発電用燃料の製造に大量の電気が必要

発電用燃料の製造に大量の電気が必要

BBC News –> msn
No further damage seen at Iran nuclear sites, global watchdog says

固定ページ f-12) の作成に時間を取られ、本ニュースのポストが遅くなりました。

IAEAのラファエル グロッシ事務局長による報告で、要するに「イスラエル軍の攻撃のためイランのナタンズU濃縮工場の遠心分離機が破壊された模様」という内容なのですが ・・・
反原発団体がもっと声高に指摘すべき問題が浮かび上がります。

20-min croquis / 20分クロッキー
なんで指摘しないの??
私の20分クロッキー

David Gritten記者、2025年6月17日(日本時間だと、18日 JSTかな?)

Centrifuges at Iran’s Natanz site likely destroyed, nuclear watchdog says
(イランのナタンズ核施設の遠心分離機、破壊された模様とIAEA)
という記事です。

このイスラエル軍による攻撃そのものについて、ここで述べたいわけじゃありません。
元記事の次の箇所をご覧くださいな:
********************************************
Centrifuges at Iran’s underground uranium enrichment plant at Natanz were likely to have been “severely damaged if not destroyed altogether” following Israeli strikes —
Rafael Grossi of the International —- this was a result of power cuts caused by the attack, in which an above-ground plant was “completely destroyed” and the electrical installation sustained “almost total damage”.
(私の日本語化)
イランのナタンズにある地下ウラニウム濃縮工場の遠心分離機が「全壊とまではいわずとも、深刻な損傷を受けた」模様だ ・・・
IAEAのラファエル グロッシによれば、この損害はイスラエル軍の攻撃で電力供給を失ったためだ。この攻撃のせいで、地上の施設が「完全に破壊され」電気系統の設備が「ほぼ全面的な損害を被った」
*******************************************

U濃縮工場にどれだけの遠心分離息があるのか?
それは、百聞は一見に如かず、次の画像をご覧くださいな:
AP21107409114651.jpg (2048×1242)
フォルドウ濃縮工場の内部だそうです
この写真に写っているのはこの濃縮工場のごく一部に過ぎないことにも、ご注意願います。

で、ちょっと待ってください: ナタンズのU濃縮工場は地下施設なのに、”地上の施設が「完全に破壊され」”って・・・?
話は簡単、多数ある遠心分離機などの「U濃縮設備」が地下にあるのに対し、それを駆動する電力を供給する施設は地上にあった、ってことですよね。
つまり、ウラニウム燃料を製造するには、U-235の比率を4%前後にまで濃縮する必要 ⇒ 大型の遠心分離機を何百台も並べて、遠心分離()⇒ 当然、大量の電力供給が必要
というわけです。
上の黒いメニュー(膨張しすぎてスイマセン、基本的にアルファベット順に配列)の下のほうにある 付録 w-1) でも説明済みです。

当然、
・ CO2排出との関連では、
その「濃縮作業のための供給電力」がたとえば石炭火力によるものであれば、
「原発はCO2を出さない」なんて言っちゃって良いのでしょうか??

・ しかし、それ以上の深刻な問題も ・・・
核発電の「本性」である核兵器製造との関連で、解消不能なディレンマがある
これについては、後日、新たな固定ページ d-14) で述べますね。しばしお待ちを。
・ それと、大量の大型遠心分離機を稼働させるには、具体的にどの程度の電力が必要なのか?それについて述べている資料をようやく見つけましたので、やはりこれから作成する固定ページ d-13) で紹介しますね。

しばし、お待ちを!

Actually, 5 minutes of sleepy hands' work / 眠る手による、5分の作業
ちょっと待ってね!

20分予定だった私のクロッキー、実際は5分になった
男性のモデルさん

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固定ページ f-12) をアップロード(入門レベル)

新たな固定ページ
f-12) (他にも) イラン vs イスラエル 戦争の
根底にU濃縮 (入門レベル)
をアップロードしました。

上の黒いメニューが膨張しすぎていて
使いにくく、申し訳ないのですが
項目は基本的にアルファベット順です。
f-12) を見つけてクリック!

次の3つの問題について、「やかんを
のせたら~~」としては珍しく、
極めて入門レベルの説明をしております。
世界を揺るがしている戦争が現在行われて
いるわけですから、その根底にある
U濃縮という問題は、基礎知識のない読者
にもわかりやすく説明する必要が、
と考えたわけですね。

つまりこの f-12) では、以下の3つの内容を
極めて入門レベルで説明しております:

・ 今世紀に入ってからのイランの核開発と
それに対するイスラエルやアメリカの介入の、
主な出来事のタイムライン
・ そもそもU濃縮とは?
・ 「電気代を下げるために既存原発を再稼働せよ」
が招き得る悪循環

