柏崎刈羽原発のテロ対策欠落 ・・ 日本語報道の範囲内で

日本語での報道の範囲内で ~ 柏崎刈羽原発のテロ対策欠落について

どうもCOVID19関連のニュースが支配的で柏崎刈羽のテロ対策不祥事の件はこの5月に入ってから、あまり報道されていませんね。英語でネットをサーチしてみても、特に新しい報道は見かけません。
まあ、予想通りの報道状況です。

社会の中心的問題が原発からコロナに変わったのだから、当然だ・・・ と見なすこともできるのですが、問題は:
現実には、原発問題が大きく改善されたわけではなくて、かなりずさんな対処の実例が柏崎刈羽で発覚した。
→ コロナ禍にしても、同じようにずさんな対応が起きてしまうのでは??

という懸念を払しょくできない、ってことですよね。
そうした「“ほとぼりが冷めるまでやり過ごせ”体質の蔓延」を防ぐためには、私たち市民も問題とそれへの対応に対する注視を続け、必要に応じて声を上げていきませんと。

で、今回発覚・報道された、TEPCOの柏崎刈羽原発でのテロ対策不備の件ですが、まず最近どのような事態があったのかについては、NHKのウェブページに日本語で要約があります。
柏崎刈羽原発 テロ対策不備「最も深刻なレベル」評価が確定 | 各地の原発 | NHKニュース
ページ中ほどの時系列テーブルですね。

ここでご注意いただきたいのですが、
2月26日の「原子炉冷却装置に関する工事未完」と3月3日の「火災防護工事が未完」というのは、テロ対策だけの問題ではなくて、原子炉や関連設備そのものの安全性に関する対策が未完成、ってことですよね。よくまあ、これで7号機を再稼働するなどと言っていたものです!

本サイト「やかんをのせたら・・・」のページ g-6) で私は、原発内に勤務する職員の中にテロリストたちが混じりこんだ場合、緊急用発電機器などを破壊してしまう可能性を指摘しましたが、実際に「不正入室」があり、しかも「火災防護工事が未完」というのでは、あながち「杞憂だ」だの「絵空事だ」では、済まされませんよね?

なお、「4段階の評価」については、「新潟日報モア」の「不正入室以上の申告事態と評価か」という記事(2021年3月05日)に短い説明があります。
不正入室以上の深刻事態と評価か 規制庁 柏崎原発の侵入検知設備損傷 | 社会 | 新潟県内のニュース | 新潟日報モア (niigata-nippo.co.jp)

そして東洋経済ONLINEの2021年03月24日の記事「柏崎刈羽原発のテロ対策欠陥を生んだ背景事情  秘密主義がモラル低下に、安全審査でも甘さ」では、GEの原子力事業部に勤務しておられた佐藤暁という方が、テロ対策に付きまとう秘密主義を指摘してらっしゃいます。
柏崎刈羽原発のテロ対策欠陥を生んだ背景事情 | 資源・エネルギー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)

確かに、手の内をテロ組織に知られてはまずいので、秘密にせねばならない部分は秘密にすべきなのですが、それが「ごまかしや、やりすごし」につながる恐れが常にある、というわけですね。

こうした組織体質や慣行、他組織による監督などの問題まで含めて、テロ対策というものはやっていかないといけない ・・・ かなり大変な取り組みなのですね。
核関連の安全という問題では、単に事業者なら事業者だけが責任を有するわけではなくて、監督組織との協力、周辺住民との連携といった問題まで不可欠に関与してきます。

そう考えると、「原発のテロ対策」なんて、ほんとにできるのでしょうか??できないのなら、原発なんてもの自体をあきらめるのが正論でしょう。

では、次の新ページで “Go nuke, go broke” という各発電の金銭コスト面を考えるページ シリーズを始めたく思うのですが、しばしお待ちくださいませ。
その間に、柏崎刈羽での新たな問題発覚や、ニュースに事欠かないイスラエルVSイランあるいは北朝鮮の核開発疑惑に関する新たな動きなどがあれば、随時取り上げてまいります。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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