アメリカでは本日21日に公開される映画、”Oppenheimer”。
それに関するCounterPunchの論考が
Putting the Nuclear Genie Back in the Bottle – CounterPunch.org
にあります。
原文をお読みいただける方々は、すぐにどうぞ!
そうはいかない方々のため、現在、私が日本語化を進めております。
出来上がり次第、本「やかんをのせたら~~」に掲載しますので、しばしお待ちくださいませ!
アメリカでは本日21日に公開される映画、”Oppenheimer”。
それに関するCounterPunchの論考が
Putting the Nuclear Genie Back in the Bottle – CounterPunch.org
にあります。
原文をお読みいただける方々は、すぐにどうぞ!
そうはいかない方々のため、現在、私が日本語化を進めております。
出来上がり次第、本「やかんをのせたら~~」に掲載しますので、しばしお待ちくださいませ!
オーストラリアのABC NEWSのウェブ
サイトより
Ukrainians in Nikopol are out of water and in Russia’s firing line. But Zaporizhzhia nuclear power plant could pose the biggest threat – ABC News
「ニコポルのウクライナ市民、断水に
苦しみロシアからの攻撃も。
だが、最大の脅威はザポリージャ
原発か?」
オーストラリアABCのYeungさんは
ニコポル現地にいらっしゃるようで、
現場の生の様子を読んでみたく思います。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*******************************
Ukrainians in Nikopol are out of
water and in Russia’s firing line.
But Zaprizhzhia nuclear power
plant could pose the biggest
threat.
(ニコポルのウクライナ市民、断水に
苦しみロシアからの攻撃も。
だが、最大の脅威はザポリージャ原発
か?)
ヨーロッパ特派員Nick Dole、ならびに
ウクライナはニコポルのFletcher Yeung
による報道
ヨーロッパ最大の原発の陰に暮らす
ニコポルの市民たちにとって、安全とは
決して当たり前のものなどではありえ
ない。
「子供のころから、あの原発は危険を引き
起こす恐れがあると聞かされている」と
語るのは、ニコポルを自分の故郷と呼ぶ
二児の母、Oksanaだ。
同原発には原子炉が6基あるが、いずれも
特徴があり、地平線の上に姿を示している。
最近までそれらは、ウクライナの電力
需要の約1/5を供給していた。.
現在、この6基の原子炉はロシアの管理
下にあり、その下で停止状態にあるが、
停止状態といっても各種の段階がある。
ウクライナ側の情報によれば、
ヴラディミール プーティンが率いる戦争
における一種の武器にされてしまう
危険性もある。
同原発にロシア軍が地雷を敷設して
しまったと、ウクライナ政府はたびたび
警告を発してきた。.
ウクライナ政府の主張では、ロシアは同
原発に爆発を起こし、それをウクライナ
軍による砲撃のせいにするだろう。
ただ、ロシア政府はそれを否定している。
今までのところ、IAEAは同原発現地を
訪問してきているのだが、ロシアが配置
した爆発物があるという証拠は見い
だせていない。ただし、まだすべての
原子炉を検査したわけではない。
Oksanaによれば、彼女の家族も先行き
の見えなさに沈んでいるが、今のところ
ニコポルを去ることは考えていない。
「私たち家族は子供たちのことも両親の
ことも、とても心配しています。
それでも、このニコポルは私たちの故郷
なんです」と、OksanaはABCに述べて
いる。
「この町にいたいのです。私たちの
ルーツが、ここにあるので。魂が、
ニコポルとともにあるのです」
核災害は確かに深刻な問題だが、Oksan
一家だけでなくニコポルの多くの市民も
さらに差し迫った問題に悩んでいる。
飲料水がなくなっているのだ。
戦争のため、命の水が
なくなってしまったニコポル
最近まで、カホヴカ貯水池が北側の
ニコポルと南側のザポリージャとを
隔てていた。だが今や、この貯水池は
多くの地点で干からびてしまっている。
船舶が湖岸に座礁しており、水の中にも
鳥も、生命の兆候がほとんど見られない。
このダムの下流で爆破があったのは
6月6日のことだったが、ロシア軍の
占拠下にある地帯は今まで不安な静寂が
支配している。
ウクライナ政府とNATOはともに、
このダム破壊はロシアによるものだと
非難をしている。ウクライナ軍の反攻
進撃を遅らせるためのダム爆破だった、
という主張だ。
一方ロシアはウクライナによる破壊工作
だったと主張しているが、国際的な専門家
たちの多数は、証拠を見る限りロシアの
工作だったとしている。ロシア占領下に
あったダムに爆薬を考えて配備していた、
という判断だ。
このダム破壊のため多くの住民が飲料水を
失い、自治体は必要物をトラックで供給
せざるを得なくなっている。
地元の学校を見ると、Mykola Poltavskii
が地域共用のタンクからプラスチック製
ドラムに水を満たし、それを手押し車に
乗せている。これを押して、家まで歩いて
運ぶのだ。
Poltavskiiによれば、多くの市民にとって
ニコポルは居住不能の街になっており、
彼自身の家族にとってもそうだ。
「子供も孫たちも、もうこの町にいない。
寂しいものだ」とPoltavskiiは語る。
「以前には、この町には生活が
あった。今あるのは、生存すること
だけだ」
ニコポルの人口の約半分は、ロシア軍に
