結局は、誰と誰の核交渉??

New York Times

Hopes for a Diplomatic Opening Rise Under Iran’s New President – The New York Times (nytimes.com)

Hopes for a Diplomatic Opening
Rise Under Iran’s New President
(イランの新大統領選出で
外交交渉再開の望みが高まる)

反核を唱える人であれば、イランの
新大統領が核開発プログラムをどう
するのか、当然気になりますよね。
ベゼシュキアン新大統領の方向性を
考察する記事を、The New York Times
の無料箇所より。

あそこ、CEOは変わったけど、ウチとの関係は~~?

いつもどおり、
私の日本語化
<> 内は私からの補足説明
です。
***************************
改革派のマスード ペゼシュキアン
(Masoud Pezeshkian)は西側との
改善の改善を願っており、それに
より経済制裁の解除を目指して
いる。だが彼の権力には限界がある。

Lara Jakes記者
ワシントンより報告

2024年7月7日

イランの大統領選挙では改革派のマスード
ペゼシュキアン候補が当選、同国のこれ
までの絶対主義的な外交政策がどうなる
か、さらには新たな外交のありかたも
観られるか、といった希望を現職
ならびに前職の高官たちや専門家たちが
言明している。

ペゼシュキアン氏は本職が心臓専門医で
イラン議会の委員であるとともに以前
には保健大臣も務めていた。だが外交
問題に関しては、イランでも最高級の
エリートでグローバリストの外交官たち
に権限をゆだねると誓約しており、
西側との関係の軟化が期待されている。

ペゼシュキアン氏は「国内に対しても
国外に向いても、従来よりも現実路線
であり、対立を好まない」 そう述べる
のは、バラク オバマ大統領の特任
アシスタントを務め中東問題での交渉
担当として長年のキャリアを誇る
Dennis B. Rossだ。

CEOは代わったけど、会長がそのまんまやがな~~

ただしRoss氏は次のような注意も
怠っていない。つまりイランの最高
指導者であるアヤトーラ アリ
ハメネイ師はペゼシュキアン氏の
外交面での活動に「かなりの制限を
課すことであろう」

イランの大統領の権限は、その大半が
国内問題に限定されたものだ。同国の
政治と宗教の両面で最高指導者である
ハメネイ師が、主要な政策決定をすべて
下している。特に外交問題やイランの
核開発プログラムに関しては、同師の
権限が強い。

イランの統治システムでは強力な権限を
有しているものがもう1つあり、それは
イスラム革命防衛隊であり、これが
イランの軍事関係すべてを監視している。
この革命防衛隊と最高指導者とが密接に
連携して軍事力をいつ・どのように行使
するのかを決定する。軍事力の行使と
いう場合、イラクやシリア、レバノン、
イエメンでのイラン代行勢力による
軍事活動の開始や、イスラエルに対する
脅威の実現も含むのだ。

外交官やアナリストたちによると
ここ数年でイランの外交政策は強硬化を
続けており、その傾向はペゼシュキアン
氏の下でもその傾向は続きそうだ。その
一環としてイランは他の専制国家との絆
を強める可能性がある。現にイランが
提供したドローンやミサイルにより
ロシアはウクライナを攻撃しており、
しかもイランは自らを中東においても
西側に対しても一大勢力であると提示
している。その内実、イラン国内では
反政府運動が盛り上がり、経済も深刻な
打撃を被っているのだが。

「手下」がぎょーさんおりましてなあ~~


「イランは国外に
 <反政府勢力などの
武装代理組織の> ネットワークを展開
しており、それが実に大きな成果を収め
てきている。そのおかげでテヘランは
ある程度はやりたい放題に影響力を行使
できている。それだけの影響力と効果の
ある政策を廃止したいとは、誰も思う
まい」 そう述べるのはCouncil on
Foreign Relations<というシンク
タンク> でイラン問題の専門家を
務めるRay Takeyhだ。今回の大統領
選が近づいた際に、ある分析文書で上述
の通り記していた。

世界とのかかわり

アナリストたちによれば新大統領が
国際的に実際の成果を上げやすい領域と
して、イランの制作に対する世界の
受け止め方を左右できるという点がある。
大統領が選任する外交官たちによる
影響力が大だ。この点では、
ペゼシュキアン氏と今回の選挙で彼の
最大の対立候補であった反西側の姿勢を
あからさまに示す超保守派のサイード
ジャリリとの間のコントラストは明白だ。

強硬派のマフムード アフマディネ
ジャド前大統領の時代にジャリリ氏は、
経済制裁による被害をなくすために
イランの核開発プログラムに制約を
設けるような交渉には、すべて反対して
いた。それどころかジャリリ氏は
ウラニウムの核兵器グレードへの濃縮を
推進していたと、この6月の分析で
Stimson Center <という研究所> の
専門家たちは記している。


危険な孤立主義者 ・・・
私の作品 “Behind the Masked Smile”

「そうしたやり方のため、イランは
国際的に孤立してしまった」と語るの
は、<独立系平和研究団体である>
International Crisis Groupでイラン担当
のディレクターを務めるAli Vaezだ。
「西側と交渉するという行為そのもの
に、ジャリリは価値を認めていない」

Vaezによれば、ペゼシュキアン氏の下
でなら、「外交的な成果がみられる
可能性は大きくなりそうだ」

西側との関係の改善

ペゼシュキアン氏はまた、国際的な関与
のための方針を打ち出し、西側との関係
も改善して経済制裁の解除を目指す方針
であると述べている。同氏は、イランは
イスラエル以外のすべての諸国との
やり取りを推進したいとも語っている。
ただし、ロシアならびに中国との提携を
重視しすぎる鵜ことに関しては、Vaez
氏は述べている。

「この方針で動いていきたいのであれば、
あらゆる諸国と有効を保ち、国家の威厳
と利益とに基づきつつあらゆる諸国と
良好な関係を構築せねばならない」と、
ペゼシュキアン氏はこの5月に語って
いた。「諸外国との関係を改善していく
につれ、先述の方針に近づくことになる。
逆に緊張を高めてしまうなら、先述の
方針から離れイランの状況は悪化する
ことになる」

わて、たこやきは経験おまへんねん~~

Vaez によればペゼシュキアン氏は今の
ところまだ外交政策については何も
具体的なことを述べておらず、自分には
外交政策の実務経験がないことを極めて
正直に認めている。だが新大統領の
キャンペーンにおける外交政策のチーフ
アドバイザーはMohammad Javad Zarif
で、彼は前外務大臣として2015年に世界
の主要勢力を相手に核合意を締結した
人物だ。彼はアメリカで暮らした経験も
あり、巧みに英語を操るZarif氏は、
イラン国内では強硬派たちからアメリカ
かぶれとして馬鹿にされてきている。

トランプという不確定
要因

イランが西側との外交関係にどこまで
本気なのか、それを試す大切な試金石
の1つが、2015年の核合意の再建努力
に応じるか否かだ。この問題は <現在
のアメリカ大統領選挙で> ドナルド
トランプ前大統領が出馬しているという
事実のため、さらに複雑なものとなる。

この核合意はイランによる核兵器の製造
を禁ずるための合意で、規約上は2025
年で失効する。だが2018年にトランプ
前大統領がアメリカをこの核合意から
脱退させて以来、この合意はおぼ有名
無実なものとなってしまっている。
そしてトランプのアメリカはイランへの
経済制裁を再開したのだ。それに対抗
してイランはそのウラニウム濃縮作業を
加速させ、今では専門家たちによれば、
3個あるいはそれ以上の核爆弾に相当
する濃縮ウラニウムなどを数日あるいは
数週間で製造できるそうだ。

「核はダメ」
どこまで守られるんやあ??

