2021年11月
Traveling Wave Reactor (TWR) という新型原子炉は、まだこれから実証炉を建設しようという段階でして、この惑星で実用化されてはおりません。
そんなものを、なぜ取り上げるのか??
固定ページ s-1) でも申しましたように、「核発電推進勢力は今後、新型の原子炉なら安全だ」というアピールで原発建設を進めようとするだろうなあ」と、私は2011年の時点で予想しておりました。
ご存じのとおり、今年(2021年)10月には自民党の当時の幹事長だった甘利さんが「小型原子炉ならメルトダウンしない、既存の原発を小型炉で建て替えよう」という主旨の発言をなさいまして、私の予想通りになってしまいました。
何も、こんな予想で自慢などしたいんじゃなくて、
こんな容易に予想できることは、各種の反核団体や反原発団体が、予め問題指摘をしておくべきだった
と私は考えるのです。
ところが、2021年11月現在、小型炉(実際には、SMR)の問題点を指摘する日本国内の声は、私が知る限り、今年6月の
http://www.ccnejapan.com/wp-content/20210621CCNE_Goto.pdf
があるくらいでして、あまり聞こえてきません。
反原発団体が黙っているうちに、今度は「ビル ゲーツの新型原子炉」つまりTWRの建設が始まるとのニュースが、日本語メディアでも流れてきました。
たとえば、
米テラパワー、ワイオミング州で次世代原子炉の実証プラント建設(米国) | ビジネス短信 – ジェトロ (jetro.go.jp)
その他多数です。
そしてやっぱり、TWRの問題指摘が、日本語では聞こえてきません。
日本語圏ではこんな現状である以上、私のような無名の個人であっても、可能な限りTWRの問題点を叫ばざるを得ない ~~ そんな事情でございます。
“Silenced” (沈黙の強制)
私の完成作品より、紙にオイルパステル
そんなわけで、固定ページ シリーズ tw-x) の予定
以下のように進めていく予定です。
tw-0) このページ
tw-1) TWRとは?? ・・・ FBRと比較すれば、本質が分かる
tw-2) TWRの安全面での問題点
tw-3) TWRのproliferation risk
FBRとは、Fast Breeder Reactor(高速増殖炉)のこと。
proliferation riskとは、核発電(原発)が核兵器の拡散につながるリスクのことです。
やはり、準備に時間がかかりますので、しばしお待ちくださいな!
* なお、TWR関連のページに限らず、本ウェブサイトでは
・ 「同位体」とは何か、α崩壊やβ崩壊とは基本的に何か?
・ 「冷戦時代」とはいつごろか、そのときにアメリカと対立していたのは?
といった基本的な知識については、読者の皆様がすでにご存じであることを前提にしております。
そうでなくても決して分かりやすくはない問題を取り上げているので、各固定ページがすでに長くなっております。その上に、「同位体とは何か」や「核分裂生成物とは?」なんてことまで初心者の皆様向けに説明してしまうと、とんでもなく長いページになってしまいます。
ですから、そうした基本的な知識については、たとえば
原発きほん知識 | 原子力資料情報室(CNIC)
などをご覧くださいませ。
私の20分クロッキーと、使った画材。
描画を学ぶなら、基本的な画材でのデッサン練習が必須になります。
同様に、proliferation riskを論じるなら、それなりの基礎を学ぶ必要が
どうしてもございます。