よる全面的な侵略が始まって以来、
町を去った。
ニコポル地区の行政ヘッドである
Yevhen Yevtushenkoは、これもロシア
による計画の一環だと見ている。
「こうした地域の住民を苦しめたいと
いうのが、ロシアの狙いだ。それは、
疑いをはさまない。”焦土作戦”の
やり方なのだ。昔からのやり方その
ままだ」と、Yevtushenkoは語っている。
ニコポルはロシア軍の火力の射程内に
容易に収まっており、<ザポリージャ>
原発方面からの攻撃を定期的に受けて
いる。
Yevtushenko 氏は、ニコポルが二度と
再び自立できないようにしてしまおうと
ロシアは考えているのだと見ている。
「敵軍は毎日、ニコポルに砲撃を加えて
いる。それも、インフラや民生用の標的
も含めてだ」と同氏は述べている。
「集中式の上水供給を復旧できないよう
ロシアは目論んでいるのだ」
原発の冷却水は充分にある ・・
今のところは
この貯水池は、<ザポリージャ>原発の
冷却水源として不可欠な水源でもある。
6基ある原子炉のうち5基は現在、
いわゆるコールド シャットダウン状態に
ある。この状態では、冷却もそれほど
強力なものは必要ではない。
だが残る1基はホット シャットダウン
状態にあり、メルトダウンを防ぐには
かなりの集中的な冷却が必要だ。.
IAEAによれば、カホヴカ貯水池の水位は
確かに低下しているのだが、「数か月間」
冷却ができるだけの水はある。だが
長期的な水供給となると、懸念は絶え
ない。
IAEAはさらに、同原発で再度外部電源
供給が途絶えた場合を憂慮している。
そうなると、この原発は再びディーゼル
発電機で発電し、冷却材用ポンプを稼働
させねばならなくなる。
IAEAのRafael Grossi事務局長によれば、
同原発の状況は今も「予断を許さず」、
彼の監査チームはまだ監査を完了して
いない。
「[我々は] まだ、第3号機と第4号機の
屋上に踏み込むことができていない。
その屋上に爆薬が配置されているとの
報告が最近あったので、それを確認する
ためには現場を調べることが必要なの
だが」.
ニコポルの住民Nadezhdaが暮らす通り
の終端部からは、ザポリージャ原発が
視界に入る。そのNadezhdaによれば、
ニコポルとその周辺コミュニティとは
危険に直面しているのだが、その危険に
ついては考えないようにしているそうだ。
「聞きたくない情報が氾濫しているけど
もう耳を傾けないようにしている」と、
彼女は語っている。
「爆撃や射撃をやめてもらうしか、
我々が生きていける方法はない」
<他にもニコポルの住人である> Mykola
Poltavskii はボトルに水を詰めながら、
ザポリージャ原発でロシアが爆薬を破裂
させる恐れがあるというウクライナから
の警告については「懐疑的だ」と述べて
いる。
Poltavskii は、<ニコポルから> 避難
したいとは思わないと言う。そもそも
彼は、2014年にロシアが占拠した
ルハンスク地区から逃げてきたのだ。
「もう、これ以上逃げ回りたくはない」
と彼は語っている。
***************************
本来、原子炉とは「悪魔の兵器」を製造
するための装置だったのですが、その
宿命とでもいうべき「核兵器との不可分
性」が、既にたった今ニコポルで醜悪な
顔を表している様子を、お分かりいた
だけたと思います。
ニコポルに限らず、ウクライナに平和が、
そしてロシア指導層に正気が戻ることを
祈っております!
The Conversation (ニュース解説や研究発表
を行う、非営利ネットワーク。学術専門家
による解説や意見などだけを扱っている
そうです) のウェブサイトより
ザポリージャ原発の現状という文脈で、
上の黒いメニュー(項目は基本的に
アルファベット順)のページ d-6) で
私も指摘した「原発のダーティ
ボム化リスク」に関する、専門家の
指摘です。私の言うことも、あながち
戯言ではないとご理解いただけると思い
ます。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明です
The Zaporizhzhia nuclear power plant
is a ‘dirty bomb’ waiting to happen
— a nuclear expert explains
(ザポリージャ原発は爆発するよう
セットされているダーティ ボムだ ―
核エネルギーの専門家による解説)
Updated : 2023年7月13日
著者: Tilman Ruff
メルボルン大学、人口と世界保健担当
の名誉主任フェロー
International Physicians for the Prevention
of Nuclear War(核戦争防止国際医師会議
や the International Campaign to Abolish
Nuclear Weapons Australia(核兵器廃絶
国際キャンペーン、オーストラリア)
などの諸団体に関連
********************************
この6月、ウクライナのカホヴカ ダムが
爆破された。次はザポリージャ原発か、
と不安におののくウクライナ市民は多い。
ここ2-3週間、ウクライナとロシア
両国はそれぞれ相手がこの原発への攻撃
を計画していると非難合戦を繰り広げて
おり、市民の憂慮はさらに募っている。
同原発は2022年3月以来今まで、
ロシア軍の占拠下にある。
IAEAは先日、現地の調査を実施したが、
爆薬の存在する証拠は発見できなかった。
だが、この巨大な原発のあらゆる個所を
査察できる許可をIAEAが必要として
いると、同機関は述べている。
そうした状況だが、この原発に攻撃が
加えられた場合、どれだけの危険が
あるのか?その場合、ウクライナと
世界にとって、どのような災害となる
のだろうか?
