t-3) (トリチウム) アメリカだけじゃなかった

”ひょっとして、あそこで・・・” 私の練習作品から

「このページも長いわよ ・・・」 私の練習作品から

2021年10月

 

ワッツ バー原発などからのトリチウムは、核兵器用です

アメリカがワッツ バー原発などでトリチウム生産用可燃性吸収棒(tritium-producing burnable absorber rods、TPBAR)なるものを原子炉に挿入、それを中性子線で照射してトリチウムを製造していることは、ページ t-1) で説明しました。

読者の皆様の中には、「ワッツ バー原発などでトリチウムを製造していることは、分かった。だけど、それが軍事用だという証拠は??」とおっしゃる方も、いらっしゃるかも。

でも、このトリチウムの用途が軍事用であることは、アメリカのエネルギー省(DOE)自体が公に認めています。DOE自体の公表文書から、抜粋しますね。
DOE/EIF-0271-FEIS-SUMMARY-1999という1999年3月付の文書で、その p. S-1から。
原文は、下記に。
https://www.energy.gov/sites/default/files/EIS-0271-FEIS-Summary-1999.pdf

(私による日本語化)
アメリカのエネルギー省(DOE)は、同国の核兵器を大統領が指示したレベルに維持するための充分な資材供給を確保するという任務を帯びている。そうした物資の1つが、トリチウムだ。これは水素の同位体の1つで、通常は気体である。核兵器の威力を増強するために使用する。トリチウムなしでは、核兵器装備の中にあるいずれの兵器も、設計通りの威力を発揮できない。アメリカが、どのような程度のものであれ核抑止を維持したいのであれば、トリチウムなしではいられないのだ。

原発から核兵器へと、トリチウム

原発から核兵器へと、トリチウム

さらに、同じページのもう少し後から。そのトリチウムの製造工場として、既存の商業用原発を使用することにしたのだが、軍事使用に転用するわけですから、免許の問題などがあります。それと、粒子加速器を転用してトリチウムを製造するという、原発以外のオプションもあったのですが、結局は商用原発を採用したという文脈ですね。

(私による日本語化)
・ 粒子加速器でトリチウムを製造するための、重要コンポーネントの設計や製造、試験を行う。

・ 既存の商業用原子炉(原発、 稼働中、または一部完成しているもの)の購入を開始し、国防用途への転換を行うため、または中性子照射サービスを購入しさらにその原子炉そのものも購入するというオプションも可能とする。

という2路線をDOEは検討した。それを、1995年12月のROD(Record of Decision、決定の記録)という文書で公表した。

この1995年の RODでDOEは、1998年終わりまでにトリチウムの主要製造方法として、上記の何れかを選ぶと宣言していた。さらにDOEは、可能なら、選択した以外の製造方法もバックアップとしてその後も開発を続けていくと述べていた。またこのRODには、既存のサヴァンナ リバー サイト(SRS)のトリチウム リサイクル施設のアップグレードと統合化も行うというDOEの決定も記されている。最後に、やはりこのRODによれば、SRSにトリチウム抽出施設(tritium extraction facility、TEF)も建設するとしている。
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もう、充分でしょ?アメリカの商業用原発の一部では、既に核兵器用トリチウムを生産しているのです。それが、現実です。

それと、覚えておいていただきたいのですが、トリチウムは大変高価な物質で、産業用途には不向きです。おまけに半減期が約12.3年なので、定期的に補充しないといけません。軍事というのは、莫大な資金を要するものですね。トリチウムや原発に限らず多くの場合、巨大な金銭が動き続ける現象があったら、どこかで軍事が絡んでいるかもと疑ってよいですね。

で、トリチウムの価格についての余談を下記に。

トリチウム、値札30,000ドル

トリチウム、値札30,000ドル

余談: トリチウムは金よりも高価: 産業用途には、使いにくい

The 17 Most Expensive Materials In The World / Bright Side
(世界で最も高価な物質16+1)

