爆撃オペラ

  • As I said below on March 25, I’m abolishing my beaded accessory business
    in several months. Then, I’ll remake this whole website into a new, anti-nuke
    site focused on the “historical inseparability between nuclear weapons and power”.
    The new website is to be written in Japanese since it is targeted at Japanese readers. Until then, I’ll occasionally post some articles about this inseparability
    here.
  • 下の3月25日に述べましたように、あと数か月でこのビーズ アクセサリーのビジネスは廃業します。その際、このウェブサイト全体を新たな反核サイトに作り変えます。そのフォーカスは、
    「核兵器と核発電の歴史的不可分性」にあります。
    その作り変えのときまで、時折ここに、その「不可分性」に関する記事を投稿しますね。
    ご注意: 移行期間中の記事においても、数か月先の新ウェブサイトにおいても、あれこれ
    英語のウェブサイトや書籍からの引用をしますが、その日本語訳は致しません。
    私は翻訳者ではないので、正確な翻訳などできないからです。それと、著作権所有者に無断で翻訳・発表をすると、著作権法上の法律問題も発生してしまいます。できるかぎり、皆様も引用元の原文をお読みくださいね。
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    私はアマチュアですが、ソプラノ カウンターテナー(男声ソプラノ)でして、
    依頼を受けると人前でオペラのアリアなど歌う場合もあります。
    だから、軍事作戦の名称に opera などと付けてほしくありません。
    しかし、今日取り上げるイスラエルによる空爆作戦の名称は、Operation Opera と
    いうものでした。「オペラ」のあらまし

    詳しくは、英語版 Wikipedia の “Operation Opera” というページに、詳細があります。1981年6月7日のことでした。イスラエル空軍が、イラクのバグダット近郊にあった
    Osirak (フランスでの名称、イラク側はTammuz 1、2 と呼んでいたそうです)という
    工事中の原子炉を爆撃し、使用不能にしたのでした。
    軽水炉で、1979年に建設工事が始まったものでした。

    イスラエル側の主張によれば、この原子炉が稼働を始めると、兵器グレードのプルトニウムの
    製造が可能になるため、そうなる前にぶっ壊さないとイスラエルの安全を守れなかったそうです。
    * プルトニウムには「兵器グレード」のものと「原子炉グレード」のものがあって、Pu の同位体のうち239が原子炉などで製造されると、同位体240なども生じて混在するのですが、240は核分裂性ではないので、239の純度が高くないと(多くは、93%)原爆に使いにくいのですね。そうした高純度のPu を「兵器グレード」と呼んでいます。「原子炉グレード」のものは、239の純度がずっと低いのです。
    なお、使用済み核燃料の再処理でのウラニウムから兵器グレードのPu を製造でき、そのため
    IAEAなどでは再処理には目を光らせてきているわけですね。(「じゃあ、なんで、日本の
    六ヶ所村には再処理工場が?」という疑問が生じますが、日本だけ例外扱いに
    なっているのです。詳しくは、また後日)

    「正体」がよく分からない

    しかし、このOsirakはフランスから購入したものだったのですが、そのフランスはそれが
    科学研究用の平和利用に限定されたものであったと主張しています。しかも、フランスの技術者が現場で指導を努めていました。(そのうち一人が、爆撃で死亡されました)

    ですが、IAEAの検査官であったRoger Richterという方の1981年10月の証言によれば、
    Osirak施設の一部しか、IAEAの査察を受けてはいなかったそうです。しかしIAEAの当時の事務総長Eklundさんはそれを批判、RichterはOsirakの現場を検査していないと述べていました。

    しかも、上記のWikipediaのページの”Iraq’s nuclear program” という個所には、
    — The purchase also included —the sale of 72 kilograms of 93% enriched uranium and the training of personnel.
    とあります。通常の原子炉で使うには93%濃縮ウランなんて不要で、核分裂性のU235の純度は数%のものが、発電には使用されるのですが。90%を超えるのは、基本的には原爆用のウラニウムです。なんでこんな高濃縮ウラニウムが必要だったのか、何を調べても分かりません。
    どなたか、ご存知でしたらご教示くださいませ。(heeday*jcom.home.ne.jp <– * を @ に置き換えてくださいませ)

    この爆撃はもちろん、国際的に非難を浴びました。
    ただ、それから10年後、1991年にアメリカ率いる連合軍がイラクを攻撃しました。
    (Operation Desert Storm) その際、「この81年のOperation Operaがイラクの各施設を
    ぶっ壊してくれたおかげで、連合軍はイラクが核兵器を隠し持っているんじゃ?という
    心配なしに攻撃ができた」という意見もありました。

    やれやれ~~ いったいこのOsirakが本当に平和目的だったのか、軍事用とも兼ねていたのか、それはいまだ確認できていないわけです。

    ただし:

    原子炉を悪用すると、原爆開発につながりえる
    という危険性は、明らかですよね。だからこそ、イスラエルはわざわざ
    Osirakを爆撃したのですから。国際的非難を浴びることも覚悟の上で。

    そうした「原爆を作らせないための、予防的爆撃」の例はもう1つありました。
    次回は、それを。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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