cw-3) (輸出入と内戦) フランス国内でも 問題指摘が

2023年11月

Radio France Internationale(RFI)の
ウェブサイトより
Does France’s emphasis on nuclear power guarantee its energy independence? (rfi.fr)

Does France’s emphasis on nuclear
power guarantee its energy indepen-
dence?
(フランスは核エネルギーに力点を
置いているが、それでエネルギー自給
を保証できるのか?)

ちと古いけど、読んでみたら~~ 鋭い!

ちと古いけど、読んでみたら~~
鋭い!

2022年2月23日付のRFIウェブサイト
からの記事を紹介します。RFIは、
フランス国営の国際放送です。
1年8か月以上も前の記事ですが、
ニジェールでのクーデターなどを経験
した今になって読み返してみると、
適切な指摘だと思いますので。
日本政府も、FBRに執着する表向け
の理由は核燃料増殖によるエネルギー
自給を目指すってことなのでしょう
けど、その非現実性を照らし出して
くれる、良い論考だと私は考えます。
つまり、地下資源は有限である以上、
いつか必ず枯渇するってことです。

例によって、
私による日本語化
<  > 内は私からの補足説明です。
********************************************

ウクライナ危機のため燃料価格の上昇
が続いているが、国家のエネルギー
主権を確保するための方法として
フランスは核発電に依存しており、
これは一見すると賢明なやり方に
聞こえる。だが、ある研究者グループ
によれば、このやり方は問題を隠して
いるだけだという。フランスは
ウラニウムのすべてを輸入に頼って
いるためだ。

2022年2月23日
Allison Hird記者

エマニュエル マクロン大統領は
昨年末、フランスは原発の新設を
始めると発表した。

「フランスのエネルギー自給を確保
するとともに、特に2050年までに
炭素排出の中立化やその他の目標を
達成するため、この数十年間で初めて
フランス国内での原子炉の建設を再開
する」とマクロンは語った。.

マクロンは後に、「フランス核産業の
ルネッサンスの一環として」フランスは
最大で14の原子炉を新設すると
確認している。

ルネッサンスだあ!.

ルネッサンスだあ!.


エネルギー主権

フランスは核発電の砦のような存在で、
18か所の原発にある合計56基の
原子炉から、電力の70%以上を
得ている。

EUのフランス以外の諸国に比べれば
石油や天然ガスへの依存度が小さく、
ウクライナ侵略の圏でのロシアに
対するEUならびにアメリカによる
制裁への対応としてロシアが
エネルギー価格を高騰させるという
脅威にも、フランスは絶えやすいと
思われている。

フランス国内では核エネルギーに対する
指示もここ2年ほどで増大しており、
2021年10月にBVA <という世論調査
会社> が実施した調査によれば、解答者
の53%がフランスのエネルギー自給には
核発電が不可欠だと考えていた。

環境連帯移行省(Ministry of Ecological
Transition)によれば、フランスの
エネルギー自給率は2021年の時点で
53.4%だった。EU加盟諸国の中でも、
特に高い。

ポークチョップ、1,500 kcal それを計算対象にして、子豚が どこから来たのかを考えないとしたら ・・・ それ、「自給率」って 言えるんか?

ポークチョップ、1,500 kcal
それを計算対象にして、子豚が
どこから来たのかを考えないとしたら
・・・ それ、「自給率」って
言えるんか?


輸入ウラニウム

だが、核エネルギーによって、どの程度
の自給が得られるのだろうか?

核発電にはウラニウムが必要だ。世界の
多様な個所で岩石中や海水中に含まれる
金属鉱石だ。

1973年の石油危機 <イスラエル VS
アラブ諸国の戦争の関連で、この年の秋
から世界的に石油価格が高騰しました>
を受けてフランスが初めて核開発に
乗り出した時点では、自国内で
ウラニウムの一部を産出していた。
ピークの1980年には、2,634トンに
達していた。

だが1990年代終わりまでにはフランス
は新たな原発の建設をやめ、最後の
ウラニウム鉱山も2001年に閉鎖された。

それ以降、フランスがその原発を稼働
させるために毎年必要とするウラニウム
量8,000から10,000トンをすべて輸入で
賄ってきている。

Euratom <EUの核エネルギー機関。
欧州原子力共同体> のデータによると
2005 年から 2020年にかけて輸入した
138,230トンのうち、3/4はわずか
4か国からの輸入であった。
カザフスタン (27,748トン)、オースト
ラリア (25,804トン)、ニジェール
(24,787トン)、ウズベキスタン
(22,197トン) である。

まやかし ・・・ 特大大盛上げ底弁当 なんやこれは!?