・・・Twitterからの引用、省略 ・・・
ヨーロッパ最大の原発
ザポリージャ原発の建設が始まったのは、
1981年のことだった。1984-89年に
かけて原子炉5基が発電を開始、6番目
は1995年に稼働を始めた。チョルノービ
原発が黒鉛を減速材に使っていたのと
比べれば、ザポリージャはより近代的で
PWRに類似した原子炉だ。PWRは、
アメリカやヨーロッパで広く稼働して
いる。
<黒鉛炉については、上の黒いメニュー
でページ Th-1) を見つけて
クリック ⇒ ページ終わりにある
「おまけ」を参照。メニュー内の項目は
基本的にアルファベット順です。
PWRについては、ページ d-2) の
略図を参照>
ザポリージャはヨーロッパ最大の原発で
ドニプロ川のカホヴカ貯水池の南岸に
ある。同原発は、その貯水池から冷却水
を引き入れている。ロシア軍の侵略以前
には、ウクライナ国内には4か所、合計
で原子炉15基の原発があり、そこで
国内の電力需要の約半分を賄っていた。
ザポリージャ原発は、国内総電力需要の
およそ1/4を供給していた。
同原発には使用済み核燃料の冷却用に
冷却プールがあり、これには電源と
冷却水とが常時必要だ。(原子炉も同様)
それ以外にも乾式キャスクに使用済み
核燃料を詰めて保管する保管施設もあり
これは冷却水で常時冷却する必要がなく
なった使用済み核燃料の保管に使う。
2017年のウクライナからの報告によれば
ザポリージャ原発にあった高レベル使用
済み核燃料は2,200トンを超え、<終わり
にある「訂正」を参照> それは使用済み
核燃料プールあるいは乾式キャスク保管
施設に保管されていた。
メルトダウンまで、あとどれくらい?
今回の侵略が始まってわずか1週間ほど
後、ロシア軍はザポリージャ原発を占拠
した。その際の熾烈な戦闘で訓練施設に
火災が発生、それ以外の施設にも損害が
生じた。
2022年9月、この原発は送電グリッド
から完全に遮断された。原子炉5基が、
コールド シャットダウンされた。残る
1基はホット シャットダウンにされ、
温度は摂氏200度程度だ。これは、
水蒸気を発生させて発電所内で使用する
ためだ。
ウクライナの核エネルギー規制当局は
先月、この残る原子炉もコールド
シャットダウンにするよう命じた。だが
それは実行されなかった。この原発は
広範囲でのメインテナンス作業が必要で
それを遅らせるわけにいかないのだ。
原子炉内にある核燃料には、原子炉を
シャットダウンさせた後でも積極的な
冷却を常時施す必要がある。これは、
使用済み核燃料中には数百種類もの
核分裂生成物があり、その放射性崩壊に
よってシャットダウン後も引き続き熱が
発生しているためだ。こうした核燃料が
原子炉内に長く存在しているほど、
放射能 <放射線を出す能力> も強く
なる。そのため核燃料を原子炉から取り
出しても、なお何年も積極的な冷却を
続けねばならないのだ。
原子炉の積極的・継続的な冷却が中断
されると、どんな悲劇が生じるのか?
それを世界は、2011年の日本、福島
第一の実例で悲劇として目の当たり
にした。
福島第一で放出された放射性物質の
70%以上は、使用済み核燃料から出た
ものだ。通常の原子炉なら、慎重に
設計された漏出防止の層があるもの
だが、福島第一の使用済み核燃料プール
には、そうした層が全くなかった。
古典的な名著とされている1981 年の
著作「Nuclear Radiation in Warfare」
<戦時における放射線> でノーベル
平和賞受賞者で物理学者の著者
Joseph Rotblat は、以下のように
述べている。
PWRの場合、冷却材喪失が
発生すれば1分以内に炉心の
メルトダウンが発生しうる
使用済み核燃料保管プールに損害が発生
した場合、そこから放出される放射性
物質は、原子炉のメルトダウンそのもの
から放出される放射性物質の量を凌ぐ
場合がある。
Rotblatの研究により、原子炉や使用済み
核燃料プールに軍事攻撃が加えられれば、
大型の核兵器(メガトン級)よりも大量の
放射性物質放出が発生しうることが
明らかになった。しかもそうした放射性
物質は、半減期も長い。
核物理学者のEdwin Lymanが明言して
いるように、 ザポリージャ原発の原子炉
冷却が停止してしまった場合、使用済み
核燃料が過熱し劣化を始めるまでの時間
は、1日か2日程度だ。.
