ザポリージャ原発、残るディーゼル燃料が ・・・

The New York Times

Here’s why experts are concerned about the Zaporizhzhia nuclear plant’s safety risks. – The New York Times (nytimes.com)

ロシアからのミサイル攻撃がまたまた激化
している中、当然、ザポリージャ原発のことが
心配になりますよね。それに関する、The
New York Timesの記事を紹介しましょう。

いつもどおり、
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

不安 ・・・ 私の昔の作品、制作途上の状態

不安 ・・・
私の昔の作品、制作途上の状態

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Here’s why experts are concerned
about the Zaporizhzhia nuclear
plant’s safety risks.
(専門家たちがザポリージャ原発の安全性に
かかわるリスクを憂慮している理由)

ヨーロッパ最大のこの原発では、<2022
2
月に> ロシアがウクライナへの全面的な
侵略を開始して以来今までに、緊急用
ディーゼル発電機を使用せざる負えない
事態に陥ったことが6回もあった。

Carly Olson記者、2023年3月9日、
10日に更新

ウクライナ南部にあるザポリージャ原発が
この木曜日 <9日>、短時間だが再度
緊急用発電機に頼る事態に陥った。
ロシア軍の砲撃のため、外部電源供給が
絶たれたためだ。この緊急事態を受け、
国連の核査察機関 <であるIAEA> の
事務局長は、この核施設の安全を保持でき
なかったとして国際社会に遺憾を表明して
いる。

まさか、こんな争いの現場に ・・・

まさか、こんな争いの現場に ・・・

ヨーロッパ最大の同原発は、戦闘が実際に
行われている只中にある原発でもあり、
これは今までの歴史上唯一の例だ。国連の
核関連職員たちの頂点に立つ <IAEAの
事務局長> ラファエル マリアーノ グロッシ
によれば、そんな同原発は1年前にロシア
軍がウクライナへの全面的侵略を開始して
以来今までに6回、緊急用ディーゼル
発電機に頼らざるを得ない事態に陥って
いる。

「そうした非常事態のたびに、我々はいわば
サイコロでギャンブルをしているのだ。こう
したギャンブルをさらに繰り返すなら、いずれ
運にも見放されよう」 とも、グロッシ氏は
語っている。

IAEAの事務局長である同氏は、さらに言う。
「こんな事態に平然としてられるというのは、
呆れるばかりだ」

3月9日遅く、ウクライナの国営電力企業で
あるUkrenergoは同原発が11時間ぶりに
送電グリッドとの接続を回復したと発表した。

化け物は、海に帰れ!

化け物は、海に帰れ!

The European Atomic Energy Community
<Euratomとも。1957年創設のヨーロッパ
の国際的核エネルギー機関> はEU加盟
諸国の一部が構成しているのだが、<EU
の議会である> 欧州議会の権限の外部に
ある。そのEuratomと49の国々とがIAEA
に対し共同の請願を提出、ロシアが
ザポリージャ原発から撤退すべきだと求めて
いると、ウクライナのDenys Shmyhal首相は
述べている。同首相はこの請願に敬意を表し
つつ、Twitterで 「核テロリズムとロシアに
よる脅迫は、もう止めねばならない」 と述べて
いる。

たびたび緊急用発電機に頼らざるを得ない
ことも含め、戦闘地帯の只中に立地している
ため、核カタストロフの深刻なリスクが発生
すると、専門家たちは言っている。なぜか?
それを、詳しく見てみよう。

原発からの送電をしない (オフライン状態)
でも、原発には電源供給が必要
ザポリージャ原発の原子炉はいずれも既に
シャットダウンしているが、炉心や使用済み
核燃料を冷却するための設備に絶えず電源
が必要なのだ。この冷却が中断すると、
核物質が発する熱 <崩壊熱です> の
ために核物質が入っている建築物が溶解、
放射性物質をまき散らす恐れがある。

