付録 w-10) 冷却水が ・・・ フランスでの実例

(2022年8月21日)

原発を動かすには、必ず水が必要 ・・・ その水が干ばつで
なくなったら??

核発電推進を当然とみなし、反対派をあほバカ呼ばわり
するような論調が目立つ昨今です。
・ 「ロシアからの天然ガスに頼れなくなった以上、原発は
不可欠だ」   ⇔ 実はウラニウムも、日本国内では産出しない。
「輸入資源」に変わりはない。そして、カザフスタンのウラニウムを
中国が大量に購入契約。(付録 w-6) 参照)
・ 「大気中へのCO2放出を減らすため、原発は不可欠だ」
⇔ 大気さえ気にしていれば、川や海に温水を大量に放出しても、
問題はないのか?? (付録 w-2) 参照)

そしてもちろん、こうした「今はやりの」原発必須論には、
核兵器拡散つまりproliferation risksへの言及を、ほとんど
見かけません。
ただ、このページは付録なので、本ウェブサイトの本業である
軍事側面ではなく、水資源問題に関する報道を紹介しますね。


まあ、よく考えてみましょ。
私の30分デッサン練習

Deutsche Welleというドイツ国営の放送があり、英語の放送も
やってます。
その英語放送のヴィデオがYouTubeにあります。
Record drought poses serious threat to Europe’s environment and critical infrastructure | DW News – YouTube
(ヨーロッパの記録的干ばつで、環境と不可欠インフラに深刻な打撃)
というヴィデオです。

2022年8月16日公開のもので、そのタイムスタンプで 16: 33
あたりから、英語のニュースを直接理解できる方々はお聞きになって
みてくださいな。まあ、火力発電も同様なのですけど、原発も水蒸気
タービンで発電する限り、大量の冷却水は不可欠です。その水が、
現在のヨーロッパでの干ばつのため、不足するかも ・・・ という
ニュースです。

「英語のニュースなんか、聞いてもわからない!」 とおっしゃる
方々のために、下記で私が音声から直接に日本語化したものを。
いつもどおり、< > 内は私からの補足説明です。


それで~?
私の20分クロッキー

******************
16:33

Newscaster
こうしたヨーロッパ全体での <川や湖などの> 水位低下のため、
発電所の冷却も困難になりつつあります。フランスでは、特に
核発電産業にとって頭痛の種となっています。原子炉からの電力は、
フランスの電力需要のおよそ70%を賄っており、そうした
原子炉の多くは近隣の河川からの大量の水を冷却のために必要と
しています。水生生物を保護するため、冷却に使った温水を
どれだけ河川に放流してよいのかについては、厳格な蜂起が
あります。しかし、現在のエネルギー不測のため、フランスの
原発の多くは例外的許可を得て発電を続けています。それを、
環境保護論者は問題にしています。DWのLouis記者がフランス
南西部から報告してくれます。

Narrator
もう何か月か、フランスでは気温が40C以上にまで上がり、
焼けつくような暑さです。そのため、フランスの原発が困難に
直面しています。全原発のおよそ1/5に対し、当局は放棄を
曲げて適用し、稼働継続を可能にしている現状です。
Louis
通常なら、原発運営者がGaronne川などに使用後の冷却水を
放出できるのは、川の水温が法廷の限界より低い場合に
限られます。その地域の動植物を保護するためです。ところが
当局も、このGolfech原発など一部の原発では、その法規を
一時的に適用停止せざるを得なくなっているのです。
私の背後にありますね。フランスの電力供給を確保するためには、
そうするほかない、というわけです。

Narrator
ところが、こうした環境保護主義者たちは、原発用の規則が
一時停止されていることに、怒りを燃やしています。
河川システムはそうでなくても、既に干ばつと熱波の影響で
かなりのストレスを受けているのだ、というわけです。
彼らの主張によれば、これ以上河川の水温を上げれば、破局を
招きかねません。

環境保護主義者
魚たち、植物たちにとって、破局的です。すでに死んでしまった
生物もいて、それが食物連鎖全体に波及効果を及ぼしてしまいます。
例として、ある種の微細藻類が死んでしまうと、ある種の小型の魚も
死んでしまいます。そしてそうした魚は、大型の坂の餌なのです。
さらに、温かい水にはバクテリアが多くいるものです。そんな水を
飲用可能にするには、添加する化学薬品を増やさねば。そんな水を、
人々が飲むことになります。

Narrator
しかしフランスの全原発のうち半数が、今のところメンテナンスの
ために停止しており、フランスの <電力を> 保持するには、稼働中の
原発を動かすしかありません。電力会社のEDFにもDWから
インタビューを要請したのですが、断られました。同社は、
現在の状況を「例外的なもの」と呼んでいます。しかし、この現在の
問題のためにフランスの核発電の存在そのものに関する問題がなくなる
わけでは、ありません。国家政府はEDFを国有化し、さらに原発を
増設する計画なのです。このエネルギー問題専門家によれば、
それはあまり良いエネルギー戦略とは言えません。特に、短期的に
良くないそうです。


あちらに可能性が ・・・
私の20分クロッキー

Anna Creti (エネルギー問題専門家)
新設原発を、短期間で稼働させることはできません。まだ、
そんな技術はできていないのです。再生可能エネルギーはそれと異なり、
ここ数年で大幅に費用が下がっています。しかも、全国に短期間で
導入できます。

Narrator
近隣諸国も注目しています。今までのところ、フランスはエネルギーの
輸出入で見ると、ヨーロッパ最大の輸出国です。しかし今年に限っては、
電力輸入が輸出を上回ることになりそうです。
20:09
******************

付録 w-2) などで、私 (ひで) は、原発が「大水飲み」であることを
問題にしてきました。
そして現在、その問題がヨーロッパで現実化しているわけですね。

再生可能エネルギーばかりが、「天候や日照などに左右され、
あてにならない」 と非難されてきましたが、原発だって 「雨が降らなく
なったら、冷却できず動かせない」 という問題が現に発生している以上、
「お天気頼み」 という側面を有しているわけですね。

原発問題に限らず、人間の文明は自然が許容してくれる範囲内でのみ、
存続可能ですよね。この大前提に立って、文明や社会の在り方、
エネルギーの利用方法、人口などを考え直す時代になっているように
私には思えます。

** それと、こんな 「あほバカ反論」 は、出てこないことを ~~~

(  – _-) 「フランスの原発が干ばつで問題になっているのは、
川岸にあって川の水を使ってるからだ!!
日本の原発は、海岸にあって海の水を使うから、平気だぞ!」
・・・ そんな あほバカな「原発擁護論」 が、出てこないことを
願っております!
海岸に建てたら、津波が襲ってきた場合、どういう悲惨な事態に
なるか!?
それを、私たちは11年半前、2011年3月にあまりにも痛い経験で
学んだはずじゃないですか!

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