それからメルトダウン中の炉心が、鋼鉄
製の一次格納容器の床部分に溶け落ち、
さらにそれを溶かして建屋の床へと落ち
ていく。こうなると放射性気体やエアロ
ゾルが大量に環境へと放出され、しかも
爆発を伴って放出される危険もある。
こうした放射性物質の放出はチョルノービ
大事故と同程度になる恐れがあり、複数の
原子炉や使用済み核燃料プールが関与
した場合には、それをしのぐ大規模に
なってしまう危険性すらある。これだけ
の放射性物質がさらに国境を越えて
広がり、風に乗って別の大陸にまで拡散
する可能性もある。そして雨や雪で地上
に舞い落ち、ホットスポットを形成して
しまう。
攻撃のやまない原発
稼働中の原発が戦闘に巻き込まれ、実際
に一種の放射性物質兵器つまり「ダーティ
ボム」 として兵器利用されたのは、
今回のロシアによるウクライナ侵略が
歴史上初めての実例だ。
IAEA のRafael Grossi事務局長が文書
で述べているように、ザポリージャ原発は
あらゆる点で前例のない攻撃に晒されて
きている。その実例として、次のもの
がある:
— 同原発への度重なる砲撃
— 同原発に欠かせない電源供給の、たび
たびの途絶。事故防止の最後の手段と
して、緊急用ディーゼル発電機を使用
する事態に至ったことが、幾度も
あった。
— 原発全体をロシア軍部隊が占拠して
おり、平常時と比べスタッフ人数が
銃を向けられた状態で作業に当たって
いる。心理的にも身体的にも、ひどい
圧迫を受けている。
— ザポリージャ原発は一種の軍事基地に
作り替えられており、重火器が並び、
地雷やその他爆薬類に周囲を囲まれ
ている。
さらに6月6日にはカホヴカ ダムが
爆破され、原発の大本の冷却水源に
問題が生じた。
ウクライナにあるその他3か所の原発
でも、電源供給の中断が発生してきた。
さらに原発以外の核施設も砲撃を受け
たりミサイル攻撃をこうむる、その他
の損傷を受けている。
核発電の危険を告げる警鐘
ザポリージャ原発の格納容器が意図的に
あるいは偶発的に破壊されるリスクに
ついては、一部の核エネルギー専門家
たちが不適切な過小評価をしてきた。.
だがIAEAも独立系の専門家たちも、
破局が生じるリスクは現実のものだと
強調している。.
ロシア軍は既に、ウクライナの民生用
インフラへの大掛かりな攻撃を行って
いる。それには、電力グリッドも含まれ
ている。ロシア軍がカホヴカ ダム破壊
の背後に蠢いていたことを示す証拠も
ある。ロシア軍がザポリージャ原発を
放射性物質兵器にしてしまう危険性は、
無視するわけにはいかないのだ。
もっとも、同原発はロシアからも近い
位置にあるのだが。.
IAEAはRussia’ザポリージャ原発とその
周辺を非武装地帯とするよう求めてきて
いるのだが、ロシアはそれに同意しない。
そこからも、<ロシア軍が原発の安全に
協力するという> 信頼は持てない。
現実を見れば、<この世界で> 原発が
稼働を続ける限り、我々はいつ重大事故
に見舞われるか分からないだけでなく、
核施設の武器利用という恐怖にも付き
まとわれているのだ。ザポリージャを
見れば、それは明らかだ。
ここまでの安全性とセキュリティ面
でのリスクが伴うエネルギー源は、
他にはない。ザポリージャ発電所が原発
でなく風力ファームや太陽光発電所で
あったなら、世界規模で何世代にも
わたり悪影響をもたらすような重大
事故が発生する危険性は、まさしく
ゼロとなるのだ。まして、核兵器の
拡散や気が遠くなるほど長年にわたる
放射性廃棄物問題などは、発生しえない。
—————————–
訂正: 上記論考への訂正として、
ザポリージャ原発にある放射性核燃料の
公表量について修正を加えた。上記の量
はプールにある使用済み核燃料と乾式
キャスクとに存在している量のみであり、
炉内の核燃料は含まれていない。
************************************
Kettle 2016 Dec 2
先日アップロードしたページu-5) で
日本語化紹介したBeyond Nuclearに
よるリリースと、内容が類似している
ことにもお気づきと思います。つまり、
メルボルン大学の専門家も、その
リリースと類似した見解だということ
ですね。
私(ひで)自身はライト インスタ
レーションや絵画を創作してきた
アーティストに過ぎず、何の学位も
ありません。しかし、「ひで のいう
ことなど、信じられない」方々も、
核問題の専門家の見解には耳を
傾けるべきでしょう。
Russia says West is sponsoring ‘nuclear terrorism’ after Ukrainian drone strike | Reuters
Reutersのウェブサイトより
7月15日JST現在、各種報道によれば
ウクライナ東北部と国境を接している
ロシアのクルスク州でドローン攻撃が
あったようです。
クルスク州の州都クルスクは同州のほぼ
中央にありますが、そこから西におよそ
50㎞のところにクルチャトフという町が
あり、そこにクルスク原発があります。
この町の名称そのものがIgor Kurchatov
という旧ソヴィエトの高名な核物理学者
の名前からとったもので、そもそもこの
町そのものがクルスク原発建設のために
1968年に設立された自治体だそうです。
(Kurchatov, Russia – Wikipedia)
この原発はセイム川湖畔に立ち、1977
年に稼働を開始しました。所有者は
Rosatomで、炉の型式はRBMKが3基
