f-11) (その他) ミャンマー??

f-11) (その他) ミャンマー??

上の黒いメニューでは、項目を基本的
にはアルファベット順に並べています。
そこにあるページ g-9) で、
893組長??がミャンマーからとされる
核物質を密売しようとしていたという
記事を紹介しました。
さて、ここで引っ掛かりますよね?
ミャンマーには2025年1月現在で
原発も核兵器もなく、どうやって・
どこで核物質など作ったんだあ??
それとも、エビサワが誤って
ミャンマー産と誤認識していたのか?

それを確かめるには、今後の「エビサワ
核ネットワーク裁判」からの発表を待つ
しかありません。
しかし、とりあえずミャンマーの核事情
を調べて要約する事は可能です。
そこで、以下の3つのソースから得た
情報を要約して紹介しますね:

NTI, Myanmar   Myanmar
NTI, Myanmar Overview   Myanmar Overview
Wikipedia (Eng), Myanmar and weapons
of mass destruction   Myanmar and weapons of mass destruction – Wikipedia


Looking back —
私の20分クロッキー

まず、時系列で:

1955  Atomic Energy Center (原子エネル
ギーセンター) を設立、”平和利用”
への関心を示す

1957 IAEA加盟

1960年代 IAEAの農業用同位体技術
協力プロジェクトのいくつかに参加

(1988年 民主化運動を軍部が弾圧、
クーデター。軍政に移行)

1997 Department of Atomic Energy
(DAE、原子力エネルギー庁)を設立

2001 放射性同位体製造用の研究用
10MW原子炉をミャンマーで設計する
契約に、ロシアが署名。
ただし、後に頓挫。

2010 民主化団体Democratic Voice of
Burma(ビルマの民主の声)が、
ミャンマー(ビルマ)に秘密の核施設と
ミサイル施設があると主張、世界の話題
となる。(下で詳細に説明)

2014 必要なインフラストラクチャーと
「人材」とを確保できたら、研究用
原子炉の建設を始めると発表

2024 低出力原発の建設にロシアが
合意。竣工すれば、ミャンマーで最初の
原発となる

では、もう少し詳しく引用・日本語化
して紹介しますね.
<  >内は、私からの補足説明です。

あるのやら、ないのやら~~

概要
(NTIのMyanmar Overviewより)

ミャンマーに核兵器や化学兵器、生物
兵器の開発プログラムがあるのか否か、
公開されている情報ソースからは明確
には断定できない。ミャンマー政府は、
そうしたプログラムはないと断言
している。

ビルマとも呼ばれるミャンマーは、
核兵器非保有国として核兵器不拡散条約
(Treaty on the Nonproliferation of
Nuclear Weapons、NPT)に加盟して
いる。また生物と毒物兵器禁止条約
(Biological and Toxin Weapons
Convention、BTWC)ならびに化学
兵器禁止条約(Chemical Weapons
Convention、CWC)を批准している。
——————–

礼儀は正しい奴なんだけど ~~ まだ批准はしてないよ

ミャンマーが核兵器非保有国として
核兵器不拡散条約(NPT) に加盟した
のは1992年のことで、さらに1995年
には東南アジア非核地帯条約
(Southeast Asia Nuclear Weapon-
Free Zone Treaty)に加盟、核兵器を
開発しないと公言している。また同年
には国際原子力機関(International
Atomic Energy Agency、IAEA)とは、
包括的保障措置協定(Comprehensive
Safeguards Agreement) <proliferation
を防止するための、査察などに関する
協定>ならびに少量プロトコル(Small
Quantities Protocol)<ある国に存在
する核物質が既定の最低量未満である
ことを検証する措置> にも署名して
いる。2012年11月には当時の
アメリカ大統領バラク オバマが
ミャンマーを訪問、ミャンマーはその
後で追加プロトコルにも署名すると
発表した。それから1年と経ない
2013年9月17日に同国はこのプロト
コルに署名したが、<この原文が書か
れた2015年5月の時点では> まだ
批准していない。包括的核実験禁止
条約 <Comprehensive Nuclear Test
Ban Treaty、CTBT> についても、
ミャンマーは署名してはいるが
まだ批准していない。
—————————

ここからが、肝心

2010年のDemocratic Voice of
Burmaに
よる告発と、
それまでの経緯、そして

その波及
(English Wikipedia, “Myanmar and
weapons of mass destruction” より)

2007年、ロシアとビルマは核研究
センターに関する合意を交わしたが、
これが物議を醸しだした。両国の主張
では、「このセンターには10MW の
軽水炉を設け、ウラニウム235が
20%の濃縮ウラニウムで稼働させる。
その他にも反応分析ラボ、医療用同位体
製造ラボ、シリコン ドーピング
<半導体製造などで、シリコンを
意図的に混入すること> のシステム、
核廃棄物の処理、地層処分用施設など
を設ける」

