The Diplomat(ワシントンDCに本拠を
置く、国際的な政治・社会・文化関連の
オンライン ニュース雑誌)の
ウェブサイトより ・・ 要約
China and Russia Disagree on North Korea’s Nuclear Weapons – The Diplomat
北朝鮮の核をめぐり、中国とロシアの
意見や願望がかみ合わない、という
記事です。
Beijing and Moscow have different
perspectives on – and different
appetites for – Pyongyang’s nuclear
program.
Wooyeal Paik (ソウルにあるYonsei
大学教授、北朝鮮研究や政治科学、
外交問題がご専門)
2024年5月15日
いつもどおり、
私の抜粋・要約・日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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北朝鮮の核兵器に対する反応・姿勢が、
中国とロシアでは異なる。
まずロシアだが、<現在、ウクライナ
への侵略を続けており>、ヨーロッパ
でのNATOとの対峙が深刻な問題と
なっている。そこに北朝鮮の核に西側
の目が向かうことで、世界の注視を
ウクライナから部分的にそらせること
ができる。その意味で、ロシアが
北朝鮮の核保有を実は歓迎している。
以前にはロシアも、NPTへの違反として
北朝鮮の核に反対していたのだが。
今では北朝鮮から通常兵器や弾薬を
輸入、その見返りに北朝鮮にミサイル
関連技術などの支援をしている。
一方の中国だが、北朝鮮と公式な相互
援助条約(1961年に締結)を有して
いる国として、北朝鮮の核には賞賛と
非難が入り混じった複雑な反応を
示している。
まず <良く知られているように>
地政学的に北朝鮮は中国にとって、
アメリカや韓国・日本という同盟と
直接に対峙せずに済む「バッファー
ゾーン」として重宝されてきた。
しかし、
・ 北朝鮮の政権は、北京政府の言う
ことを容易に聞いてくれるわけでは、
ない。つまり、中国が制御できない
核兵器保有国が、中国と国境を
接している現実がある。
・ 当然、「敵」であるアメリカに、
介入の口実を与えることになる。
・ 西側との交渉で北朝鮮を「カード」
の1つとして利用するなら、西側から
さらに反発を招いてしまう。
・それでも、中国が台湾を占領しよう
と軍事侵攻をする場合には、北朝鮮の
核は中国にとって役立つかもしれない。
そしてこの危険性からは、目を背ける
わけにいかないのだ。
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通常兵器だけを考えても既にかなり
「難しく」なっている状況に、核兵器が
絡んでしまうと、さらにもつれてしまう
・・・ そんな実例ですね。
「核兵器があれば他国が攻撃しずらく
なり(核抑止論)、戦争を回避し
やすくなる」といった主張がいまだに
聞こえますが、現実がどうなっているか
をまず注視すべきですよね。