イランは以前から、その核開発プログラム
はあくまで平和利用に限定されたもので
あると主張して譲らず、核兵器の製造や
使用は2003年の「ファトゥワ」で禁じ
られているとしている。ファトゥワとは
宗教上の勅令のようなもので、この
ファトゥワはハメネイ師が発したものだ。
アメリカの高官たちによると、現時点で
核兵器グレードに近いウラニウム濃縮を
行っているという証拠はないのだが、
イスラエルの主張によると大学での
<核関連の> 研究を隠れ蓑にイランは
既に核兵器開発を進めている。

英国の外交官で、2013年に暫定合意が
締結された際にEUの外交政策担当
チーフとして核合意のための交渉を指揮
したCatherine Ashtonは、その交渉の
テーブルでジャリリ氏ならびにザリフ氏
の両者と密接に行動していた。Ashton
によれば、ジャリリ氏の関心は「交渉
そのものは続けさせながらも、実質的な
進展や成果は出ないようにすること」
にあった模様だ。

それとは対照的にザリフ氏は「アメリカ
やヨーロッパのことをはるかによく理解
しており、中東でのイランの将来の立場
を確保したいという決意に溢れていた」
と、Ashtonは語っている。

「アイツらには気をつけろ」

ハメネイ師はイラン国民に対し、西側
特にアメリカに対してオープンすぎる
大統領を選出しないよう警告を発して
いた。また外交官たちの見方では、
イランとロシアは何年間も不信と食い
違いの関係を続けたうえでこの
10年間は通商関係を温めてきているが、
そのおかげでイランは国際的な孤立を
耐えやすくなっている。

ガザでの戦闘のため、アメリカと
レバノン、シリア、イラク、イエメン
でイランからの支援を受けている武装
勢力との間の緊張が高まっており、
ワシントンとテヘランの間で新たな
可能性が形成される可能性は乏しいと、
Stimson Centerの専門家たちは記して
いる。

この4月にシリアにあったイラン
大使館をイスラエルが攻撃、イラン軍の
司令官数名を殺害した。イランはそれに
対する報復として、ミサイルやドローン
数百機をイスラエル目掛けて発射した。
そのほとんどは迎撃された。これは
イラン対イスラエルの対立の激化を表す
事態で、イランはそれまで以上の
抑止力があると確信するに至った
模様だ。

アメリカとの対立の回避

それでも、中東での紛争の拡大を防止
したいとアメリカは腹を決めていると、
イランの人たちも認識している。
<今回の軍事衝突による> 危険性に
ついては、両国間に裏のメッセージが
やり取りされていた。


交渉解体屋さん
私の作品 “Argument IV – Conclusion”

昨年、イランとアメリカの間では捕虜の
交換がなされた。それに伴い外交での
協力が強まるかとの希望が沸き上がっ
た。核開発プログラムに関する間接
交渉も、何らかの希望を匂わせていた。
だが現在、イランの関心の焦点は、
トランプ氏が今年11月の大統領選挙で
選出された場合、果たしてトランプを
交渉相手にするのか、するのなら
どのように、といった問題にある。
イランの政治関係者たちの多くは、
トランプの当選を予想している。

交渉担当者であるRoss氏によれば、
イランの新大統領には「現実主義と
最高指導者のイデオロギー基準の
順守との間の」バランスを保ちつつ
政府決定を下していくうえで、
いくらかの余裕がある模様だ。

だがそうした余裕はペゼシュキアン氏
による外交問題への取り組みに限定
されることになろう。特にアメリカ
との関係では、ハメネイ師が明確な
境界線を引いている。Ross氏による
と2015年の核合意に際しても、最高
指導者 <であるハメネイ師> は
「この合意から距離を置き、トランプ
が一方的に脱退した時に ”ほら、
言わんこっちゃない” と語れる
ような立場を保っていた」


長い記事で、眠くなった~~
私の人物デッサンより
実際、このモデルさんはウトウトして
らっしゃいました


Lara Jakes ローマを本拠に、
ロシアに対抗するウクライナの戦いを
支援する西側の外交・軍事的努力に
関する報道を行っている。ジャーナ
リストとしての経歴は、30年近く
に及ぶ。

*****************************

「やかんをのせたら~~」では今後も
イランの核開発に関する報道記事の紹介を
してまいります。
皆様から特報などあれば、私にもぜひ
お知らせくださいませ!

yadokari_ermite[at]yahoo.co.jp

まで!

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あつい!!

関東の皆様なら言うまでもない問題ですが、
とにかく危険なThe New York Timesの記事の日本語化
(無料箇所)に取り組んでおります。

イランの新大統領誕生によって、核交渉がどう変わっていくのか??
そうした問題を取り上げている記事です。
私たち反核勢力にとっては、緊急の問題ですからね。

出来次第アップロードしますので、しばしお待ちくださいませ。

英語の元記事を読める方は、
https://www.nytimes.com/2024/07/07/world/middleeast/iran-pezeshkian-khamenei-nuclear.html
をどうぞ!

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Nuclear regulator to become promoter with passage of Advanced Act

Nuclear regulator to become promoter
with passage of Advanced Act
(核発電の規制当局のはずが、今回の
Advanced Actなる法案の通過により
核発電の推進当局に化けてしまう)

Beyond Nuclear Bulletin
June 20, 2024

核発電推進法がアメリカ議会で成立して
しまい、反核運動にとっては苦難の時代
が訪れている、というニュースです。

まずは、Bulletinそのものにある
テキストを。
いつもどおり、
私による日本語化(と抜粋・要約)
< > 内は私からの補足説明
です。

*****************************

advance <– Latin “abante” (ab (離れる) + ante (前へ) )
本当に「前へと離れて」行きたいのなら、まずは核から離れましょうよ。

”ADVANCE ACT”
(「核発電推進法」と、とりあえず
呼んでおきます)
反核勢力にとって、暗い時代へ

6月18日、アメリカ上院でADVANCE
Actが88対2で採択されてしまった。
反対の2票を投じたのは、Markey上院
議員 (マサチューセッツ州選出、民主党)
とSanders上院議員 (ヴァーモント州
選出、独立) だった。下院は既に5月8日
に同様の法案を成立させており、 その際
は393票対13票であった。民主党で
反対票を投じたのは、テキサス州選出の
Doggett議員のみであった。おそらく
バイデン大統領が今回の法案に署名し、
この法案は法律となってしまう見込みだ。

今回の法案によりNRC <アメリカの
原子力規制委員会> の任務が変更され、
原子力の安全性のための規制というより
も、原子力産業の推進へと変わって
しまう。半世紀ほど、時計を巻き戻して
しまう法律だ。さらに同法案により、
いわゆるadvanced原子炉 <新型原子
炉、「やかんをのせたら~~」で既に
取り上げているSMRやHTGR、PBR
などなど> の新設、さらにHALEU
<high-assay, low-enriched uranium、
上の黒いメニューにある hal-1) など
参照>も推進してしまうので、安全面や
健康関連、環境、核兵器の拡散、そして
納税者の負担といったリスクが増大する。
こうした各種関連当局が癒着してしまう
ことで、福島第一のような放射性物質
放出の伴う破局が発生するリスクも増大
する。

******************************

監視当局が業界と癒着してしまうと~~
食品業者と保健機関 → 食中毒が増える
(あくまで、分かりやすくするためのたとえですよ)

では、BulletinにあるRead Moreを
クリックしたジャンプ先も紹介しま
しょう。

U.S. Senate passes pro-nuclear ADVANCE Act, 88 to 2 – Beyond Nuclear

U.S. Senate passes pro-nuclear
ADVANCE Act, 88 to 2
(アメリカ上院、核発電推進の
ADVANCE法案を88対2で可決)

