チューリッヒに本拠を置くドイツ語
日刊紙Neue Zürcher Zeitungの英語
ウェブサイトより
Iran ramps up nuclear threats, toughens control of dissent (nzz.ch)
Iran is mentioning nuclear bombs
out loud and at the same time, is
tightening control over dissidents
(イラン、核兵器を声高に叫ぶと同時に
国内の反体制派への弾圧を強化)
”核+言論弾圧”というセット~~そんなもん、拡散してほしくないのですが ・・
本「やかんをのせたら~~」では、
以前からイランの核開発関連の国外
メディアによる報道を日本語化紹介
してきました。
同時に、対立国であるイスラエルが
秘密裏に恐らく保有している核兵器に
ついても、上の黒いメニュー(項目は
基本的にアルファベット順)にある
ページ c-3) や c-4) その他で取り
上げてきました。
その両国が先日、直接に軍事衝突を
起こしましたよね。当然、この二国が
核兵器で睨み合うようになるのでは、
という不安が高まります。
この問題について、Neue Zürcher
Zeitungの英語ウェブサイトにある
記事を。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
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イランは今のところはイスラエルとの
戦争を回避したが、イランの憂慮がなく
なったわけではない。政府批判者たちや
頭部スカーフ着用法令に抗議する女性
たちへの弾圧を強め、核兵器保有に
ついても強硬な発言を行っている。
いったい、こうした現象は何を意味
しているのか?
Ulrich von Schwerin記者
2024 年4月30日
公式には、イランは先日のイスラエルとの
軍事衝突で勝利を収めたと主張している。
だが国内情勢を見れば、政権が気を揉んで
いることが分かる。4月14日にイランが
行ったイスラエルへのロケット攻撃に
ついてもイラン国内に批判の声が
上がっているのだが、政府はそうした
批判者たちを弾圧しており、しかも
ヒジャブ関連の放棄に反対している女性
たちへの抑圧も強化している。イラン
政権が伝えているメッセージは、明らか
だ。この複雑な状況にあって、支配体制
への異議申し立ては一切認めない、と
いうものだ。<この4月に死刑判決を
受けた、政府批判で> 人気の高い
ラッパーToomaj Salehi の死刑判決
からも、このメッセージが伝わって
くる。
ラップで政権批判したら死刑??
ほな、「やかんをのせたら~~」の筆者なんか、何回殺されたらええんや??
この4月最後の木曜日、イスファハン
<というイラン中西部の都市> の革命
法廷はSalehiに <死刑> 判決を
下したのだが、その罪状は「地上に
腐敗をもたらした」というもので
あった。だがこれは定義不明瞭な罪状
であり、それをイラン政府は政権
批判者たちに向かって使用することを
好む。2022年秋にイラン全土で
「女性、生命、自由」という抗議活動
が高まったが、Salehiはそうした政府
批判の声となった。そんな彼への死刑
判決は、反政府派すべてへの警告と見る
ことができる。イラン政府はもう何年も
前から、国民を恐れさせるために死刑を
利用してきた。
イランでは、どこかで死刑執行が毎日の
ように行われている。Iran Human
Rights <「イランの人権」> という
団体によるカウントでは、今年に入って
から既に136件の死刑が執行されて
いる。今回のイスラエルへの攻撃が
あって以来、イランの道徳警察
<あるいは、「風紀警察」とも> は、
2022年の抗議運動以来勢力を増やして
きている服装規則に違反して頭部の
スカーフなしで外出する女性たちへの
取り締まりを強化している。今では
成人女性も少女も、頭に覆いを着用
せずに外を歩いている女性たちは
イラン全土で、警察に補導されている
のだ。
女性:「これなら、いいんでしょ!?」
あらゆる議論に対抗して先手を
打つ、イラン政府
この、ヒジャブ規則を執行するための
新しいキャンペーンが告知されたのは、
イスラエルへの攻撃を開始したのと
同じ日であった。4月14日夜、イラン
はイスラエルに向けてドローンや
巡航ミサイル、ロケット弾約300発を
発射するという前例のない攻撃を実施
した。これは、ダマスカスのイラン
