e-7) (運動のあり方) 共通基礎コースを作りませんか?

2023年6月

ある反原発のセミナーで

この種のセミナーなどでは、講義の後で
よく質疑応答の時間がありますよね?
さらに、質問者に条件などは要求されず、
「どなたでも、XX先生にご質問を
どうぞ~~。原発関連のことなら、
何でもよいですよ。ご自分の意見発表の
場ではないので、ご注意くださいね」
といった感じで始まることが多いです。

この「誰でも・なんでも」というのは
実はかなりの曲者で、講師の専門外の
質問が出てきて講師の回答が専門家
から見ると問題を含んでいたり ・・・
そういったリスクがあることは、
以前に指摘しました。

(;; > o<) だからって、「新型軽水炉の
事故危険性に関するご質問を」なんて
言ったって、聞こえてるのかいないのか、
放射線の健康影響の質問をしちゃう人も
いるのよ!

「イタリア料理店だからって、オレはブリの握りが食いたいんじゃ!」 なら、初めから寿司屋さんに行きましょう。

「イタリア料理店だからって、オレはブリの握りが食いたいんじゃ!」
なら、初めから寿司屋さんに行きましょう。

・ まず、大前提として、イタリア料理の
レシピを寿司職人に尋ねるのは、
おかしいです。
「ここは何屋さんなのか」をセミナー
開催の前から明確に告知しておくべき
ですし、
質疑応答の前にも「ここはイタリア料理
屋なので、お寿司に関する質問には答え
られません」と断っておくべきですね。

それと、ハッキリ言ってしまうと、
「あまりに不勉強な質問」に丁寧な説明を
していると ・・・

・・・学んできた方々からの質問の
時間がなくなってしまう!

「私の娘、幼稚園児だけど質問する権利あるわよね~!!」 なら、はじめから幼稚園児向けのクラスを設けてもらいましょう。

「私の娘、幼稚園児だけど質問する権利あるわよね~!!」
なら、はじめから幼稚園児向けのクラスを設けてもらいましょう。

その実例を紹介します:

質問者
Q1)「原発は停止しているのに、冷却の
ための電力って、なんで必要なん
ですか?」

講師
A1)「原子炉を停止させても、その中に
放射性物質は残っていますよね。
それがまだ崩壊熱といいう大量の熱を
出すので、冷やさないとメルトダウン
などに至りかねないのです」

質問者
Q2)「”崩壊熱”って、なんですか?」

講師
A2)「放射性物質は、自然に放射線を
出しながら、他の元素に変わって
いきます。これを”崩壊”と呼んで
いますが、そのときに発生する熱が
崩壊熱です」

質問者
Q3)「”自然に放射線を出しながら、
他の元素に変わっていきます” って、
どういうことですか?」

講師
A3)「まず、”原子核”というものは、
お分かりですよね?
・・・・(丁寧な初心者向け説明を
続ける、親切な講師さんでした)

上記のやり取りは、実際にあるセミナー
で起きたことを基にして創作しました。

周囲の反応は、
「この講師の方は親切だなあ~」
「こんな初心者でも丁寧に相手
しないと、反原発の人数が増えない
・・・」
といった感触でした。

でもそうした感触って、
この質問者と講師しか見ていない
ですよね。
同じ会場にいた、ほかに質問があった
方々は、この質問者が時間を占拠して
しまったがために、質問ができません
でした
セミナー会場そのものが時間貸しで
あったため、時間の延長はできなかった
ですし。

「あのおばはん、質問時間全部、一人で使ってまいよった」 基礎コースが別にあれば ・・・

「あのおばはん、質問時間全部、一人で使ってまいよった」
基礎コースが別にあれば ・・・

別に、この質問者を非難してるんじゃ、
ありません

初心者に丁寧な情報提供や説明ができる
ことは、どんな社会活動でも必要ですし、
上記の質問者のしつこく説明を求める
姿勢は、立派だと思います。

でも。
だからといって、他の質問者の質問する
機会を奪ってよいということには、
なりません。

何がいけないのか?
そもそも、この例のセミナーの
内容が、この質問者には難しかった
というべきですよね。
入門レベルなのか、ある程度専門性が
あるオーディエンス向けなのか、
そうした想定対象を明確にした反原発
セミナーが少ないのが現状では?

だいたい、
「原発は、停止しても安全じゃない」
「SMRは本当に事故を起こさない
のか?」
「核発電のproliferation risksの歴史、
実例で」
の3例だけ考えてみても、想定受講者は
それぞれかなり異質になるはず
ですよね。当然、教材の書き方も
受講者の集め方も異なってくるはず

じゃあ、いったいどうしろと私は言いたい
のか??

「さっきから、文句つけてるだけやんか~」

「さっきから、文句つけてるだけやんか~」

基礎コースを作成して、誰でも学べる
ようにしましょうよ!

