The UN nuclear watchdog’s long list of difficulties in Iran | Reuters
Reutersのウェブサイトより、
抜粋・要約
イランでIAEAが多数の課題
どうも日本語メディアの大半は、イラン
での核開発についてはあまり取り上げて
いませんよね。
Reutersなどはしっかり取り上げて
くれているので、そうした記事の実例
から抜粋・要約で紹介しますね。
実は、真新しい内容はないのですが、
今までの進展をうまくまとめてくれて
います。
全文を読みたい方は、上のリンクを
クリックして英語の元記事を是非お読み
くださいな。
では、いつもどおり、
私の抜粋・要約での日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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The UN nuclear watchdog’s long list
of difficulties in Iran
(IAEA、イランで多数の課題)
Francois Murphy記者
2024年5月4日
ウィーン発、2024年5月6日
IAEAのチーフであるラファエル
グロッシは、この5月6日から7日に
かけてイランの高官と会談する。IAEA
によるイランの核関連活動に対する
監視を強化することが狙いだ。
西側とイランの間にはいったんは
核合意が成立していたのだが、2018年
に当時のアメリカ大統領ドナルド
トランプが一方的に撤回、それ以来、
核関連の交渉は暗礁に乗り上げている。
そうして再度イランへの経済制裁が
課され、イランは対抗して制限をはるか
に超える核活動を始めた。イランは今や
ウラニウム濃縮を60%まで行っており、
これは核兵器用の濃度90%に近い。
しかも、これ以上濃縮を続ければ、
原爆2発の製造に充分な量のウラニウム
を有している。
U-235の濃度と用途、再掲
西側諸国がこうした濃縮ウラニウムには
民生用の用途などないと主張している
のに対し、イランはその核活動は全く
平和的なものだと応じている。
現時点でIAEAがイランで直面している
困難の一部を、以下に紹介する。
抜き打ち検査
本来の核合意では、IAEAによる抜き
打ち検査にイランも合意していた。
だが2021年2月にイランはそれを
撤回、抜き打ち検査を拒否した。.
査察の範囲
イランは核不拡散条約(NPT) の加盟国
なので、ナタンズやフォルドウにある
ウラニウム濃縮施設のような中核的
核施設をIAEAが査察できることに
なっている。2015年に一旦締結された
核合意では、その他の施設や活動も
IAEAによる査察の対象とされていた。
遠心分離機などウラニウム濃縮に使う
機器なども、対象とされていた。
2021年2月、イランはそうした合意を
破棄した。IAEAはそのため、遠心
分離機の台数などについて「継続した
知識」を得られずにいる。秘密の濃縮
施設の建設も可能だ、という不安が
募っている。しかも、今では抜き打ち
検査もできない。
監視カメラ
その2021年2月のイランによる方針
変更を受け、IAEAは新たな合意を
イラン政府と締結、2015年の合意で
設置した監視カメラなどをそのまま
作動させることとした。だが、そこ
から収集した記録データをイランが
封印し保管することとされている。
今もIAEAはそうした記録を入手
できずにいる。
さらに2022年6月、イランはIAEA
にそうしたカメラなどを撤去させた。
2023年3月にはIAEAとイランは
新たな共同声明を発表、それにより
こうしたカメラ類を再度設置する
ことにイランも協力することに
なったと、IAEAは理解している。
それを受け一部のカメラは再設置され
たが、2023年6月以降、この協力も
進まなくなってしまった。
査察官
2023年9月、イランはIAEAがイラン
での査察を任命したトップクラスの
査察官の多くを拒否、核兵器転用が
疑われる技術を査察できる査察官が
一人しか入国できなくなってしまった。
こうした処置そのものは、手続き上は
禁じられてはいないのだが、IAEAは
これを前例なき処置として非難して
いる。
ウラニウムの痕跡
もう何年もIAEAは、イラン国内にある
未申告の古い施設で検出された
ウラニウムの痕跡がどこから来たのか、
説明を求めている。
IAEAの理事会は35か国の代表で構成
されているが、この問題でイランが
IAEAと協力するよう求める決議を
2022年6月に採択、さらに同年11月
には再度イランにIAEAの調査に大急ぎ
で協力するよう要請する決議を採択
している。
イランの主張によれば、こうした決議は
「反イラン的なもの」であり、政治的な
意図によるものだそうだ。最近のIAEA
からの報告によると、このウラニウム
痕跡に関してはいまだにイランからは
信頼できる説明がない。
規約3.1の改正
IAEA の規約3.1の改正条項によれば、
NPTの取り決めの下ではイランは
「新たな核関連施設を建設、あるいは
建設を許可した場合には、その
いずれか早いほうの時点で直ちに、
IAEAにその設計情報を提出する義務を
負う」はずだ。
2021年2月以降イランは
この義務を履行してはいないと
述べているのだが、IAEAの主張では
この義務は遅延せず履行せねば
ならない。
この点からも、イランは秘密裏に核兵器
の製造を始めたのか、あるいは製造を
計画しているのか、という疑惑が
生じる。
しかも同国は新たな原発の建設計画を
発表しており、IAEAへの通知なしに
工事を開始しているのだ。
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北朝鮮が核兵器を保有するに至った
際のプロセスでもそうですが、核発電
というものが地上に存在している限り、
こうした「核兵器開発の隠れ蓑」として
利用されてしまうリスクはなくせない
ようですね。IAEAもかなり苦労して
らっしゃるようですが ・・・
「発電は平和利用」というマヤカシは、
もういい加減にしましょうよ。