********************************

2024年6月19日

調査報道記者のGreg Palastの発言を
言い換えるなら、アメリカ下院は
「カネで代える最高のもの」になり
下がったようだ。今回の法案通過に伴う
核産業からのキャンペーンとしての献金
やロビー活動の影響力を評しての言葉だ。

このトンデモナイ結果を防止すべく立ち
上がってくださったすべての方々に、
厚くお礼を申し上げる。それにも関わら
ず、今回は我々 <反核勢力> は敗北を
味わった。それも、手痛い敗北だ。

2024年6月18日、アメリカ上院は
核推進のADVANCE Actを88対2の
投票で可決した。反対票を投じた上院
議員は、Ed Markey(マサチューセッツ
州選出、民主党)とBernie Sanders
(ヴァーモント州選出、独立系)の
2名だけであった。なお、ADVANCEと
いうのはAccelerating Deployment of
Versatile, Advanced Nuclear for Clean
Energy <「クリーン エネルギー普及
のための多様な新型原子力実現の
加速化」法案> の略称である。
<核発電が本当にCO2などの削減に
なるのか否かについては、上の黒い
メニューの終わり近くにある ページ
付録 w-1)、w-3)、w-8) などを参照>

「燃料製造用の発電で煙だらけ、表向きはきれい」
再掲  原発用の燃料製造に要する電力

<原文ではここにアメリカ上院議員
たちによる投票の一覧へのリンク。
日本の反核勢力も、こうした情報を
発信できるようになりたいですよね>

<原文では、ここに法案本文への
リンク>

<原文ではここに、Markey上院議員と
Sanders上院議員のオフィスの電話
番号。反対票を投じてくれたことへの
お礼を申し上げるよう、奨励。私たち
日本の反核勢力も、支持できる議員
さんたちとの良い関係は構築したい
ですね>  今回の法案通過は確かに、
核廃絶や環境保全、環境に関する公正と
いった活動にとっては暗黒の一撃で
あったが、それでも真実を述べて希望の
光を照らしてくれた両上院議員で
あった。<原文ではここに、両上院議員
のオフィスへのEメールアドレスへの
リンク>

ご自分の選挙区選出の上院議員がこの
法案に賛成票を投じた場合には、議員の
オフィスに連絡を取り、反論や不快感を
表明されたい。
<原文ではここに、上院議員たちの
連絡先リストへのリンク>

<原文ではここに、上院議員への連絡
テキストのサンプル>

NIRS <Nuclear Information and
Research Service、アメリカのメリー
ランドに本部を置く環境団体> では、
このADVANCE法案を上院が否決
すべきであったという多数の根拠を
挙げている。それを、下記に紹介する。

  1. 環境と健康へのリスク
    1. <本法案は>新型の
      原発を推進するものだ
      が、そうした新型原発は
      環境に良い影響を及ぼ
      さず、そのウラニウム
      採鉱から放射性廃棄物の
      管理にまで至るライフ
      サイクルを考えるなら、
      炭素排出が多い。
    2. 長寿命の放射性廃棄物を
      生み出し、安全に隔離
      できない。
    3. 「新型の」核燃料の使用
      を増やす新型原子炉が
      多いのだが、そうした
      新型の核燃料は現行の
      ものよりも危険性が高い
      もので、ウラニウム235
      の濃縮度が高く核兵器用
      の濃縮度に近づく。その
      ため、大気中でも水系
      でも日常的な放射性物質
      の排出や核廃棄物がより
      危険性の高いものとなる。

      HEU(High Enriched Uranium)、LEU (Low)、 HALEU ・・・ややこしい! 再掲です

      具体的にはHALEUのこと。
      hal-1) の図を再掲

  2. 経済的問題:
    1. 原子力は長い期間を要し
      <他のエネルギー源より
      も> はるかに費用が
      かさむ。そのため、再生
      可能エネルギーなどの
      真に気候変動対策になり
      えるエネルギー源に
      充てるべきリソースを
      横取りしてしまう。
    2. 原子力プロジェクトに
      伴う費用と期間とは
      大掛かりなもので、
      風力や太陽エネルギーと
      いった代替エネルギー源
      と比べ非効率なソリュー
      ションでしかない。
  3. 国家の安全保障にとっての脅威:
    1. 危険な核物質や技術の
      輸出につながり、核兵器
      の拡散を加速させて
      しまう。

      そもそも、核技術や核物質のproliferation risksは、本「やかんをのせたら~~」が今まで延々と説明してきた問題系です。

    2. アメリカの核施設を外国
      <の団体など> が所有
      する可能性をもたらし、
      アメリカの国家安全保障
      上のリスクになりえる。
    3. 原子力規制委員会
      (Nuclear Regulatory
      Commission、NRC)の
      役割を、規制ではなく
      核発電の推進に切り替え
      てしまう。<規制当局の
      はずである機関が実は
      推進機関であると>
      法規制がおざなりになり
      安全上の欠点が生じて
      しまうことは、福島第一
      の事故でも証明済みだ。
      そうなってしまうリスク
      を、今回の法案は増大
      させてしまう。
  4. 放射線被害者に対する不当な
    扱い:

    1. アメリカ下院は、
      放射線被ばく賠償法
      (Radiation Exposure
      Compensation Act、
      3853)の改正を行っ
      ておらず、放射線被害に
      対する補償を拒否して
      いる。

      アメリカは過去に幾度も核実験を実施、当然そこからの放射線に捕縛した方々も多数いらっしゃったわけです。そうした被害者への補償が ・・・

    2. ADVANCE 法案が成立
      すれば、放射線の放出と
      被ばくが増大、上述の
      不公正がさらに悪化する
      恐れがある。しかも、
      その不公正の増大には
      税金が投入されるのだ。

今回の法案は持続可能なエネルギーの
ソリューションに投下すべきリソースを
核発電に向かわせてしまうだけでなく、
環境・経済・安全保障の各面でのリスク
を深刻に悪化させてしまいかねない。

NIRS がも述べているように、この
ような危険で誤った方針を法律と
して成立させてはならない。だが、
昨日 <6月19日> の法案通過を
受け、おそらく法律となってしまう
ことであろう。.

<原文ではここに、ホワイトハウス
への連絡の取り方>

<原文では最後に、下記の各種関連
文献へのリンクもあります。英語の
文献を読みたい方は、どうぞ>

Dr. Edwin Lyman, Nuclear Power Safety
Director at Union of Concerned Scientists,
issued a strong statement opposing the
ADVANCE Act
, prior to its U.S. Senate
passage. Dr. Lyman won an Alliance for
Nuclear Accountability (ANA)
 award,
during ANA’s annual “D.C. Days,” on
May 21, 2024.

Dave Kraft, executive director of Nuclear
Energy Information Service of Chicago
,
also issued a strong statement opposing
the ADVANCE Act
, after its passage.
Dave won Beyond Nuclear’s Dr. Judith H
Johnsrud “Unsung Hero” Award
, also
during ANA’s “D.C. Days,” in 2017.
*******************************

こんな法律は廃止しましょう!

