IAEA amplifies alert over potential nuclear catastrophe at Zaporizhzhia plant
(ザポリージャ原発で核の大事故発生の可能性増大と、IAEAが警告)
France24による2023年5月14日付
のVideo報道、 4分31秒。
Shirli SitbonというFrance24の
ジャーナリストによる解説です。
IAEA amplifies alert over potential nuclear catastrophe at Zaporizhzhia plant — — News — Guardian TV
短いインタビューなので、全体を私が
音声から日本語化します。
例によって、< >内は私からの補足
説明です。
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インタビュワー
ここで、France24のShirli Sitbonさんに
お越しいただております。
ようこそ、お越しくださいまして。
ザポリージャ原発の現場での、主な脅威
とはどのようなものでしょうか?
Shirli
ご存じの通り、原子炉はすべてオフになって
おります。発電をしていません。これは、まず
最初に打った手ですね。なにしろ、ロシア軍
が攻め込んできてこの地域の制圧を目指し、
戦闘が始まりました。大変危険な状況で、
IAEAは何度も何度も戦闘をやめるよう
求めたのです。でも、耳を傾ける者はおらず、
ウクライナ側もロシア側もそれを無視して
戦闘を続けました。今も、大変リスクの高い
状況です。実際、近隣住民の一部が避難
しています。これは実は悪い兆候で、今後
何週間または何か月かで最悪の事態も
発生しうる、ということなんですね。誰もが、
注意を絶やさないでいないと。どんな最悪の
事態が起きえるのか?
すでにこのレポートで取り上げていたように、
そうした最悪事態の1つとして、電力の
供給線が切断されてしまう危険があります。
ご存じの通り原子炉はオフになってはいます
が、今も内部には大量の <放射性> 物質が
あって、常時冷却していないといけないの
です。そうしないとオーバーヒートして、
いずれは爆発する可能性もあります。すると、
放射性物質が原発の外に飛び出して ・・・
それが、最悪のシナリオです。
電力供給線の切断はすでに6回も発生して
おり、どうなったかというと、<原発への冷却
のための> 電力供給が途絶えると、発電機
を使用したのですね。ディーゼルの発電機。
ザポリージャ原発の現場にはおよそ20機の
発電機があって、それらはおよそ2週間しか
稼働できません。そんなわけで油断できない
状況が続いており、私たちも現地に行け
ません。あまりにも現地の状況が危険
だからです。
インタビュワー
この状況の困難さというのは、地域はロシア
が抑えているけれど、原発内部で作業を
しているのはウクライナの技術者たちだから
ですよね。
それに加えて、スタッフの人数も削減されて
しまった。
Shirli
その通りですね。
そのため、今まで以上にストレスがかかる
状況になっています。爆撃が続いており、
電力供給の切断がたびたび発生、それらに
今までより少ないスタッフで対応しないと
いけないのです。スタッフの人数は、今や
最小限にまで減らされています。
ロシアが言うには、スタッフの人数は充分で、
安全を確保できるといっています。問題は
ない、ロシアが制圧しているのだから、と。
でもIAEAによる最新の発表では、状況は
ひっ迫しており、直ちに手を打たねば
ならないのです。こうした現状を続ける
わけには、いかないのです。そのIAEAから
のメッセージの最後を見ると、原発のスタッフ
人数はこの1年間削減され続けており、今や
最小限にまで絞られてしまいました。現場が
どうなってしまうのだ、という憂慮が募って
います。御覧のように <画面を指さし
ながら> こういうギャンブルをこれ以上
続けるわけにいかない、これ以上サイコロを
振るわけにはいかないのだ、という警告を
IAEAは発しているのです。幸運がこれ以上
続かなければ、破局が訪れる恐れがある、
というのです。
インタビュワー
そして、破局となってしまった場合、それは
どのような破局になるのか?その推察も
あれこれありますよね。
Shirli
その通りです。多数の推察が飛び交っており
全部を紹介することはできません。
メディアによって、それぞれ違うことを
言っていますからね。ウクライナ以外の
メディアやクリミアのメディアも。
Newsweek誌に紹介されたのですが、
ウクライナ国外のあるメディアの報道なども
あります。ただ、あるウクライナのメディアが
IAEAを引用して報じているニュースにより
ますと、ロシア軍は原発周辺に爆薬を
仕掛ける計画だそうです。真偽のほどは、
分からないのですが。英国の国防省に
よると、ロシア軍は原発周辺での戦闘に
備えて、原発の建屋の屋上にサンドバッグ
を配置しているそうです。
そういった断片が報じられているわけ
ですが、それらを集めると、大変心配な
現状ですね。ザポリージャ原発は、実際に
戦闘に巻き込まれた史上初の原発です。
ロシア軍から見ても、ウクライナ軍から
見ても、この原発は戦略の中心的な位置を
占めています。戦闘の中心に、戦略的な
存在として原発があるわけです。IAEAに
よると、とにかく万全の注意を払わないと。
一部の専門家たちが言うには、ここの
原子炉は壁の厚さが1mもあり、放射性
物質が漏れだすことは考えにくいそうです。
でもIAEAはそれを否定、極めて憂慮すべき
現状で深刻、極度の注意が欠かせない、
戦闘を直ちにやめねばならないと。
インタビュワー
どうも、ありがとうございました。
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確かに、原子炉の壁は分厚い鋼鉄などで
できています。
でも、冷却用の外部電源を喪失した場合に
福島第一の原子炉がどうなったか?
皆様も、よくご存じですよね。
原子炉の炉心部は正常時でもかなりの
高圧です。多くのLWRの場合、100から
150気圧くらい。そこで水素爆発などが発生
すれば ・・・
加えて、中性子脆化という問題もあって、
中性子線を浴びていると鉄といえど脆く
なっていくのですね。
しかも、そこに砲弾などが飛んでくる ・・・・
技術全般に言えることですが、ヒトは自分の
作ったものを過信しないように心がけるべき
でしょう。