入門的な内容なので、「そんなこと、とっくに
知ってるよ」とおっしゃる方々は、この f-12)
無視なさってくださいな。

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下の講演会、行ってきました

下の6月14日、聖アンデレ教会での講演会に行ってまいりました。
ノーベル平和賞を受賞した被団協を代表しての、家島さんのお話。

私にとって一番印象に残ったのは、Qs&Asでのこと。
質問:「原子力発電に関する被団協さんの姿勢は??」
これに対し家島さんは、次のような主旨の回答を:
「原発については、(被団協も)騙されていました」
つまり:
「平和利用」だというから反対せずにいたが、2011年3月のメルトダウンをきっかに調べなおしてみたら、「平和利用」というのは真っ赤なウソで、自分たちが騙されていたと気づいた、
ということでした。

自ら核兵器による被ばくを体験し、ノーベル平和賞まで受けるに至った団体ですら、「平和利用」というお題目に騙されていたと認めてらっしゃったのですね。

「やかんをのせたら~~」ではこの5年近く、「平和利用という大ウソ」を暴くことにフォーカスしてまいりました。そのため、原子炉技術や過去の核関連の事件など、あまり人気のない話題を中心に取り上げてきました。
しかし。たとえ不人気であっても、そうした話題を論じていかないと、「騙される」リスクが現実にあるわけですね。

「やかんをのせたら~~」をやってきて良かったと、思えた瞬間でした。

これからも、「騙されたくない」皆様はともに学んでまいりましょう!

その講演会での、私のメモ

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イスラエル vs イラン戦争の根底に、U濃縮のproliferation risks

イスラエル vs イラン戦争の根底に、U濃縮のproliferation risks

イスラエルとイランが激しくミサイルやドローンで戦火を交えていることは、多くのメディアが報じている通りです。
無論、今急に始まった戦争ではなく、2023年10月に(イランのproxyである)ハマスがイスラエルに攻撃を仕掛けたときから現在の戦争へとつながっているのですが、日本語の報道をお読みの方々の多くは、「いったい、なんでここまでの争いになってるの?」と不思議がってらっしゃるかも。

なお、ここ数年での対立のタイムラインは、
Timeline of tensions and hostilities between Israel and Iran
を参照なさってください。

もし読者の中にもそうした方がいらっしゃるのなら ・・・
この現在進行中の戦争の根底には、「やかんをのせたら~~」のフォーカスとなっている問題、つまり核発電と核兵器の不可分性があります。
この場合、その不可分性とはウラニウム濃縮にあります

U-235の濃度を高めないと、発電も兵器もできない

すでに何度も掲載してきた説明図を、もう一度掲載します。

再掲、U-235濃度と用途
60%なんて、核兵器以外の何に使えるゆうねん?

要するに、
大きな遠心分離機などを何百台も連結したU濃縮工場で
U-235(自然状態では、約0.7%しか含まれていない)とU-238を少しずつ分離し、
U-235濃度を3-5%に ⇒ 軽水炉発電用
濃縮作業をさらに続けて90%以上に ⇒ 核兵器
というわけです。

ところが。
イランは既に60%濃縮を達成しており、この濃度のUには民生用用途などないのです。
当然、「核兵器を作るつもりだな!?」と睨まれますよね。

イスラエルもそう考えており、以前からSTUXNETによるサイバー攻撃などを実施してきたようですが、今回の爆撃でもイランのナタンズやフォルドウにある核施設を主な標的としていました。

無論、IAEAも黙っていたわけじゃなく、先日、イランがNPTの下でのIAEAとの協力という義務を果たしていない、と非難する決議を採択したところです。
ところが。それに対抗してイランは、さらに新たな濃縮工場を作ると ・・・
Iran plans new uranium site amid pressure from watchdog

私は何も、イランを叩きたいんじゃありません。ある意味で公平に、イスラエルがおそらくすでに核兵器を保有していることも、説明済みです。
上の黒いメニューが膨張しすぎており使いにくくて申し訳ないのですが、基本的に項目をアルファベット順に配列しておりますので、ページ c-3) , c-4) をご覧くださいな。
さらに、イスラエルが他国の核施設を爆撃したイラン以外での実例については、ページ c-1) , c-2) をどうぞ。
また、イランの核開発関連要人が暗殺された事例もあります。たとえば、c-7)

おいら、いちぬけた!!

さらに、そもそも2015年にイランとアメリカ、ドイツ、英国、フランスなどとの間でいったんは核合意JCPOAの締結を見たというのに、2018年にトランプ政権が一方的にこの合意から脱退してしまった、という背景もあります。

こういった、今世紀に入ってからのイラン vs イスラエルの対立と紛争の展開を短くまとめた固定ページを、これから作成してまいります。

それにしても皆さん、「核の平和利用」などという戯言は、もうやめませんか

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固定ページ b-11) をアップロード

新たな固定ページ b-11) (原子炉の正体) パキスタン II
をアップロードしました。
b-10) — パキスタン I の続きです。

b-10) ではインド vs パキスタンの核兵器対立に至る背景として、
独立から今までの紛争の歴史を短く紹介しました。
b-11) ではその背景を踏まえたうえで、パキスタンの核兵器
開発の今までをごく短く紹介しております。

そこから得られる教訓として、
本来は「平和利用」で始まった核開発が、
情勢の変化の中で
核兵器開発に変わってしまった
という実例を正に読むことになります。

日本が核武装すべきか否か
日本で今後 核発電を進めるべきか否か
という議論においては、
こうした過去の実例を踏まえて
議論を交わしたいものです。

では、
上の黒いメニューが膨張しすぎており
申し訳ないのですが、項目は基本的に
アルファベット順ですので、
b-11) を見つけてクリック!