アメリカのこの悪しき新法を撤廃
させるためには、アメリカ国内の
Beyond NuclearやNIRSなどの反核団体
の努力は無論ですが、アメリカ以外の
反核諸団体も彼らと協力する必要があり
ましょう。
その結果、この悪しき新法が廃止になれ
ば、世界的にも影響を及ぼすはずですの
で、アメリカ以外の反核運動にも好影響
が出るはずです。

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FLiRTから回復したので、再開

私(ひで)がどうもCOVID FLiRTに
感染してしまっていた様子で、数日
間にわたり寝込んでおりました。
6月20日 JST 現在、70%ほど回復
しておりますので、本ウェブサイト
を再開しますね。

イランの60%濃縮 U 地区石器問題
です。

APのウェブサイトより
Iran further increases its stockpile of uranium enriched to near weapons-grade levels, watchdog says | AP News

イラン、高濃度ウラニウムのストックを
増大

ライシ前大統領がチョッパーの事故で
他界されたことについては、ご冥福を
祈っております。
しかし、それとウラニウム過剰濃縮とは
まったく別問題ですよね。

では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
************************************

Iran further increases stockpile of
uranium enriched to near weapons-
grade levels, watchdog says
(核兵器グレード近くまで濃縮した
ウラニウムの備蓄をイランが増大と、
IAEA)

Stephanie Liechtenstein記者
2024年5月28日

ウラニウム濃縮とリスク、再掲

ウィーン発(AP)  — 以前から核兵器
レベル近くにまで濃縮したウラニウム
を備蓄していたイランだが、その備蓄
をさらに増やしていると、この月曜日
<5月27日> に国連の核監視機関
<であるIAEA> が作成した機密
報告書に記されている。これは、国際
社会に圧力を絶えずかけようとする
イラン政府の動きの中で、最新のもの
だ。

イランの核開発プログラムは <国際
的に> 議論を呼んでいるが、それを
減速することへの見返りに、この核
プログラムに対するイランへの経済
制裁を解除してもらえないかと同国は
目論んでいる。イランでは国家の絡む
問題はすべてそうだが、この核開発
プログラムも指揮しているのはイラン
の最高指導者アヤトーラ アリ ハメネイ
師だ。先週ヘリコプター事故があり同国
の大統領と外務大臣とが死亡したの
だが、それほどの事態があってもイラン
の核開発に変化はなさそうだ。

今回IAEAが報告書を作成した背景と
して、イスラエル対ハマスの戦争が続く
中、中東全体での緊張が高まっている。
さらにこの4月には史上初めて、
イスラエルとイランがそれぞれ相手の
領土への軍事攻撃を行った。

0.7% U-235 (他はu-238など、ウラニウム鉱石)
→ 60%にまで濃縮するのは大変
→ そこから90%は、比較的簡単

その報告書をAPは閲覧したのだが、
5月11日の時点でイランは60%濃縮の
ウラニウムを142.1キログラム保有して
いた。これは今年2月にIAEAが前回の
報告を出した時点以来、20.6kgの増加
である。核兵器グレードのウラニウム
濃度とは90%以上だが、60%まで濃縮
してしまえば、技術的には90%に到達
するのはたやすい。

IAEAの定義によれば、60%まで濃縮
されたウラニウムが約42㎏あれば、
理論上は核兵器1つを製造できる。
そのウラニウムをさらに90%まで濃縮
すればよいのだ。

この報告によればさらに5月11日の
時点で、イランが保有する濃縮ウラニ
ウムの総量は 6,201.3 kgに達しており
これはIAEAが前回の報告を作成した
時点から675.8 kgの増大だ。

イランはその核開発プログラムは
平和利用のみを目的としていると
以前から主張してきているが、
IAEAのチーフであるラファエル
マリアーノ グロッシは以前、イラン
は既に核爆弾数個を製造できるだけの
核兵器グレードに近い濃縮ウラニウム
を保有しているとの警告を発していた。
イランにある遠心分離機の一部が秘密の
ウラニウム濃縮用に転用された疑い
は、IAEAとしては払しょくできない
とグロッシは認めている。

2018年以降イランとIAEAとの間では
緊張が高まっているが、2018年に当時
のアメリカ大統領ドナルド トランプ
が、イランと世界主要国との間で成立
していた核合意から一方的に脱退した。
それを受けイランは、この核合意の下で
核プログラムに設けられていた制限を
すべて撤廃、急速にウラニウム濃縮を
加速した。

U → いったん気体のU化合物に →
遠心分離器でU-235の比率を
高める(濃縮) → Uに戻す(還元)

本来、2015年に一旦締結されたその
核合意の下では、イランに認められて
いたウラニウム濃縮は3.67%までで、
許可されているウラニウム備蓄量は
約300㎏まで、また使用が認められて
いた遠心分離機は極めて基本的な
IR-1とされていた。遠心分離機は
ウラニウムを気化させたガスを高速で
回転させ、濃縮を行う。

この2015年の合意でイランは、
ウラニウム濃縮の濃度を発電に必要な
レベルにまで落とす代わりに、経済
制裁を解除してもらうことに合意して
いた。また当時、国連の査察官たちが
核プログラムの査察を任務としていた。

月曜日 <5月27日>の報告によれば、
イランは昨年9月にIAEAの査察官が
同国の核プログラムをそれ以上査察
することを禁ずる決定を下したのだ
が、その決定をいまだに考え直して
はいない。IAEAとしては「IAEAと
イランの間の継続する話し合いの
なかで、考え直してくれる」ことを
望んでいる。

この報告によると、グロッシはイラン
が査察官による検査を制限するとの
決定を下したことをグロッシは
「ひどく遺憾としており」、この決定
を撤回することが「IAEAがイラン
での検証活動を効果的かつ充分に行う
ためには、今も必要不可欠だ」と
している。

イランのエブラヒーム ライシ大統領と
ホセイン アミラビドラヒアン外相が
<先日の事故で> 死亡したことを受け、
IAEAとイラン政府の間の協力のための
対話も一時停止となっていると、
この報告には記されている。

しばしお流れかよ~~

その5月19日のヘリコプター墜落
以前には5月前半のグロッシによる
イラン訪問を受け、5月20日にイラン
政府とIAEAとが技術的交渉を行う
予定であった。だがヘリコプター事故
のため、この交渉もお流れになった。
そこでイランは5月21日に書簡を
送付、イランの各担当チームは今も
「双方にとって都合の良い日に」
テヘランで話し合いを続けたいと
願っていると告げたと、この報告書
にはある。

さらに同報告書によれば、数年前に
イランの2か所で検出された人工の
ウラニウム粒子について、IAEAは当時
からそれがどこで出来たものか、今は
どこにあるのか、尋ねているのだが、
いまだにイラン政府は回答していない。
その2か所とはVaramin とTurquzabad
という場所にある各施設なのだが、
それらをイラン政府は <IAEAに>
申請していない。 .

報告書によるなら、イラン政府はIAEA
からのこの質問に回答すべきである。
さもなくばIAEAはイラン政府と締結
した核拡散防止策 (safeguards) に
従い「イランが提出した申告内容の
正しさや充分性を確認できなくなって
しまう」

やはり同報告によれば、2022年6月に
<イラン側が> カメラも含めた
モニター機器類を取り外したのだが、
その再設置にも全く進展がない。
その時以来、記録されているデータと
いえばイスファハンという都市にある
遠心分離機施設に設置されている
IAEAのカメラによるデータだけだ。
2023年5月のものだ。だがイランは
このデータすら、IAEAがアクセス
することを許可しなかった。

5月21日にIAEAが発表したところに
よれば、遅れていた査察だったがこの
4月に査察官たちが「イスファハンの
施設にカメラを無事に設置、2023年
12月下旬以降に収集したデータも
各地でIAEAとイランとで別々の
保管下に入った」
***************************

"Argument I -- Louder, Louder"

”Argument I – Louder, Louder”
私の昔の作品

イランの核開発に関しては、今後も
新たな報道を見つけ次第、紹介して
まいります。
それにしても、日本語の報道が
あまり聞こえてこないのは、
なんで??

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ロシア、ザポリージャ原発の再稼働を計画 ~~ マジかよ!?

