大いに気になる問題ですよね。
ここでは、比較的中立的な立場にあるマレーシアの
メディアに掲載されているロイターの分析を
紹介しますね。
同国の日刊紙、The Starのウェブサイトより。
Analysis-Truth or bluff? Why Putin’s nuclear warnings have the West worried | The Star
Guy Faulconbridge記者、Andrew Osborn記者
2022年9月28日
いつも通り、私の抜粋・日本語化
< > 内は、私からの補足説明
真偽のほどは ・・・?
私の昔の作品
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Analysis-Truth or bluff? Why Putin’s
nuclear warnings have the West
worried
(分析 — 本音か、はったりか?プーティンの
核兵器使用の脅しに、西側が憂慮するのは
なぜ?)
ロンドン発 (ロイター) – 先日、ウクライナでの
戦闘が続くただなか、ヴラディミール プーティン
大統領はロシアを守るためなら核兵器をも使用
する用意があると警告を発した。この発言を
受け、次の疑問が今まで以上に深刻で緊急の
ものとなっている:「この元KGBスパイ
<であったプーティン> は、ハッタリをかまして
いるのだろうか?」
プーティンはこれはハッタリではないと警告して
おり、 西側諸国の政治家たち、外交官たち、
そして核兵器の専門家たちの見方は分かれて
いる。小型の戦術核を使用するだろうと見る
人たちもいる。その目的は、敗戦の回避、自らの
大統領という地位の死守、西側を退ける、
ウクライナを恐れさせて降伏させる、などが
考えられる。
プーティンのこの警告に続き、ロシアの同盟国
からはさらに具体的にウクライナでの核兵器使用
に関する脅迫がなされた。ことによると、ロシアは
今回の住民投票が行われた4州を部分的にしか
占拠していないのだが、その4州を併合した後に
攻勢を強化する計画なのかもしれない。
こんなこと、やらかして何になる??
私の昔の作品
ロシア議会は、10月4日にこれらの各州をロシア
の領土として宣言するものとみられている。この
宣言がなされてしまうと、その後はすぐに分かる。
その <新規獲得> 領土が脅威にさらされたと
ロシア政府が見なした場合には、領土防衛の
ため <核兵器の> 使用に踏み切る、という
わけだ。
だが、核兵器という使ってはならない兵器を
使ってしまうならば、他に望みのないことを自ら
行動で示すことになる。そのため、プーティンが
核使用に踏み切るか否かは最終的には、
ウクライナでの戦闘でロシアがどこまで追い詰め
られていると彼が感じているのか、にかかって
いるだろう。ここまでのところ、以前の超大国で
あったロシア連邦は、敗北したというよりも苦杯を
飲まされている。
ぷーティンの焼酎には世界でも最大数の核兵器が
あり、その中には新世代の超音速ミサイルも
含まれ、さらに戦術核の保有数は西側の10倍に
達する。アメリカそしてNATO加盟諸国は
プーティンの発言を真剣に受け止めている。
「ロシアの選択が負け戦を戦い、痛い敗北を
体験しプーティンが失脚する、あるいは何らかの
核兵器のデモンストレーションを行うというもので
あるのなら、私はその核兵器デモをロシアが
しないとは、私には確信が持てない」 と語るのは、
トニー ブレントンだ。ブレントンは英国の前
対ロシア大使で、この8月にロイターに対しそう
語っている。これは、プーティンの核使用発言が
<この9月に> エスカレートする以前のことだ。
一番最近の発言でプーティンは西側に明確な
警告を発しており、ロシア領土を守るためなら
可能な限りあらゆる手段を利用すると述べた。
さらに、西側諸国がロシアへの核攻撃の
可能性を検討しているとして非難した。
“Silenced” (沈黙の強制)
私の昔の作品
「これはハッタリではない。ロシアを核兵器で
脅迫しようとする連中は、風見鶏が向きを
変えてそうした練習のほうに向くことがあるのだ
と知るべきだ」
このような痛々しいレトリックは、歴代の
ソヴィエト連邦指導者たちのニュアンスに
富んだ仕草とは、全く異質なものだ。1962年の
キューバ ミサイル危機で世界は核戦争の一歩手前
まで行ったのだが、それ以来ソヴィエトの指導者たち
は、そうした微妙な仕草を好んでいた。
アメリカの国家安全保障問題担当顧問ジェイク
サリヴァンがこの日曜日 <9月25日> に
アメリカのネットワーク テレビ各局に述べたところ
では、ジョー バイデン政権はプーティンの発言を
「まともに、深刻にとらえて」 おり、ロシアがもし
核兵器を使用するなら 「破局的な結果を招く」 と
警告している。
アメリカ政府は、どのような対応をするのかを
まだ明確にしてはいない。だが核兵器を使用
すればエスカレートしかねないので、大半の
専門家たちはむしろ、ロシアの軍事関連資産に
対する通常兵器での大規模攻撃のほうが実行
される可能性が大きいと見ている。
倒れているのか、寝ているだけか?
