今後の固定ページの計画

お分かりのとおり、本「やかんをのせたら~~」では、
基本的に
・ その時その時の「核関連」の出来事をHomeで紹介し、
・ 技術的・軍事的な問題などを掘り下げる場合には、
固定ページで取り上げる (そのため、上の黒いメニューが
膨れ上がってしまいましたが)
という構成で執筆を進めております。

で、その固定ページではこのところSMRに始まりTWR、
PBR、IFRなどなどと新型原子炉のproliferation riskを
問題にしてきました。必要に応じ、「事故危険性」に
ついても言及しつつ。
で、次回はMSR (溶融塩原子炉、SMRとは区別して
くださいね) をシリーズで取り上げます。

なんや、わけがわからへん、助けてくれ~~

なんや、わけがわからへん、助けてくれ~~

そして。
それをもって、新型原子炉を中心に紹介していくのは、
終了としますね
まだ取り上げていない新型原子炉としては、MSR以外にも
HTGR (高温ガス炉)
VHTR (超高温炉)
GFR (ガス冷却高速炉)
LFR (鉛冷却高速炉)
などなどもあるのですが、
・ いずれもまだ実用化までには何年もかかりそう
・ これが大事な点ですが、いままで「やかんをのせたら~~」
新型原子炉紹介をお読みいただいた読者の皆様であれば、
上記のHTGRやGFRなどの問題点についても、インター
ネットでそれぞれの説明をお読みくだされば、基本
メカニズムを理解し、問題点も察していただけると思います

核発電の軍事的リスクの基本をしっかりと学ぶことで、
将来の展開や変化にも対応しやすくしよう、
というのが「やかんをのせたら~~」の基本方針なのですね。
(ただし、「同位体」や「減速材」とは何かといった核発電
全般の基本や、「冷戦」や「キューバ危機」といった各軍事関連の
基礎事項は、「核発電の軍事的リスク」を学ぶ以前の「核を
考えるうえでの大前提となる基本」ですので、読者の皆様が
それらをすでにご存じであるものと想定しています。改めて
本ウェブサイトでそれらを説明することは、しません)

現実の世界では、「SMRなら、メルトダウンしない。既存
原子炉をSMRに切り替えよう」という提唱が、すでに日本では
去年秋から聞こえているじゃないですか。こうしたときに、
SMRの問題点を指摘できない反原発団体なんて、現実上、
どんな存在理由があるんでしょう??

「中華料理は、火力!」⇒ 「火炎放射器なら、火力最強! ⇒ 火事だ! SMRで既存原発と同じ発電量を達成するには、SMRが多数必要 ⇒ それだけ、核が拡散しやすくなる恐れ

「中華料理は、火力!」⇒ 「火炎放射器なら、火力最強!」 ⇒ ”大火飯店” が火事だ!
確かに、小さくすれば冷めやすい ⇒ メルトダウンしにくい。  でも、SMRで既存原発と同じ発電量を達成するには、SMRが多数必要 ⇒ それだけ、核が拡散しやすくなる恐れ

 

では、MSRのページ シリーズをアップロードした後には、
なにをどうするのか??

ウクライナ情勢からも明らかなように、核兵器の存在が
今後の世界を大きく左右しそうですよね。
そこで従来から常に問題になってきた、「核抑止」という
問題を考えたく思います。
私は国際軍事情勢の専門家などではないので、一人の市民が
「核抑止」問題をどう捉えるのか?という視点で。基本を
学びながら試行錯誤を重ねることになるでしょうが、
読者の皆様からのご意見などを求めつつやっていきたく
願っております。

20-min croquis / 20分クロッキー
やれやれ、先は遠そうだなあ~~
私の20分クロッキーより

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ザポリージャの都市の情勢について(原発ではなく)

ザポリージャ市の情勢について

ザポリージャ原発はザポリージャ市から南西に
50㎞ほど離れた位置にあります。
その原発の最新状況が、メディアでは報道されて
いないので心配になりますよね。

ザポリージャ市の方の状況については、4月25日付の
新しい報道が英国のThe Guardian紙にありました。
ただし、ザポリージャ原発に関する記事ではありません

