英国のニュース テレビ局Sky Newsのウェブサイトより。
2022年3月6日、2:20am JSTごろにアクセス
ウクライナのチェルニーフ (チェルニゴフ) などでの「大爆発」が3月5日早朝に
発生、世界的に話題と心配の原因になっていますが、このSky Newsは以下のように
報じています。
いつもどおり、私の抜粋・日本語化あるいは要約です。< >内は、私からの補足説明。
ロシアのウクライナ侵攻関連の最新ニュース: プーティンとマクロンの電話会談が
2時間も続く中、ロケット弾が空港を「完全に破壊」
すでに150万人ほどがウクライナを脱出したが、<ウクライナ東部の都市> マリウポリ
からの人道回廊を設定する交渉が再度行われた。ウクライナ当局の主張によれば、
チェルニーフでは500㎏の爆弾が落とされている。英国の政治家Dominic Raabに
よれば、今回の紛争は「何年間とは言わずとも、何か月か続く恐れがある」
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この報道によれば、戦術核ではなく大型の通常兵器だったよぅですね。
そうであっても、こんな巨大な爆弾を落とせば、非戦闘員にも被害が出る
ことを考えないのでしょうかねえ??
「やかんをのせたら~~」としては、次の2つのニュースが気になります。
3月6日 2:13am JST付の記事
IAEAによれば、カテゴリー1から3の放射線源を扱う施設との通信が途絶えた。
IAEAからのウクライナ情勢での新たな憂慮すべき進展として、ウクライナの
核規制当局が、マリウポリにある核施設でカテゴリー1から3の放射線源 <下記
参照> を取り扱っているすべての施設との通信が途絶えたと発表した。
マリウポリは<ウクライナ東部にある>港湾都市だが、ロシアに制圧されている
IAEAのRafael Grossi 事務総長はこの事態について、「極めて憂慮している」と述べた。
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* カテゴリー1から3の放射線源
アメリカのNRC(原子力規制委員会)のウェブページ(2021年3月9日に最新更新)
Category Of Radioactive Sources | NRC.gov
によれば、放射線源は次の5種類に分かれます。
(やはり、私による日本語化)
放射線源の分類
IAEAのCode of Conduct on the Safety and Security of Radioactive Sources
(放射線源に安全とセキュリティに関する行動規約)では放射線源を以下の
5つのカテゴリーに分類、安全とセキュリティを確保するため の指針としている。
- カテゴリー1 適切な管理を怠った場合、その放射線源に2-3分以上接触
していた、ないしは取り扱った人員に、恒久的な問題をもたらす。この程度の
量の線源が遮蔽なしで存在する場合、その近くに2-3分から1時間ほどいる
だけで、死を招く確率が高い。このカテゴリーの線源は通常、放射線を
利用した熱式発電装置、放射線照射装置、放射線遠隔治療に使用する。 - カテゴリー2 適切な管理を怠った場合、その放射線源に短時間(数分から
2-3時間)以上接触していた、ないしは取り扱った人員に、恒久的な問題を
もたらす。この程度の量の線源が遮蔽なしで存在する場合、その近くに数時間
から2-3日ほどいるだけで、死を招く確率が高い。このカテゴリーの線源は
通常、産業用ガンマ線撮影、組織内照射療法、放射線撮影に使用する。 - カテゴリー3 適切な管理を怠った場合、その放射線源に数時間以上接触
していた、ないしは取り扱った人員に、恒久的な問題をもたらす。この程度の
量の線源が遮蔽なしで存在する場合、その近くに数日間から2-3週間ほどいる
だけで、死を招く場合がある。ただし、その確率は小さい。このカテゴリーの
線源は通常、液面計や浚渫ゲージ、コンベヤー ゲージ、自転パイプ ゲージ、
検層ゲージなどの固定式産業用ゲージに使用する。 - カテゴリー4 適切な管理を怠った場合、その放射線源に何週間も接触していた、
ないしは取り扱った、近くにいた人員に、一時的な問題をもたらす場合がある。
ただし、その可能性は小さい。この程度の量の線源が遮蔽なしで存在する場合、
その近くに数日間から2-3週間ほどいるだけで、死を招く場合がある。ただし、
その確率は小さい。この程度の量の放射線源では、人が恒久的な障害を受ける
ことは少ない。このカテゴリーの線源は通常、固定式あるいは携帯式のゲージや
静電除去装置、低線量の組織内照射療法に使用する。 - カテゴリー5 これは、恒久的な問題を起こさない。X線蛍光装置や電子捕獲
装置に用いる。
(以下略)
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要するに、高レベルの放射線源を扱う核施設との連絡が途絶えたというワケでして、いったい何があったのか??
続けて3月6日 1:50am JST付の記事
<ウクライナの>原発運営管理層、ロシア軍の指揮下に入ったとIAEA
IAEAがウクライナ<の当局>から受けた情報によると、ウクライナの原発1か所が
先週、それを制圧したロシア軍司令官の指揮下に入った。
IAEAによると、ウクライナからの情報として、ザポリージャ原発を制圧した
ロシア軍はすでにモバイル通信やインターネット接続をオフにしており、
同原発からの信頼できる情報を通常の経路では入手できなくなっている。
さらにIAEA によれば、このヨーロッパ最大の原発であるザポリージャの稼働
スタッフはセキュリティや安全面での義務を履行せねばならず、圧力を受けても
それを無視して決定を下す権限があるという。
やはりIAEAからの情報によれば、ウクライナの原子力規制当局の報告では、
ザポリージャ原発のスタッフとの連絡に支障が発生しているという。*******************
皆様もご存じのとおり、そもそも1986年のチェルノブイリ原発の大惨事は、
政治的な圧力が「原発の無理な稼働」を強硬に要求し、操作員に無謀な操作を
強いたことが原因でしたよね。その種の惨事が発生しないことを祈ります!
もちろん、早く平和と自由が回復することも!