まやかし ・・・
特大大盛上げ底弁当
なんやこれは!?


自給という「まやかし」

フランスの核企業グループであるOrano
(以前はArevaという名称) によれば
フランスの輸入しているウラニウムの
輸出元は世界の中の特定地域に集中して
おらず、おのためフランスはウラニウム
供給を自分絵管理できる。さらに同社の
総裁Phillipe Knocheによると、輸入
ウラニウムの44%はOECD加盟諸国
からのものだ。

しかしフランスの研究者や専門家たち
のあるグループによれば、フランスは
輸入ウラニウムに依存しているが
ゆえに、「核エネルギーにより
フランスはエネルギー自給を確保できる
という認識に対し、深刻な脅威がある」.

火曜日に日刊紙Le Mondeに発表された
公開書簡で上述のグループは、
「フランスは石油や天然ガスでもそう
だが、ウラニウムでも外国からの輸入
に頼っている」と述べている。

「フランスのエネルギー自給とは、
まやかしに過ぎない。絵に描いた餅だ」
とRFIに語るのは、この書簡への
署名者への一人、社会人類学者のEric
Hahonouだ。

「相互依存やエネルギー源の分散化で
あれば、今論じてもよいだろう。だが、
フランスはエネルギー自給からは程
遠い」とHahonouは述べている。

この書簡への署名者たちの主張では、
このまやかしの基盤にあるのは
ニジェールなどでOranoが産出して
いるウラニウムの価格をフランスが
コントロールしているという
疑わしい前提だ。

お客さんが他にもできたんで、今までの値段じゃ売れまへんでえ

お客さんが他にもできたんで、今までの値段じゃ売れまへんでえ


変動する価格

ウラニウムは軍事用にも使用できる
物質であるので、ウラニウム市場は天然
ガスや石油の市場よりも厳しく
コントロールされているが、それでも
下記のようにある程度の類似性はある。

価格は変動する  – 1970年代半ばや
2007年には石油価格と同じように
高騰したことがある。しかも2011年
の福島第一災害の後では急降下した。

カザフスタン、ナミビア、ニジェール
ウズベキスタンなどの <ウラニウム
産出> 諸国は「そうした価格変動を
計算に入れ、多国籍企業が押し付けた
固定価格契約を廃し、毎年改定する
契約を締結している」と、この
研究者たちは言う。

さらに研究者たちが警告している可能性
として、ウラニウム産出国がOPECと
いう石油輸出国の連合に似た行動を
取り、「共同で突然の価格引き上げに
打って出る可能性がある。特に需要が
堅調な場合だ。フランス以外の諸国も
核エネルギーに依存するという方針を
採択した場合などは、十分に
あり得ることだ」.

「あそこのたこ焼き、おいしいでえ」 「ほな、行ってみよ」 かくして、「需要」は変動する

「あそこのたこ焼き、おいしいでえ」
「ほな、行ってみよ」
かくして、「需要」は変動する


時代の変化

さらにウラニウム産出諸国も
クライアントを多様化させつつある。

もうこの40年近く、フランスは以前
の植民地であったニジェールでの
ウラニウム抽出を独占してきた。
だが今や、中国とカナダからの競争
に直面している。

中国はニジェールにあるAzlikという
小型のウラニウム鉱山で鉱山活動を
行っており、一方カナダのGoviEx
という企業も近いうちに同国の
Madaouelaという場所での生産を
開始する。

「こうしたパートナーシップの多様化
によってニジェールは交渉力を高めて
おり、ニジェール川のエグゼクティブ
たちも昔のようにフランスにぺこぺこ
していない」と、研究者たちは記して
いる。