いつもどおり、私が抜粋・日本語化して紹介しますね。
< >内は、私からの補足説明です。

Sunflower
かなり昔に私が描いたヒマワリ
ヒマワリは、ウクライナの国の花です

戦闘が差し迫る中、戦いに備える要塞ザポリージャ

ウクライナ南東部でウクライナ支配下に留まる最後の
都市ザポリージャで、塹壕の設営が進み、教師も射撃訓練

Isobel Koshow (ザポリージャ現地より)
2022年4月25日

ザポリージャ近郊には深い塹壕が何本も並び、サンドバッグや
武装兵士、がそれに沿って並んでいる。幾重にも。

だが同市内の生活は、驚くほど平常通りだ。戦時下にある
ウクライナの都市としては、にぎやかですらある。
ウクライナ南東部では、ウクライナ政府の支配下に残っている
都市は、ザポリージャだけだ。ロシアの支配から逃れた
何十万人もの人たちが、この年を目掛けて移動している。

ザポリージャもその都市圏の70%はすでにロシア軍に
制圧されており、ロシアが都市本体も手に入れようと
攻め込んでくるのでは、という不安が募っている。

ウクライナ軍の補強部隊がザポリージャに向かっており、
熾烈な戦闘が既に始まっている。ウクライナの兵士たちが
The Guardianに述べたところでは、最近ザポリージャ近郊の
ある町から撤退したそうだ。近郊の一部の町や村は、
わずか3週間前にはジャーナリストたちが訪問できたのだが、
この地域担当の軍司令部によれば、今では安全な場所では
なくなっている。

「市民たちが外を歩き、出勤しているのが見えるでしょ。
都市としては応戦の準備はできていますが、まだ市民生活に
までは影響していないのです」 そう語るのは、ウクライナ軍
ザポリージャ地域司令部の広報官 Ivan Ariefievだ。同市では
教師やジャーナリスト向けの戦争関連のトレーニング コースを
幾度か実施しているが、その1つで語ってくれた。参加者たちは
さらに多くの市民たちにトレーニングを施すことになっており、
銃への弾丸装填の仕方や救急処置、基本的な医療判断などを
教えている。

ロシア軍が間近に迫ってはいるものの、Ariefievによれば
この地域のウクライナ軍司令部ではロシア軍を食い止められると
自信を持っているそうだ。「ザポリージャ市そのものから
避難している人は、いません」とAriefievは言う。
「どこかに避難しているのは、ウクライナ南部からの避難民
だけです」

ザポリージャ周辺には、最近掘られたばかりの塹壕が迷路の
ように走っているが、the Guardianは取材中にこちらを目掛けた
砲弾の音を頻繁に耳にした。兵士たちによれば、<同市から>
3-5㎞の地点への砲撃だという。塹壕を掘った兵士たちによれば、
その防衛線を使わずに済むことを願っており、またさらに
南部のウクライナ兵士たちが何とか持ちこたえて欲しい、
とのことだ。

また前線にまだ配備されていない兵士たちが言うには、
必要な衣料品や防御用品が、数分の一しかないそうだ。
その小隊全体として、止血に欠かせない救急医療品である
止血帯が6個しかないのだ。ロシア軍はすぐにでも攻め込んで
くると思うかと尋ねると、戦闘の覚悟はできていると答える
のみだった。

「西部の同志たちから、武器をもらう必要がある。実際、
受け取れる見込みだ。ロシア軍は、旧ソヴィエト時代の古い武器
ばかりなんだ」と、この小隊の長は言う。「もしまだ
ご存じでなければ、ロシア軍は4つの主要地域、つまり
カーキフ、キーフ、包囲されたスーミイとチェルニーヒフに
攻め込んだが、われらウクライナ軍が撃退した。強力な軍隊だと
思われていたが、我々がやっつけたのだ」

・・・(中略)・・・


私の昔の作品 “Contamination” (汚染)より
紙にオイルパステル

同病院の軍広報書記であるNikitaは、以前にはITのマネジャーで
あったが、ロシア軍の侵略が始まって数日後に軍に入隊した。
そのNikitaによればロシア軍のロケット弾は1つとして標的を捉えず、
対空防衛システムに捉えられ、威力を減じたそうだ。
「標的に命中していれば、負傷者数はずっと多かったはずだ」と言う。

同病院の東部外科医によれば、負傷者の治療に当たっており、
24 X 7 無休だそうだ。同医師によれば、戦争が始まって以来、
この医師は帰宅したことが2回しかないそうだ。しかも、いずれの
場合も帰宅したとたんに病院に呼び戻されたとのことだ。

