2023年2月1日
たびたび申しておりますが、上の黒いメニュー
では項目を基本的にアルファベット順で配列
しております。
そのページ d-6) では、各発電の軍事的
リスクについて述べました。
私はプロの軍事アナリストではないので、
単なるシロートの戯言と嗤われても、文句は
言えません。
でも、軍事を扱うシンクタンクの報告書が、
そうした指摘リスクの現実化した実例を
述べていたら?? その報告に基づき、
軍事専門のジャーナリストが執筆された記事
を紹介しますね。
やはり、ウクライナでの侵略戦争に関する
ものです。
Business Insider (アメリカの金融情報や
ニュースのウェブサイト、2009年開始) より。
Russia was making big plans for Ukraine’s nuclear power plants before its invasion fell apart (msn.com)
Stavros Atlamazoglou 記者
2023年1月30日JSTアップロードの
記事のようです。
原発があると、侵略軍がそれをどのように
利用しようとするのか?
その実例を紹介してくれている記事です。
いつもどおり、
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です
“Undercover Treaty”
私の、かなり昔の作品
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Russia was making big plans for
Ukraine’s nuclear power plants
before its invasion fell apart
(ロシア、ウクライナ侵略が挫折する以前には
ウクライナの原発に関する巨大な計画を策定)
ロシア軍が2022年2月にウクライナ
侵略を開始した時点では、短期間での
勝利を目論んでいた
そうした計画の一環として、ウクライナの
原発を制圧し自軍の強化に利用すること
を前提としていた
だが当初の侵略攻撃をウクライナが
撃退したことで、こうしたロシアの目論見
はご破算となった
ロシアのヴラディミール プーティン大統領は、
ウクライナ侵略を開始した時点では、大きな
目論見を抱いていた。
攻撃を開始して3日から1週間程度でロシア
軍はキーフを制圧し、ウクライナの政府を転覆、
ウクライナ軍を非武装化するだろう、と見込ん
でいたのだ。
英国のシンク タンクRoyal United Services
Institute(RUSI) がこの侵略戦争の最初の
5か月間を考察した分析によれば、上述の
目論見を現実化するため、ウクライナの原発
を利用する巨大計画を抱いていた。
ロシアの3計画
そのRUSIによるレポートを見ると、ロシアの
<当初の> 戦争プランでは、ウクライナの
原発をロシア政府による大規模な目論見を
達成するための手段として捉えていた。その
目論見の要となっていたのが、ウクライナ
南部にあるヨーロッパ最大の原発、
ザポリージャ原発だ。
クレムリンの目論見では、侵略開始後に
ウクライナの原発を3通りに利用する
つもりであった。
まず、ロシア政府はウクライナの原発を
ロシア軍部隊とその機器類のための基地
ならびに弾薬庫として利用するつもりだった。
さらにロシア政府指導層は各原発敷地内に
指令ポストも設けるつもりだった。
2番目に、ロシア政府はウクライナの核施設
を制圧することで、ウクライナのエネルギー
供給システムを支配するつもりだった。
ウクライナの電力は60%が原発に依存して
おり、核施設を制圧してしまえばロシアは
ウクライナの住民と経済に大きな影響を
及ぼせる。
最後に、ロシア政府はウクライナの核施設を
制圧することで、ヨーロッパ諸国を 「恐喝する」
ことを考えていた。原発事故でヨーロッパ
諸国が放射性物質に汚染される危険性を
訴えて脅し、諸国からの間接的・直接的な
介入を防止することが狙いだった。
さらにロシアは制圧したウクライナ諸地域に
代理政府を設立する考えだったが、それを
拒否する地域への対処として、ロシアは制圧
した原発を武装化して、抵抗する諸地域への
電力供給を止める計画だった。
ロシア政府の最終目的は、ウクライナの原発
を制圧・支配してウクライナを 「非核化」
することにあった。あわせて、ウクライナの
国家アイデンティティと軍隊、防衛産業を
破壊するつもりだった。上述のRUSIの
報告による。
ロシア政府はさらに、ウクライナの核施設を
情報戦にも取り入れていた。
隣国への不法で残虐な侵略を正当化しよう
としているロシアは、極端な手段に打って出た。
「非ナチ化」 という <プロパガンダ> だ。
ウクライナをナチから解放し、さらには
「アメリカのペンタゴンの生物兵器実験所が
ウクライナにある」 との主張を展開している。
ロシアは、ウクライナの平和利用の核
プログラムも悪用、ウクライナが核兵器
プログラムの再開をもくろんでいる、ロシアに
とっての脅威だと主張しだした。もともと、
ソヴィエト連邦時代の遺物だったのだが。
ウクライナにはソヴィエト連邦解体後に旧
ソヴィエトの核兵器が残されていたのだが、
ウクライナの指導層には核兵器を使う術を
知らず、保持する資金もなかった。そこで
1994年に残る核兵器を廃棄、アメリカ、
英国、ロシアからの安全保障確約を代わり
に受けた。
原発での戦闘
ロシア軍はその当初の目的は何一つ達成
できなかったが、ザポリージャ原発の制圧には
成功した。
同原発で録画された銃撃戦で、ロシア軍が
ヨーロッパ最大である同原発を襲撃し制圧
する様子が記録されている。ロシア政府の
目的の一部は、達成されたのだ。
その後何週間、何か月かにわたってロシア
軍は同原発への増強部隊を送り込み、敷地
内に常駐させた。
原発周辺での戦闘は続き、原発施設やその
周辺に砲弾が命中した。さらにロシア軍は機器
や兵器をザポリージャ原発の内部と周辺に
保管していた。
ロシア軍はいまもザポリージャ原発を制圧して
いるが、その他の核施設ではロシア軍の攻撃を
ウクライナ軍が退けている。
ロシア軍はウクライナ南部にある南ウクライナ
原発をも制圧しようとしたが、はねのけられた。
だがこの原発にも昨年秋には砲撃が加えられ、
原子炉からわずか2-300mの地点に着弾
した。
戦闘はすでに1年近く続いており、ロシア軍
部隊の何万名かが死亡している。プーティン
が描いていたウクライナ侵略計画が失敗した
ことは明白で、ウクライナも世界もプーティン
の野望が潰えたと思った。
最近、IAEAは南ウクライナ原発に恒久的な
チームを常駐させたが、これは今後のロシア
軍による攻撃をウクライナ軍が退けられる
という信頼の表れだ。
Stavros Atlamazoglou は防衛問題を専門と
するジャーナリストで、特に特殊作戦に詳しい。
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もうやだ ~~
“Leave Her Alone”
私の点描練習
ページd-6) をまだお読みでない方々は、
上記とd-6) とを合わせてお読みくださいな。
核発電の軍事的リスクが現実化してしまった
ことが、よくお分かりになると思います。
日本政府は今のところ、原発のリプレースを
進めていく目論見のようですが、原発の防衛
のために軍事費がさらに必要になったら、
さらに増税をやらかすつもりなのでしょうか
ねえ??