軍事リスク、新型原子炉、放射線医学、
電源三法交付金、核抑止 ・・・など
など、反核活動には多様な専門的分野
が絡み合うのですが、
どの専門に進むにせよ、知っておくべき
共通の基礎のようなものもあります。

で、上の質問者さんの質問は、
明らかにそうした「共通の基礎」に
属するものですよね。

2023年6月現在、インターネットを
探しても、日本語でのそうした
「共通基礎コース」のようなものが
見当たりません。

これは、私自身も含めた既存の反核
勢力(個人も団体も)の責任だと
考えております。

そうした「共通基礎コース」が
インターネットなどで常時学べるように
なっていれば ・・・

・・・たとえば上の質問Q1) の時点で、
講師
「それは、インターネットにある無料の
”共通基礎コース”に説明がございます。
お時間がおありの時にそれをお読み
ください。
もしインターネットをご利用でない
のでしたら、受付で印刷バージョンも
販売しております」
で済ませ、次の質問に進んで
構わないでしょう。

それで上の質問者さんが
「なんて冷たい対応!」とかブチ切れる
ようなら、その質問者さんは所詮、
自己中心的で幼児ぽい人物だったって
ことでしょう。(あるいは、核推進
勢力が紛れ込ませた妨害工作員??)

世界から核を廃絶するのだ、という
活動をしていくのなら、それなりに
自分で学ぶ姿勢も不可欠なはずです
からね。

妨害工作にも、もっと注意を!

妨害工作にも、もっと注意を!

巷の論調には、基礎知識が欠落した
ものが多い

ほんの一例:
「カーボン ニュートラルを実現する
には、原発を増やすべきだ」

・ まず、原発を認可・建設・稼働
させるには、10年を超える年月が
かかる。2030年のカーボン
ニュートラル目標には、どうあがいても
間に合わない。(常識的な問題)
・ 気体のカーボンさえ出さなければ、
温水を排出するのは、気候変動に
影響がないのか??
(上の黒いメニューの下のほうにある、
付録 w-10) など参照)
・ 使用済み核燃料や核分裂生成物を
使用後も冷却せねばならず、そのための
電気はどこから??(もしそれが石炭
火力だったりすれば、原発でCO2を
減らしたとしても、使用済み核燃料
などの管理段階でCO2を出すことに)
・ そうした「いわゆる核ゴミ」を
地層処分するのだが、そこからの
長期的なカーボン排出は?
(付録 w-8))

あるいは
「電力需給のひっ迫があったから、
原発を再稼働するべきだ」

・ 実は日本では、原発を稼働させると、
火力や再生可能エネルギーによる
発電を制限するプラクティスが。

こうした諸々の基礎知識欠落が
巷にはびこったままです。
そして、そんな無知に振り回されて
世論の一部が形成されています

酔っぱらいの言うことを聞いてると・・・

酔っぱらいの言うことを聞いてると・・・

あるいは、仮に「SMRの問題点」
といった少人数セミナーを開催
するとして ・・・

・・・「SMRの事故危険性」とか
「SMRのproliferation risks」といった
問題を扱うとしましょう。
すると当然、たとえば
「原子炉が小さく、発電量も小さくなる
⇒ 発電量を増やすため、核燃料中の
UをHALEUにしようという動きが
生じたら ⇒ proliferationに直結し
かねない
という説明があるでしょうね。
実に重大な問題です。

ここで、
「HALEUってなあに??
それを使うと、なんで核兵器に
つながるの?}
といった質問をする人が紛れ込んで
いたら ・・・
LEU、HALEU、HEU、兵器グレードU
U濃縮
といったことは、いずれも基本コースで
扱っておくべき内容でして、それを
学んでいない人が「SMRの事故危険性」
とか「SMRのproliferation risks」といった
専門性のあるセミナーに紛れ込んでしまう
ことは、セミナー主催者が防止するべき
ですよね。「基礎を学習済みの方々だけを
受講対象としております」というセミナー
にならざるを得ないですから。
でも現状では、その「基礎」を無料で
学べるようなコースが見当たらない。。。


私の90分デッサン、紙に幼稚園用クレヨン
デッサンの基本を学んでおけば、幼稚園クレヨンでも
それなりに描けるという実例です。
基本を学んでおくことがいかに
重要か、ってことですね。

「共通基礎コース」のようなものを
作成・公開したいのですが、
私のような一人の個人では ・・・
各種反核団体などの連携・協力が
必要だと思うのですが。
皆様は、どうお考えでしょうか?

ご意見を私までお寄せください!
yadokari_ermite[at]yahoo.co.jp
まで!
あるいは、Facebookの
Painter Francis Heedayのページで
コメントをくださっても歓迎です!

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