が、世界でも特に高価な物質16+1を紹介してくれています。

問題はこのウェブページには日付が見当たらないので、時価変動が読めないのですが、とにかくトリチウムの高額なことは明らかです。

このランキングを見ると、

16位 スパイスのサフラン、1グラム11ドル

から始まって、

15位 金、1グラム56ドル

に続きます。時価変動があるので、このウェブページは日付を入れるべきですが。

そして

7位 プルトニウム、1グラム4,000ドル

4位 トリチウム、1グラム30,000ドル

2021年10月28日朝(JST)現在、1ドル=113.8円なので、トリチウム1グラムがおよそ340万円以上することになりますね。グラム当たり単価が、金の約53.5倍です。こんな高価なもの、コストを押さえないといけない産業用途には、いたずらに使えないですよね。

ついでながら、「世界の軍事費の一部でも貧困対策に移せば、この惑星で飢え死にする人はいなくなる」といった試算があちこちで公表されていますが、「確かに」と思いますよね。

どこが平和利用やねん!

どこが平和利用やねん!

話をトリチウム製造に戻しましょう

まず、再度強調しておきたいのですが、アメリカは一部の商業用原発で、核兵器用のトリチウムをすでに、実際に製造していることにご注意ください。「平和利用」と「軍事利用」の境界なんて、とっくに破られているのです!

そもそも、Atoms for Peace(核の平和利用)とは、1953年にアメリカが提唱した動きで、
アメリカ以外の諸国に対して、

  • 核兵器を持つのは、あきらめなさい
  • そしたら、「平和利用」つまり核発電(原発)をやらせてあげる
  • ただし、こっそり核兵器開発をしていないか、(IAEAが)監視するからね

ということでした。JCPOA再建交渉でも、IAEAによるイラン核施設への査察受け入れが問題になってきているのも、容易に理解できますよね。

つまり、核の「平和利用」と「軍事利用」という境界を最初に設けたのはアメリカだったのですが、アメリカ自身がその境界を破ってしまった、という現実です。その現実の中に、我々は暮らしております。「核兵器反対運動」と「原発反対運動」とが分離している余裕は、ないのです。

次に、固定ページ t-2) で引用したSIPRIの文書の終わりに「端的に言えば、現代の核兵器はトリチウムなしでは、兵器とは呼べないのである。」とありましたよね。

当然、トリチウムを製造する核兵器保有国は、アメリカ以外にもある ・・・ ってことになりますね。

そりゃそーと、仏祖砂兵器実験に Trinityだの「微笑む仏さま」だのという名称を付けるのは、やめましょーよー!

そりゃそーと、物騒な兵器実験に Trinityだの「微笑む仏さま」だのという名称を付けるのは、やめましょーよー!

アメリカだけじゃない ・・ インドの実例

CCNRという、カナダを中心に核関連(発電も兵器も)の問題に関する教育と研究に携わるNPOがあります。1978年に法人化されたそうです。本部は、カナダのケベック州Hampsteadにあるそうです。(The Canadian Coalition for Nuclear Responsibility (ccnr.org)
そのCCNRが公表している文書に「Tritium Breakthrough Brings India Closer to an H-Bomb Arsenal」(トリチウム抽出の新技術で、インドが水爆装備に近づく)というものがあり、かなり古いのですが内容は今も重要です。世界的に有名なJanes Intelligence Reviewの1998年1月号を情報源にしています。

Tritium from Power Plants gives India an H-bomb capability (ccnr.org)

に原文があります。

その一部を紹介しますね。

(私による日本語化)
既に核兵器を保有している中国と、核兵器への食指が止まらないパキスタンとの間に挟まれているインド。戦略的な立場としては、好ましからぬ場所にいる。この報告でT. S. Gopi Rethinarajが述べているように、インドの科学者たちがある新技術を開発、トリチウムを経済効率よく抽出することを可能にした。これにより、情勢はインドにとって好都合な方向に変わる可能性がある。