Sydney Morning Herald <という
オーストラリアのタブロイド紙> が
2009年8月に掲載した報道によれば、
ビルマは2014年までに核兵器を開発
しようと取り組んでいたそうだ。この
開発活動は北朝鮮からの援助を受けて
行われており、原子炉の建設だけで
なくプルトニウム抽出施設も含んで
いたという。この施設は、
<ミャンマー中部、同国第二の都市
マンダレーがある> マンダレー地区の
Naung Laingという村落の山に掘られた
トンネルの中に建設されるそうだ。
<下の  も参照> このタブロイド紙
に掲載された情報の出所は、高い地位に
あったミャンマーからの亡命者2名だ
そうだ。2名は、オーストラリアに
定住したとされる。

 トンネルを掘って地下に小型
原子炉とPu抽出施設を作り ・・・
という一般的なリスクについては、
私も固定ページ s-3) の「では、SMRは
本当に proliferation riskを軽減するのか
??」という箇所で指摘済みです。上の
黒いメニューでは、項目を基本的には
アルファベット順で配列していますが、
そこで s-3) を見つけてクリック!
上記のタブロイド紙記事の真偽が
どうであれ、この「地下のPu抽出
施設」というリスクは、小型原子炉
全般に伴う問題ですよね>

再掲、s-3) より。
あくまで、説明のための略図です
SMRは地下に建造しえるので ・・・

ミャンマーの軍事政権に反対する
放送局であるDemocratic Voice of
Myanmar <DVB、ミャンマー民主
の声> が5年間かけて調査を実施
したが、2010年6月3日の発表に
よれば、同国の軍事政権が核兵器開発
プログラムを始めたことを示す証拠を
発見したそうだ。DVB によれば、
ミャンマーの核兵器プログラムの存在
を示す証拠は、数年かけてミャンマー
から秘密裏に持ち出された最高機密
文書にあるという。この文書は何百
ものファイルで構成されており、
その他にもSai Thein Winという人物
による証言も含む。 彼は以前、
ミャンマー軍の少佐を務めていた。
また国連のある報告書によれば、
北朝鮮がミャンマーやイラン、シリア
に核技術を輸出しているとの証拠が
あったという。

このWin氏の証言に基づき、以前に
兵器の検査官をしていたRobert Kelley
は、「ミャンマーには核武装する意図
があると、私は考える。・・・ その
ため、膨大なリソースを費やしている」
と述べていた。だが2010年に専門家
たちが述べたところでは、ミャンマー
の核開発は成功からは程遠く、それは
ミャンマーで現在使用している素材が
粗悪な品質であるためだそうだ。
Kelleyの分析に反し、核兵器開発プロ
グラムが存在するのか否か、定かでは
ないとする専門家もいる。あるいは、
プルトニウム生産のための施設なのか、
それとも「チタンやヴァナディウム、
その他の希土類金属」といった無害な
ものを製造しているのか、定かでない
そうだ。2011年の時点ではアメリカは
ミャンマーによるNPT規約違反に
関する懸念を表明していたのだが、
その翌年までには「懸念の一部は
弱まった」と述べた。

核兵器禁止条約 (Treaty on the
Prohibition of Nuclear Weapons) に
ついては、ミャンマーは2018年9月
26日に署名しているが、
まだ批准してはいない。
*************************************

Another 20-min croquis / 20分クロッキー、もう1つ
何だ、分かんないんじゃん
私の20分クロッキー

お分かりの通り、ミャンマーに核兵器
核物質製造施設があるのかないのか、
証拠が見当たりません。じゃあ、
「エビサワ核ネットワーク」が同国
から核物質を入手したと主張したのは、
いったいどういうことなのか??
そしてそもそも、いったいどうやって、
こうした犯罪組織が兵器グレードのU
やPuを入手してしまったのでしょうか
???(上の黒いメニューにある、
ページ g-9) を参照。メニュー内の
項目は、基本的にアルファベット順
です)

なお、核物質の濃度と用途についての
概略説明図の一部を再掲して
おきますね:

再掲、U-235とU-238を遠心分離する必要性の概略説明     右の「アーカイブ」で2024年12月6日

 

日本特有の核燃料再処理の場合で説明
分離したUとPuをワザワザ一部ミックスして、MOX → だから、核兵器製造用じゃない、という「体裁づくり」 でしょうが、いったんPuを分離精製している以上、いつでも核兵器に使えますよね (潜在的核兵器保有)  a-4) より再掲

 

再掲、U-235濃度と用途  h-3)  より

闇の核密売ネットワークが現実に蠢いて
いる以上、今後の世界で原発を建設
あるいは稼働あるいは維持していくなら
proliferation risksは特に深刻かつ重大な
問題です。
ところが日本の政府や核発電勢力は
それを知ってか知らずか、proliferation
をあまり言及しません。
そして反原発勢力も、どうも「敵」の
動きに反応しているうちに、逆に「敵」
から影響されてしまったのか、原子炉
事故と放射性物質漏出、そして核ゴミ
問題に集中しており、proliferationと
いうさらに深刻極まりない問題を
あまり声高には叫んできませんでした
よね。
アル ゴア前大統領が気候変動対策で
核発電を頼りにしていなかったのも、
このproliferationリスクのためでした。
(上の黒いメニューの終わり近くに
ある 付録 w-4) の後半を参照)
もういい加減、核兵器と核発電の
不可分性、proliferation risksを
前面に訴えていくべきでは?

20-min croquis + background added later / 20分クロッキー + 後で背景
しっかりしましょ!
私の20分クロッキー

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