ロシア、新STARTへの参加を遅延 (>へ <;;)

Beyond NuclearのBulletinより

ロシアが新STARTへの関与を遅延する
問題について~~

アメリカの反核非営利団体にBeyond
Nuclearというものがあって、私も登録
しており毎週 BulletinをEメールして
くれています。

2月23日付の同Bulletinより。
記事のほぼ全体を、私の日本語化で
紹介しますね。
いつもどおり、
< > 内は私からの補足説明です。


“Run! For your life!”
私の昔の作品

Beyond Nuclear’s Bulletin 2023年
2月23日号より

下記で原文をお読みになれます:
Reckless escalation or emotional own goal? – Beyond Nuclear
英語の記事をお読みになれる方々は、
ぜひ元の記事をお読みください。

*******************************
無謀な暴走か? 激情にかられたオウン
ゴールか?
2023年2月21日発表

プーティンが核軍縮条約へのロシアの参加を
延期する決定を下したが、これは全世界に
とってのみならず、ロシア自体にとっても
深刻な誤りとなりえる。

2月21日にモスクワで行った重要な年次教書
演説で、ロシアのヴラディミール プーティン
大統領は 「今日は、ロシアがSTARTへの
参加を遅延させることにしたと、発表せざる
を得ない」 と述べた。

国際社会は、直ちに反応した。その大半は、
ロシアの決定を激しく非難するものだが、
一部の声は、この発表は現実の核武装強化と
いうよりも、とんでもない言葉で暗黙の脅し
を込めたものかもしれないとの警告を発して
いる。

プーティンが言及していたのは新START
条約 <2011年にアメリカとロシアの間で
発行した核兵器軍縮条約。2026年2月に
失効するので、新たなSTARTを設ける
交渉を進めてきたのですが ・・・> の
ことで、バラク オバマと <当時のロシア
大統領>ドゥミトゥリ メドゥヴェージェフ
がプラハにて2010年に署名した。
<上のリンク先には、その時の写真が
あります。headline photo/kremlin.ru/
Wikimedia Commons

この新START条約では、アメリカとロシアが
配備できる戦略核弾頭の個数、ならびに陸上
発射と潜水艦発射のミサイルそして核爆弾を
輸送できる爆撃機の数について、上限を
設けている。同条約は、2021年に5年間
延長された。

Wanna Get Nuked?
“Wanna get nuked?”
私の昔の作品

新STARTが設けている上限を、さらに具体的
に見てみよう。ここまではアメリカもロシア連邦
も、この上限を守り、あるいはそれ未満に
核兵器を抑えている。

  • 配備済みの大陸間弾道弾 (ICBM)、
    配備済み潜水艦発射弾道ミサイル
    (SLBM)、核兵器用の装備をした配備
    済み重爆撃機の合計は、700まで
  • 配備済みの大陸間弾道弾 (ICBM)、
    配備済み潜水艦発射弾道ミサイル
    (SLBM)、核兵器用の装備をした配備
    済み重爆撃機搭載の核弾頭の合計は
    1,550まで <1つのミサイルに複数の
    核弾頭があるMIRVというものがすでに
    配備されています>  (この場合の
    重爆撃機はいずれも、この上限との
    関連では核弾頭1個とみなす)
  • 配備済みか未配備かを問わず、大陸間
    弾道弾 (ICBM)、潜水艦発射弾道
    ミサイル (SLBM)、核兵器用の装備を
    した重爆撃機の合計は、800まで

<今回の発表のように> 本条約への参加を
遅延させるというのは、それ自体が同条約へ
の違反である。さらにロシアは核兵器の査察を
拒否してきているので、すでに同条約に違反
している。

"Argument IV -- Conclusion" (口論 IV ・・ 結論)
もう聞かない ・・・
“Argument IV”
私の昔の作品

平和団体や軍縮団体は、ロシアがこの条約
への参加を一時停止するという今回の
プーティンによる発表を非難している。
アメリカに本拠を置くArms Control Association
<という軍縮を求める団体> は今回の決定を
「無謀」 と呼び、「世界的な核兵器競争の
危険性を高めてしまう」 と警告を発した。

The International Campaign to Abolish
Nuclear Weapons は Tweet を発表、「新
STARTの履行を延期するというのは、
プーティン大統領による危険で無謀な決定だ」
と述べている。

英国に本部がある Campaign for Nuclear
Disarmament もプーティンの決定を非難、
「核リスクの危険な悪化」 であり 「世界の
安心を破壊する深刻な打撃だ」 だとしている。

核兵器廃絶を求める Global Zero <という
軍縮運動体> の Managing Partner
(運営パートナー) を務めるDerek Johnson
もプーティンの言動を 「常軌を逸したもの」 と
呼び、世界を 「核によるカオスへと一歩近づけ
てしまうものだ」 としている。だが同時に
「アメリカとNATOは全力を尽くして、核兵器の
拡大という危険の軽減に努めねばならない。
さらに両者は動きを合わせて冷静を保ちつつ
プーティンの無謀な発表に対応すべきだ」 と
の警告も発している。

On a torso, front / トルソーに着せてみた正面
“Nuke-Free World”
私のTシャツ作品

この条約は2026年に失効するため、新たな
条約が締結されない場合には大変な事態に
なりかねない、との憂慮を抱いていた人たちも
一部にいた。「この条約が失効する2026年
までに新たな条約が締結されない場合には、
アメリカとロシアの核戦力を制限するものは
なくなってしまう。これは、1970年代以来の
ことだ」 と、米国科学者連盟 (Federation
of American Scientists 、FAS) のHans
Kristensen は2022年4月に記していた。

だが、プーティンの発表を、当初ロシアが想定
していたようなロシア軍の短期間での勝利が
実現できなかったため、断崖に追い込まれて
いるプーティンのヤケッパチの叫びだと見なし
ている人たちもいる。すでにプーティンは
核兵器の使用をほのめかしていたが、今回の
発表で新たな核兵器競争が始まるのも
アメリカとNATOにプレッシャーをかけ、
ウクライナへの財務と軍備両面での支援を
やめさせようとする試みと見られる、という
のだ。

さらに、この条約をロシアが無視することで
ロシアにどのような利益があるのか疑わしい。
FASで senior research associate (上級
研究員) を務めるMatt Kordaによれば、
今回の発表は 「プーティンによる杜撰な
オウン ゴールで、アメリカも新STARTから
大きな利益を得ているようにロシアもこの
条約から多大の利益を受けている。今回の
決定は明らかに政治的・感情的なもので、
戦略に基づくものではない}
***************************

もう、どうかしてる~~

もう、どうかしてる~~                 私の点描練習より

ほんと、すべての諸国は核廃絶に努めないと
・・・ 条約で上限を設けることは無論、
廃絶が実現するまでは必要なのですが、
条約だけでは今回のような事態も。

なお、
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リンク先での入力は、英語ですよ。
そもそも先日はっきりと断ったように、
「やかんをのせたら~~」 も目安として
TOEICスコア500前後以上を、読者として
想定しております。(上の黒いメニュー
にあるページ b-4) 参照)

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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