トリチウムはthermonuclear (「やかんをのせたら~~」の固定ページ t-2) 参照) 兵器に欠かせない戦略物質としては重要であるが、その他の用途は見当たらない。軍事的な重要性は、いくら強調しても足りないほどだ。核分裂だけの核爆弾を製造できる段階から、水爆のような thermonuclear 爆弾を製造できる段階への飛躍を考えてみれば、トリチウムの重要性はさらに明らかになる。まさしくその意味で、インドのババ核研究センター(Bhabha Atomic Research Center、BARC)の科学者たちによる高濃度のトリチウムを抽出する先駆的作業には、重大な意味がある。少なくてもこの点で、インドの科学者たちにはアメリカに対し「あっかんべ~~」とバカにする理由もあるのだ。
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用途は、核兵器だけです~~

用途は、核兵器だけです~~

thermonuclear については、「やかんをのせたら~~」の固定ページ t-2) をご覧ください。
それと、トリチウムの「軍事用」以外の用途としては、無電源ライト(ベータ線を利用)と医療用トレーサーがあるにはあるのですが、その程度です。大量のトリチウムを抽出している施設がどこかで発見されたら、核兵器用か?と疑ってよいでしょう。

では、日本語化を続けましょう。

(私による日本語化)
アメリカは1988年ごろにいったん、トリチウム製造をやめている。これは、施設の老朽化と安全性の問題とによる。それに対しインドの新技術は、以前の何分の一かの費用でトリチウムを製造できるようになったということを浮き彫りにしている。アメリカでは以前は粒子加速器で製造しており、およそ70億ドルもの費用を必要としていた。インドの科学者たちの開発した新技術では、核発電所(原発)で使用している重水から、高濃度のトリチウムを抽出することができるのだ。

このBARCが開発した新技術の利点として、発電用原子炉の中性子減速材として重水(重水素 2H つまりデューテリウムが酸素と結合した水分子 D2O (Dはデューテリウム))を使用していることを前提としている。それに対し西側とロシアでは原発の大半が軽水(普通の水 H2O)を減速材に使用している。(中性子線そのままだと、中性子のエネルギーは高いのですが、燃料中のウラニウム原子などと衝突しにくいのです。そこで、軽水や重水を介して中性子線を炉心へと送り込むことで、中性子のスピードを落とし、ウラニウム原子などに衝突しやすくします) カナダは例外(で、CANDUという重水型の原子炉を採用してきている)。 さらにもう1つの利点として、トリチウム施設の準備期間が短くて済む。インドの今回の新技術によるトリチウム施設なら、完成までに2年もかからない。もっとも、インドがすでに秘密裏に水爆を製造したなどと言っているわけではない。だが、どのような関連指標を見てもインドはすでにトリチウムの蓄積をすでに保有・増大しており、その事実だけでもインドは核抑止という点で有利な立場にいる。 何しろインドは、核兵器を求めてやまないパキスタンと、すでに核兵器を保有している中国とに挟まれているのだから。
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結局は、「核抑止」ということが問題の本質にあることに注意しておきましょう。本「やかんをのせたら~~」ではいずれ将来、この核抑止という根本問題を取り上げますので。

それと、重水の方が軽水よりも分子が重い分だけ、効果的に中性子を減速します。そのため重水炉には核燃料の点で利点があり、しかもトリチウムもたくさんできるので、核兵器を製造したい諸国にとっては好ましい原子炉なのですが~~
・重水炉を導入しようとすると、「軍事利用か?」と他国に睨まれる (たとえば、インドの核実験 (1974年) – Wikipediaをご覧ください。インドの最初の核爆弾実験Smiling Buddha(微笑む仏様)で使用されたPuは、カナダ製の重水炉CANDUで発生した使用済み核燃料を処理したものでした)

・重水は、軽水よりもはるかに高価 (日本で建設中の大間原発は、本来重水と軽水を併用するATRという形式の原子炉にする計画でしたが、重水は高くて費用がかさむので、ABWRつまり沸騰水型の改良版原子炉に変更しました。まあもっとも、それは表向きの理由で、あるいはどこかの国に「重水炉?ひそかに軍事利用?」と睨まれたのかも、しれませんがね)

破壊ばっかり~~もうやだ!

