランの軍事戦略
に欠かせない弾道ミサイルという要素が
劣化する結果となっていくことも
考えられる。


相手の出方次第で~~
私の作品 “YouTube Politician”
BP pen on paper

戦略的な問題として、イスラエルは
「ステージB」<つまり次段階の攻撃>
を計画しているのか否か、という問題が
ある。このところの攻撃により戦術的な
成果は得たが、イスラエルがイランの
核施設を攻撃対象から除外したこと
から、イスラエルによる今後の攻撃の
有無は、イランの反応次第なのかもしれ
ない。あるいは、イランが核爆弾の製造
へと向けて姿勢を変更するか否かによる
のかもしれない。

また最近の攻撃によってイランの
ミサイルや防空能力が実際に損害を
受けたのであれば、イスラエルは第二の
攻撃を実行するかもしれない。つまり、
今までよりも戦略的に意味の大きい
重大な場所を攻撃する、ということだ。
その方が、ロジスティクスという面で
容易なのだ。

それでも、イランの核開発は続いて
いる。テルアヴィヴに本拠を置く
Institute for National Security Studies
(国家安全保障研究所)でイラン問題
ならびにシーア派機軸研究プログラム
担当のディレクターを務める Sima
Shineによると、2-3週間あれば
イランは核兵器3個相当の濃縮ウラ
ニウムを製造できる。それと並行して
核弾頭も製造する必要があるが、これ
にはもう少し時間がかかると、Shine
は今月JNSに述べていた。ただし、
ミサイル弾頭ではなく <落とす
だけの> 核爆弾を作ろうとイランが
決定する可能性もあると、Shineは指摘
していた。「期間としては、大まかに
半年から1年半程度の問題だ」
「どうなるかは、(イラン政府の)
政治的決定次第だ」とShineは語って
いた。

Just a 20-min croquis, empty space contains something --- / 単なる20分クロッキー、うつろな空間には何かが ・・・
で、その先は??
私の20分クロッキー

こうした展開を考えるなら、<今回の
攻撃でイスラエルが> ミサイル製造
施設と防空能力に集中したことからは、
イスラエルが長期戦に備えていることが
窺える。将来の攻撃も視野に入れたうえ
で、イランからの切迫した軍事的脅威を
軽減しよう、というわけだ。

したがって今回の「懺悔の日々作戦」は
計算の上での作戦であったが、次回は
どうなるのかという重大な疑問を残す
ものであった。はたして、イランの
核開発プログラムと決定的に直面する
ことをイスラエルは、計画しているの
だろうか?
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Cold Here. May I Merge with You? (寒いよ。融合していい?)
切り離せない ・・・
私の昔の作品 ”Cold here. May I merge with you?”
紙にオイルパステル

こうした核がらみの軍事問題を取り
上げる反原発団体が、日本では奇妙にも
少ないですよね。でも、「やかんを
のせたら~~」では繰り返し述べて
きたように、原子炉とはそもそも核爆弾
製造のための装置でした。今も、多くの
原子炉ではPu-239の製造が行われて
います。たとえば北朝鮮の核兵器も、
そのPuは原子炉からのものですよね。
ですから「やかんをのせたら~~」では
今後も、こうした各軍事関連の記事も
紹介してまいります。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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