ザポリージャ市の防衛軍のおかげで同市は比較的安全なのだが、
ロシア軍が制圧している地域からここに避難している市民たちの
一部は、故郷に戻りたがっている。

同市の周辺にある駐車場には多数の人たちがいたが、The Guardian
ではその中の一人の女性に話を聞いた。いつもここは、ロシア軍が
占領している地域からの避難民でごった返している。その女性
Irynaは400名ほどのグループの一人で、彼らはBerdyanskに
戻りたがっている。これは、3月初めにロシア軍に占拠された
ザポリージャ南部の町だ。

「私たちはウクライナ人で、ウクライナにいたい。でもこれを
ご理解願いたいんだけど、私の母親が寝たきりで、インシュリンを
切らしているんです」とIrynaは言う。「私は先週ここに来て、
Pampers<というおむつ>と母親用の医薬品を買いました。
Berdyanskには、何もないもので」

だがウクライナ当局によれば、この市民グループをザポリージャ
から去らせるわけには、いかない。道路上で、激しい戦闘が
行われているためだ。

・・・(以下略)・・・

* 一部の登場人物名は、変更しております。ウクライナ国内の
ロシア軍占領地域を通過する可能性のある方々の安全を守るためです。
**************

ウクライナに平和が1日も早く戻ることを、祈っております!

それとチョルノービ原発の方で明らかになったとおり、
原発を制圧したロシア軍の部隊は必ずしも原発や放射性物質の
危険について、教育を受けていないようでして。
そのあたり、実に心配になります。

では、MSR関連の調査も進めておりますが、やはり日数が
必要なので、しばしお待ちくださいませ。

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ザポリージャ原発の方は、どうなったのだ??

チョルノービ原発をIAEAのグロッシ総長が訪問することは、
すでに日本語メディアでも報道済みですよね。
しかし、もう1つロシア軍にコントロールされているザポリージャ
原発の現状に関しては、2022年4月25日 JSTの時点で最新の報道が
見当たりません。
報道がないと、余計に気がかりですよね。

こういうときは、反核団体のメッセージや解説なども見てみましょう。
ちょっと古いのですが、今年4月6日付のウェブページがあります。
BANNC (Blackwater Against New Nuclear Group, 直訳すると
「核新設に反対するトイレの汚水グループ」 ・・・ たぶん、
ジョークを解する人たちの反核団体なのでしょうね) という、
英国に本拠を置く反核団体があって、
BANNG – Blackwater Against New Nuclear Group
にそのウェブサイトのフロント ページがあります。
そのフロントページを少しスクロールダウンすると
April 2022 : Zaporizhzhia – a nuclear wake-up call
というタイトルがありますよね。
その記事本文 (Zaporizhzhia: a nuclear wake-up call (banng.info)
を私が日本語化して紹介しますね。いつもどおり、
< > 内は私からの補足説明です。

真新しい事実の報道があるわけじゃ、ありません。ただ、
原発の「軍事的リスク」について明確に警鐘を鳴らして
いるわけでして、英国のこの団体は迅速に警鐘を叩いて
らっしゃるわけですね。
日本の反原発団体なども、ハッキリとこの種の警告
メッセージを発表していただきたいのですが。

私が調べた限りでは、原子力資料情報室さんが「ウクライナ
情勢における原発状況 (随時更新)というウェブページを
出してらっしゃる
ウクライナ情勢における原発状況(随時更新) | 原子力資料情報室(CNIC)
だけで、日本のその他の反原発団体の声が聞こえてこないのが、
不思議なのです ・・・


黙り込んでないで、何か言いましょうよ・・・
私の昔の作品より
紙にオイルパステル

ザポリージャ: 核発電に対する警告

6 April 2022

BANNGの書記Varrie Blowers
Blowers
は、20224月付のRegional Life誌に、
ウクライナでの戦争の及ぼしうる結果を論じている。

3月4日未明、ザポリージャでの火災発生が報じられた。
ウクライナのこの原発には、原子炉が6基あり、
ヨーロッパでは最大だ。ロシア陸軍が、計画に従った
攻撃を進めていた。すでにその2-3日前にチョルノービ
原発を制圧していた。1986年4月に、今のところは歴史上
最悪の原発事故を起こした原発だ。