RBC Ukraine (ウクライナの縫合機関)
のウェブサイトより
IAEA labels Russia’s plans to restart Zaporizhzhia Nuclear Power Plant as dangerous (msn.com)

IAEA labels Russia’s plans to restart
Zaporizhzhia Nuclear Power Plant as
dangerous
(ロシアによるザポリージャ原発再稼働
計画を、IAEAは危険なものだと宣言)

Kateryna Shikarlat記者
2024年6月5日

そもそも、外部電力の供給源をたびたび
失い非常用ディーゼルに頼ってきた
原子炉を再稼働しようとは ・・・
しかも、勝手に「併合」した他国の
原発を。
呆れかえってものが言えないですね!

併合したから、再稼働させてもらいまっせ

では、いつもどおり
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
************************************
ロシアは、現時点で一時的にロシアが
占拠しているザポリージャ原発の
再稼働を目論んでいる。そんな目論見
は危険であると、IAEAのラファエル
グロッシ事務局長は明言している。

グロッシはモスクワを訪問した後で、
ロシアがザポリージャ原発を「何らかの
時点で」再稼働しようと計画している
ことを断言した。その根拠として、
ロシアは同原発のあい路に難色を
示している。

このIAEA事務局長は、ザポリージャ
原発を再稼働するにはいくつかの
重要な条件があると指摘している。

「再稼働のための前提として、・・・
砲撃やそれに類似した活動は一切
あってはならない」とグロッシは強調
して述べている。

さらにグロッシによれば、ザポリージャ
原発への外部電力供給も安定化させる
必要がある。

「そのためには <原発の> 修理作業
も、既存の電力供給線の大掛かりな修理
も必要となる。だがそうした作業が今の
ところ、軍事活動のため極めて考え
にくいのだ」と、IAEA事務局長は説明
している。

外部電力、どないすんねん?砲弾が飛んでくるんやぞ!


前提となったのは


ロシアがザポリージャ原発の再稼働を
目論んでいることが判明したのは、
数週間前のことだ。特に、侵略側である
ロシアの代表たちが再稼働の可能性を
すでに匂わせている。

そのうえ4月13日付のThe Wall Street
Journal によれば、ロシアのヴラディ
ミール プーティン大統領がIAEAの
事務局長に対し、ザポリージャ原発
再稼働の計画を個人的に打ち明けた
という。

聞き逃すわけにいかない事実として、
わずか数日前のCenter for Defense
Strategies <国防戦略研究所> の
報告によれば、ロシアは既に
ザポリージャ原発をチェチェンからの
武装組織用軍事基地に転用して
しまっており、射撃訓練場まで設営
しているのだ。
*****************************

あまりにも異常な話 ~~

いったい、原子炉が6基もある軍事
基地に原子炉があるからといって、
軍事基地での発電を再開するって、
正気の沙汰とは思えませんよね。
しかも、もともとロシアから攻め
込んだ戦争なのですが ・・・

原発というものはこれほどの異常な
利用もされる危険性がある、という
実例でした。

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ロシア産Uを禁輸にしたら、先住民にとばっちり

では、すぐ下のBeyond Nuclear
Bulletinの記事、Read Moreを
クリックすると出てくるリンク先の
論考を紹介しましょう。

ウラニウム採鉱など核エネルギー産業
の陰でアメリカ先住民の暮らしや健康
が脅かされてきている問題についての、
Linda Pentz Gunterさんの論考です。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

わてら、昔からここにすんどるのに、後から来た人らがUを ・・・

READ MORE

元の英語論考をお読みになりたい方は、
下記をどうぞ:
“Terrible news” | Beyond Nuclear International

****************************************
Terrible news!
(ひどいニュース!)
2024年5月19日

Russian uranium ban reopens threat of
uranium mining escalation in US
(ロシアからのウラニウム輸入禁止に
より、アメリカでウラニウム採鉱が
激化する恐れが再燃)

Linda Pentz Gunter

2022年2月24日にロシアがウクライナ
への侵略を開始した際、この戦争が
いつまで続くのか、どのような結末を
迎えるのか、誰にも分からなかった。
<その時点では> キーフはすぐにでも
ロシア軍の手に落ちるものと思われた。
それから2年以上が経過したが、今も
戦争は続いており、ロシアからは
核兵器使用の脅しが聞かれ不安を
募らせている。.

この侵略が始まった時点でアメリカと
そのNATO同盟諸国とは直ちに、
ウクライナの防衛を支援し、ある程度
は兵器も供与しようと努めていた。その
一環として、ロシアからの燃料輸入の
禁止という制裁も直ちに決定した。
侵略開始からわずか12日後の2022年
3月8日にはアメリカのジョー
バイデン大統領は、ロシアからの石油や
液化天然ガス、石炭のアメリカへの輸入
を禁止する大統領命令に署名している。
<ところが> これには、ロシアからの
ウラニウムは含まれていなかった。

なんでUは例外なんや??

この、2022年にロシアからの化石燃料
輸入を禁止した際には、私たち反核運動
に携わる者たちの多くは、ロシアからの
ウラニウムも禁輸せよと騒いでいた。
アメリカによるウラニウム輸入の少なく
ても12%はロシアからのもので、
アメリカ国内の原子炉燃料として使用
されている。ロシアの衛星国である
カザフスタン(25%)とウズベキスタン
(11%)からの輸入も含めると、この
数値は50%近くにまで膨れ上がる。
(アメリカへのウラニウム供給国と
してはもう1つカナダがあり、
カナダ1国で27%に達する)

<原文では、ここに写真>

2024年5月13日、バイデン大統領は
ようやく、ある民主・共和両党が賛同
した法案に署名した。ロシアからの
ウラニウム輸入を禁ずる法律
(Prohibiting Russian Uranium Imports
Act)だ。この法律が禁じているのは
「中性子線を照射していない低濃縮
ウラニウムで、ロシア連邦共和国
あるいはロシアの法人が製造したもの」
の輸入である。(ここでのロシアの
法人とは、要するにロシア国外で営業
しているRosatom <というロシア
国営の核エネルギー公社> のことだ)

今回の戦争が始まったころに我々
<反核勢力> がロシアからの
ウラニウムのボイコットを求めていた
ころ、核発電のもたらす害悪を強調
するという流れで声を上げており、
この核発電という危険で差別的な技術
の利用を恒久的に終わらせようという
我々の課題の一環であった。そのころ
我々は、なぜ核発電関連だけが禁輸
対象から外されていたのかを問題に
していた。今、その原因は明確に
なった。この法案は有害なもので、
文字通り被害をもたらすのだ。

輸入止めて国内で製造しますんで、そのための予算

この法律が制定されたことで、
「エネルギー省は専用の資金27億
2,000万ドルを獲得、アメリカ国内
でのウラニウム濃縮への投資を
展開し、アメリカの国際的な責務である
信頼性が高く危機にも対応できる世界の
ための核エネルギーを推進できる」と、
アメリカ国務省は発表している。

こうした動きはいずれも、2050年まで
に世界の核発電能力を3倍に増やそう
という馬鹿げた課題の産物だ。
(2050年までに仮に達成できても、
<気候変動対策としては> 遅すぎるの
だが) 「敵対的な影響に左右され
ない、安定した核燃料サプライチェーン
を向こう数十年にわたり確立するため」
だと、国務省は述べている。だが
今回の法案は、そうした成果を全く
生み出しはしないであろう。

