カホヴカ貯水池の水位低下

・・・ といきなり言っても、何のことだか
お分かりにならない方々も、日本語圏では
多いでしょう。
ドニエプル川にある、ザポリージャ原発に
冷却水を供給しているカホヴカ貯水池の
ことです。

やはり、Beyond Nuclear のBulletinに
あった、同団体のプレス リリースより。
BN_PressRelease_PDF_NPP_Ukraine_OneYear (beyondnuclear.org)

説明のため、英語版Wikipediaや
Newsweekウェブサイトからも抜粋紹介
いたします。

いつもどおり、
私の抜粋・日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。


私のTシャツ作品

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NEWS FROM BEYOND NUCLEAR
For immediate release

問い合わせ先: Linda Pentz Gunter, international
specialist, ・・・
Paul Gunter, director of reactor oversight ・・・

Ukraine’s nuclear power plants face daily
risk of deadly disaster while war continues
(ウクライナの原発 <← 複数>、戦争が続く
中、日々死を招く災害のリスクに直面)

Safe zones can’t prevent inherent dangers of
nuclear reactors leading to catastrophe,
group warns
(安全地帯を設けても、原子炉に付き
まとう破局に至りかねない危険性を防止
できないと、Beyond Nuclearが警告)

2023年2月23日、アメリカ、
メリーランド州タコマ パーク発 —
ウクライナの各原発は現在、1年前のロシア
軍による侵略が始まった時点と比べ、
さらに想像を超えた危険な状況にあると、
Beyond Nuclearは警告する。さらに、原発
周囲に安全地帯を設けても、各発電という
技術に本質的に付きまとう危険性や破局を
招き得るリスクをなくすことはできない、
とも警鐘を鳴らす。

—- (中略) —-

A steady supply of cooling water is also
essential. However, alarms have recently
been raised by the seemingly deliberate
draining of the Kakhovka Reservoir, on
which the Zaporizhzhia nuclear power
plant relies for its cooling water.
(<原発には> 冷却水を絶やさず供給する
ことも、不可欠だ。だがカホヴカ貯水池で
近日、排水が行われており、どうも
<ロシア軍による> 意図的なものと
見られる。ザポリージャ原発は、この
貯水池から冷却水を取水している。
文字色協調は、私>)

—- (後略) —-
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Truth Gone II
扇動者のやらかすことは ・・・
“Truth Gone II”
私の、かなり昔の作品

このseemingly deliberateというところが
大問題で、どうもロシア軍が故意に
やらかした県議が拭えませんよね。
それについては私は断言できないの
ですが、この貯水池について、もう
少し情報を。
まず英語版Wikipediaより。
Kakhovka Reservoir – Wikipedia

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カホヴカ貯水池 (ウクライナ語:
Каховське водосховище, Kakhovs′ke
vodoskhovyshche
) は、ウクライナの
ドニエプル川にある貯水池。1956年に
カホヴカ水力発電所に合わせて建設
された。ドニエプル川には数か所の
貯水池が連続して建設されているが、
その1つ。

・・・(中略)・・・

2022 年のロシアによるウクライナ侵略
Since early November 2022年11月初旬
以来、カホヴカ水力発電所の放水路が
開かれており、同貯水池の水位はこの30
年間で最低の位置にまで低下した。
そのため灌漑用水も飲用水も供給が
途絶えるリスクに晒されており、しかも
ザポリージャ原発の冷却水システムも危険
に直面している。2022年12月1日から翌年
2月6日にかけて、水位が2mも低下した
文字色協調は、私
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* なお、仕様については、
Max. length 240km (ちなみに、東京の
新宿から福島第一原発までの直線距離に
近いです)
Max. width  23km (おおまかに、新宿駅
から松戸市中心部までの直線距離)
Surface area  2,155km2
Average depth  8.4m
だそうです。

ついでながら、上の黒いメニューの
終わりのほうにある ページ 付録 w-2)
や付録 w-10) でも論じましたが、原発が
いかに大水飲みか分かりますよね。農業
用水や飲用水も兼ねているとはいえ、
実に巨大な貯水池が必要なのですね。
そして、それだけの大量の冷却水が
ないと、冷却ができない ⇒ 最悪、
メルトダウンという惨劇を招きます。


“Angel of Water”
私の昔の作品

この貯水池については、すでにウクライナ
市民への給水が絶たれたという点で
大問題であり、各種メディアでも報道
されました。その一例として、
NewsweekのFeb. 28, 2023号によるもの
を抜粋紹介しますね。
Russia Draining Reservoir to Leave Over 1M People Without Water: Ukraine (newsweek.com)

Russia Draining Reservoir to Leave
Over 1M People Without Water: Ukraine
(ロシア軍が貯水池の水を排出、
100万人以上が水道を使えず ―
ウクライナ情勢)
Jon Jackson記者
2023年2月17日

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金曜日 <2月17日> にウクライナ高官
が述べたところでは、ロシア軍は
ウクライナのカホヴカ貯水池からの
放水を試みており、場合によっては
100万人以上への飲用水の供給が
途絶えてしまいかねない。

The Kyiv Independent 紙ウェブサイト
の報道によると、ウクライナの環境
保護大臣Ruslan Strilets が記者会見で、
上述の破壊工作の疑いについて述べた。
Strilets大臣はさらに、この貯水池の
水位を下げると、ザポリージャ原発の
タービン用キャパシターにも悪影響が
出かねない。

同ウェブサイトによれば、ウクライナ
南部のドニエプル川にある同貯水池の
水位が近日、13.6mにまで低下しており、
現時点では13.83mだという。標準水位は、
16mだ。

・・・(中略)・・・


何かやらかしてる ・・・
私の20分クロッキーに、後で背景色をつけたもの

先週、NPR <というアメリカの公共ラジオ>
が報じたところでは、衛星画像を見れば
ロシアのヴラディミール ぷーティン大統領の
軍がカホヴカ貯水池から放水をしている様子
が窺えるという。この報道によると、この
攻撃とみられる行為により飲用水に影響が
出るだけでなく、地域の農業にも損害が及び、
しかもザポリージャ原発の安全性にも
深刻な影響がありそうだという。

・・・(中略)・・・

IAEAもこの2月3日に、同貯水池の水位低下が
ザポリージャ原発に悪影響をもたらす
危険性を認識していると認めている。

「現時点まででは、この水位低下は同原発
の安全性やセキュリティに直ちに緊急の
危険を及ぼすわけではないが、このまま
低下が続けば憂慮材料となりえる」 と、
IAEA のラファエル M グロッシ事務局長は
IAEAのウェブサイトで述べている。

・・・(以下略)
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さあ、これからどうすれば ・・・
私の20分クロッキー

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それにしても、巨大貯水池の水を放出して
しまうとは、ロシア軍というのは実に陰湿で
凶暴な行為をやらかしますなあ! 最悪、
冷却水不足でザポリージャ原発がメルト
ダウンに陥った場合、ロシアにも放射性
物質が舞い降りてくることを、計算に
入れているのでしょうかねえ??

ロシア連邦政府が正気を取り戻し、
ウクライナに1日も早く平和が戻ることを!

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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