火災が発生したのは、幸運にも訓練棟だった。そうであっても、
稼働中の原発に軍事攻撃を仕掛けるというのは未曽有の事態で
あり、ジュネーヴ条約に対する明確な違反だ。それでもロシアは、
攻撃を思いとどまることはなかった。

原子炉のメルトダウンや放射性廃棄物の保管庫での火災が発生
すれば、核エネルギーの破局に至る可能性があった。さらに
チョルノービ事故を上回る規模の核事故が発生した場合には、
そこからの放射性物質の散乱により、1986年以上の恐るべき
結果を招き得た。

今回の戦争により、原発を有する国での戦争の危険性が、歴史上
はじめて明確に示された。原発は、戦争に耐えられるようには
設計されていないようだ。しかも、単純に稼働を停止させて
ほっておくわけにもいかない。報道によれば、ザポリージャ原発の
作業員たちは無理な勤務体制での作業を強制されており、疲労困憊、
空腹、ストレスに苦しんでいる。こうした状態では、ミスも発生しやすい。

BANNGでは、英国の国境ではこのような事態が決して発生しない
ことを願っているが、核施設でのテロリスト攻撃やサイバー攻撃が
大惨事を招くという脅威は、絶えず実在している。

今回の事態を鑑み、英国政府は核発電からの撤退を決断し、原発新設と
いう暴挙をやめるべきである。これには、ブラッドウェルB原発
<ロンドンの東北東100㎞程度の位置に計画中の新原発。施工担当は、
中国广核集团(CGN)> も含む。原発事故の危険性については、
チョルノービと福島第一が世界に警鐘を鳴らした。ザポリージャは、
意図的な戦闘行為における原発の脆弱性について目を覚ませと我々に
呼び掛けている。

*****************

日本の反核団体(反原発も含む)も、そろそろ「核発電の軍事関連
リスク」に関する共同声明か何か、発表されてはいかがでしょうか?

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ウクライナ正教会は、モスクワ総主教座との関係を・・・

4月22日付のAERA dot. に「ウクライナ侵攻は「宗教戦争」
泥沼化の可能性も プーチン氏に「ロシア正教を守る」使命感」
という記事があって、ロシアのウクライナ侵略の背後にある
ロシア正教会総主教 (「東方諸正教会」全般じゃ、ないですよ!
そもそも、ウクライナにはウクライナ正教会がありますから) の
存在を説明しています。
ウクライナ侵攻は「宗教戦争」泥沼化の可能性も プーチン氏に「ロシア正教を守る」使命感 (msn.com)

この記事を私は全部読んだのですが、どうも話を簡略化しすぎて
いると思えてなりません。
たとえば、

「カトリックとロシア正教は同じキリスト教ですが、似て非なるもの。
その違いは、イエス・キリストをいかに考えるかの違いです。
カトリックではキリストは神であると同時に人間であるのに対し、
ロシア正教は思考の上では同じように理解しながら、感性の上では
キリストが人間であることが迫ってきます。つまり、ロシア正教は
神と化した人間を求めるのです」

とありますが、おそらく古代からある θεωσιs (「神化」と訳して
いるようです) のことを述べてらっしゃるのでしょう。
ただ、本来は聖三位一体が被造世界(特定個人ではなく)を
ご自分に近づくものへと再創造されるという教説のハズで、
国家指導者を神格化するということじゃありませんよ。
このへん、有名なイコノクラスマ(聖像破壊運動)とそれに
対応した公会議の決定なども背後にあるのでしょうけど、
それについては本ウェブサイトのフォーカスから外れすぎるので、
ここではやめておきますね。
とにかく、研究者の方がこの程度のことをご存じないハズはないので、
おそらくは「平均的日本語読者に分かりやすくするため」 記載を
編集した結果、こうした誤解されやすいテキストになったのでは?
と推察します。もしそうなら、よく起きる問題ではありますが。

* ついでながら、本「やかんをのせたら~~」では、たとえば
「同位体」、「α崩壊」、「減速材」といった核発電の基本用語や、
「(旧)冷戦」、「秘密都市」、「IAEA」といった核軍事関連の
基本事項については、説明をしておりません。今後も、しません!
「イジワル!!」という非難を浴びるのは、承知の上です。これは、

