皆様が心配していた最悪の事態へと?? ザポリージャ原発

もう日本語メディアでも報道されていますが、
ザポリージャ原発は最悪の事態へと向かいつつ
あるようです。すぐ下の9月6日で私が 「初心者の
方々向けに」 説明したように、原発は発電を
停止すれば安全というわけではなく、構内に
使用済み核燃料の冷却保管プールがあり、
そこに使用済み核燃料が冷やされていて、
まだ危険な熱を発しています。この冷却用の
外部からの電力が途切れると、最悪の場合、
福島第一事故での4号機のような事態がありえる
のですね。

実に心配ですので、NPR (National Public Radio、
アメリカの半官半民放送局) のウェブサイトからの
報道を紹介しましょう。
いつもどおり私の抜粋・日本語化、
< > 内は私からの補足説明です。

戦闘をやめないと、すぐに ・・・

戦闘をやめないと、すぐに ・・・

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At Ukraine’s Zaporizhzhia Nuclear Power Plant, risk of an accident has increased : NPR
(ウクライナで核事故が発生するリスクが
「大幅に増大」 してしまった事情とは)

2022年9月9日 5:22pm (JSTでは、10日の朝6:22am)
Geof Brumfiel

IAEAのヘッドが、ザポリージャ原発周辺での戦闘の
継続を受け、同原発で核事故が発生するリスクが
「大幅に増大してしまっている」 と警告を発している。

「はっきりさせておくが、ザポリージャ原発周辺
での砲撃はやめねばならない」 と、IAEAのグロッシ
事務局長は、金曜日 <9月9日> に発表した記録済み
声明で述べた。

グロッシはさらに、今後も戦闘が続くなら、同原発で
最後に稼働を続けている1基もシャットダウンせねば
ならなくなる可能性があるとも警告した。そうなると
事態が次々に悪化し、すでに現在進行している核の
危機が拡大してしまう。その様子を、以下に示す。

原発には外部からの電源供給が必要

・・・ この箇所は、下の9月6日の記事と重複する
ので省略 ・・・

ザポリージャでは通常、この外部電源供給を4本の
高圧線で行っていた。これによって、この原発を
ウクライナの送電グリッドに接続していた。だが
今回の紛争のため、送電システムが切断されて
しまっている。最後に残っていた750kVの電線も、
IAEAによると9月3日に切断された。

その2日後にはバックアップ電線も、火災のため
遮断された。ザポリージャから戻って間もなく開催した
記者会見でグロッシは、電力線への意図的な攻撃が
加えられていると思えると記者団に述べている。

「砲撃の標的を合わせる人間であれば、被害の
大きくなる位置を狙うのは明らかだ。当然、この
原発が大変な問題になることを狙うだろう」 と、
同原発から戻って間もなく開いた記者会見で語った。

原発とイカれた軍隊とは、化け物よりも怖い!

原発とイカれた軍隊とは、化け物よりも怖い!

ザポリージャ原発では自家消費用の発電を行って
きているが、それでは限界が

9月5日には同原発は送電グリッドとの最後の接続も
喪失したが、それ以来 「islanding operation mode
(孤立稼働モード)」 と呼ばれる稼働の在り方で稼働
してきている。このモードでは、6号機原子炉が低い
レベルの電力を発電、それで原発施設の消費する
電力を賄っていた。

ザポリージャ原発の原子炉は始動時にはこのモードで
作動するように設計されていると、同原発現地で作業を
しているある核エンジニアは述べている。1980年代に
この原発が稼働を開始した時にも、そうであった。
だが現在の彼の雇用者は、このエンジニアが公に話す
ことを許可していない。

そのエンジニアによれば、「このモードでの稼働は良い
ことではない。長期間、それを続けることはできない」
問題は原子炉そのものというよりも、タービンや発電装置、
その他の各種システムにある。これら機器はいずれも、
islanding operation モードでの電力よりも高いレベルの
電力を必要とする。

グロッシの声明によれば、この問題に加え、同原発の
ウクライナ人オペレーターたちの緊張がさらに高まって
いる。現時点でこの原発に勤務しているスタッフは
1,000名を少し下回る人数だが、その多くは江ネルホダルと
いう町に暮らしている。ここ何日か、同町では同原発
周辺のl電力線の断絶を引き起こした戦闘のため、上下
水道も電気も止まっている。

「砲撃のため、オペレーターもその家族も危険に晒されて
いる。そのため、同原発では適正なスタッフ配備が難しい」 と
グロッシは語っている。

ストレスでもうダメ~~ かなり昔の、私の10分クロッキーより 実際、このクロッキー会の現場では、この後モデルさんが倒れるというアクシデントがありました。着衣か脱衣かなんてことよりも、ポーズを考えて10~20分間同じポーズを人前で保つというのは、かなり集中力が必要な疲れる仕事なんです!

