データ センターには大型発電所が
必要 ⇒ SMRを新設、という短絡
またもBeyond Nuclear Bulletin
1月30日号より
China AI startup rattles US new nukes plan – Beyond Nuclear
良く報道されているように、
AI設備には膨大な電力が必要 ⇒
近くにSMRを
という主張がまかり通ってきており
ますが、そこに大きな変化が生じる
かも、という記事です。
いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は、私からの補足説明
です。
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China AI startup rattles US new nukes
plan
(中国のスタートアップAI企業、
アメリカの原発新設計画を揺るがす)
2025年1月30日
AIを活用して斬新なコンピューター
モデリングを行うのに、核発電という
最高にコストがかさみ危険な
エネルギーを使う必要はない
アメリカでは「原子力ルネッサンス」
の再来との声が喧しいが、その要因と
して、全世界的に人工知能(AI)を
稼働させるため電力需要の大幅増大が
予想されている。だが2025年1月
25日、このルネッサンスの流れは
大きく揺るがされることになった。
この日、競争力にも効率性にも優れて
いることが明らかな中国のAIスタート
アップ企業が、忽然と世に知れ渡った
のだ。DeepSeekである。アメリカの
株式市場では、S&P 500の核エネ
ルギー関連銘柄の株価が急落した。
こうした銘柄の各社は、大量の電力を
消費するデータ センターが大量に
増えるとの見込みに応じ、24時間
無休で電力を供給できる電力源として
最も信頼できる核エネルギーの企業と
いうことで、財務面を膨張させてきて
いた。ところが2025年初めになり、
中国からDeepSeekが青天の霹靂の
ごとく現れ、世界に知られる存在と
なった。そのため、それまでは
クラウド コンピューティングや
ネットワーキング、データ ストレージ
のサービスと言えばアメリカの支配だ
と信じていたものが、突如としてその
信仰が打ち破られてっしまった。
そして <アメリカでは> そうした
サービスには、余りにも高額な核エネ
ルギーの電力が必要だと思われていた
のだ。
Nvidiaなどアメリカに本部を置くAI
テクノロジー各社は、1月27日に
6,000億ドル近くを失った。これは1日
での株価変動による損失としては歴史上
最大のものだ。これまでAIの急成長を
支えるための24時間無休の発電方式と
しては、核発電が好適とされてきた。
だがDeepSeekの登場により、この通念
も変更を余儀なくされている。設立から
わずか2か月という同社の突然の台頭
は、アメリカのAI市場においては、
かつての「スプートニク ショック」
にも匹敵すると言われている。これは
1959年、当時のソヴィエト連邦が
史上初の人工衛星を打ち上げて軌道に
乗せたことを指す。これを受けアメリカ
の技術関連の各方面はパニックに陥り、
アメリカはソヴィエトとの「宇宙競争」
へと向かうこととなった。現在、
DeepSeekがテクノロジーでのリードを
握ろうとしており、単なるコンピュー
ター モデリングをコンピューターに
よる思考へと発展させ、 新時代を切り
開こうとしている。
AIプロジェクトへの投資には急激に資金
が集まり、「ゴールド ラッシュ」の様相
を呈していた。2023年にそれは始まり、
2024年には膨れ上がった。そうしたプロ
ジェクトには、いまだ <実用性や安全性
などが> 実証されていない小型
モジュール原子炉 (SMR) という新型
原子炉の設計の承認と建設、あるいは
スリーマイル アイランド原発1号機の
ような経済性が悪く廃炉が決まったはず
の原子炉の再稼働が伴っていた。
<スリーマイル アイランド原発の2号
機は、1979年3月にメルトダウンして
います> いわゆる「ビッグ テク」
各社によるプロモーションを基本的に
推し進めたのは超大手各社の Google、
Amazon、MicroSoft、Meta Platforms
(Facebookで知られる)、Oracleなどだ。
かくして一連の契約がS&P 500の
核エネルギー各社と締結されてきた。
代表格として、Constellation Energyや
Vistraなどがある。さらに核エネルギー
のスタートアップ企業としてよく知られ
ている例として、Oklo Power、
NuScale、Talen Energy Corpや
TerraPowerなどが名を連ねる。
だがそんなアメリカ核エネルギー業界
を、株式市場での予想外の激震が
襲った。S&P 500 上場のアメリカの
核エネルギー巨大企業Constellation
Energy (CEG) ならびに Vistra (VST) 、
さらに一連の各エネルギー関連スタート
アップ各社と並んで、精査を受けて
いる。国際的なエネルギー業界アナ
リストたちが、AI用データ センター
には実際にはどの程度の電力が必要
なのかを検討しなおしているのだ。
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物事には「裏」があるから、
よく見てみないと~
私が20分クロッキーを描いた
クロッキーブックのあるページを
切って、「窓」を開けたもの
この再検討の結果、早く知りたいもの
ですね。
本件に限らず、どうも資金力に優れた
企業というのは、無駄なリソースを
使っては「必要不可欠だ」ってことに
してしまう場合がありますね。
PC用のOSでの実例として、広く
普及している某OSと同じ機能のOS
をインドの優れたエンジニアが作って
みたところ容量が桁違いに減った、
なんてこともあったそうですし。
「本当は、どれほどの電力が必要なのか?」
という問題にも、私たち反核勢力は取り組む
必要がありそうですね。カーボン排出の削減
などにもつながりそうですし。ただ、これ
には電力消費専門の人材が必要なので、
「やかんをのせたら~~」では扱えそうに
ありません。
軍事やproliferation担当、電力使用の担当、
放射性廃棄物の担当、原子炉事故の担当、
再生可能エネルギーとその送配電の担当
などなど、分業が必要です。
かなりの専門分野が絡みあっている
のが、核問題ですからね。