d-2) (発電原理) じゃ、現在の軽水炉は?

世界的に、現存の核発電所のほとんどは「軽水炉」と呼ばれる
タイプのものです。(「重水炉」というのも少数ありますが、
その説明は後日。重水炉ではプルトニウムができないわけ
じゃなくて、逆に出来るPu239の濃度が高くなるようです)、
軽水炉はさらに「沸騰水型」と「加圧水型」とに分かれます。

「沸騰水型」と「加圧水型」のそれぞれについて、
ページ d-1) で紹介した「熱源 + ヤカン + タービンと発電機」と
いうパターンを当てはめて、見てみましょう。
図の中では、「ヤカン」に該当する部分を点線で示してあります。

まず、沸騰水型

図3 BWR(沸騰水型)の原理

図3 BWR(沸騰水型)の原理

原子炉内の圧力容器内に核燃料があります。つまり、ここで核分裂が
起きて大量の熱が発生するのです。そこに、外部とパイプでつながった
水がありますよね。大量に発熱している機械に水を通せば~~そう、
お湯が沸きますね。
ヤカンのお湯の場合、お湯が沸くと蒸気がヤカンの上に出ていきます
よね。
原子炉の場合、その蒸気をパイプで原子炉の外へと送り出しているのが、
図でお分かりになると思います。それが「蒸気機関」のタービンを回し、
タービンに連結している発電機が回転して、電気を発生させる。
つまり、「発熱体でお湯を沸かす → 大量の蒸気が出る →
蒸気でタービンを回す → タービンに連結されている発電機もまわって、
発電する」というだけの原理なのです。
(「改良型沸騰水炉」というのもありますが、原理的には同じことなので、
今は無視してください)

次に、加圧水型

図4 PWR(加圧水型)の原理

図4 PWR(加圧水型)の原理

沸騰水型と、どこが違うのか?
・ 沸騰水型では原子炉の圧力容器内で蒸気を発生させ、それを直接
原子炉外のタービンへとパイプで送っていました。
・ それに対し加圧水型では、
圧力容器内の水には圧力を加えることで沸点を上げ、通常の
「湧いてるお湯」よりも高温にします → それをすぐ右の蒸気発生器に送り、
そこにある熱交換器で「外部からの水」(二次冷却系統)を沸騰させて、
蒸気を発生させる → その蒸気でタービンを回す → タービンに連結されて
いる発電機もまわって、発電する

要するに
「圧力容器内で蒸気を発生、直接タービンに」  なのか、
「圧力容器内では高温高圧のお湯を沸かし、熱交換器で外部からの水を
加熱して蒸気を発生させる」   のか、
原理としてはそれだけの違いです。

いずれにしても、

基本的に原子炉は原子炉のままです。そこに何らかの形で水を送り込み、
蒸気を発生させてタービンを回す → 発電機もまわる
つまり、
コンロにヤカンをのせて、ヤカンから出る蒸気で風車を回す → その風車に
発電機が連結していて、発電する
というのと(d-1) の図2)、原理は同じことです。

とういうことは ・・・

本来プルトニウム製造用の機械(原子炉)に蒸気機関タービンの
発電装置をくっつけたものが、要するに核発電所(原発)ってことです。

ここで考えてください。
本来の用途であるプルトニウム製造用原子炉 = 軍事利用
それに「ヤカンをのせて」蒸気タービン発電機をつなげたら = 平和利用
という区分を、従来はしてきたことになります。

こんな区分って、あってよいのでしょうか??

従来の「核の平和利用」というのがいかにマヤカシであったのかは、
上述のように「核発電所」の原理からも分かることです。

本当に「核の平和利用」と主張したければ、軍事転用につながりえない
新技術を開発・実用化してから、主張するべきでは??

それができないのなら、核兵器も核発電もやめるしかないでしょ?

 

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