確かにこの法案により、ロシア製の
ウラニウムに対するアメリカの依存を
終わらせるという効果はあるかも
しれない。だが、<核エネルギーと
いう> 声明を破壊するエネルギー源
へのアメリカの依存症を治療しては
くれない。核エネルギーは、反抗する
だけのリソースが特に少ない
コミュニティを犠牲にしてしまう。
さらに気候変動危機への対応に当たり、
より短期間で導入できコストも安い
再生可能エネルギーを活用するのでは
なく、 最も費用がかさみ期間も要する
エネルギー源 <つまり核エネルギー>
に 資金も貴重な時間も向けてしまう
ことで、アメリカが再生可能エネルギー
による経済へと向かう道を今まで
以上に困難なものにしてしまう。

予算全部、アイツが食っちまいやがった

先週 <5月9日の週> バイデンが
この法案に署名していた時、喜んで
いたのはだれか、誰の目にも明らかだ。

Uranium Energy社やTerrapower社、
Centrus社、Energy Fuels社の
エグゼクティブたちは、胸の高鳴りを
抑えられなかった。ウラニウムの
アメリカ国内での採鉱や精製、濃縮を
再開できるということで、すぐにでも
始めたかったのである。だがそうした
業務はアメリカ先住民の諸部族に
とっては、特に有害なのだ。彼らの
暮らす土地は既に、以前のこうした
ウラニウム関連活動によって恒久的に
汚され、毒に侵されているのだ。しかも
そうした先住民たちは今も、適切な、
あるいは何らかのクリーニングと補償が
なされるのを待ちわびているのだ。

Pinyon Plain, Arizona

そうした土地の1つとしてグランド
キャニオンがあるが、すでにPinyon
Plainというウラニウム鉱山からの汚染
という脅威に晒されている。この鉱山
プロジェクトを進めているのはカナダ
資本のEnergy Fuels 社で、2024年
1月に業務を開始している。この地
にはハヴァスパイ族という先住民が
暮らしており、彼らはこの
プロジェクトに強く反対してきたの
だが。

「我々はウラニウム採鉱にはもう
何十年も反対してきている。大地にも
大気にも水にも人にも、有害なリスク
があることが判明しているからだ」と
語るのは、ハヴァスパイ族のリーダー
であるCarletta Tilousだ。Pinyon Plain
でのウラニウム業務の撤廃を求めて
闘争している。このPlainはRed Butte
というハヴァスパイ族にとっての聖地の
近くにあるのだ。.

<原文では、ここに写真>

「アメリカ南西部でのウラニウム採鉱
のせいで傷つけられた我々のコミュ
ニティには、恐ろしいほどの死の遺産が
残されている。しかも連邦政府の所有
する土地であれ、部族の保有地であれ、
何千ものウラニウム鉱山が <閉鎖後
に> クリーニングもされていない」
と、Tilousは述べている。

Tilousiはさらに「ウラニウムによる
グランド キャニオンの汚染は今後も
続くはずだが、それにはコロラド川へ
と流れ込む <地下水の> 帯水層も
含まれる。ウラニウム鉱山からの汚染
物質はさらに、Havasu Springsの水源
となっている深層部の帯水層にも流れ
込みそうだ。こうしたリスクを避ける
ための唯一の手段は、ウラニウム鉱山
を閉鎖することだ」とも語っている。
<アリゾナ州にあるHavasu Springs
ですが、大きな湖を形成しており、
リゾート地でもあります。そこに
放射性汚染物質が流れ込めば ・・>

Navajo Nation

ナヴァホ ネイション<Navajo Nation,
アリゾナからニューメキシコ、
ユタ州にまたがって存在する先住民
自治区> では同自治区内での
ウラニウム採鉱を禁じているが、以前
には最盛時で500を超えるウラニウム
鉱山を擁していた。それらはすべて、
いまでは閉鎖されているのだが、
クリーニングはされていない。 (全米
では、閉鎖されたウラニウム鉱山は
4,000以上ある) ナヴァホ族の人たち
はウラニウム鉱山が健康やコミュ
ニティの幸福にもたらす害については、
イヤほど実体験で理解しているのだ。

「今回のバイデンによる決定は、
ひどいニュースだ」と述べるのは、
ナヴァホ ネイションのウラニウム鉱山
で以前勤務していたなLarry King だ。
彼はウラニウム採鉱に反対する東部
ナヴァホ先住民 <Eastern Navajo Diné
Against Uranium Mining> のメンバー
でもあり、もう何十年もウラニウム
鉱山のクリーニングを求めてきている。
Kingはさらに、地表からリーチング
してウラニウム鉱石を取り出す採鉱
方法 (in-situ leach、現在採用されて
いる主要採鉱方法)でウラニウム鉱石
を取り出した後で 「帯水層を採鉱
以前の状態に戻した例を、見たことが
ない。採鉱企業たちは、自分たちの
欲しい鉱石だけをナヴァホ族の土地
から取り出すと、次の鉱山へと去って
いったのだ」とも語っている。

in-situ leach, schematic

ウラニウム採鉱を禁じているナヴァホ
ネイションだが、ウラニウム採鉱の
再開のため新たな脅威に晒されている。
<ニューメキシコ州にある> Church
Rockという地点でUranium Resources
社が新たなin-situ leach方式のウラニ
ウム鉱山を開こうとしたのだ。この
計画は、ナヴァホ族の人々の反対のため
取りやめとなった。だが、その後で
トロントに本拠を置くLaramide
Resources社がUranium Resourcesを
買収、同地でのウラニウム採鉱を始め
たがっている。ナヴァホ族の自治区
境界線が同地を囲んでおり、この
候補地はナヴァホ自治区内部にはない
ためだ。

Kingの自宅は、Laramide社の計画対象
地域から肉眼で見える位置にある。
「この <ウラニウム採鉱> プロ
ジェクトの環境への影響に関する発表を
見ると、このプロジェクトの対象地域内
に民家もあり、そうした住民たちは
立ち退きを迫られている。だが、私は
立ち退かない。私はこの地で生まれた。
一歩たりとも動くつもりはない」と
Kingは語っている。


Trampled and Ignored, 私の最近の作品より ・・ まだ未完成です

バイデンがロシアからのウラニウム
輸入を禁ずる法律に署名したのち、
Washington Post 紙はある記事を掲載
したのだが、それが恥知らずで偏向
したものであった。その記事には、
アメリカ先住民の声は何一つ紹介され
ていなかったのだ。 その記事の記者
Maxine Joselow は核エネルギー企業
4社のエグゼクティブならびに政治家
2名の発言を引用しているが、いずれも
この法案に賛同している。Joselowは
ウラニウム採鉱に反対する者たちに
ついては「他の人たち」あるいは
「さらに他の人たち」として短く取り
上げるだけなのだ。しかもそうした
匿名の人たちの発言を紹介するに
あたっては、「環境保護論者たちの
一部は核エネルギーを支持している
ものの ・・・」という断りを入れて
いる。

さらなる問題としてJoselowは、
Energy Fuels社の上級バイス
プレジデントCurtis Mooreのナン
センスな発言を金科玉条のごとく繰り
返しているのだ。Mooreの主張では、
同社のグランド キャニオン鉱山は
同地の水源に対し「全く何の」リスク
ももたらさず、しかも「気候変動との
戦いにおいては、ウラニウムは間違い
なく不可欠なのだ」ときたものだ。

<原文では、ここに写真>

アメリカ人はいずれ、この法案の
代価を支払うことになる。アメリカ
先住民は、特に被害にあう。<ロシア
からの> ウラニウムの輸入を禁じて
おきながら核発電からの卒業を求める
のでなく、この汚染だらけの産業を
アメリカ国内で幾何級数的に拡大させ
ようとしてしまっている法案なのだ。

ロシアがウクライナ侵略を開始した
時、アメリカ ウラニウム生産者連盟
(Uranium Producers of America)と
いう業界団体のエグゼクティブ
バイスプレジデントであり、さらに
Uranium Energy社という鉱山企業の
バイスプレジデントも務めるScott
Melbyeは、ある発表の中で次のように
述べていた:

