続報 IV、うがった視点 - Middle East Eyeより

割り込みニュースへの続報 IV (12月7日発信のニュースより)

今回のファクリザデ博士暗殺の件で、イラン指導層が宣言していた「報復」がいつ・どんな形で始まるのか、ハラハラと見守ってきた方々も多いはずです。
そうした皆様の中には、「イスラエルとアメリカが、イランを戦争に引き込もうとして ”餌をまいた” のじゃないか??」とうがった見方をしてらっしゃる方々も、いらっしゃるでしょう。私自身は、そこまでうがった見方はしていないのですが。(だって、サウディアラビアが裏で手を回していた可能性だって、現時点では否定できませんからね)

で、独立系ニュース組織の中にも、そうしたうがった見方を公表している団体があったので、紹介しておきますね。(あくまで「こうした見方をする人もいる」ってことでして、私自身は今のところ賛同していないのですが)

Middle East Eyeというロンドンを拠点とする独立系のオンライン ニュース報道機関でして、2020年12月7日(UTC) 付けテル アヴィヴ発の論説です。Yossai Melmanという方の書いたもの。

As time has elapsed since the killing of Iranian nuclear scientist Mohsen Fakhrizadeh on 27 November, the chances for quick retaliation are fading away.
(11月27日のイラン人核科学者モフセン ファクリザデ殺害から時間が経過するにつれ、直ちに(イランによる)報復行為が実行される恐れは薄らいでいる)

After the assassination, in an operation east of Tehran attributed to Israel’s Mossad, senior Iranian leaders have used harsh language to promise revenge, not only against Israel but also the United States and Israel’s new allies in the region, Bahrain and the United Arab Emirates.
(テヘランの東部近郊で行われたこの暗殺はイスラエルのモサドの作戦によるものだとイランの指導層は主張しており、激しい言葉遣いで報復を誓っていた。その怒りの矛先はイスラエルだけではなく、アメリカそしてイスラエルの新たな中東での仲間であるバーレーンそしてUAEにも向けられている)

It was most likely that Prime Minister Benjamin Netanyahu, who is the ultimate authority in approving or denying whether Mossad chief Yossi Cohen can carry out such a mission, had consulted with outgoing US President Donald Trump.
(イスラエルのベンジャミン ネタニエフ首相は、この種のミッションをモサドのチーフであるヨッシ コーヘンが実行すべきか否かを最終的に決定する権限を有しており、アメリカで任期終了をもうすぐ迎えるトランプ大統領と相談をした可能性が高い)

Trump and his security and military aides must have been privy to the secret decision, because the US had to prepare itself for all eventualities, including the worst-case scenario: Iran deciding to retaliate by hitting US targets, such as its bases in Bahrain or Qatar.
(トランプとその治安および軍事担当の側近たちは、今回のそうした決定に通じていたはずだ。その行為の結果どのような事態が発生しても、アメリカはそれに備えておく必要があるのだから。「どのような事態が発生しても」という以上、最悪事態のシナリオも想定しておかねばならない。つまり、バーレーンやカタールにあるアメリカ軍基地をイランが報復の標的として選んだ場合だ)

This leads to the almost inevitable conclusion that Netanyahu and Trump hoped to provoke Iran.
(こう考えると、必然的に次の結論に到達する。つまり、ネタニエフとトランプは、イランを挑発したかったのだ)

Their hopeful scenario could have been that after Fakhrizadeh had been killed, Tehran would retaliate against the US, which would leave Trump with no choice but to declare war on Iran. If this was their plan, they wanted also to embarrass President-elect Joe Biden.
(彼らが望んだシナリオでは、ファクリザデ暗殺に続きテヘランがアメリカに対し報復行為を実施、トランプはイランに対し宣戦布告をせざるを得なくなる。もしそうであれば、同時に次の大統領ジョー バイデンに困った課題を残してやろうという狙いもあったのかもしれない)

After their initial, emotional reaction, Iran’s leaders understood the Israeli-American conspiracy and decided not to fall into the trap.
(イラン側は、暗殺直後には感情的な反応を示していたものの、イスラエルとアメリカによる陰謀に気づき、「餌」には釣られないことにしたのだろう)

ま、あくまで「うがった見方の1つ」ということで。

では、次回のページ f-8) のアップロードまで、しばしお待ちくださいませ!

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