本ウェブサイト「やかんをのせたら~~」で私(ひで)は、
たとえば
「proliferation risksにフォーカスしており ・・・」 とか、
「事故危険性を無視しているわけじゃない ・・・」
といった発言をしてまいりました。
それと、たとえば
・ 福島第一の惨事に関する言及が少ない
・ 放射線による健康被害については、ほとんど触れていない
といった特徴が本ウェブサイトにはあるので、ご不満の読者諸氏も
いらっしゃるかも。
でも上記はいずれも、私が意図的に決めた方針によるものでして、
本ウェブサイトのフォーカスをはっきりさせるためですね。
あくまで、本サイトでは
・ 核発電と核兵器の不可分性を明示し、
・ その実例を具体的に紹介し、
・ そもそも「核兵器は必要だ」という主張の論拠となっている
「核抑止論」が、本当に有効なのかを今後考えていきたい
というわけです。
\(;; > O<)/ だからって、反原発のサイトで 「放射線とがんの関係」とか扱わないって、なによ~~!!
といった批判を一部から受けています。
この批判は、まず本サイトの意図・性格に関して、「すり替え」を
やっちゃってます。つまり、本ウェブサイトは 「核発電と核兵器の
不可分性」 を明示している以上、単に「反原発のサイト」では
なくて、発電にも兵器にも反対する 「反核」 のサイトです。
核兵器の廃絶を求めている以上、フォーカスは軍事面にあって
当然です。まあ、この「すり替え」は日本語特有の現象ですが。
それに、
・ 放射線とがんの関係を知りたければ、それを専門にしている
医学関係者の皆様などに教えを受けるべきです。
* この関係に関する書籍やウェブサイトは、すでに多数あります。
たとえば、
Risk Factors: Radiation – NCI (cancer.gov)
とか。
それにしても、私自身、上述の 「\(;; > O<)/ だからって、
・・・」 のような無理解な批判に、いつまでも対応して時間を
浪費したくありません!
そこで、ここでは下の 「ゴチャゴチャした」 図を紹介します。
もっとスッキリさせようとアレコレ考えたんですが、どうしても
スッキリとはしてくれません!
やはり、核という問題系そのものが、あまりにも多方面の問題に
絡んでいるので。
ざっと思いつくだけでも、どれだけの「問題グループ」が
絡んでいるのか、1つの図にしたかったのです。
実際には、例えば 「核物理学」 と 「原子炉工学」 とは不可分で、
重なる部分もあるのですが、あくまで説明のための略式化した図
なので、ご了承願います。
で、ここで考えてみて頂きたいのですが、たとえば上の図で下線を
付けた4分野、
核物理学、健康被害、原子炉工学、自治体の経済や交付金
を一人でカバーできる人なんて、現実にいるでしょうか??
その人は、一人で
医師+核物理学者+原子炉技術者+地方への電源交付金などの法令に詳しい人
ということになってしまいますよね。
そんな超人的な人物なんて、世界中探してもほとんどいない
ですよね。
つまり、
ほとんどの人間は、一人で「核発電関連諸問題のすべて」を
カバーすることなんて、できるわけない!
ってことですよね。
私自身、たとえば「放射線と健康 (医学)」にはほとんど言及
しておりません。放射線の健康被害などを専門とする方々に教えて
もらうべきですし、そうした書籍などはすでに多数出ています。
私のように生理学や遺伝学などの基礎知識に欠ける人間が、
口出しをする必要は皆無ですよね。当然、たとえば「私の息子が
2011年3月からずっと倦怠感に苦しんでいて、いまもそうなん
だけど、なにか原発事故と関係があるのかしら?」 というような
相談は、あくまで該当する専門の医師にするべきです。
ですから、本「やかんをのせたら~~」では今後も、
上の図であれば
核兵器拡散・核抑止理論、(かくれみのとしての)新型原子炉、
軍事・世界情勢、原発広報
にフォーカスしてまいります。
それら以外の問題グループを扱う場合、おそらくは「付録」扱い
です。
★ 2022年5月29日、東京にて ~~ 「こんな質問がまかり
通っているようでは ~~」と呆れた件
この日、東京で反原発の講演会がありました。講師は、
元 京都大学原子炉実験所 助教でいらっしゃった小出裕章さん
でした。(つまり、「ご本職」は原子炉関係などの研究の
ハズですよね)
講演内容そのものは、大変納得できるものでした。
「なぜ (原発マフィアは) これでも原発にしがみついて
いるのか?」、その主な理由として無論 誰にでもすぐ分かる
「巨額のカネが動く」 ことは踏まえたうえで、その根底に
ある問題 (近代国家では、国家がらみで巨額のカネが動く場合、多くは軍事がらみですよね) として核軍備を取り上げられたのですね。 これは、
「さすが!」 と思いました。本ウェブサイトのページ g-3) や
g-4) で紹介したような根拠もしっかりと紹介してらっしゃいました。
私が唖然としたのは ~~ 講演後の質疑応答の時間でして。
オーディエンスが質問を用紙に書いて質問し、その中から主催者が
2つを選択、講師に応えて頂く、という手法でした。 (こういう
手の込んだ手法を取らねばならない事実そのものが、オーディエンスの
中にはトンチンカンな質問をしてしまう人たちもいらっしゃる
という問題の現れだろうと、私は勘繰りますが。なお、その辺の
ところを観察したかったので、私自身は質問用紙を提出しません
でした)
で、その選ばれた2つの質問を要約すると:
1) いわゆる地球温暖化について、これからは自分の子供にどう
説明したらよいのか?
