付録 w-7) 短寿命化を 「無害化」 とか呼ぶな! (笑えます)

使用済み核燃料を、どう処理するのか? ご存じのとおり、
大雑把に2種類の方法がありますよね:

・ Once-through (1回きりで使い捨て) – 1回使用した
核燃料の中には、「まだ使える」 U-235なども残っていますが、
それは承知のうえで地下不快処分場に埋めて捨てる。
(再処理をすると、核兵器拡散のリスクが増大するので)

・ Reprocessing (再処理)– 使用済み核燃料を再度利用できる
ようにする。PUREXやpyroprocessingなど。(ただし、
再処理をしても、「捨てるしかないゴミ」 がなくなるわけでは、ない)

ページ if-0) の 「EBR II ⇒ IFR ⇒ S-PRISM を簡単にまとめれば」
という段落にある年表で言及したとおり、アメリカ政府は1994年に
IFR の研究開発を断念しましたが、IFR は使用済み燃料のpyro-
processing (乾式再処理、ページ mr-3) の 「再処理の方法」 という
図を参照) をするので、proliferation risks があるわけですね。
(ページ if-3) も参照)

で、once-throughでは何十万年も安定した (と見られる) 地下の
処分場が必要になりますが、地下の処分場としてはフィンランドの
オンカロ処分場が2023年に操業開始する予定であるのみです。
(他には、まだこうした処分場は出来ていません) ―― まあ、
これは皆様が良くご存じのとおりです。

で、使用済み核燃料の中には大変半減期の長い放射性物質、たとえば
Pu-239 なら約24,110年、が含まれているので、おとぎ話か何かの
スートラ (経典) のような長い保存期間が必要になりますよね。
これを 「短縮化」 できる技術ができるよ、と核発電推進派の
一部は主張しています。

猛毒モグリヘビ処分場 10万年ほど保管すれば、勝手に 1/16 になります (^o ^ ;;)

猛毒モグリヘビ処分場
10万年ほど保管すれば、勝手に 1/16 になります (^o ^ ;;)

★ 今回は、その 「短縮化」 を 「無害化」 などと呼ぶ人たちが
いる問題について

まず、日本語での次の報道を、リンク先でご覧くださいな:
放射能を無効化する? 反原発派も知っておきたい「核変換」テクノロジー ~21世紀の錬金術~ (2015年3月12日) – エキサイトニュース (excite.co.jp)

お読みいただけばお分かりのとおり、電子ビームであれ
強力γ線であれ、何らかのビームを原子核にぶつけて、
核種変換を起こすってことですね。半減期の長い放射性元素を、
短い放射性元素なり、放射性ではない元素なりに変換する
ってことです。

用途・目的は異なりますが、「核種変換」そのものはたとえば
FBRの「ブランケット」 などでも行われます。ページ tw-1) を参照。

問題は、・・・
「ビーム照射」 ですべての放射性元素が放射能のない元素に
変換してくれれば良いのですが、実際にはそうはなりません。
(それができるのなら、「無害化」などと呼んでも、私は
文句を付けません)  一部の放射性元素は、他の放射性元素に
「変換」され、その半減期が短くなるというワケです。

だったら、「短寿命化」 とでも呼ぶべきですよね。

「タコヤキを焼くスタミナをつけるには、たこ焼きを食べんとな」

「タコヤキを焼くスタミナをつけるには、たこ焼きを食べんとな」

★ そして、ビーム照射には電力が必要!

電子であれγ線であれ、中性子であれ陽子であれ、
ビームを出すためにはエネルギー源が必要となりますよね。
それも、炭を燃やしてビームができるわけじゃ、ありません。
電力が必要になりますよね。

それについて、YouTubeにある日本語のヴィデオを
ご覧になってください。
放射性廃棄物を無害化【核変換実験施設】について。 – YouTube

特に、4:30あたりから5:45あたりまで。
「・・・これを単純に120倍にすると、年間の電気代が
8,000億円を超えてしまいます。
コスト的に見て、電力会社から購入するよりも、核変換施設
専用の原子力発電所を運営した方が、低コストになる可能性も
あります」
このヴィデオの投稿者の方は、核発電反対論者ではいらっしゃら
ないようですが、それでも「年間の電気代8000億円」ってことを、
認めてらっしゃるわけですね。

★ \’’(  ^O^) /  ははははは!

原発から出る使用済み核燃料を処分するためには、その目的の
ためにもういっちょ原発を建てないと ・・・ ってことですよね。

まあ、みなさん、笑いましょ!

★ さらに笑えるウソ、あれこれ~~

上記以外にも、核発電推進勢力が説いてきた「笑える話」には、
イロイロありましたよね。

・ 原子炉に「やかんをのせて」 蒸気タービンで発電するから、
「平和利用だ」 ⇒ 原子炉が原爆の材料製造に使える事実には、
変りはない

・ (1986年のチョルノービ原発大惨事の後で、西側の原発勢力の
一部による主張) 西側の軽水炉では、こんな大事故は起こらない
⇒ 25年後、福島第一で “西側の軽水炉” が ・・・

・ ウランを使わない原発もあるのに ・・・ ⇒ ページ Th-0) 参照

・ MSRという新型炉なら、絶対にメルトダウンは起こしえない
⇒ ページ mr-0) 参照 (この主張は間違いじゃないけど、循環
論法なので無意味)

ぎゃははははは!!!

ぎゃははははは!!!

でもしかし、こうした 「笑える主張」 がいずれも、
proliferation risks を中心とする軍事関連リスクには触れていない
ことにも、ご注意ください。
今までの日本に関する限り、反原発勢力が軍事リスクに鈍感だった
ことが、推進勢力からの 「笑える主張」 にも反映されていない
でしょうか?推進勢力のプロパガンダ内容は多くの場合、
反核勢力からの問題指摘に対応したものですからね
我々反核勢力が、核発電に伴う軍事関連の諸問題も
しっかり指摘していかないと。

では、「やかんをのせたら~~」では、問題の根底にある核抑止という
理屈の調査を続けます。

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