f-5)(これから)サウディアラビア

ページ f-4) までで紹介したようにイランの核開発疑惑が「ひどく匂う」中で、周辺諸国も核兵器に対する姿勢を変えてきました。

その代表例が、サウディアラビアでしょう。英語版Wikipedia のNuclear program of Saudi Arabiaというページが、その変化の様子を短くまとめてくれています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Nuclear_program_of_Saudi_Arabia )

隣がああだから、俺もこんな顔になって ・・・

隣がああだから、俺もこんな顔になって ・・・

 

もともとサウディは中東に核兵器を持ち込むことに反対しており、核拡散防止条約にも署名していました。さらに、中東に核兵器のない地帯を求める諸国の連合体の一員でさえ、あります。

しかし、米国との関係の疎遠化、イランの核への不安、イスラエルの核に対する国際的な圧力が少ないこと、の3つの要因への対応をサウディ政府は迫られました。2003年に漏洩した戦略文書には、サウディの選択は次の3種類だとあるそうです:

・抑止のための核武装をする

・既に核武装している国と同盟し、その「核の傘」の下に入る

・中東から核をなくす合意を中東の各国と締結する

米国と

2008年5月にサウディと米国は Atoms for Peace に基づく合意の覚書に署名、サウディによる民事用核エネルギー利用をアメリカが支援することで合意しました。これはもちろん、軍事利用を含んではいません。

しかし、イスラム革命以前のイランに対して Atoms for Peace に基づく核エネルギーの「平和利用」とやらを導入した結果、今ではどういう事態になったのか ~~ (ページ f-2) を参照)ほんと、「性懲りもなく」・・・

(いいかげんにしましょうよ~)

(いいかげんにしましょうよ~)

 

パキスタンと

ページ f-3) で短く紹介したように、パキスタンは1970年代から核開発を進めていたようです。そのころから既に、サウディがそのための資金をパキスタンに対して拠出していたと、上記の英語版 Wikipediaのページは述べています。のちに1998年、当時のサウディの首相と防衛大臣とがパキスタンのカーン研究所を訪れ、”例の”カーン博士(やはり、ページ f-3) 参照)から核物理や核兵器の起爆剤に関するブリーフィングを受けたそうです。

その年以来、西側の諜報機関や外交筋の認識によれば、ペルシャ湾の情勢が不安なものになった場合にはパキスタンが核弾頭と核兵器技術とをサウディに販売するという合意が成立していたそうです。(両国とも、そうした合意はないと否定していますが)

中国とも

2012年に中国の当時の国務院総理であった温家宝が中東を訪問した際に、アブドゥラー国王と核エネルギーに関する相互協力協定を締結しています。その内容は明らかにされていませんが、一説ではサウディが発電用の原子炉16基を2030年までに建設する計画も含まれていたそうです。

その他、イラクの核開発に資金を拠出していたという説もあり、その成果である核技術や核兵器をサウディに販売できるという合意も伴っていたとのことです。

またなんと! イスラエルとも核関連の情報をイスラエルがサウディに販売しているという報告すらあります。イランという共通の敵が核武装しているという脅威への対抗が、かつての「敵」を結びつけたようですね。

昨日の敵が今日の友なら、明日の友は誰になるんだ??

昨日の敵が今日の友なら、明日の友は誰になるんだ??


そして、2018年3月 ・・・

・・・ サウディの防衛大臣であるビン サルマン皇太子の「例の問題発言」があったのです。その発言そのものはページ f-4) で紹介してありますので、上の黒いメニューで f-4) をクリックしてご覧ください!

「平和利用」はいつも隠れ蓑

もうお分かりのとおり、上記のような核武装と見られる闇の動きは常に、表向きには「平和利用」つまり核発電導入を伴っています。「平和利用です」という隠れ蓑に、核発電はなってしまっているわけですね。

では次のページ f-6) では、UAEなどのペルシャ湾岸諸国の動向を。

 

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