e-11) (運動のあり方) 資金をなくせば、
原発も建てられない
2025年2月
活動の実効性
極めて単純化した発言ですが、
「反原発運動」というと日本では従来、
多くの場合大通りを行列して練り歩く
(「マーチ」、日本でいう「デモ」)
ことでした。2011~12年ごろ、都内
でも頻繁に見かけましたよね。当時、
私も反原発市民団体から要請を受けて
協力をしていたのですが、私の担当は
主にイラスト作成や英文執筆、核技術
関連の調査・説明などで、マーチには
ほとんど参加しませんでした。
なぜか?
マーチをいくらやっても、実際に政府の
方針を長期的に変更させるような効果は
ないと、私は見ていたからですね。
実際、2025年2月現在、福島第一
メルトダウンの「ほとぼり」が冷めて
しまったようで、日本政府は原発推進
に大きく方針を変更し、一般市民の間
でも原発の復権を求める声が増えて
きていますよね。10年もすればそう
なってしまうと、2012年ごろに私は
予想していたのです。要は、「長期的
には、マーチでは何も変えられ
なかった」わけですね。
本件に限らず、過去の特定の出来事
(たとえば、特定原発のメルトダウン)
に焦点を置いてしまった運動は、時の
経過とともに忘れ去られて行きやすい
ものです。時間と忘却とは、かくも
残酷なものですから。
これに対し、たとえばproliferation risk
にフォーカスした動きであれば、常に
世界情勢などにも対応していくことに
なります。核発電と核兵器とが地球
からなくなる日まで。
じゃあ、どんな活動を??
原発関連の訴訟も少なからず行われて
きましたが、現在の日本の司法って、
この問題系ではしっかりと行政寄り
ですよね。それでも、訴訟がメディアに
取り上げられたりすると、マーチよりは
いくらか効果があると思いますが。
で、以下では「(真実の)情報発信」を
長期的に展開していく、というやり方を
提唱します。「情報発信だけで、何が
変わるんだ??」と言われそうですが、
右の「アーカイブ」⇒ 2025年2月7日
の記事で明らかなように
DeepSeekショック(情報の伝播) ⇒
NVIDIAなどの株価が急落 ⇒
データ センターの電力源として期待
されていたSMR開発企業、たとえば
NuScale社の株価も急落
という事態が、実際に発生しました。
情報が実際に株価を変動させた ⇒
SMR企業の資金調達が困難になった
という最近の実例ですよね。
この事実に、反核運動の今後の具体的な
活動の在り方に対する指針があると、
私は見ております。では、それを下記で
詳しく説明して ・・・
・・・ いくのですが、その前に
WordPressに不慣れな方々に向けた、
過去記事の見つけ方を。
(そんなの知ってるよ、と仰る方々は
スキップして次の段落へどうぞ)
上に、やたらに膨張しちゃった黒い
メニューがありますよね。(膨張し
すぎて分かりにくいので、サイトの
引っ越しも検討しているのですが。
とにかく、メニュー内の項目は、
基本的にアルファベット順です)
そのメニューの最初に「ホーム」
という項目があります。
それをクリック ⇒ 最新の記事が
登場 ⇒ その右に「アーカイブ」
という領域が
⇒ そこで、2025年2月 をクリック
⇒ 2月7日の記事「DeepSeek、
アメリカ原発業界を揺るがす」を
見つけてくださいな
1> では、その「DeepSeek、アメリカ
原発業界を揺るがす」に記したように、
DeepSeekのAIなら、NVIDIAなどが
想定しているような巨大データ
センターが不要(という情報が判明、
広まった)
⇒ NVIDIAなどアメリカAI各社の
株価急落
⇒ そうしたデータ センターに電力を
供給すると期待されていた、SMRなど
の原子炉各社の株価も急降下。
という事態が、実際に起きました。
まあ、今回の急落は一時的なもの
だったようですが、それでも
情報の伝播が原発ビジネスの株価を
急落させた事実には変わりありません。
投資家たちの間では原発産業の今後の
発展を予想する見方が強く、それが
「買い」につながっているようです。
ですが、核発電の真実をさらに多くの
投資家たちが知るに至ったら ・・・?
今回の「データ センター用原子炉」の
件は、「核発電の真実」の一例に過ぎ
ないわけでして。
そして言うまでもありませんが、株価
が下がれば、その核発電企業の資金
調達はそれだけ困難になります。
2> なら、私たち反核勢力が「核発電
の真実」をもっと社会に発信しないと
・・・
・・・という結論になりますよね。株式
という資金調達の手段を長期的に引き
下げることができれば、資金問題 ⇒
新規原発の建設断念、というパターンを
招くことも理論上は可能です。
今まで、日本の反原発団体などの文書を
見ていると、NYSEだのNASDAQだの
S&P 500だのという用語を見かけること
自体が稀でした。そうした団体の方々と
話していても、どうも金融関係の話題
などには無関心な方が多かったです。
しかし。
一部諸国はいざ知らず、大抵の諸国に
生まれた現在の我々は皆、否応なしに
貨幣経済の中に生れ落ちています。
好むと好まざるとに関わらず、我々が
この貨幣社会にいる限りは、カネが
つきまといます。(私自身は、そう
ではない時代に生まれたかったですが)
ならば、反核運動でもそのカネと調達
手段(株式や社債など)を利用する
のは、当然のことでしょう。
原発は、やたらとカネのかかるビジネス
ですので。
例としてジョージア州にあるVogtle原発の新原子炉建設プロジェクトでは、
2022年5月の時点でコストが300億ドルを超えたそうです。(NuclearNewswire,
Vogtle project update: Cost likely to top $30 billion — ANS / Nuclear Newswire )
2025年2月12日現在の為替レート $ = \ 153.59 で、計算してみてくださいな。
3> とはいっても|~~
私も含め、反核勢力の多くは投資家や
株主ではありませんよね。
・ ま、投資家の方々には、核発電
関連企業に投資する前に、核発電の
本質をよく学んでくださるよう
お願いします。
・ 投資家ではないけど反核勢力で
ある我々は、核発電の真実を社会へ
情報発信することが出来るハズ。
従来からあるボイコット運動にして
も、充分な情報発信を伴えばより
効果的になるのでは?
なにも原発メーカーなどに恨みが
あって「つぶしてやろう」って意図
じゃ、まったくございません。
せっかくの技術や労力、資金などを
核発電という本質的に核兵器から切り
離せない発電方式に充当してしまう
より、もっと長期的に有効な再生可能
エネルギーなどに使いましょうよ、
というのが私たち反核勢力の願い
ですよね。
どこを見てるの?
私の20分クロッキー
それと、「核発電の真実を社会へ
情報発信」といっても、その内容は
実に多様です。
proliferation、その他の軍事リスク
(ページ d-6) も参照)、CO2排出に
関する真実(付録 w-1) や 付録 w-16)
なども参照)、核廃棄物、などなど。
ですから、私たち一人一人が自分の
専門を決めて情報発信していくのが、
現実的でしょう。
本「やかんをのせたら~~」は、
そうした情報発信の1つです。ただ、
proliferation以外の各分野を扱って
らっしゃる方々との連携を願って
おります!
ご興味がおありの方々は、
yadokari_ermite[at]yahoo.co.jp
で私(ひで フランシス)まで、
ご連絡くださいませ!