2) 甲状腺がんと放射線の関係について、教えて (数名の方々
からの質問)
というものでした。
これを聞いて、私は唖然としたのですね。
本来、
1) は気象学者や地球物理学者などにでも尋ねるべき内容ですよね。
2) は、放射線の健康への影響を専門にしている医学者にでも
持っていくべきですよね。
さすがは小出さんで、こうした 「人違いの質問」 にも丁寧に答えて
らっしゃいましたが ~~ 「人違い」 つまり 「分野違いの」 質問に
答えていると、その該当分野の専門家から見ると誤った答えをして
しまうリスクが常にありますよね。すると、その分野の専門家たち
からは叩かれてしまう。
そして。この講師の方の専門を考えるなら、原子炉の問題、
たとえば自民党の元幹事長が昨年10月に言ってた 「小型原子炉なら
メルトダウンしない」 だけど、本当にそんなに安全なの??
(本サイトのページ シリーズ s-0) 参照)
といった質問が、本来はあるべきでしたが ~~ 嗚呼!
「分野違いの質問がきっかけで、その該当分野の専門家たちから
叩かれてしまう」 リスクを講師にもたらさないよう、質問をする
オーディエンス側も気を付けましょうよ!
上のゴチャゴチャの図をあえて紹介したのは、それをアピール
したいためでもあります。
自分の質問は、どの分野の専門家に尋ねるべきか?それを考える
反核論者でありたいものです。
イタリア料理店に入って、「大トロの握り」を注文する ・・・
脳外科手術が必要かもしれないときに、産婦人科に行く ・・・
自分の子供が学校の算数についていけない ⇒ 塾の英語のクラスに
入れる ・・・
そうしたバカげたことは、もういい加減にしませんか。
2011年、反原発講演会の類が華やかなりし頃、元日立の原発部門で
エンジニアをしておられた田中さんという方が、原子炉に関する
講演をなさいました。お話の後で質疑応答を始める際、彼は
「放射線に関するご質問は、ご容赦願います。私の専門外なので」
という主旨のお断りをなさいました。おそらく、当時は放射線の
健康への影響に関心が集まっていたので、質問の来ることが予想
されたのでしょう。それを予め「専門外です」と断っていたのは、
実に賢明です。健康被害のことは、医学に詳しい方に尋ねるべき
ですから。この「あらかじめお断り」を聞いて、「うん、この
田中さんは信頼できる方のようだ」と私は実感しました。
同じころ、フィンランドで反原発運動を指導してらっしゃった方が、
東京で講演なさいました。やはり質疑応答のとき、地元の聴衆の
一人から、 「東京に住んでて、大丈夫なのでしょうか?」 !!!
いうまでもなく、これは東京の放射線測定をしている方々と、
放射線の健康影響に詳しい方々とに尋ねるべきですよね。
講師の方も明白に苦笑を浮かべ、私も呆れて苦笑してました。
本来なら、集会の主催者が介入すべき 「人違い質問」 ですが、
主催者は何もせず ・・・・
★ 反核団体や個人のネットワークを
原発問題の初歩を学びたい~~
放射線の健康影響を知りたい~~
原発立地自治体への交付金制度について知りたい~~
ウランを使わない新型原発があると聞いたけど、ほんと??
いずれも、教わる相手、相談すべき相手が異なりますよね、
でも、日本の反原発団体などの現状では、「どこに尋ねたら
よいのか?」 が分かりにくい!
そこでまず、この種の団体や個人がネットワーキングして、
「~~~といった問題を主に扱っている団体・個人は、次のとおり:
~~~、~~~、~~~」
というようなポータルでも、作りませんか??
それと、特に焦眉の急の課題として、
核問題の全体的な初歩学習コースのようなものが、
日本語で見つからないという現状があります。
初歩を学んでいない方の場合、たとえば
「福島第一から汚染水を海に捨てられたら、海流に乗って私が
住む地域の沖にまでくる恐れはないの?」という問題を尋ねたい
のだが、誰に聞いて良いのか分からない ・・・
といった事態があり得ますよね。
誰に尋ねるべきか分かるようなポータルとか、あって然るべき
だろうと考えます。
そうした組織化をしないと、
「どの分野で、どこに尋ねればよいのか分からない ⇒ 原発のことなら、
なんでも XXX先生に聞けばいい」
という「特定個人に依存」体質が温存されてしまう危険が。
そのXXX先生がご高齢になり、講演ができなくなった
XXX先生が急病
XXX先生が暗殺された
・・・ そんな場合、日本の反核運動全体が揺るいでしまう危険が。
ご賛同、ご反論のある方は、私 (ひで) まで!
yadokari_ermite[at]yahoo.co.jp (<– [at] を@に置き換え願います)
です。
では、次回のアップロードでは、
付録 w-7) 短寿命化を「無害化」とか呼ぶな!
を紹介する予定です。