ここでヨンビョンの原子炉再稼働に関する報道の紹介に戻る予定だったのですが、
今度はフランスから、使用済み核燃料の再処理に関するニュースです。
ヨンビョン関連の報道は、次回に予定しておきましょう。
それにしても、「やかんをのせたら~~」で取り上げないわけにいかない事件が
次々に発生してますね。いやな世界です!
この「やかんをのせたら~~」ではたびたび、使用済み核燃料の再処理がプルトニウム
抽出の可能性をはらむので、IAEAも再処理には特に注意を払っていることを述べて
きました。
日本は今まで、その再処理を例外的に認められ、行ってきています。その際、フランスや英国の再処理工場を利用しています。ただし、今までのところ、MOX燃料を作るためで、原爆用プルトニウムではありませんが。しかし、「その気になれば」原爆用
プルトニウムだって作れるよ、という「潜在的核兵器保有能力」があることに
なりますよね。それが、「潜在的核抑止」につながるというのが、かなり無理を
してでも再処理を行う本音の理由でしょう ・・・
・・・ そう考えるしか、ありません。経済面を考えれば、再処理なんかやるより once throughつまり1回使用した核燃料は廃棄した方が安いのですから。つまり、電気の
ことだけ考えるなら、再処理などしない方が安価なのですね。
再処理 → リサイクルのためには「もんじゅ」のようなFBR原子炉が必要になるの
ですが、兆円規模の費用を投入したあげく、失敗して廃炉になりましたよね。
電気が欲しいだけなら、こんな巨額の無駄は初めからやらないことです。
で、再処理工程の一環としてフランスのシェルブールから日本向けに発送される
核物質に対して、グリーンピースの皆さんが抗議をしているというニュースです。
日本の到着港が分かるのなら、そこで日本の反原発団体なども抗議活動を
してみても面白いですね。
2003年設立でドバイに本拠を置くAl Arabiaという放送局の、英語ウェブサイトより。
おそらく、2021年9月8日付のものだと思います。
Al Arabia News, ?Sept. 8?, 2021 AFP Cherbourg
Greenpeace protests transport of nuclear fuel shipment headed for Japan | Al Arabiya English
(グリーンピース、日本向け核燃料輸送に抗議)
(私による日本語化)
AFP、フランスのシェルブール発
放射能が極めて強いプルトニウムを含んだ日本向け核燃料が、フランスのシェルブール港へと火曜日夜に運び込まれたと、環境問題監視団体のグリーンピースが報告した。同団体は、この輸送に対し抗議している。夜明け前にAFP(フランス通信社)の写真家がこの問題の貨物が厳重な警備の下で輸送中であるところを発見した。警察車両隊や徒歩の警官などによる重警備だ。シェルブール アン コタンタンの港でのことである。
グリーンピースも含めた反核活動家たちは、ある円形交差点をその車列が通過した際に抗議の意思を示した。
グリーンピースは混合酸化物(MOX)核燃料を「極めて危険な物質」だとしており、「高レベル廃棄物」として扱うよう主張している。したがって、フランス国外に出してはならないという。
ウラニウム燃料の原子炉を稼働させると、劣化ウランとプルトニウムが核分裂の副産物として発生する。それらを加工してMOX燃料を製造でき、それを他の原子炉で使えば、さらに発電ができる。
今回のフランスから日本向けの出荷は1999年からはじめて7回目となる。グリーンピースによれば、英国の船舶2隻がシェルブール港で、この貨物を積み込む。
「この積み込みはこの水曜日(9月8日)に行われ、それから日本の高浜に向けて出港する」とグリーンピースは述べており、さらにこの放射性物質で高浜の原子炉2基が稼働するという。
日本国内にはエネルギー資源が少なく、2011年までは国内の電力需要の約1/3を核発電で賄っていた。同年に福島第一原発で津波によるメルトダウンが発生した。
今年3月の時点で、日本で稼働中の発電原子炉は9基あった。福島での事故以前には、54基あった。
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「核保有5か国」以外ではなぜ日本だけ特別扱いで、再処理が認められているのか?それは、また後日取り上げます。
では、次回こそはヨンビョン原子炉の話題に戻れることを願いますが ・・・
今の世界では、話題を核発電と核兵器の不可分性に限定しても、次々と何が起きるか ~~~ 分かったもんじゃないです!