です。年間の純電気出力は22,760 GW-h。
(Kursk Nuclear Power Plant – Wikipedia)
お分かりの通りかなり老朽化してますの
で、2017年には近くにクルスク第2
原発の建設が始まり、こちらはVVER
です。(これも、
Kursk Nuclear Power Plant – Wikipedia)
で、VVERは、まあ一種のPWR (上の
黒いメニューでページ d-2) を参照。
メニュー内の項目は、基本的にアルファ
ベット順です) なので、とりあえず
今日のところは扱いません。
問題はRBMKでして、冷却材は軽水です
が、減速材が黒鉛(グラファイト)なの
ですね。(「減速材」、「冷却材」に
ついての説明が必要な方は、上の黒い
メニューでページ tw-1) を参照)
1950年代に旧ソヴィエトで設計された
型式です。濃縮していないウラニウムも
使用できるという利点はあるのですが
・・・
冷却水が水蒸気になる際に「泡」が大量
に発生、この泡は中性子を吸収しない
(技術用語では、「ヴォイド係数が正」)
+
ところが、中性子の減速は引き続き黒鉛
が行ってしまう
⇒ 原子炉内の核分裂反応が暴走
というリスクを、設計上抱えています。
それが現実化してしまったのが、悪名
高い1986年のチョルノービ
(チェルノブイリ)原発の惨事でした。
話を元に戻して、そのRMBKの近くで
ドローン攻撃があったというのは、
聞き捨てならぬ事態ですよね。
当然、ロシア側からは「ウクライナと
西側によるテロだ」という趣旨の発表が
あるだろう ・・・ はい、予想通り
ありました。
そのロシア側からの発表について、
Reutersの報道記事を。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明です。
Kettle 2020 Nov 8
*******************************
Russia says West is sponsoring ‘nuclear
terrorism’ after Ukrainian drone strike
(ロシアの主張: ウクライナのドローン
攻撃を受け、西側が「核テロ」を支援)
Andrew Osborn記者
2023年7月14日
モスクワ発 (Reuters) – 金曜日
<14日>、ロシアは西側が「核テロ
リズム」を支援していると非難した。
ウクライナのドローンがロシア西部に
あるクルチャトフという町を攻撃した
との、関連当局による発表を受けての
ことだ。この町には、あの悲劇の原発
チョルノービに類似した原発があるのだ。.
ウクライナと国境を接しているロシアの
クルスク州知事であるRoman Starovoit
によれば、ウクライナのドローンが
クルチャトフの町にある居住用アパート
に突撃した。この町はソヴィエト時代に
建設されたもので、クルスク原発用
の冷却水貯水池の岸にある。同原発は、
今も稼働している。
StarovoitがTelegramというメッセージ
用アプリで発表したところでは、
「クルチャトフの街に昨夜、ドローンが
突っ込んだ。幸い、<そのアパートの
住民にけが人はなかった。ドローン突撃
とそれに続く爆発による重要な施設への
損害はなかった」
唯一の被害として、アパート1棟の正面
とガラスとが損傷を受けたと、この知事
は述べている。家屋の損傷の復旧に
当たっては、当局が支援を行うとして
いる。
ウクライナからは、直ちには反応は
なかった。ウクライナはロシアからの
大量のドローンによる攻撃に日夜晒され
ており、ウクライナからロシア領土内
へのドローン攻撃や破壊工作について
は、ほとんど発言をしない。
ロシアが激怒
今回のドローン突撃に先立ち、ロシアは
この5月にクレムリン近郊でウクライナ
のドローン2機を撃墜したと発表して
いた。今回のドローン突撃が原発に
近い位置であったため、ロシア外務省
からは怒りにあふれた反応があった。
同外務省のスポークスパーソンMaria
Zakharovaは皮肉を込めて、
「ウクライナ政府に(ドローンを)供与
している諸国は、核災害が起きたら火星
にでも逃げるつもりなのか?そんな
時間なんて、あるのか?」と語った。
「NATO諸国の人たちは、ウクライナ政府
による核テロ攻撃を自国政府が支援して
いることに気づくべきだ」
ロシア政府のスポークスパーソン
Dmitry Peskovが語るには、ロシアの
防空システムが今回のドローンを
効果的に排除したという未確認の
ソーシャル メディア<日本でいう
SNS>上の報道があるが、確かに
防空システムは完ぺきに機能して
いた。また、ウクライナがロシア
領土内の標的への攻撃を続けている
のは明らかだとも述べている。
ロシア連邦保安庁(FSB、保安機関)が
昨年8月に公表したところによれば、
クルスク原発に電力を供給している
送電線をウクライナの破壊工作員が
破壊、同原発が一時的に機能を失った
そうだ。それを受け、同原発施設周辺
のセキュリティを強化した。
ロシアの国営核エネルギー公社Rosatom
のヘッドAlexei Likhachevがこの木曜日
に国営テレビで述べたところでは、同
原発のセキュリティは「管理下」に
あり、防空能力も含めて,必要な措置を
すべて講じてあるそうだ。
ロシアとウクライナはもう何か月も、相手
が核の破局を引き起こそうとしていると
相互に避難しあっている。-ウクライナ
南部にありロシア軍占拠下にある
ザポリージャ原発は、砲撃を受けて
きている。.