領事館をイスラエルがミサイルで攻撃
したことに対する報復であった。
それは4月1日のことで、Mohammad
Reza Zahedi将軍をはじめとするシリア
駐在のイラン革命防衛隊の指導者たちが
死亡した。イランがイスラエルを直接
攻撃したのは、これが最初のことだ。
両国は既に何年も以前から代理戦争を
展開してきているのだが、今回の攻撃
で本格的な開戦の寸前にまで至った。
イラン政府内では、どの政治陣営も
この攻撃を承認した。穏健派である
Hassan Rouhani 前大統領も、この攻撃
でイスラエルは教訓を学び攻撃的な姿勢
を改めるべきだと主張した。その前任者
であったMohammad Khatamiは大統領
としての任期中には改革を志向していた
のだが、今回の攻撃については「計算
ずくのもので勇断と論理性に裏打ちされ
合法的なものだ」としていた。
Abbas Abdiというジャーナリストの
ようにこの攻撃を批判したものも少しは
いたのだが、そうした人たちは直ちに
司法機関からの召喚を受けた。ある
ビジネス新聞は株式市場の下落を受け
戦争のコストに関する警告を掲載した
のだが、告訴された。さらに革命
防衛隊のシークレット サービスは、
インターネット上でイスラエル支持の
表明があれば何でも通報するよう、
市民に要請した。つまりイラン政府は、
この問題についての議論はすべて、
芽のうちに摘み取ってしまうつもり
なのだ。
モンスター:「文句は許さねー」
イランが主張しているほどには
効果がなかった攻撃
イラン政府は今回の対イスラエル攻撃が
成功であったと主張している。イランの
軍事力を示し、イスラエル国内の標的を
撃破しうる能力のあることを実証した、
と考えているのだ。ダマスカスのイラン
総領事館に対するイスラエルの攻撃への
報復として実施したもので、イランには
軍事的抑止力のあることを示した、と
している。イランのイスラム革命指導者
Ayatollah Ali Khamenei によれば、今回
の攻撃により「イランの国家としての
能力と意志とを実証した」とのことだ。
実際に何発のミサイルが標的に命中した
のかは、二義的な問題とされたのだ。
実は、この攻撃の標的とされたのは
イスラエル南部にある2か所の軍事空港
だったが、それらに命中したロケットは
9発だけであった。ドローンや巡航
ミサイルの過半数は、イスラエル領空に
侵入する前に、アメリカ、英国、
フランス、ヨルダンの戦闘機や軍用艦に
より撃墜されていたのだ。他に、技術的
問題で墜落したミサイルも数発あった。
その他のミサイルのほとんども、
イスラエルの防空システムに撃墜されて
いた。
イスラエルは軍事的にも政治的にも、
このミッションを成功であったと記録
できる。4月19日にはイスラエルは
イランのイスファハンにある軍事空港
を標的にドローンとミサイルでの報復
攻撃を実施したが、イラン政府はその
意味を軽視していた。衛星画像を見る
と、防空システムのレーダーが爆破
されていた。だがイラン政権周辺の
各メディアはこの攻撃のことを「笑止
千万」と呼び、イスラエルの絶望と
弱体性とを示すものだと主張した。
「ははは、リンゴを射る以外、何もできんのだな」
「??」
核兵器をほのめかすイラン政府
上述の標的を絞ったミサイル攻撃は
おそらく、さらにイラン国内の遠い
位置にある標的も攻撃できるぞという
警告として、イスラエルが行ったもの
であろう。そうした標的のうちには
核施設も含まれ、イスファハン周辺には
数か所の核施設がある。革命防衛隊で
核施設のセキュリティを担当している
司令官であるAhmad Haghtalabは後に
警告を発しており、こうした攻撃が今後
あればイランは核兵器に関する方針を
再考せねばならなくなるかもしれない
と語った。この発言の意味は明らかで、
そうした攻撃が再度あればイランは
核兵器を製造する可能性があるぞ、
ということだ。
それから2-3日後、議会の保守派議員
であるJavad Karimi Ghoddusiが述べた
ところでは、イラン指導層が命令を
発すれば、1週間以内にイランは核兵器
を爆発させることが可能だそうだ。
ただしこの議員は、この発言のゆえに
同じ保守派議員たちから非難を浴びた。
各種の新聞も、この発言はイランが
核兵器製造を目論んでいるという西側
の非難を是認するものだ、と同議員を
非難した。つまりこの発言は、敵国に
イランへの新たな制裁を求めさせる
前提条件となってしまう、という
わけだ。
ウラニウムの濃縮度と用途、再掲
60%なんて、核兵器以外の何に使えるゆうねん?
