ページ add-2) (追加) それでも「発電は平和利用だ」と信じ込んでらっしゃる方々へ、2

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Proliferation Risks of Civilian Nuclear Power Programs.pdf (ndu.edu)
(民生核発電プログラムにともなう核兵器拡散リスク)
の日本語要約を続けますね。

(私の日本語での要約)
Nuclear Fuel Cycle(核燃料サイクル)という段落の要約
・ 核燃料サイクルの軍事転用には、2種類の経路がある。1つはウラニウム濃縮で、兵器グレード(90%以上)にまで濃縮する。もう1つは、使用済みの核燃料を再処理して、兵器グレード(93%程度)のプルトニウムを分離する。
・ 2012年6月の時点ですでにイランはウラニウムを20%にまで濃縮しており、大きな懸念を招いている。
・ 使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出している国は、フランスと日本など少数である。だが、北朝鮮はこのやり方で核兵器を手に入れた。ヨンビョンにある原子炉を、プルトニウム製造に使ったのだ。(「やかんをのせたら~~」のページ c-5)) さらにシリアもアル・キバール原子炉(IAEAには申告されていなかった)でこのやり方を考えていたようだ。この原子炉はヨンビョン原子炉によく類似したもので、2007年9月にイスラエル軍の空爆で破壊された。(ページ c-2))

Nonproliferation Regime(不拡散体制)という段落の要約
・ 原子力エネルギーに核兵器拡散リスクが伴うことは、核時代が始まった1940年代から知られていた。
・ そこで、核兵器拡散を防止するべく世界的な努力が展開された。その成果が、1968年の核不拡散条約(NPT)である。
・ このNPTのメカニズムとは、
IAEAの管理下に入って
核兵器をあきらめると約束すれば、
監視下で核の「平和利用」(発電)を認めてあげるよ
というものだった。(「ピストルをあきらめたら、おもちゃあげるよ」 ・・ 「やかんをのせたら~~」のページ c-5) の下の方を参照。問題は、このおもちゃは改造するとピストル製造に転用できてしまうってことで・・)

・ その問題点が現実化し、この20年間(← 2012年時点で)に北朝鮮やイランなど(ページ c-x) やf-x))の核兵器拡散の実例が登場してしまった。さらに、パキスタンのカーン博士が指揮する「闇の核ネットワーク」(ページ f-3))が存在している。

闇に蠢くのは・・・

闇に蠢くのは・・・

Nuclear Renaissance?(原子力ルネッサンス?)という段落の要約
・ 中国やインドでは、今後も核発電が拡大するものとみられる。
・ 一部の専門家たちによれば、「ニュークリア ルネッサンス」が現実化しても、民生用プログラムから材料やテクノロジーなどを兵器用に転用するよりも、最初から核兵器専用のプログラムを求めた方が、核兵器を広めたい連中にとっては好都合だ。
・ したがって、短期的には「ルネッサンス」が核兵器拡散につながるリスクは小さい。
・ だが、長期的には、「ルネッサンス」の結果として「核サービス」を提供できる国々が増えた場合、結局は核兵器拡散のリスクは増大してしまう。
・ UAEなど一部諸国は、ENR(ウラニウム濃縮と使用済み核燃料再処理)サービスは必ず他国に依頼し、自国では行わないことを誓約している。だが、エジプト、トルコ、サウディ、ブラジルなどはそうした誓約を拒否している。

Managing the Nuclear Fuel Cycle (核燃料サイクルの管理)という段落の要約
・ 今までのところ、NPT体制の中では「核兵器を持たざる諸国」は各種の制約を被る一方、すでに核兵器を「持てる諸国」は、核軍縮や拡散防止であまり大きな貢献をしていない。したがって、「持たざる諸国」から不公正だという不平が募っている。
・ そのため、ウラン濃縮や核燃料管理などを国際管理下に置く提案がなされている。その実例の一部として、以下のものがある。
– 2003年のElBaradei(当時のIAEA事務局長)による提案。
ウラニウム濃縮と使用済み核燃料再処理(ENR)の技術を、国際管理課にある施設のみに限定せよ、との提案。
– 2006年のプーティンによる「グローバル ニュークリア パワー インフラ」の提案
ENRや使用済み核燃料の保管、人材訓練などを国際センターで実施・管理せよ、との提案。
翌年にはロシアは、国際ウラニウム濃縮センターの設立も提案。
– 2007年のドイツによる多国間ウラニウム濃縮サンクチュアリ プロジェクトの提案
どの国の領土でもない場所にIAEA所有の濃縮施設を新設し、独立した局がそれを運営する。そこで濃縮した低濃度ウラニウムを供給する相手は、核不拡散の基準に基づきIAEAが判断・決定せよ、という提案。

こうした各種提案がほかにも提出されているが、いずれも既にENR技術を持っている国からの提案であるため、持っていない諸国からは不公平だとの反論があり、うまく実現していない。
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以上で、納得していただけたでしょ?
もし「平和利用」が核兵器への道を開くリスクがないのであれば、ロシアの大統領やドイツといった国家、あるいはIAEAのような国際機関が、わざわざ上記のように「ENRは国際管理の下に置け」という提案をするはずは、ないですよね。

ただ、
・ NPT体制そのものが本質的に有している、「持てる国」と「持たざる国」の間の不公平性のため、ENRテクノロジーを国際的監視下に置けと提案しても、反発や不満が強く、まだ国際監視は実現できていない。
・ 核兵器を「持ちたがる国」は、なんとかIAEAの目を盗んでENRを進めようとしてしまうものだ。
・ 特に日本の場合、広島・長崎の惨劇の記憶に対抗して核発電を導入したため、核マフィア(原子力村)は「平和利用」という洗脳を特に強く実施せざるを得なかった。

といった事情が、あるのでしょうね。

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