私の20分クロッキー
核使用
ウクライナ国内での核攻撃をプーティンが命じた
場合、1945年8月にアメリカが日本の広島と
長崎とに原爆を投下して以来の、戦闘での
核兵器使用となる。
海、空、あるいは陸上から発射する短射程小型
武器は、理論上はウクライナ軍の軍事標的に
対して発射される。ただし、こうしたシナリオでの
その核兵器の有効性は、軍事専門家たちの間でも
議論の話題になっている。
もう1つの選択肢として考えられているのは、
核兵器を人里離れた地域あるいは国会などの
海の上で爆発させるというものだ。それによって、
核兵器を使うぞという背筋も凍る覚悟を示す
のである。
ロシア軍の戦術核兵器からの死の灰は、到達
距離が1㎞程度に限られる。それでも、心理的・
地政学的な影響は世界を震撼させるだろう。
「ぷーティンは、危険なチキン ゲームをやらかし
ている。私が金銭を賭けるのであれば、
プーティンがやけになっていても、
核兵器を使わないに3、
使うほうに2とするだろう。もっとも、これはあまり
良いオッズではない」 と語るのは、リチャード K.
ベッツだ。コロンビア大学で戦争と平和専攻の
教授を務めている。
“Confusion” will be my epitaph —
私の20分クロッキー
追跡調査
アメリカ政府がロシアの核兵器の動きを凝視
しているという兆候の1つとして、この土曜日の
飛行物体追跡データから、アメリカがRS-135s
Cobra Ball 偵察機を少なくても2機配備して
いることが窺える。ロシア国境周辺での弾道
ミサイルの動向を追跡するための偵察機だ。
ロンドンのキングズ カレッジで戦争研究の名誉
教授を務めるローレンス フリードマンによれば、
今のところは核攻撃の用意をロシアが進めている
証拠は見られない。もしそうした動きがあるのなら、
アメリカは 「ただちに」 発見するはずだ、という。
フリードマンによると、プーティンの核使用という
警告を甘く捉えるのは誤りだが、新たに併合した
地域を守るためにプーティンが核に訴えるという
のはナンセンスだと思えると、この名誉教授は
述べている。
「その程度のわずかな利益のためにタブーと
されてきた核戦争を始めるというのは、実に奇妙だ。
たとえ核兵器を使われても戦いをやめはしないと、
ウクライナは断言しているのだ。それにたとえ
戦争が終結したとしても、<例の4州という>
領土には平和を回復できないことに、プーティンは
気が付くだろう」 とフリードマンは語っている。
この状況で核兵器を使用することが実に非合理な
判断であることを考えれば、この核の脅しを
まじめに受け取るには、プーティンが脅威を
感じており絶望のため感情に任せた行動に出る
という想定をせねばならないと、フリードマンは
付け加えた。
<前述の> コロンビア大学のベッツは、
「プーティンがどのようなプレッシャーを感じて
いるのか、推察できるはずだ。小型核の使用で
状況を逆転させ、西側を恐怖させ、現在の身動き
できない状態から脱出できるかもしれない ・・・
という願望を抱いても不思議ではない」 と
語っている。
バラバラにされてしまう ・・・
私の20分クロッキー
「存続のためのあがき」
ぷーティンによれば、以前には超大国であった
ロシアを破壊しようとする傲慢な西側によって、
ロシアは屈辱を長年嘗めさせられており、
ウクライナでは目下ロシアは存続のために
あがいているそうだ。
「西側の政策は反ロシア的で攻撃的であり、
いろいろな方面で一線を越えている」と、
9月21日に発した警告でプーティンは
語っている。
ロシアによるウクライナ侵略のためすでに何万
もの人命が失われ、世界的なインフレーションが
高まり、西側とロシアの間の対立は冷戦の最悪期
以来の悪化に陥っている。
侵略が始まって7か月になるが、プーティンの
軍はウクライナ軍からの強力な反撃を受けており、
それを訓練し武器を供与しているのは西側諸国だ。
戦場でウクライナが優位に立てば立つほど、
プーティンが核兵器に訴えてしまう可能性は
高まると、ベッツは述べている。
“Dirty Bomb Nightmare”
私の作品
ロシアの核兵器に関する方針では、「ロシア
連邦に対する通常兵器での攻撃があり、
連邦の存続が危機にさらされた場合」 には
ロシアから核攻撃を行うことを認めている。
クレムリンのタカ派勢力によれば、ロシアで
1999年から実権を握ってきたプーティンを
西側は追い落とそうとしているのだ、という。
アメリカのジョー バイデン大統領が3月に
あるコメントで述べたところでは、プーティンは
「権力の座にとどまることはできない」 とされた。
ホワイトハウスの説明では、この発言は世界の
民主主義諸国にウクライナでの戦闘の長期化に
対し準備をするよう求めたもので、ロシア国内での
政権交代を求める意図はないという。
さらにこの5月、プーティンにはこの戦争を
終わらせる方法がないようで、それにどう対処する
かを考えねばならないとバイデンは述べていた。
<同様の核攻撃の脅しに対して> 以前には
ウクライナのヴぉロディミール ゼレンスキー
大統領は無視していたが、この日曜日
<9月25日> にはCBSに対し、今度は
プーティンも本気かもしれないと語っている。
「考えてみてほしい。以前にはハッタリだった
かもしれないが、今度は本気かもしれない」
(編集: Philippa Fletcher)
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Let peace reign!
私の昔の作品
そうなんですよ、正気を失った独裁者の真意が
どこにあるのか?? まさに刻々と変わりえる
ので、目が離せませんよね。
明らかに言えることとして、独裁者が核兵器を
持ってしまうと、人権も国際秩序も、そして使用して
しまった場合には多数の人命も自然環境も
ぶっ潰されてしまいます。
核兵器、そして本来はそれを製造するための
機械である原子炉は、地球から廃絶して
しまうことが、人類のみならずすべての生命の
ために必要ですよね。
(上の黒いメニューで、b-1) – b-3)、d-1) – d-5)
を参照)