北朝鮮がヨンビョンの原子炉を再稼働させた兆候があるという、ロイターの
8月29日付記事の紹介を続けます。
Renewed activity at N. Korea nuclear reactor ‘deeply troubling’, IAEA says | Reuters
(北朝鮮の原子炉で活動再開か、深刻な懸念とIAEA)
(私による日本語化)
カギを握る核施設
2019年にベトナムで行われたサミットで当時のDonald Trumpアメリカ大統領と会談した、北朝鮮の最高指導者である金正恩は、北朝鮮の核兵器や弾道ミサイル プログラムに対する国際的な制裁を解除してくれれば、ヨンビョンの各施設を解体しても良いと提案した。
その際、当時のトランプ大統領はその提案を拒否したとされる。それは、ヨンビョンが北朝鮮の核開発プログラムの一部にすぎず、多数あった制裁を緩和するには、見返りとして不充分だというわけだ。
現在のアメリカ大統領 ジョー バイデンの政権の言うところでは、同政権は北朝鮮に対し話し合いを申し込んできているのだが、北朝鮮側はアメリカが政策を変更しない限り、交渉をするつもりはないと答えてきている。
「この施設について、それをどうするのかという合意がもう長期間、存在していない」 そう語るのは、ジェームズ マーティン不拡散研究センター(James Martin Center for Nonproliferation Studies、CNS)の研究者であるJoshua Pollackだ。
今年6月、ヨンビョンで使用済み核燃料から核兵器で使用できるプルトニウムを抽出しようとする再処理作業が行われている兆候があるという警告を、IAEAが発した。(詳しくは、右をクリック → read more)
金曜日に公表された報告でIAEAは、この再処理作業は5か月間、今年2月中旬から7月初旬まで行われており、その期間から判断して使用済み核燃料の1つのバッチすべてが処理されたものとみられる。単なる廃棄物処理やメインテナンスであれば、もっと短い期間で充分なのだ。
この報告は予告なしに突然発表されたもので、「このヨンビョンの5MW原子炉と放射化学(再処理)作業場が新たに稼働しているという兆候は、実に憂慮すべきものだ」 と記載されている。
北朝鮮南西部のピョンサン(平山)にあるウラニウム鉱山と処理工場で発掘と精製作業が行われているとの兆候もあり、さらにピョンヤンの西のカンソンにあるとされる秘密のウラニウム濃縮工場でも濃縮活動が行われているとの兆しもあった。
北朝鮮が兵器用に分離した新たなプルトニウムを何らかの量、欲しがっていると考えてよいと、Pollackは述べている。さらに今年これまでに行ったスピーチで彼は、金正恩が同国が開発中の先端兵器のリストを発表したが、それが長いリストであったことを指摘、その中にはさらなる核兵器も含まれていたという。
「北朝鮮の核弾頭を求める貪欲は、まだ満たされていないようだ」
上記の報告者は、ウィーンよりFrancois MurphyならびにソウルよりJosh Smith。さらに追加的な報告を、ワシントンのDoina Chiacu。編集はPeter Cooney、Clarence Fernandez、William Maclean。
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それにしても、やれやれ、もともとこのHOMEのセクションに「核発電と核兵器の不可分性」に関連したニュース類を取り上げるようになったのは、固定ページの「 f-x) コスト – Go nuke, go broke」の制作のための情報収集や分析をしている間、空白期間にならないようにするためでした。しかし。実際にその種のニュース紹介を始めてみると、予想以上に次から次と問題が登場し、大忙しです。「本来の仕事」であるf-x) の制作がなかなか進みません。この種のニュースが存在しない世界に、早く暮らしたいものなのですが ・・・
次回は、アフガニスタンの今後について、皆様から情報を求めます。
その後、ヨンビョンの状況についての詳細を論じた記事を紹介し、
その後で中国のICBMサイロ新設に対するインドの反応の例を取り上げますね。