ここ何十年かイラン政府は、同国の
核開発プログラムはあくまで民生用途
のみを目的とするものだと力説して
きた。だが近年、ウラニウムの濃縮率
を大幅に高め、高濃度の濃縮
ウラニウムの備蓄量も増大させている。
IAEAの推定によれば、イランは数週間
で核兵器製造に充分なウラニウムを
製造できる。ただし専門家たちによれば
実際に機能できる核爆弾をイランが
製造するには1週間では無理で数か月を
要するだろうとのことで、これは
Ghoddusi も認めている。
ハメネイ、核問題での譲渡に
反対する警告を発する
そうは言っても、もはや問題となるのは
イランに核兵器を製造できるだけの
技術力があるか否かではなく、製造する
政治的意思があるかどうかだ。ガザでの
戦闘をめぐる緊張の高まりを受け、
戦争を抑止するためにイランには核兵器
が必要か否かという議論が膨張してきて
いる。イスラエルによる今回の
ダマスカスのイラン総領事館爆撃は
挑発的なもので、それを受けイランの
議会の一部議員たちの間では、核兵器
の必要性を唱える主張が強まっている
模様だ。だが、決定を下すのは
ハメネイ師だ。
「平和利用」という言葉が、悪魔の隠れ蓑になってしまう
イスラム革命指導者 <である
ハメネイ> は今まで度々、核兵器は
イスラムに反するものだと述べてきた。
だがそのハメネイ師も、核プログラム
を放棄することは望んでいない。
水曜日 <24日> に同師はアメリカ
への譲渡をしないよう警告を発した。
アメリカに譲渡などすれば、さらに
あれこれ要求を突き付けてくるはずだ、
というのだ。そもそもアメリカは、
イランの核開発プログラム全体の終了
しか受け入れないはずだとハメネイは
述べている。彼はさらに警告として
リビアの以前の独裁者モアマール
ガダフィの実例を挙げている。
ガダフィは2011年に核開発
プログラムを断念、その後でNATOの
軍事介入により権力の座を追われた。
ただし言うまでもないが、この姿勢は
西側との新たな核交渉の可能性を排除
するものではない。各種のメディア報道
によれば、オマーンでは目下、イランと
アメリカの間で間接的な話し合いが
進行中だそうだ。首長国であるオマーン
は既に過去においても、核をめぐる議論
で調停役を務めてきた。公式の核交渉が
最後に頓挫したのは2022年9月のこと
で、何の成果も生み出せなかった。それ
以降は非公式の交渉のみが行われて
おり、それらは基本的に紛争の激化を
回避することを目的としたものだ。
それ以外の成果は、こうした新たな
交渉からは望めない。
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マジで、祈っています!
東京の某教会、私のかなり昔のスケッチ
私自身は決して、西側の立場に自分を
置くつもりはないのですけど、この
記事を読む限りでは、イランは核兵器
プログラムを隠ぺいしたがっている
ように聞こえますよね。
「そうじゃない!」と言いたいのなら、
自国市民への弾圧なんてやめないと、
信用できません。
しかも、西側との核交渉は絶望的状況
・・・ いずれ、イスラエルとの
核戦争が ~~
そんなことにならぬよう、
祈っています!!