**************************
いろいろ未確認の事項が多く、ロシア側
からのプロパガンダもかなり混じって
いるのでは?と思うのですが ・・・
そうであっても、万が一、原発への
攻撃の応酬なんて事態になれば、世界
は局地的な核戦争と同じような放射性
物質汚染を体験することになります。
そんな事態になりませぬことを!
それと、忘れちゃ困るのは、原発は結局
一種の核兵器としても利用できてしまう
という真実が明らかになりつつあるって
ことですね。
核兵器廃絶を願う私は、当然の帰結と
して核発電の廃絶も求めているの
ですね。
** 16日JST 追記 **
同じくReutersの報道によると、
クルスク地区でクルスク原発につながっ
ている高圧線の塔が破壊され、ロシア
のFSBはウクライナによる破壊活動だ
と主張していますが、ウクライナ側は
「カルマ(因果応報)」だとしている
そうです。
Russia says Ukrainian ‘sabotage’ behind pylon blasts in southern Kursk region | Reuters
Reutersは、今のところそうした事態を
確認できなかったようです。
固定ページ 付録 w-12) をアップロード
しました。
「冷却塔」に関する、補足的な説明の
ページです。
上の黒いメニューの項目は、基本的に
アルファベット順なのですが、
ソフトウェアに問題があるようで
「付録 w-10) 」のすぐ後に表示されて
いるかも。
で、付録 w-12) の内容ですが、海外の
原発などでよく見かける「冷却塔」
の説明です。
冷却塔は、何のための巨大建設物か?
なぜ、日本の原発には見かけないのか?
「やかんをのせたら~~」のアホバカ漫画
では冷却塔がよく登場しますが、なぜか?
といった「補足的な説明」です。
既に「冷却塔」をご存じの方々には
不要なページです。ご存じの方々は、
無視してください。
アメリカの反核団体Beyond Nuclearによる
ザポリージャ危機を受けたプレス リリース、
私の日本語化をアップロードしました。
上の黒いメニュー(項目は基本的に、
アルファベット順)で、u-5) を見つけて
クリック!
リリース本文は、2か所の
************************
の間にあり、その前後は私による
前文と後書きです。
また、アホバカ漫画はすべて原文には
なく、読んでもらいやすくするために
私が創作、入れたものです。
英語リリースを原文で読める方は、
Press release_ZaporizhziaRisks_July_6_2023 (beyondnuclear.org)
をどうぞ!
ロシア軍が巻き起こしているザポリージャ原発の危機を受け、アメリカの反核団体Beyond Nuclearでは、緊急のPress Releaseを発表しました。
それを日本語化して「やかんをのせたら~~」に掲載する許可を得ました。そこで目下、日本語化を進めております。
英語記事をそのまま読める方は、下記を直接どうぞ:https://beyondnuclear.org/…/Press-release…
日本語化は、現在進めております。数日、お待ちくださいな!日本語を掲載したら、ここでもまたお知らせしますのでね。
Zelensky warns Russia placed ‘explosives’ on Zaporizhzhia plant | World News | Metro News
Metroという英国のフリーペイパーのウェブサイトより
本当なら、「どえらい」問題です。
誤報であってほしい ・・・
ただ、原発は外からの攻撃には強いの
ですが、こうした内部には会社が入り
込んで細工をした場合には、きわめて
脆弱なものです。
それは既に、上の黒いメニュー(項目
は基本的にアルファベット順)にある
ページ g-5)、g-6) で指摘済みです。
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2023年7月5日
ザポリージャ原発にロシア軍が「爆薬」
を配置と、ゼレンスキーは主張
Jasper King記者
ヴォロディミール ゼレンスキー
大統領の警告によれば、ロシア軍が
「爆薬のように見える物体」を、
ウクライナ南部にあるザポリージャ
原発の一部建物の屋上に配置した
そうだ。
同大統領がこの警告を発表したのは
火曜日 <7月4日> 夜の演説でのこと
で、さらに爆発が起きた場合の放射性
物質拡散のリスクについても警告した。
ゼレンスキーは、放射線は「すべての
人に被害を及ぼす」と警告、「それぞれ
の諸国に諜報 などの能力があり、実際に
何が起きており誰のせいなのかを探って
いる」とも語った。
「ザポリージャ原発の危険の原因はただ
1つ、ロシアだ。他の誰でもない」
「ウクライナの諜報機関によれば、
ロシア軍部隊がザポリージャ原発の一部
原子炉建築物の屋上に爆薬に見える物体
を配置した。これは、同原発への軍事
攻撃の一種として配置されたものかも
しれない」
「不幸にして、カホヴカ水力発電所が
テロ攻撃で破壊された際、直ちには
大規模な反応が見られなかった。その
せいで、ロシア政府はさらなる悪事を
思いついたのかもしれない」
「こうした<蛮行を>止めるのは、
世界のあらゆる人間の責務だ。放射線
はあらゆる人間に被害をもたらすので
誰も無関係でいることはできない」
ウクライナはロシアがカホヴカ ダムを
破壊したのだと非難しているが、ロシアは
この6月初めの破壊行為はウクライナに
よるものだと叱責している。
そのダム破壊のため、何百もの町村が
洪水に見舞われた。
その当時公開された衛星画像を見ると、
この洪水がどれほど広範な周辺地域に
被害を及ぼしたのかが分かる。
その画局的なダム破壊の後では、
ボランティアたちが動物を救助せねば
ならなかった。
ザポリージャ原発をロシア軍が占拠した
のは、2022年3月のことだった。
その当時、ロシア軍がザポリージャ原発を
破壊してウクライナ軍の進軍を妨害するの
では、との懸念が広がっていた。
そうした不安にも関わらず、同原発は
ロシアの核エネルギー公社Rosatomの
もとで稼働を続けた。
2022年9月には、原子炉が「コールド
シャットダウン」に移行した。<この下、
7月1日の「プールに機雷って ・・・ほんま
かいな??」を参照>.