・ そういう基本をまだ学んでらっしゃらない方々は、まず
それを学ばれた方が良いからです。核問題(兵器も発電も)に
関する記事や論考を読むうえで、理解度が大幅に向上しますので。
・ 基本を知らない読者にも分かりやすく ・・・ という文章を
書こうとすると、上のAERAからの引用にあるような「誤解を
招きやすい」文章ができやすいので、それを避けるためです。
・ 基本を解説しているウェブサイトや書籍は、すでにアレコレ
出ています。

単なる20分クロッキーです、非売品
「いじわる!」
私の20分クロッキーより

さらに、AERAの記事から:
「・・・ そもそもカトリックとロシア正教は対立関係に
あります。また今回、ロシア正教の最高指導者の総主教は
プーチン氏のウクライナ侵攻を支持しています。仮に
カトリックの最高指導者である教皇が総主教に何か言えば、
火に油を注ぐことになりかねません。」

これも「分かりやすくするため」なのか、話を単純化し
すぎていますね。
・ 現実には、東方諸正教会とローマ教会の間の対話は
既に進んでおり、英語版Wikipediaにはそれを概説した
ページすらあります。
Catholic–Eastern Orthodox relations – Wikipedia
その中でも、比較的最近ウクライナ正教会が「独立」した
ことに関し、東方諸正教会の中でモスクワVSコンスタンティノ
ポリス(ギリシャ正教会) という対立があります。これに
ついては、上の英語Wikipediaにも以下の記載があります。

In 2018 the ecumenical effort was further complicated by
tensions between the Russian Orthodox Church and
Greek Orthodox Church which resulted in the
Ecumenical Patriarch establishing an independent
Ukrainian Orthodox Church.[52] Furthermore,
Pew Research has shown that as of 2017 only 35% of
Orthodox practitioners are in favour of communion with
the Catholic Church, with a low of 17% among Russian
Orthodox adherents.

この「モスクワVSコンスタンティノポリス」という対立に
ついては、上の黒いメニューの最後にある「付録の付録」で
ANGELUSの記事などを紹介しております。
上のAERAの記事の取材元である研究者の方がこの程度のことを
ご存じないとは思えないので、やはり記事の編集の時点で、
「平均的な日本語読者にとって分かりやすく」 しようとした
あまり偏った記述になったのでは、と私には思えます。

現時点での東方諸正教会間の分裂の様子については、
The New York Timesが2022年4月18日付で Ukraine War Divides
Orthodox Faithful (ウクライナ戦争で、正教会の信徒間に分裂)
という記事を
Ukraine War Divides Orthodox Faithful – The New York Times (nytimes.com)
に公表してらっしゃいます。

そこから抜粋・日本語化して、紹介しますね。
いつもどおり、< >内は私からの補足説明です。


私のTシャツ作品より

Neil MacFarquhar and Sophia Kishkovsky

イタリア北部にある、ロシア正教会と関係した小さな教会には、
ほぼウクライナの人たちが集まっている。IT技術者や工場
勤務の移民、ナースや清掃員といった人たちだが、モスクワの
キリル総大主教によるウクライナ侵略への全面的な支持を、
非難することに決定した。

モスクワ総大主教は既に幾度もロシア軍を祝福しており、
その一例として同軍の司令官に歴史的価値の高い金の生神女イコン
<聖母マリアのこと、東方正教では「生神女」と日本語化しています。
ギリシャ語θεοτοκοs より> を授与したりしている。また今回の戦争を、
「ゲイ プライド パレード」のような同主教が西側の過ちと呼ぶ
問題からロシアを守るための聖戦と位置付けている。
ヴラディミール V プーティン大統領を同主教は明確に指示しており、
その見返りにロシア正教会は大規模な財政面での支援を受けている。
<「付録の付録」で紹介した記事も、ご覧ください>

イタリアのウディネ<イタリアの東北端> にあるキリスト昇架教会の
司祭長ヴォロディミール メルニチュクによれば、「モスクワ総大主教は
神学を無視し、国家のイデオロギーをただ支持してしまっています。
結局のところ、総大主教はウクライナ系の羊たちを裏切ったのです」