この下は、私の見解ではなく、Melbyeさんの主張です

「ロシアによるウクライナ侵攻を
見れば、戦略的に不可欠なエネルギーの
供給や鉱物の確保においてロシアやその
同盟諸国に依存していてはならないこと
が、明らかだ。アメリカの原子炉の
約半分を稼働させるためのウラニウム
は、ロシアやカザフスタン、ウズベキ
スタンからの輸入だ。アメリカには
ウラニウム資源は潤沢にあり、最高の
環境・安全・衛生基準でウラニウム燃料
を製造できる能力もあるというのに、
アメリカ国内での製造はほぼ全面的に
停止している。アメリカ ウラニウム
生産者連盟では今までも度々、政策
担当者たちに対し、こうした国外への
過剰依存のもたらす惨劇について警告
してきた。こうした <ウラニウム輸出
諸国の> 国営ウラニウム企業の市場
戦術は食い荒らすもので、そのため
アメリカ国内のウラニウムのサプライ
チェーンは衰退してしまったのだ」

バイデンの5月13日の発表を受け、
Melbyeは「この当たり前の段階に
到達するまで、これほどの機関を
要したのは馬鹿げている」と語って
いた。

だが、この法案による禁輸で実際に
ロシアにどの程度のダメージがある
のか、またそれがいつ頃になるのか、
分かりはしない。bne IntelliNews が
今年の1月19日の記事で明記していた
ように、「確かにカザフスタンは
ウラニウムの供給では世界最大の
プレイヤーなのだが、その精錬済み
ウラニウムの多くはロシアの転換工場
で処理され、それから世界の市場に
輸出されている」のだ。かくしてロシア
は「カザフスタンのウラニウム埋蔵量
の26%以上をコントロールしており、
毎年のウラニウム生産量の中では
さらに22%に対し権利を有している」

たとえば、こういう「迂回」もあり得る

ところが今回のロシア製ウラニウムの
禁輸法案ではウズベキスタンやカザフ
スタンは名指しでは指定されておらず、
法案にある「ロシアの法人」という
言葉では正確な対象が不明確である。

カザフスタンは、このロシア産ウラニ
ウムの禁輸からカザフスタン産ウラニ
ウムへの需要が増大するはずだと見て
おり、その需要に応えようとして
いる。「この法案によって世界最大の
ウラニウム産出国であるカザフスタン
には大きなチャンスが発生、カザフ
スタンはこの新たな需要に応えアメリカ
の求める核エネルギーに必要な鉱物を
供給できる」と、この1月にThe Times
of Central Asia
 紙は報じていた。それに
先立ち昨年12月にこの法案はアメリカ
議会を通過していた。

Uがどこから来てるのかも、重大な問題なのです

それらに加え、この法案にはかなり
深刻な例外規定が設けられており、
ロシア産ウラニウムがアメリカに入り
込む可能性は充分に残っている。
同法案によれば、「原子炉稼働の継続
あるいはアメリカの核エネルギー企業
の業務継続のために低濃縮ウラニウムが
必要であるが、その有効な供給源が他に
ない場合、また第(1)項に定める
低濃縮ウラニウムの輸入がアメリカの
国益につながる場合には」ロシアから
のウラニウム輸入を継続できる。

こうした例外規定は、ウラニウム燃料
の不足のためアメリカの原子炉が寿命
以前に、あるいは恒久的にシャット
ダウンされてしまうことを防止する
ためにある。この例外規定は、2028年
1月まで有効とされている。つまり、
RosatomやKazatomprom、北米の
ウラニウム企業各社、アメリカ議会、
そしてバイデン政権にとっては
「ウィン・ウィン」なのだが、アメリカ
先住民はまたしても裏切られ、
憂き目を見ることになったのだ。

Linda Pentz GunterはBeyond Nuclear 
の国際関係スペシャリストで、Beyond
Nuclear Internationalでの執筆や編集も
行っている。本記事で表明されている
意見はすべて、Gunter氏個人のもの
である。
**********************************


長くて疲れた~~ 私の20分クロッキー、
男性のモデルさん

長い記事でしたが、アメリカの歴史に
おいては先住民への迫害や虐殺が付き
纏ってきたことはよくご存じですよね。
そして核問題との関連では、そうした
先住民差別が今も行われてしまっている
ことが、お分かりいただけたと思います。

日本国内に目を転じても、原発は必ず
過疎地域にあって、そこから電力を
ワザワザ遠路、大都市に供給して
いますよね。

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1週間遅れですが、Beyond Nuclear Bulletinの記事

実は私が他の仕事に追われてしまい、
Beyond Nuclear Bulletinの記事の
日本語化紹介が、1週間ほど遅れて
しまっております。

ようやく、5月23日号からの記事、
Bulletinそのものにある本文だけを
まず紹介しますね。
Read More以降が長いのですが、
それはまた後日。

アメリカは最近まで輸入していたの
ですが、ロシアがウクライナに侵略して
いることを受け、ロシアからの核燃料
輸入をやめにしました。
ところが。
そうなると、アメリカ国内での
ウラニウム採掘も増やすことになり
・・・
そうした記事です。

再掲

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*************************************

Beyond Nuclear Bulletin
2024年5月23日

ロシアからの(精製・濃縮済み)
ウラニウム(燃料)輸入禁止
だが、その代償は誰の上に?

<アメリカ議会は> ロシアからの
ウラニウム輸入を禁止する法案を
通過、本来ならアメリカでの核発電の
恒久的な廃止に向けた段階的移行へと
つなげるべきであった。だが現実
には、この法案は新たなウラニウム
採掘と精錬を引き起こし、アメリカ
先住民たちのコミュニティを苦境に
陥れてしまっている。既に先住民
居住区には廃鉱となったウラニウム
鉱山が4,000以上もあり、しかも
適切な廃鉱処置は施されていない。
先住民の人たちは、こうした死を招く
遺産に今も苦しめられている。さらに
今回の法案には例外規定まであり、
アメリカ国内のウラニウム燃料製造
だけでは国内の原子炉からの需要に
対応できない場合には、ロシアから
の核燃料輸入を継続しても良いと
されている。ロシアがウクライナ
侵略を続けていることを受け、ロシア
に経済的制裁をさらにかけるのが
今回の法案の狙いではあるが、
アメリカのウラニウム輸入のうち
ロシアが占める比率はわずか12%に
過ぎない。<ロシアからの輸入を
禁じたことで、ウラニウムの不足が
発生するのであれば> その不足分は
カザフスタンから仕入れれば済む。
アメリカのウラニウム輸入のうち、
25%はカザフスタンからのもの
なのだ。
************************************

しつこいですが再掲
HALEUで、ロシア依存が高いのです

Bulletin本文は以上ですが、
Read Moreをクリックすると、
さらに長い論考が登場します。
あほバカ漫画も添えて後日紹介し
ますね。
しばしお待ちくださいませ。

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ロシア軍の戦術核演習

実は私が自作絵画に関する問い合わせに
追われてしまい、こちらの投稿が遅く
なってしまいました!