この移行は戦争での損傷を防止するため
であったが、それでも同原発で爆発が
起きれば核燃料などのメルトダウンが
発生する危険性があり、そうなれば
放射性物質が拡散してしまう。
つい先週ゼレンスキーは、ロシア軍占拠
下にあるザポリージャ原発が引き続き
「深刻な脅威下」にあると警告を発して
いる。
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ゼレンスキー大統領の主張する
とおりであるのなら・・・
「原発へのテロ攻撃」などとよく言い
ますが、テロ攻撃をやらかすのは
「いわゆるテロ組織」に限った話じゃ
なくて、国家の正規軍もやらかす
場合がある ・・・ 実に怖い危険性
ですね。
こういう危険性が発生している世界に
なってしまっているのなら、核発電と
核兵器の両方を廃絶するしか、
世界を安全に存続させるための選択は
ありませんよね。
英語でも日本語でも、インターネットの
各種ニュース ウェブサイトを現時点で
見ると、メドヴェージェフ 前ロシア
大統領が核戦争に言及した、との報道が
目立ちます。
ポーランド首相がアメリカの核兵器の
ポーランド配備を求めた発言を受けての
ことで、「言葉の応酬」とも取れますが、
そのポーランド首相の発言はソモソモ、
ロシアがベラルーシに戦術核を移動
させたことを受けてのことでして。
冷戦の終わり以降、世界的に「核戦争」
を過去のものとみなす風潮が広がって
しまいましたが、実際は核という脅威は
全くなくなってなどいないことが、こう
した場合に浮かび上がります。
ごく短い報道記事として、inshortsと
いうインドのノイダという都市に本部を
置く配信サービスによる記事を紹介
します:
Nuclear war can break out: Medvedev on Poland’s request for nukes | World News | Inshorts
2023年7月2日
いつもどおり、
私の日本語化
< >内は私からの補足説明
です。
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Nuclear war can break out: Medvedev on
Poland’s request for nukes
Former Russian President Dmitry
Medvedev warned the US that a “nuclear
war could break out at any time” if
Poland’s request to host NATO’s nuclear
weapons is fulfilled. The Polish govern-
ment made this request after Russia
shifted its nuclear weapons to Belarus for
storage, stating that it can’t “sit idle”.
Poland shares a portion of its eastern
border with Belarus.
「核戦争が始まる恐れも」と、Medvedev
ポーランドの<アメリカ> 核兵器配備
要請に対して
ロシアの前大統領Dmitry Medvedevは
アメリカに対して警告を発し、NATOの
核兵器を自国内に配備したいという
ポーランドの要請が実現した場合には、
「核戦争がいつ始まるか分からなくなる」
と述べた。ロシアは核兵器<の一部>
保管場所をベラルーシに移したが、それ
を受けてポーランド政府はこの要請を
出した。ポーランドも「座して見ている
わけには、いかない」ということだ。
ポーランドは東部で、ベラルーシと国境
を接している。
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単なる言葉の応酬で終わってほしいもの
です!
核兵器なんてものがある限り、
「お隣に核兵器が移ってきた!