破壊ばっかり~~もうやだ! 私の練習作より

北朝鮮も

さて、カナダだインドだと「遠い、知らない国の話ばっかりしやがって!」とお感じかもしれませんが、北朝鮮のミサイルや核兵器というと、日本語圏にお住いの皆様にも深刻な話題ですよね。

私は何も、「北朝鮮を敵視せよ」とか、「敵国基地を先制攻撃できる能力を、日本も身に着けよ」などと主張したいんじゃ、まったくありません。

ただ、今まで述べてきたように、現在の核兵器はトリチウムなしでは効力の大半を失うので、北朝鮮も核兵器保有国の当然として、トリチウムを必要としています。そこで、北朝鮮のトリチウム製造・入手についても言及しないわけには。

北朝鮮のトリチウムについては、Verification Research Training and Information Centre というロンドンに本拠がある団体のTrust & Verifyというブルティン、その2016年1-3月号から抜粋で見てみましょう。

本文は
TV152.pdf (vertic.org)
にあります。

(私による日本語化)

北朝鮮でのトリチウム製造

北朝鮮はこのところ、その核兵器プログラムの高度化について、ずいぶん大胆な主張をしている。その最初の主張は、2016年1月6日に核兵器実験という形であった。その核兵器を北朝鮮の国営テレビは「ミニチュア水爆」の実証であると主張していた。ここでいう水爆とは、(核融合だけの核爆弾のことではなく) 最初の核分裂によるエネルギーによって水素の同位体つまりデューテリウムとトリチウムを核融合させる高度な爆弾のことだ。この核融合により、爆弾の威力と効率とが大幅に増大する。この核融合の起こし方と融合させる燃料の量とによって、理論上は無限の爆破力を実現できる。
*************

さらに、もう少し後の段落から。その北朝鮮が、どのようにトリチウムを調達できるのかを論じている箇所より、抜粋です。

(私による日本語化)

トリチウムの輸入

北朝鮮国内でトリチウムを製造するよりも、輸入することを選択する可能性もある。確かにトリチウムは国際市場で販売されている。だが、核兵器に使用するための物質であるだけに、その売買は厳格に管理されている。Nuclear Suppliers Group (原子力供給国グループ、NSG)では、トリチウム及びトリチウム製造機器と技術とを、対応開始リストに入れている。トリチウム製造機器や、数ミリグラムを超えるトリチウムを売買することは、その売買が核兵器の拡散につながらないという信頼できる保証がない限りは、許可されない。UNSCR 1718(国連安全保障理事会決議1718号)により、この制約は実質的には、北朝鮮へのトリチウムならびにその製造技術などの一切を禁輸しているに等しい。*************

これは、売っちゃいけないんだよ

これは、売っちゃいけないんだよ

さらに、もう少し後の段落

(私による日本語化)

北朝鮮国内に既にある、IRTと呼ばれる原子炉でのトリチウム製造

(北朝鮮国内には、有名なヨンビョン核施設にガス冷却式黒鉛炉があるが、それによるトリチウム製造だけではすぐに不足してしまう) そのことを念頭に置いて、北朝鮮は同じく国内にある(IRTという)プール冷却型の研究用原子炉でもトリチウムを製造することを検討しそうだ。これは旧ソヴィエトから支給された原子炉で、最初に1965年に臨界に達し、それから断続的に稼働を続けてきている。だが多くの関係者たちは、このITRは2011年までに高濃縮ウラニウム燃料を使い果たしたものとみている。だがInstitute for Science and International Security(科学と国際安全保障研究所、以下「科学安保研」と略します)では2つの独立した情報源を引用、このIRTが再び稼働していると述べている。その濃縮ウラニウム燃料は、国内で濃縮し製造したものだそうだ。もしこれが正しければ、このIRT原子炉はトリチウム製造機として魅力的なものとなる。とにかくこのIRTは物質のサンプルを減速中性子線で照射するように設計されており、本来は医療用同位体を製造するためのものだ。
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そして、この文書の結論、最後の段落。ヨンビョンのガス冷却原子炉よりも、IRTの方が「それらしい」という文脈。