結局今年の3月末日、ウディネの同司祭はモスクワ総主教座との
すべての関係を遮断するという旨の書簡を記した。

この4月24日の日曜日は東方諸正教会ではイースターとなるが
<東方では今もユリウス暦を採用していますので、イースターや
クリスマスの日付が西側とは異なります>、東方諸正教会の2億人を
超える信徒たちの間では、上記と似たような緊張の波紋が広がっている。
こうした信徒たちは主に、ヨーロッパの東部と南部に集中している。
世界的に見ても、今回の戦争のためキリル総大主教やロシア正教会
との関係を考え直す動きが広まっており、各国の東方正教会や
教会間、教区間での分裂が生じている。

アメリカでは、一部の信徒たちが教派を変えている。フランスの
東方正教会神学校の学生たちが担当の主教に対し、モスクワ主教座
との決裂を求める請願を出した。オランダのロッテルダムにある
東方正教会では、今回の戦争のことで信徒たちの間に争いが生じ、
警察が介入せねばならなかった。
・・・(以下略)・・・
************************

20-min croquis + background added later / 20分クロッキー + 後で背景
武力で目立つのは ・・・ しょせんは「裸の王様」
私の20分クロッキーより

たとえばゲイ パレードが気に入らないのなら、その根拠を
神学的に示すべきですね。そして、神学的な議論を重ねればよい。
武力を祝福してしまった時点で、モスクワの敗北ですよね。

では今後も、ウクライナ情勢についても気になる報道など
見つけたら、言及していきますね。
でも、早く平和が訪れて、その必要がなくなることを
祈っております!


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固定ページ Th-2) をアップロード

お待たせしました、トリウム サイクルの proliferation 問題を説明した
新しい固定ページ Th-2) をアップロードしました。

新たな核戦争不安が高まっている世界にあって、ぜひとも皆様に知って
おいていただきたい内容です。
・ 新型原子炉で proliferation risk が小さいと謳われていても、
良く調べてみるとそうとは限らないこと
・ 核兵器の拡散を防止するためには、核発電の拡散も防止する
必要のある事
をご理解いただけると思います。

上の黒いメニューで、Th-2) をクリック!
メニュー内の項目は、アルファベット順に配列してございます。

ご質問などあれば、
yadokari_ermite[at]yahoo.co.jp

私(ひで)にまでお知らせください。

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JCPOA、「再建するならアメリカは脱退しないことを確約せよ」とイラン議会

PRESS TV (イランの国営メディア)
Iranian MPs: US must give Congress-approved guarantee it won’t quit Iran deal again (presstv.ir)
より

10 April 2022

西側メディアは日本語のものも含めてウクライナ情勢に掛かり切りで、
JCPOA再建交渉については最近、音沙汰がないですよね。
そこでイランの英語メディアを見てみると、やはり報道がありました!
イラン国営メディアであるPRESS TVの4月10日付記事です。

その最近の記事を抜粋・日本語化して紹介しましょう。
例によって <  >内は、私からの補足説明です。
イラン議会の議員たち、再建した合意からはアメリカが決して
離脱しないという、アメリカ議会の承認を得た保証を必須として要求

イラン議会の多数派の主張によれば、2015年のJCPOA合意を再建
させた新合意を締結するには、アメリカ政府がその新合意から決して
脱退しないという確固たる法的保証が不可欠だとしている。

この主張は声明という形でなされ、この日曜日<4月10日> に
イラン議会の議員250名以上が署名している。オーストリアの首都
<ウィーン>でJCPOA(包括的共同作業計画)合意の再建を目指した
交渉が続いているが、その進展状況に焦点を合わせた声明だ。

そうした議員たちによれば、ウィーン会談での今までの経験から、
アメリカならびにその他の交渉相手が上述のような保証をするべき
なのだが、イランの国益に見合うような保証をしておらず、むしろ
イランの国益を損ない、そのため合意再建にまだ至っていないのだ
と主張している。

「したがって今後の階段では、アメリカは(イランに対して)法的な
保証を行う必要がある。再建JCPOAからは決して脱退しないという
保証である。この問題をアメリカの議会も含めた意思決定機関が検討し、
完全に法的な形態で保証し、(その保証を)将来も順守するうえで何の
障壁もないようにしてもらう必要がある」と、イランの議員たちは
主張している。