こっちを一次エネルギーとして計算

こっちを一次エネルギーとして計算

「利口な」計算

フランスが使用するウラニウムをすべて
輸入に頼っていることを考えると、
エネルギー自給率が53%という数値は
高すぎるように見える。

その秘密は、フランスがまだ自国内で
ウラニウムを算出していた時代にまで
遡るある統計処理の規定にある。Le
Mondeにそう語るのは、核物理学者の
Bernard Laponcheだ。

その規定では、一次エネルギーとしては
核分裂のプロセスで原子炉が発する熱を
計算に入れ、燃料そのものを一次
エネルギーと扱わない。

フランスで使用しているウラニウムは
上の規定のためフランス産と見なされ
<フランスの原子炉はフランスにある
から、当然ですよね> るわけだが、
担当の省もこの規定がなければ
エネルギー自給率は下がると認めて
いる。

「核分裂反応による熱量ではなく
核燃料そのものを一次エネルギーと
扱うと、フランスのエネルギー自給率
は約40%低下して12%前後にまで落ち
込んでしまう」と、担当省の2019年
エネルギー報告書には記してある。

露天掘りウラニウム鉱山の例

露天掘りウラニウム鉱山の例


エネルギー消費の削減

さらに、ウラニウム鉱山が人体に
及ぼす影響も問題だ。ことに、
ニジェールのような貧困国では
深刻だ。

Eric Hanohou によれば
「[ <ニジェールの> Arlitのような
町で行われている] 露天掘り鉱山の場合
風で飛ばされ放射性元素があらゆる
方面に拡散してしまいうる。人々が
形成異常などで苦しみ、水が汚染され、
家畜にも悪影響がある」

この書簡の署名者たちによれば、
マクロンの言う核発電ルネッサンス
によっては「フランスのエネルギー自給
を確保できず、単に輸入のあり方が
多様化するだけだ。しかもその他の
必要物への意ぞ音やリスクも [生み
出してしまう]。ことに、各地の地元
住民や今後の世代にそうした依存と
リスクを残すことになる」

署名者たちは、次の疑問を投げ
かける:「真のエネルギー自給を
指すなら、省エネルギーと再生可能
エネルギーとに、はっきりと舵を
取るべきでは?」

ウラニウムは再生可能ではない。
だがOranoのPhilippe Knoche
総裁は、「22世紀半ばまで原発を
稼働できるだけの」ウラニウム源が
充分にあることは判明済みだ、と
述べている。推定では、さらに
250年分のウラニウムがあると
見られている。
*******************************

20-min croquis / 20分クロッキー
300年も先のことなんて ・・・
私の20分クロッキー
誰でも思うことですが、25世紀末まで
ウラニウムがあったとしても、それ
以降はどうするのでしょうか??
地下資源の宿命として、いつかは必ず
枯渇しますよね。原発事故が全くなく
なったと仮定しても、UもPuも
いつかはなくなります。
将来の世代のことを真剣に考えるなら
「300年も先のことなんて、その時に
その連中が何とかするさ」ではなく、
今から再生可能なエネルギー源を
いかに持続可能に使うか、それを
真剣に技術や政策の課題とすべき
でしょう。

"Undercover Treaty"
300年も先のことなんて ・・・
私の20分クロッキー

それと、OPECへの言及もある点に
ご注意を。
原発のコストを論じる場合、すぐに
「原発のコストのうち、核燃料が
占める比率はわずか5%程度と
小さいから、ウラニウム価格が
上がってもあまり影響はない」
との主張がすぐに出てくるのですが
・・・ そうであっても、
最悪の場合、何らかの
OUEC (Organization of Uranium
Exporting Countries)
とでも呼べるような組織ができ、
その組織が「日本には今後、
ウラニウムを売ってやらない」と
決議しちゃった場合、
日本の原発の稼働可能性そのものに
影響が出るのは、確実ですよね?

エネルギー自給をめっざすのなら、
「地産地消」を目指すべきだと
いうことが良く分かるテキストの
日本語化紹介でした。

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