(私による日本語化)
それよりも、北朝鮮はこのIRT原子炉でトリチウムを製造してきており、今後もこのIRTが稼働を再開すれば、引き続きそうすると見る方がもっともらしい。この原子炉は水で減速した中性子線で物質を照射するよう設計されており、その中性子束の最大のものはかなりの中性子を含んでいる。科学安保研によれば、このIRT原子炉が必要とする燃料は「比較的少なく」、年間に濃度80%の濃縮ウラニウム約7.5㎏程度である。北朝鮮がこのIRTに燃料を供給し稼働させられる限りは、その少数ある強化型核分裂爆弾(固定ページ t-2) 参照) に必要なだけのトリチウムを製造するのに困ることはないだろう。それを考えると、世界はこれからも北朝鮮言うところの「正義の水爆」のニュースを聞き続けることになるかもしれない。
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北朝鮮やインド、アメリカに限らず、トリチウムにまつわる動きは、核兵器との関連でしっかり見ていかないと。私が「日本語メディアの多くは、トリチウムを単なる放射性汚染物質としてだけ取り上げていて、核兵器との関連をあまり述べていない!」と呆れていたのも、ご理解いただけたでしょう。

「トリチウム大怪獣 カエルクジラ現る!  そんなアホな」  まあ、こんなバカなことはないでしょうが、漁業に従事される方々にとっては、海に捨てちゃうなんて大迷惑です!

「トリチウム大怪獣 カエルクジラ現る!  そんなアホな」 
まあ、こんなバカなことはないでしょうが、漁業に従事される方々にとっては、海に捨てちゃうなんて大迷惑です!

ついでながら、この軍事的重要性を考えるなら、「核兵器をこっそり作っちゃだめよ」という機関つまりIAEAが、福島第一原発にあるトリチウム汚染水を「太平洋に捨てちゃえ」と主張するのも、賛同はしませんが、理解はできます。

  • なお、私は決して今回の海洋排出には、賛成できません。トリチウムの半減期を考えるなら、まずは50年間厳重に保管して、「濃度」ではなく「絶対量」を 1/16 に減らすべきだと考えます。その間、厳重な国際管理下に置いて、「某国のスパイ」やテロリストなどの侵入を防ぐ必要はありますが。そして、その50年間の間に、処理技術を開発する、と。

「国際管理下に」というのは、

  • TEPCOはすでに柏崎刈羽原発で露呈したように、テロ防止策が極めて手ぬるい
  • 日本国が、あと50年間、国家としてまともに機能できるのか、疑わしい(したがって、日本国が崩壊・消滅しても誰かが管理を続けられるよう、国際管理が必要)

という理由からです。

儲かりまっせ! いや、こういう「儲け」は、あきまへんねん!!

儲かりまっせ!
いや、こういう「儲け」は、あきまへんねん!!

それと、トリチウムの高価なことを考えると、次のようなアイデアに走るビジネスパーソンも、どこかにいることでしょう。

「そんな高価なもんが大量にあるんでっせ。それも、12.3年ほどで勝手に半分に減ってしまうから、需要はなくならへん。ほな、福島第一の汚染水からトリチウムだけ抽出する技術を開発して、高濃度のトリチウムをアメリカ軍さんに買うてもろたら、よろしいがな。トリチウムのないきれいな水だけ、海に流してでんな。漁協の皆さんかて心配せんでええし、日本はたんと儲かりまっせ! これこそ、win-winでんがな!」

もちろんこれは、thermonuclear 兵器のための軍事物資を日本が抽出してアメリカ軍に売ろうというわけですから、「非核3原則」という日本国の建前上、採用できませんね。

なんだか、暗鬱な話が続きましたが ・・・

そのトリチウムを利用して(トリチウムの製造・抽出などをなくしていくことで)、核兵器を廃絶していく道もあるのです!
次ページでは、それをSIPRIの提案に見ていきます

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