・・・・(中略)・・・・

イラン議会がもう1つ強調している点として、イランがどの国にでも、
OPEC加盟諸国の合意に基づくどのような量でも、石油を輸出できる
権利が必須だとしている。ここでは、国際信仰システムを経由して
イランが石油輸出の収入を得られるようにする必要性が強調されている。
いかなる国かを問わず石油輸出の収益やブロックされている資産も含め、
自国のすべての金融リソースや利益を自由に移動させる権利をイランは
有しており、その妨害となっている者を交渉相手の諸国は除去する
必要があると、イラン議会は主張している。

したがってイラン議員たちによれば、今回の合意を再建するためには、
「アメリカ大統領の発言も含め、口頭での約束では保障と見なすことは
できないのは、明らかだ」

*********************

proliferation (核拡散) にフォーカスした立場である限り、
核発電・核兵器が密接に絡んでいるウクライナ情勢にも注目は必須
ですが、このJCPOA再建交渉のような問題からも目をそらすことは
できません。何年も展開を見続けることが求められるわけですね。

核に固執する諸国が1つや2つではない現在の世界で核廃絶を目指す
なら、こうした粘り強さは必ず必要になります。

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「あってはいけないABC」のBとCについては??

この世界に存在してはいけない「ABC」つまり
核兵器
生物兵器
化学兵器
のうち、「C」つまり化学兵器がウクライナでロシア軍によって
使用されたのでは?という報道が広まっており、
世界的な騒ぎになっていますよね。

私(ひで)は、もちろんBとCにも断固反対しています。
ただ、本「やかんをのせたら~~」では「A」ばかりを
論じていますが、これは単に本ウェブサイトが
核発電と核兵器の不可分性
にフォーカスしたサイトであるためです。

BやCにフォーカスした活動をしてらっしゃる方々とも
協力できるならしたいと、マジで願っています!
それと、軍事的リスクにフォーカスした反原発団体などが、
広くBやCへの反対勢力とも協力し合っていくことを、
心から願っております!

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固定ページ Th-1) をアップロード

固定ページ Th-1) をアップロードしました。
上の黒いメニューで、クリック!
メニュー内の項目はアルファベット順に並んでいます。

トリウム サイクルの概要や特徴を短く説明しております。
トリウム サイクルの推進勢力が最大にアピールしているのは
proliferation riskが小さいという主張でして、
「事故危険性」(変な日本語ですが)関連ではありません。
それに実際、今までのところトリウム燃料の実験炉では、
あまり多くの大事故が発生しておりません。
したがって、トリウム サイクルに関しては、事故危険性を
特に取り上げたページを作成しません。

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ザポリージャ原発の方は??

チェルノブイリからロシア軍が引き下がったことは広く
報道されましたが、ザポリージャ(ウクライナ語では、
「ポ」にアクセント)原発の方は、どうなったのでしょう
ねえ? あまり報道がないのが、イライラしますよね。

仕方なく英語圏のインターネットを「4月5日現在で、
一番新しいザポリージャ原発の報道を探していたら、下の記事が
ヒットしました。

NPR (アメリカのNational Public Radio)

Russian attack on Zaporizhzhia nuclear plant more dangerous than first thought : NPR

Video analysis reveals Russian attack on Ukrainian nuclear plant
veered near disaster

(ヴィデオ解析から判明、ウクライナの原発へのロシア軍の攻撃時に、
大災害を寸前で回避)

2022年3月11日

NPRラジオ放送のMorning Edition という番組で放送

長い記事なので、私が抜粋要約して日本語化しますね。
< >内は、私からの補足説明です。

Combined 3D / 組み合わせた3D
裏を見てみれば~~
私のクロッキー(速写画)3枚を、”切り開いて”
組み合わせたもの

先週<2022年3月の最初の週>、ロシア軍がザポリージャ原発を
襲撃したが、その襲撃とそれ以降のヴィデオと写真をNPRが解析した
ところ、これは当初見られていたよりも遥かに危険なものだった。

この襲撃を記録したセキュリティ監視ヴィデオの画像が4時間21分あり、
それを徹底的に検討したところ、ロシア軍は同原発の巨大な原子炉建屋
目掛けて重火器を繰り返し発砲していた。さらに写真からは、原子炉
施設のすぐ前にある管理棟がロシアの砲火に曝されていた。また原発
内部で撮影したヴィデオからは損害が判明、2号機の建屋からわずか
75mの地点に砲弾が命中した模様だ。