俺より怖いよう~~

俺より怖いよう~~

ザポリージャ原発のディーゼル燃料がなく
なりつつある
原発は、送電グリッドであれバックアップ用
<の緊急発電機> であれ、背部からの
電源供給に接続していることが重要だ。

ザポリージャ原発の緊急発電機は
ディーゼル燃料で駆動するのだが、現場に
ある量は限られている。この木曜日 <9日>
に <ロシア軍による> 砲撃があったが、
それを受け発電機を稼働させた。その時点
で、残っていた燃料は発電機を15日間稼働
できるだけのものであったと、IAEAは発表
している。さらに同原発は、戦闘の前線地帯
に近い。<文字色による協調は、私>

「憂慮すべきことに、発電機の駆動を続ける
には燃料を再充填することが不可欠だが、
こうした戦闘の前線付近でディーゼル燃料を
輸送するのは極めて困難だ」 と語るのは、
<アメリカのワシントンDCにある非営利の
政策研究機関>Brookings Institutionで
Rubenstein Fellowという研究フェローを務め
核安全の専門家でもあるAmy J. Nelsonだ。

以前に同原発が外部電源から遮断された
ときには、技術者たちがディーゼル燃料を
使い果たさないうちに修復できるよう、大
急ぎで修理に取り掛かった。国際核査察官
たちは、そうした状況を持続不能で不安定な
状態だとしている。

ほかにもあるの~~?

ほかにもあるの~~?

戦争によって生じる、その他のメルトダウン
を招くリスク
原発は自然災害や航空機の衝突、その他
のリスクに対応できるように設計されては
いるが、戦闘の真っただ中に原発が存在
していたことはない。

専門家たちは、数多くの懸念を表明して
いる。「火災もありえるし、内部で圧力が
上昇して爆発が発生する可能性もある」
と、Nelson 氏は述べている。

同氏によれば、核燃料棒が腐食し核災害を
引き起こす恐れもある。

そうした事態のいずれが発生しても、冷却用
の電源供給が中断してしまう。核反応からは
熱が発生し、それで水蒸気を発生させ、発電
を行う。したがって、その冷却プロセス
<要するに、水蒸気を発生させる装置> が
何らかの事情で妨害を受けると、メルトダウン
に至る危険性がある。Nelson 氏が例として
挙げるのは、2011年に日本で起きた事例だ。
地震のため津波が発生、それが福島第一
原発の施設に損傷をもたらし、メルトダウンに
至った。

「原子炉内の温度が上昇し、燃料棒の腐食
が加速、核燃料が漏出するに至った」 と
同氏は述べている。

また変圧器が砲弾で損害を受ければ、
火災のリスクが増大する。また冷却不全で
メルトダウンにまでは至らない場合でも、
炉内圧力が上昇し爆発を招く危険がある。
Carly Olsonは、The Times紙のLiveデスク
の報道フェロー。
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そんな事態になりませぬように ・・・ 私の、かなり昔のTシャツ作品

そんな事態になりませぬように ・・・
私の、かなり昔のTシャツ作品

放射性物質は、核分裂を起こしていない状態
でも自然に放射線を出しながら崩壊していく
ので、冷却システムを駆動させることが必須
⇒ そのためには電源が必要、ということです
よね。でも、こんなことは核発電の基礎の
基礎ですので、「やかんをのせたら~~」 の
読者の皆様は、とっくにご存じでしょう。逆に
言うと、そうした基礎をすでに学んだ方々を、
「やかんをのせたら~~」 では対象読者と
しております

そうした基礎をご存じの皆様であれば、
上記の記事の中で文字色を変えて強調した
個所は、実に恐怖の種ですよね。
ザポリージャには950MWの原子炉が6基
ありますが、
外部電源供給が途絶え、ディーゼル燃料も
なくなった場合、6基とも崩壊熱を冷ませ
なくなります ⇒ 最悪、6基同時にメルト
ダウン = 福島第一を上回る大惨事に、
というリスクすらありますからね。

ロシアが正気を取り戻し、1日も早く撤退して
くれることを心から祈ります!

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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