オーストラリアのabc Newsウェブ
サイトより
The Zaporizhzhia nuclear plant used water from the destroyed Nova Kakhovka dam. What happens now? – ABC News
The Zaporizhzhia nuclear plant used water
from the destroyed Nova Kakhovka dam.
What happens now?
(ザポリージャ原発はノヴァ カホヴカ
ダムから水を引いていた。そのダムが
破壊された今、何が起きるのか?)
6月9日JST現在、ノヴァ カホヴカ
ダムの破壊とそこからの大洪水が
ニュースを賑わせ、「ザポリージャ原発
には大きな影響はない」との報道が多い
のですが、「原発には影響ない」と
安心しきって良いのでしょうか??
6月9日朝JST時点の、オーストラリアの
abc Newsウェブサイトが、この問題に
特化した記事を公表してくれています。
そこから、例によって
私の抜粋・日本語化で紹介しますね。
< >内は、私からの補足説明です。
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・・・・・
(記事の冒頭部は省略)
・・・・・
このダム貯水池からザポリージャ原発
への水供給は、途絶えてしまって
いるのか?
現時点ではまだ、途絶えていない。
IAEAのチーフRafael Grossi によれば、
ダムが崩壊してしまったものの、まだ
数日は水をポンプでくみ上げることは
可能だそうだ。
“「ただ、単位時間あたりにくみ上げ
られる水量は、水位が低下しているため
減る恐れがある」と、Grossiは述べた。
この火曜日 <6日> にGrossi が語った
ところによれば、同貯水池の水位はその
時点で16.5mだったが、これが 2.7m に
なると、ポンプでのくみ上げが不可能
になる。
・・・(原文ではここにTweetが引用
されていますが、省略)
Grossiによれば、まだパニックに陥る
理由はないが、ザポリージャ原発が
深刻な危機に直面していることは確かだ。
「この危機を軽視して、何も問題が
ないかのように思わせるわけには、
いかない」とGrossiはジャーナリスト
のLenka Whiteに語っている。 .
(Tweet引用)
「この貯水池の水位が確実に低下を
続けているので、それが大問題である
ことに間違いはない。原子炉の冷却に
欠かせない貯水池の水位も、下がり
続けている」
同原発が他の水源から水を得ることは
可能か?
Grossiによれば、このダム以外に
利用できる水源もあるそうだ。
「主な代用水源となるのが、原発のすぐ
そばにある大型の冷却水池だ。この池は
ダムの貯水池の高さよりも高い位置に
設けられている」と、Grossiは言う。
ウクライナの国営核エネルギー公社
EnergoatomのヘッドPetro Kotinに
よれば、ダム貯水池の水位が低下
しても、この冷却水池の水位には
影響がない。.
さらにザポリージャ原発は現在停止して
いるので、Grossi によれば 「数か月は」
冷却水がなくなることはないという。
この原発が洪水に見舞われる恐れは?
ザポリージャ原発が洪水に見舞われる
恐れはない。
このダムからは濁流がウクライナ南部に
流れ落ちているが、ザポリージャ原発は
このダムよりも川の上流にある。
さらにGrossiによると、この原発の
安全面には、「緊急のリスクはない」
とのことだ。
ダムと同様、原発が軍事標的にされる
恐れは?
Atlantic Council <大西洋評議会、
アメリカに本部を置く国際問題のシンク
タンク> のMichael Bociurkiw によれば
ロシアに水源地を攻撃する能力と意図が
あったのであれば、原発も標的にされ
うると考えても、「想像の飛躍
ではない」。
「それは想像するのも恐ろしく、まさに
今回の戦争でロシアが肥えてはいけない
一線だ」と、BociurkiwはABC News.に
語った。
Bociurkiwによれば、今回のダム攻撃は
戦争の局面が変わりつつあり、
ヴラディミール プーティンが「隅に
追い詰められている」ことの現れかも
しれない。
Grossi はこの5月終わりにロシアと
ウクライナに対し、戦闘で同原発に
リスクを発生させないよう求めている。
さらに同氏によれば、上述の冷却水池は
停止中のこの原発の冷却に充分な冷却水
を供給しているので、それに損傷を
もたらさないことが不可欠だそうだ。
“この池に損傷をもたらすような
行為は、何1つ行ってはならない」
と、Grossiは求めている。
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要するに、ノヴァ カホヴカ ダムは
ザポリージャ原発より下流にあるので、
ザポリージャ原発を洪水が襲うことは
考えにくい
原発専用の冷却水プールは被害を受けて
いないので、そこから冷却水は向こう
数か月間得られる
ということですね。
確かに、今回のダム破壊は原発への
影響を狙ってのものではないだろうと
私も考えます。
ただ、すると問題は、
・ その冷却水プールが攻撃を受けたら?
・ 数か月はプールの冷却水で大丈夫
だけど、ダムの修復なんて、数か月で
できるの??それも、ロシア軍からの
妨害があるかもしれないのに??
・ このままダムを復旧できずに貯水池
の水位が下がり続け、数か月経過して
しまったら?
・ 水があっても、以前から問題に
なっている電力供給は??
ということですね。
核発電という以上、何らかの形で放射性
物質を大量に使います。
すると、放射性物質からの崩壊熱を
冷まさないと・・・
そこに戦争が介入してきたら??
つい2~3年前なら、「ワイルドな
想像力が生んだ杞憂」で片付けられて
いたでしょうけど、今や現実の問題に
なってしまったわけですね。
以下は、起こってほしくない大惨事なの
ですが~~
結局、数か月経過してザポリージャ原発
が結局メルトダウンを起こしてしまった
場合、
原発 ⇒ 巨大ダーティ ボム化(一種の
核兵器使用、上の黒いメニューにある
ページ d-6) のリスク 3) )
ということで、NATOが介入するのか?
という懸念が噂されていますよね。
IAEAが今のところ原発には差し迫った
リスクはないと発表、数か月分の貯水が
あるとしているのも、NATOの介入 ⇒
第三次大戦 というリスクを招きたくない
という配慮によるものでは?? という
推察もあります。
むろん、そんな事態へと発展しないこと
を祈りますが、
少なくても明白なのは:
1か所の原発が戦争に巻き込まれた結果、
第三次大戦へのエスカレーションが
少なくても一部で懸念される事態にまで
なってしまっている
ということです。