うちにも配備しないと!」
すると、その「移した張本人」が
「核戦争になるぞ~~」
といった応酬はどこかで発生するもの
でしょう。
そして、その核兵器を製造するための
装置が、本来の「原子炉」ですよね。
「反核兵器」勢力と「反原発勢力」とが
分裂している余裕は、ございません。
統合した「反核勢力」が世界に吠える
べき時代なのですね。
The Kyiv Independent紙 <ウクライナ
の英語オンライン新聞> ウェブ
サイトより
New Statesman: Budanov says Russia’s plan to sabotage Zaporizhzhia nuclear plant has been ‘drafted and approved’ (kyivindependent.com)
2023年7月3日
New Statesman<ロンドンに本部を置く
新聞>: Budanov says Russia’s plan to
sabotage Zaporizhzhia nuclear plant has
been “drafted and approved”
Dinara Khalilova記者
緊張が張り詰めたままのザポリージャ
原発、各種報道を見ると「やかんを
のせたら~~」のページ d-6) (上の
黒いメニュー内の項目は、基本的に
アルファベット順)で述べた
3) 巨大ダーティ ボム化リスク の実現
か??というような見出しが躍って
ますよね。
ロシア側の報道が見当たらないので、
ウクライナ側の情報を紹介することに
なりますが、その一例としてThe Kyiv
Independent 紙のウェブサイトにある、
BudanovさんとNew Statesman紙の
インタビューを見てまいりましょう。
緊迫した事態においてこそ、冷静な
観察が必要です。ただ、ロシア側
メディアによる報道も欲しい ・・・
IAEAも、再度の査察を求めている
ようですし。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です
**************************
New Statesman紙とのインタビューで、
ウクライナ軍の諜報チーフKyrylo
Budanov はロシア軍がザポリージャ
原発に攻撃を加えるための用意を整えた
と述べた。
その原発に破壊活動を実施するという決定
は既に下されているのかとの質問に対し、
Budanovは破壊活動計画は既に 「作成
済みで承認されている」と答えている。
あとは、実行せよとの命令さえ出れば、
決行されてしまう。「そうなれば、ほんの
数分で破壊活動は実施されるのだ」
Budanov が以前に発していた警告に
よれば、さらにロシア軍はこの原発の
冷却水プールに機雷を仕掛けている。
諜報のヘッドであるBudanovがNew
Statesman紙で述べているところに
よれば、冷却不能に陥った場合、原発は
10時間から14日でメルトダウンして
しまう。しかもロシア軍はその破壊活動
を短期間化できるだけの「破局の技術的
手法」も使用できる。
だがIAEAによると、先日<IAEAの事務
局長>がザポリージャ原発を訪問した際
には、新たな機雷は発見されなかった
そうだ。.
さらにウクライナ軍の諜報部が発見した
ところでは、ザポリージャ原発の6基
ある原子炉のうち4基にロシア軍は爆薬
搭載の機器を移設済みだそうだと、
New Statesman は述べている。.
ザポリージャ原発のロシア軍による破壊
工作については、以前にも報道があった。
だがBudanovによれば、「今ほど状況
が悪化したことはない」
ヴォロディミール ゼレンスキー大統領
が6月20日に諜報からの報告も引用し
ながら発表したところによれば、ロシア
政府はその不法に占拠している
ザポリージャ原発で 意図的に放射性
物質漏れを引き起こすというテロ攻撃
を検討しているそうだ。ウクライナ
内務省によれば、既に同国全土に
特殊な調整担当のセンターを設置、
ロシアによる破壊活動への対応に備えて
いるようだ。
The Institute for the Study of War
(<アメリカのシンク タンク戦争
研究所>、ISW) が6月22日付で発表
したところでは、ロシアがザポリージャ
原発の破壊活動を行うぞという合図を
出しているのは、ウクライナ軍による同
原発周辺地域での反撃攻勢をさせなく
するためだ、という。
ISWによればザポリージャ原発で意図的
に放射性物質漏出事故が起こる可能性は
低いのだが、ないと言い切ることは
できない。このシンク タンクによる説明
では、放射性物質の漏出が起きて
しまえば、その制御は困難で、その時点で
の状況によっては被害をこうむるのは
ウクライナ軍以上にロシア軍となる可能性
がある。.
ヨーロッパ最大の原発であるザポリージャ
原発は、2022年3月4日以降今まで
ロシア軍の占拠下にある。
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冷静に、しかも純軍事的に考えるなら、
他国に侵略しといて旗色が悪くなった ⇒
その国の原発を破壊して巨大ダーティ
ボムとして利用
というのは、その侵略軍にも多大な被害
をもたらしえるので、賢明な選択じゃ
ありませんよね。
でも、同様の巨大愚行をダムでやらかし
てきたロシア軍のこと、その種の
自己破壊活動をやらないという
保証はありません。
今のロシア軍にできる最も賢明な
行動は、サボタージュなどを一切
あきらめ、直ちにウクライナから撤退
することですよね。
それにしても、実は私、この「ロシア軍
による原発サボタージュ」問題を調べ
ながら、気候変動問題との関連で「冷却
塔」の解説ページを作成していたのです
・・・
そして実感したのですが、やっぱり
「冷却水と気候変動」とかいうのは、
軍事リスクに比べれば「のんきな」問題
だなあと感じざるを得ないですね。
「のんき」というのは、軽視して良いっ
て意味じゃ、まったくないですよ。
重要視してますけど、戦争や原発の
ダーティ ボム化、核兵器の使用などが
行われてしまえば、それによる環境破壊
は、我々が環境保護のためにコツコツと
積み上げてきた努力すべてを、一瞬で
ぶっ潰しかねないですからね。たとえば
ある大都市で市民たちの日々のコツコツ
努力の積み重ねでCO2排出を何10%か
削減できたとしても、1発の核ミサイル
が飛んできてその大都市を焼け野原に
してしまったら ・・・そこから出る
CO2排出量は、それまでのコツコツ
努力を簡単に凌駕してしまうで
しょうよ。
やはり、反原発運動は軍事関連問題を
中心に掲げ、それを情報戦略に則り
伝達し ていかないと。