世界は核の業火に焼かれる運命
なのか? -2
The Free Press Journal
2025年6月28日
Rashme Sehgal
Is The World Headed Towards A Nuclear Conflagration?
をベースに2つの記事:
1) 核施設に攻撃 ⇒ 「放射能飛散だ!」
だけに短絡しちゃうと
2) 核兵器製造を実は狙っておらずとも、
狙っていると認識されると、攻撃される
場合が
今回は、上の2) を。
このRashme Sehgalさんの記事、現在
の世界に見られる核戦争への「匂い」
を短く世界的にカバーしており、お勧め
です。原文の英語で、A4 x 4ページ
程度です。
読める方は、ぜひ原文をご自分でお読み
ください。日本語版は、ネットには
見当たりません。
下では、「英語の記事を読むのは、
ちょっと~~」と仰る方々のために、
該当箇所だけ抜粋、私の日本語化で
紹介します。
< > 内は、私からの補足説明。
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イランでの事態の展開の中でもう1つ
重要なものとして、イラン議会ではある
法案を討議していた。IAEAとの協力を
一時的に停止しようという法案だが、
これはIAEAが最近の軍事的事態に
おいては <イラン側とイスラエル側の>
両側の主張を取り入れようとするような
行動をとっており、イランの核施設の
安全を守ろうとしてはくれなかったこと
による。3週間前にIAEAはある種の
事実を発見、イランは核兵器製造を
ひそかに狙っており、あと数歩で核爆弾
を完成できるとの警告を発した。それも
きっかけとなり、イスラエル軍による
攻撃が始まった。だが核科学者たちや
アメリカの諜報機関の大半は認識が
異なっており、イランが核爆弾を作る
までにはまだ数か月を要するとしている。
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そもそも、イランが核兵器を組織的に
開発・製造するための体制を構築しては
いなかったことは、他の反核団体からも
指摘があります。
たとえばBeyond Nuclear International
の
Nuclear peril | Beyond Nuclear International
にある
”Nuclear Peril”(2025年6月23日、
Linda Pentz Gunter) という記事
には、以下のような趣旨の記載が。
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—— However, the International Atomic
Energy Agency had reiterated as recently
s a day before this latest attack that “we
did not find in Iran elements to indicate
that there is an active, systematic plan to
build a nuclear weapon,” its general
secretary, Rafael Mariano Grossi told
Al Jazeera.
(‥‥ だが、今回の攻撃が始まる前日に
なっても、IAEAは繰り返し「イランには
核兵器を製造しようという積極的・体系的
な意図を示す要素が見当たらなかった」と
発表していたのだ。ラファエル マリアーノ
グロッシ事務局長が、アル ジャジーラで
述べた発言である)
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もっとも、イランによるU濃縮が60%に
達し、この濃度には民生用用途は
ありません。
だから、いったい何のための60%なのか、
イラン当局は納得できる説明をすべき
でしたが、それが聞こえてきません
でした。
結局、今回のイスラエルとアメリカによる
爆撃となってしまいましたよね。
つまり、
実際には核兵器製造のための体制を構築
していない場合でも、
他国(特に緊張関係にある諸国)から「
核兵器製造の体制を秘かに、この対象国は
構築している」と認識されてしまうと、
そうした他国からの攻撃を受ける
そうした実例が、つい先日、現実に発生
したわけですね。
ですから、
核発電だけを意図した核開発であっても、
緊張関係にある諸国から「核兵器製造も
狙ってるだろ?」と認識されてしまえば、
攻撃を受ける危険性が現実にある、
ということになります。
さらにヤヤコシイ問題として、
実際に爆撃をしてこなくても、
外交交渉で相手国が「核開発疑惑」を
ちらつかせて、にらみを利かせてくる
という外交面でのリスクも
ありましょう。
「本当に平和利用」なら、核発電から
得られるものは電力だけです。
そのためにわざわざ、こうしたリスク
を冒すのでしょうか??
電力なら、核エネルギーを使わずとも
得られるのですが。