このセキュリティ監視カメラの記録からはさらに、ロシア軍部隊が
同原発の主管理棟目掛けてグラネード ロケット弾を手当たり次第に
発射、近隣の訓練棟で発生した火災が猛威を振るっていたにもかかわらず
ウクライナの消防団を追い返していたことも判明した。

こうした証拠は、先日のIAEAによるコメントとは極めて対照的で、その
コメントではロシア軍部隊による砲撃は原子炉からは離れた位置で行われて
いた、としていた。6基ある原子炉の安全市捨ては、まったく損傷などを
受けていないとしていた。

現実には訓練棟も複数回の攻撃を受けており、しかもそうした建物はこれ
だけではない。ウクライナの核規制当局は、他の3か所でも損害があったと
主張していたが、それはセキュリティ画像などからも支持される。1号機の
建屋、6号機のトランス、使用済み核燃料の保管施設の3か所だ。さらに、
砲火による攻撃が高圧線に対して行われている様子も判明した。
IAEAによれば、この攻撃で高圧線2本が損害を受けた。

Union of Concerned Scientists(憂慮する科学者同盟)の核発電安全性
担当ディレクターEdwin Lymanは、「このヴィデオを見ると、実に心配に
なる」と語っている。1986年に爆発を起こしたチョルノービ原発<黒鉛炉>と
比べると、ザポリージャ原発の原子炉はずっと安全性が高い<旧ソヴィエトで
開発した、一種の加圧水型軽水炉なので>ものではあるが、それでも
今回のようなロシア軍による攻撃があれば、日本の福島第一が2011年に
起こしたようなメルトダウンが発生しうると、Lymanは警告している。
**************

西側の報道であることは意識して読むべきですが、画像や写真という証拠が
あるのが ・・・・・ これだけで充分恐ろしい話なのですが、さらに詳しく
お読みになりたい方は、上のリンクから英語の元記事をお読みください。
もっと怖いですから、覚悟して。
これほどの「正規軍」による攻撃でなくても、原発の事故はテロ組織による
ドローン攻撃でも起こしうる危険性もあります。上の黒いメニューで、
ページ g-5) と g-6) をお読みくださいな。

では、トリウム サイクルの説明ページの作成に戻りますね。

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JCPOA再建交渉、合意に近づく?

しばらく「ウクライナ原発情勢」に注目していたので、JCPOA
再建交渉のことは、しばらくお暇しておりました。4月3日JST、
イランの国営ニュース ネットワークPress TV によれば、
合意達成に近づいているそうです。ただ、あまり詳細を述べて
いない報道なのですが。

Iran foreign minister: We are close to agreement in Vienna talks, ball in US court (presstv.ir)

いつも通り、私が抜粋・日本語化して紹介しますね。< >内は、
私からの補足説明です。

イラン外相: ウィーン会談は合意に近づいており、あとはアメリカ
側次第

2022年4月3日(日)

イラン外相によれば、2015年締結のイランとの<JCPOA>合意再建の
ためのウィーン会談で、交渉に当たっている各当事者たちは最終的な
合意到達に近づいている。さらに同外相は、この後どうなるかは
アメリカ側の決定次第だとも述べた。

イランのHossein Amir-Abdollahian 外相が上記の発言をしたのは、
日曜日に行ったAntonio Guterres国連事務総長との電話会談でのことだ。
その会談で両者は正式には共同包括的行動計画 (Joint Comprehensive
Plan of Action、JCPOA) を再建するため現在進んでいる交渉と中東
ならびに世界での現在の状況について話し合った。

イラン外務省の公表した同会談の要約によれば、「この交渉で我々は
合意に近づいており、未解決の諸問題についてのイランからの提案を、
EUの交渉団トップ(Enrique Mora)を介してアメリカ側に提示した。
今、交渉の今後はアメリカ側次第だ」 とAmir-Abdollahian は述べた。
・・・・・(中略)・・・・・

この再建交渉に参加しているその他の当事者、つまりロシア、中国、
フランス、英国、ドイツも交渉官たちが最終合意の形成に近づいて
いると述べた。

・・・・・(以下略)・・・・・

 

(この後は、イエメン情勢に関する記載となっています)
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どうも、どのような合意内容になりつつあるのか、などの具体的詳細が
見当たらないのですね。
最終合意に至ったら、発表されるのでしょうか?

とにかく、最終合意の発表を待ちましょう。

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