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かなり昔の、私の10分クロッキーより
実際、このクロッキー会の現場では、この後モデルさんが倒れるというアクシデントがありました。着衣か脱衣かなんてことよりも、ポーズを考えて10~20分間同じポーズを人前で保つというのは、かなり集中力が必要な疲れる仕事なんです!

最後の原子炉をシャットダウンしてしまうと、緊急用発電
装置を稼働するしかなくなる

悪化を続ける状態のただなか、ウクライナ当局は最後の
原子炉も停止させる決定を下しそうだ。だがこれは
短期的には、危機を悪化させてしまう恐れがある。

これは、原子炉とはガスレンジよりも炭火グリルに近い
からだ。火を消した後も、長時間高温のままなのだ。
炉心での冷却水の流れを保持しないと、メルトダウンの
危険が残る。

ザポリージャの全原子炉をシャットダウンした場合、
原子炉の冷却を続けるため緊急用ディーゼル発電装置に
切り替えることになる。この緊急発電装置そのものは、
原子炉の冷却手段としては実証済みのものだ。
実際、アメリカの原子力規制委員会 (NRC) では
アメリカ国内の原子力発電所に対し、<緊急時には>
ただちに緊急ディーゼルに切り替えるよう求めて
いる。ザポリージャのようなislanding operation
モードを採用するなという規定なのだ。

「ディーゼル発電に切り替えたくはないが、そうすれば
しばらくは対応できる」 と語るのは、核エンジニアで
アメリカ原子力協会 (American Nuclear Society) の
メンバーであるSteven Nesbit だ。たとえば、
フロリダ州にあるTurkey Point 原発では、1992年の
ハリケーンAndrewのときに外部電力を喪失したのだが、
緊急ディーゼルで何日か稼働を続けた。

ディーゼル発電装置(中央)も被弾したら・・・!?

ディーゼル発電装置(中央)も被弾したら・・・!?

発電装置の燃料が切れると、メルトダウンが
発生する危険が

IAEAによると、ザポリージャ原発には緊急用発電
装置が12台以上あって、いつでも稼働できる。IAEAに
よれば通常なら、同原発にはディーゼル燃料10日分を
用意しており、現時点で約2,250トンの燃料の貯蔵がある。
この燃料が劣化したり、さらなる戦闘でディーゼル
発電機も損傷を受けた場合には、メルトダウンに至る
恐れがある。

だがNesbitによると、そうなったとしても、チョルノービの
ような大破局になるとは限らない。チョルノービの
メルトダウンでは、設計の欠陥とオペレーターの
エラーとが他に見られないような形で重なり、これを
ザポリージャで再現する小糸は不可能だ。

さらに2011年の福島第一の大事故とも異なり、
ザポリージャの原子炉のいくつかはすでに長期間
停止している。そのため、その中にある核燃料も
ある程度は冷めていると、Nesbitは述べている。

Nesbitがいうには、最悪の場合でも、ザポリージャの
原子炉は近代的な設計で、重い 「格納」 容器に
覆われている。「その容器は強化コンクリート製で、
平均で90㎝から120㎝もの壁だ。内部圧力が極めて
高くなっても、耐えられる設計になっている」

その容器によって、放射性物質はすべて内部に
とどめられる。

だがIAEAでは、こうした設計の現実での強度を試す、
というつもりは全くない。そのためグロッシは関係
各方面に対し、直ちに同原発と周辺に安全ゾーンを
設けるよう要請しているのだ。

「1分1刻を争うのだ」 とグロッシは断言している。

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赤ちゃんのために平和を求める「あの」気持ちを、取り戻してくれ!

赤ちゃんのために平和を求める「あの」気持ちを、取り戻してくれ!

原発の基礎知識がおありの皆様には、
「当然こんな事態があり得るよなあ」 と予想していた、
でも実現してほしくなかった現状ですよね。

とにかく、一刻も早く安全ゾーンが設けられ、
ザポリージャ原発が砲撃などを一切受けなくなることを、
そしてステーション ブラックアウトが解消することを、
祈ります!
プーティンが早く正気を取り戻してくれるように!

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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