で、パキスタンのウルドゥー語
ニュース機関、Dunya Newsの
英語ウェブサイトより
Russia begins tactical nuclear weapons drills near Ukraine – World – Dunya News

西側の報道だとロシア関連の記事と
なると、ドーしても「西側の偏り」も
窺えるかも。でも、ロシアの戦術核
演習は無視できるような問題じゃ、
ございません。
そこで、「西側以外」ってことで
ネットを探してみたら、パキスタンの
Dunya Newsによる記事がありました。
ま、情報源は西側のAFPだそうです
が、内容を見るとロシア軍そのものが
公表した動画内容を紹介してくれて
います。

何らかの「メガネ」は避けられないことは、承知のうえで

いつもどおり、
私の日本語化で紹介します。
< > 内は私からの補足説明です。
英語の報道記事を読める方は、
上のリンクから原文をどうぞ。
*****************************

Russia begins tactical nuclear weapons
drills near Ukraine
(ロシア、ウクライナ近郊で戦術核の
演習を開始)

Russia on Tuesday announced the start
of tactical nuclear weapons drills close
to Ukraine.
(火曜日 <5月21日>、ウクライナ近郊
での戦術核演習の開始をロシアが発表)

2024年5月22日
モスクワ発、AFP

火曜日、ロシアはウクライナ近辺での
戦術核兵器の演習開始を発表した。
西側からの「脅迫」に対する対応だと
主張している。

Slingshot VS machine gun — “threat!”

ロシア軍がウクライナへの侵略を開始
して2年以上になるが、その間に繰り
返しロシアは自国の核兵器について
言及しており、ロシアの存在を脅かす
ような脅威を感じた場合にはそれを
配備する用意があると告げてきた。

西側は <そうした発言について>
ヴラディミール プーティン大統領が
核兵器を振りかざした無責任な威嚇
行為に出ていると、非難してきた。
.
ロシアの国防省が火曜日に発表した
ところでは、今回の演習はロシアの
南部軍管区で実施中であり、この区域
はウクライナと国境を接しているだけ
でなく、ロシアが一方的に併合して
いるウクライナ領土の一部も含まれて
いる。ただし、演習の正確な位置は、
ロシアは公表していない。

今回の演習の意図は「戦略核以外の
核兵器用戦闘部隊の人員と設備とが
<脅威に対して> 対応し、ロシア国家
の領土の完全性と主権を守れるか」
試すことが目的であると、国防相の
声明には記してある。

その声明にはさらに「一部の西側高官
たちによる挑発的な発言や脅迫への
対応である」とある。

プーティンがこの演習を命じたのは今月
初旬のことで、それに先立ちウクライナ
戦争に関する西側からの発言がモスクワ
では憤慨を集めていた。

ロシア高官たちが問題にしている西側の
発言として、NATOはウクライナに派兵
する可能性を排除すべきではないという
フランスのマクロン大統領の発言、また
英国のキャメロン外相によるウクライナ
には西側のミサイルをロシア領土へと
打ち込む権利があるという発言がある。

ロシアの南部軍管区は、ウクライナへの
侵略の司令官区となっている。その本部
があるのは、ウクライナとの国境から
60㎞ほど離れた Rostov-on-Donという
町だ。しかもこの管区は、ロシアが併合
したと主張しているウクライナ領土をも
含んでいる。つまりクリミアや
ドネツク、ケルソン、ルガンスク、
ザポリージャの各地域だ。

お宅の庭、併合しましたんで~
核演習やらせてもらいまっせ

ロシアの国防省が公開した動画を見ると
トラックがミサイルを演習の場へと運び
入れており、そこには発射システムが
備えられていて軍用飛行場では部隊が
核弾頭を輸送できる爆撃機の準備を
整えていた。

それがこの演習の「第一段階」で、
発射装置への核兵器装着や指定の
発射場への搬送、軍用機へのKinzhal
超音速ミサイルの搭載などを
行っている。

試験発射を行ったのか否かについて
は、この動画には言及がなかった。

戦術核兵器あるいは非戦略核兵器と
呼ばれる核兵器は戦場で使用する
ために設計されており、ミサイル
で発射する。
****************************

隣の家でも、射撃練習始めてまいよった

「遠い異国の話だ~~」なんて、
思わないでくださいね。
ロシアは日本の隣国でもありますし、
しかも領土問題を抱えていますよね。

たとえばカムチャッカ半島とかで
上記のような核兵器演習などやらか
されたら、日本列島に暮らす我々の
大半は、肝を冷やすのでは?

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北朝鮮の核をめぐり、中国とロシアは ・・・

The Diplomat(ワシントンDCに本拠を
置く、国際的な政治・社会・文化関連の
オンライン ニュース雑誌)の
ウェブサイトより ・・ 要約
China and Russia Disagree on North Korea’s Nuclear Weapons – The Diplomat

北朝鮮の核をめぐり、中国とロシアの
意見や願望がかみ合わない、という
記事です。

Beijing and Moscow have different
perspectives on – and different
appetites for – Pyongyang’s nuclear
program.

Wooyeal Paik (ソウルにあるYonsei
大学教授、北朝鮮研究や政治科学、
外交問題がご専門)
2024年5月15日

いつもどおり、
私の抜粋・要約・日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
*************************

いろんなとこに波紋が ・・・

北朝鮮の核兵器に対する反応・姿勢が、
中国とロシアでは異なる。

まずロシアだが、<現在、ウクライナ
への侵略を続けており>、ヨーロッパ
でのNATOとの対峙が深刻な問題と
なっている。そこに北朝鮮の核に西側
の目が向かうことで、世界の注視を
ウクライナから部分的にそらせること
ができる。その意味で、ロシアが
北朝鮮の核保有を実は歓迎している。
以前にはロシアも、NPTへの違反として
北朝鮮の核に反対していたのだが。
今では北朝鮮から通常兵器や弾薬を
輸入、その見返りに北朝鮮にミサイル
関連技術などの支援をしている。

一方の中国だが、北朝鮮と公式な相互
援助条約(1961年に締結)を有して
いる国として、北朝鮮の核には賞賛と
非難が入り混じった複雑な反応を
示している。
まず <良く知られているように>
地政学的に北朝鮮は中国にとって、
アメリカや韓国・日本という同盟と
直接に対峙せずに済む「バッファー
ゾーン」として重宝されてきた。
しかし、
・ 北朝鮮の政権は、北京政府の言う
ことを容易に聞いてくれるわけでは、
ない。つまり、中国が制御できない
核兵器保有国が、中国と国境を
接している現実がある。
・ 当然、「敵」であるアメリカに、
介入の口実を与えることになる。
・ 西側との交渉で北朝鮮を「カード」
の1つとして利用するなら、西側から
さらに反発を招いてしまう。
・それでも、中国が台湾を占領しよう
と軍事侵攻をする場合には、北朝鮮の
核は中国にとって役立つかもしれない。
そしてこの危険性からは、目を背ける
わけにいかないのだ。
*****************************************

思惑の違い

通常兵器だけを考えても既にかなり
「難しく」なっている状況に、核兵器が
絡んでしまうと、さらにもつれてしまう
・・・ そんな実例ですね。
「核兵器があれば他国が攻撃しずらく
なり(核抑止論)、戦争を回避し
やすくなる」といった主張がいまだに
聞こえますが、現実がどうなっているか
をまず注視すべきですよね。

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アメリカでの「戦時被ばく」

原爆というと直ちに、
「アメリカが、非人道的なことを ・・」という
反応が返ってきやすいですし、確かに
アメリカの当時の政府や軍は「不要な」
残虐行為をやらかしたと、私も考えます。

ただ、核の暴虐は国境で仕切られるものではなく、
実はアメリカ国内でも「アメリカ内部の
原爆被害」を問題にしている市民たちの動きが
ずっと存在しています。

その一例として、
Beyond Nuclear Bulletinの2024年5月16日号に
紹介されている
First We Bombed New Mexico
という映画をぜひご覧くださいな。
First We Bombed New Mexico (showandtell.film)
でWatch trailer をクリックすると、予告編を
ご覧いただけます。

国境を越えて、平和を求める市民が核の廃絶を
アピールしていく、そんな動きが必要です。

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