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固定ページ b-10) をアップロード

新たな固定ページ b-10) パキスタン I
をアップロードしました。

先日も世界を騒がせたインド vs パキスタンの
対立ですが、インドについては既にページ
b-9) で取り上げました。
残るパキスタンの核について、

1> 最近の2件
パハルガムの惨事、2025
一触即発の事態、2019
2> ずっと昔から~ 80年ほど遡って
を述べております。

次の3> と4> は、次回アップロード
予定の
b-11) (原子炉の正体) パキスタン II
で取り上げます ↓
長くなったので、I とIIに分けますね。

3> 「平和利用」で始まったものが ・・・
4> テロがきっかけで核戦争に発展
しえる

IとIIを合わせてお読みくだされば、
平和利用で始まった核開発が、
現実には核武装になってしまった実例を
さらに1つご理解いただけるはずです。

では、上の黒いメニューが膨張しすぎて
申し訳ないのですが、項目は基本的に
アルファベット順に配列しておりますので、
b-10) を見つけてクリック!

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とある団体とのやり取りとパキスタン記事の作成で多忙

御覧の通り、このウェブサイトへの投稿をしばらく中断しております。
・ とある反核団体とのやり取りが多忙なのと、
・ パキスタンの核兵器開発に関する記事の作成
で多忙なためです。

後者の記事が出来次第、このサイトにアップロードしますね。
しばし、お待ちくださいませ。

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6月14日(土)2pmから「核なき世界へ〜被爆者の思い」講演会

「核なき世界へ〜被爆者の思い」という講演会があります。

  • 東京都原爆被害者団体協議会(東友会)代表理事
  • 日本原水爆被害者団体協議会 代表理事
    の家島さんによる日本語での講演です。
    被団協がノーベル平和賞を受賞した意義や歩みなどについて、ご⾃⾝の被爆体験や広島・⻑崎・ビキニの被爆の実相を交えてお話しくださるそうです。

この6月14日(土) 午後2時から
入場無料
主催:日本聖公会正義と平和委員会 原発問題プロジェクト

場所:
日本聖公会 東京教区 聖アンデレ教会
(東京都港区、メトロ日比谷線の「神谷町」駅から南南西へ350m程度、
東京タワーのふもとから西北西へ250m程度)
日本聖公会東京教区聖アンデレ教会 – Bing 地図

Sunflower

 

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固定ページ nd-4) をアップロード

新たな固定ページ nd-4) をアップロードしました。
nd-3) の続きで、英語版 Wikipedia にある
Nuclear close calls という記事の後半を日本語化して
紹介しております。
元の英語記事を読める方は
Nuclear close calls – Wikipedia
をどうぞ!

「ヨム キッパー戦争」など、いまの若い世代の方々には
馴染みのない出来事については、私からの補足説明も
添えております。

こうした現実に起きた重大な事態のリストが、
日本語では見つけにくいというのは、日本も
核武装すべきか否かという現在の論争において、
由々しき事態ですよね。

あるいは、他のどなたかがこうした事態のリストを日本語で
すでに発表してらっしゃるのかもしれませんが、
・ 私は見つけられませんでした
・ 上述のような補足説明がないと、若い方々には
話が通じにくい
といった問題があります。

そこで、私からの補足説明を加えた日本語化を
行ったわけですね。

上の黒いメニューが分かりづらくて申し訳ないのですけど、
基本的にはアルファベット順に項目を並べていますので、
nd-4) を見つけてクリック!

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固定ページ nd-3) をアップロード

今までに核戦争や核兵器の炸裂になりかけた事態は、どの程度あったのか??
調停がなされたとはいえインド VS パキスタンの緊張が収まらぬ中、はたして「核抑止」がどこまで機能するのか、それとも戦闘のエスカレーションの先は核の応酬なのか、過去の事実も調べてみることが必須ですよね。

そんなnuclear close callsを集めたページが、英語版Wikipediaにあります。ところが、日本語版にはありません。
これは困るので、固定ページ nd-3) ではそのWikipedia “Nuclear close calls” の前半を日本語化しました。

上の黒いメニューが膨張しすぎており申し訳ないのですが、とにかくアルファベット順なので、nd-3) を見つけてクリック!

英語記事を読める方は、
Nuclear close calls – Wikipedia
で原テキストを!

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