Russia turns Zaporizhzhia NPP’s site into military base – Energoatom
(ロシアがザポリージャ原発の敷地を軍事基地に改造と、エネルゴアトム)
UKRINFORM
(ウクライナの放送用マルチメディア プラットフォーム)
ウクライナのUKRINFORMからの下記記事によると、原発の
抱える軍事面でのリスクのうち、新たなリスクが現実化して
しまっているようです。「占拠された原発が軍事基地に ”改造“ されて
しまう恐れがあり、そうなるとその基地には下手に手が出せない」
(原発目掛けて爆弾を落とすわけにいかない)
というリスクですね。
仮に本件がフェイクであったとしても (フェイクであってほしいですが!)。
この 「原発を占拠して、下手に攻撃できない軍事基地に変えてしまう」
というリスクは、いずれ将来現実化してしまう恐れがありますよね。
、今まで 「やかんをのせたら~~」 では、原発の軍事面での
リスクとして、次の3種類を取り上げました:
・ 核兵器の proliferation risks (拡散リスク)
・ 原発が巨大な dirty bomb になってしまうリスク
・ 原発の存在が、他国からの侵入を正当化する 「言いがかり」 に
されてしまうリスク
(「A国は、そのXX原発で核兵器用Pu を製造している可能性が
ある」 ⇒ それを言いがかりに、A国に侵攻、というリスク。2003年に
アメリカや英国がイラクに攻め込んだとき、2022年にロシアが
ウクライナに侵攻したとき、このリスクは現実化してしまった)
そして今や、ザポリージャにおいて上述の 「原発が、攻めづらい
軍事基地に改変されてしまうリスク」 が現実化してしまっております。
ではそのUKRINFORMからの記事を、私の日本語化で紹介しますね。
いつもどおり、< > 内は私からの補足説明です。
英語原文を読める方は、ぜひ原文をお読みくださいな:
Russia turns Zaporizhzhia NPP’s site into military base – Energoatom (ukrinform.net)
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2022年7月8日
ザポリージャ原発の現地を、ロシアが軍事基地に改変してしまい、
同原発のスタッフはロシア軍からのプレッシャーの下で任務をこなしている。
そう述べたのはウクライナのエネルゴアトム国営核発電公社の社長、
ペトロ コーティンで、Ukrinformの記者によれば、EnergoBusinessとの
インタビューでの発言である。
「<同原発の> スタッフは、今もロシア軍からのプレッシャーの下で
作業を続けており、同原発の現場には数百名の武装部隊がおり、
重火器も弾薬の備蓄も備わっている。この原発で起こっているすべての
ことに対して、IAEAは反対すべきであった。つまり、同原発内にロシア軍
部隊が立ち入ること、同原発の周囲の物理的防壁が破壊されたこと、
ウクライナによる同原発の管理が許可されていないこと、である。
<同原発の> スタッフは重いプレッシャーの下で勤務しており、
休むことも許可されていない。安全のための規則では、スタッフの休みは
義務付けられているのだが。食料も不足している。こうした現実は
いずれも、核や放射線の安全性規定への直接的な違反であり、IAEAは
それらすべてに対応すべきだったと、コーティンは語った。
コーティンによれば、同原発は予め作成された計画に沿って稼働している。
「たいていの場合、我々は 「予定ぎりぎりで」 動くことはしない。
コンポーネントも化学物質も予備の備蓄を準備しており、“追加の供給なし
でも” しばらく稼働を続けられる。無論、これがかけてはならないという
生命線はある。それをどう確保するか、あるいはそれらなしにどう稼働
できるのか、検討しているところだ」と、コーティンは述べた。
“Run! For your life!”
私の昔の作品、部分
・・・ (後略) ・・・
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いうまでもなく、原発を敵軍に占拠され、そこからミサイル攻撃や
砲撃を敵軍が行っている場合、その原発を本来保有している国家は、
下手に手出しができませんよね。原発には、下手をするとそうした
厄介な敵基地に改変されてしまうリスクがあるわけですね。
日本で原発問題というと、いまだに反原発派の多くからは 「地震や
津波 ⇒ 原発事故 ⇒ 放射能こわい!」 といった判で押したような
反応が返ってきます。
原発事故を軽視しているわけじゃ、まったくありませんよ。ただ、
当然、原発推進勢力はアレコレ反論を打ち出してくるわけですよ。
たとえば:
・ 最近喧しい 「原発を再稼働しないと、電力が不足する」 という
主張 (⇔ 付録 w-6)、w-9) 参照)
・ 「原発を使わないと、CO2を削減できない」 という
主張 (⇔ 付録 w-1)、w-3)、w-8) 参照)
・ 「新型の小型炉なら、メルトダウンしません」 という
主張 (⇔ ページ s-0) からs-3) 参照)
我々反原発派も扱う問題系を広げ、組織化して、原発に伴う
各種リスクを広く世界に訴えましょうよ。
特に、今まで4種類紹介してきた軍事関連リスクは、いずれも
深刻なものなのに、日本の反原発団体などはあまり具体的に
アピールしてきませんでした。もっと情報発信をしっかり
させましょうよ!