The Deep Dive (というニュース
ウェブサイト)
Niger Boosts Price of Uranium to €200 Per Kilogram From Just $0.80 | the deep dive
Uranium Niger Boosts Price of Uranium to
e200 Per Kilogram from Just e0.80
(ニジェール、ウラニウム価格をkgあたり
0.80 ユーロから200ユーロに大幅引き上げ)
September 13, 2023
3週間ほど前の記事ですが、値上げ幅が
凄まじいので紹介しておきます。
同時に、値上げ率があまりにも大きい
ので、うのみにして良いのかどうか、
疑わしくもあります。
10月6日 朝6am JST時点での為替
レートは
euro = 156.59 yen
でしたので、おおまかに
125.2 yen から31,320 yen へと、約250
倍の破壊的な値上げですよね。
(もっといえば、原発大国フランスは、
今までニジェール産ウラニウムを相場
外れのとんでもない安価で入手、
フランスの原発を動かしていたわけ
ですね)
上の黒いメニュー(項目は基本的に
アルファベット順)にあるページ s-0)
などで、私は「ウラニウム価格だって、
世界情勢や市場動向に応じて変動する」
と申しました。
だから、「石油や天然ガス価格が
上がって電気料金が高騰している ⇒
原発再稼働しろ」という現時点で日本の
巷にはびこっている主張は、おかしいと。
エネルギーのセキュリティを本気で
求めるなら、再生可能エネルギーと蓄電
とを進めてエネルギーの地産地消を
目指すべきだ、と。(付録 w-14) 参照)
それに対する反論として、すぐに考え
られるのは:
「いや、原発はコスト中での燃料費の
比率が極めて小さく、大まかに5%程度
なので、ウラン価格による電気料金の
影響は小さい」
というものでしょう。
でも:
★ 今回の「とんでもない大幅値上げ」
が事実である場合、さすがに原発からの
電気料金にも影響が出ないわけでは、
ありますまい。
★ そもそも「燃料費比率が小さい」
のは、原発の燃料以外のコストが巨大
だからです。
★ 言うまでもなく、ウラニウムは強度に
戦略的物資です。価格だけが問題なの
ではなく、その他世界情勢や軍事的動向
などが大きく影響します。(その実例と
して、現在アメリカがHALEUの自国内
製造を目指しております ― 詳しくは、
後日)
今日のところは、まずはニジェールから
のウラニウム価格急騰の報道記事を。
異常な話だと私は思うのですが、
まずはそのまま日本語化して紹介
しますね。
例によって
私による日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。
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世界のウラニウム市場では主要
プレイヤーの1つであるニジェール。
そのニジェールが、とんでもない手に
打って出た。ウラニウム 1kgあたりの
価格を、なんと€0.80から€200へと
大幅に引き上げたのだ。これは
ニジェールの経済だけでなく、国際
関係や世界のウラニウム市場に大波を
もたらす動きだ。
歴史的にみると、ニジェール産
ウラニウムを主に購入してきたのは
フランスであり、アフリカのこの地域
でのウラニウム価格にはフランスが
強力な影響力を行使してきた。今回の
値上げ以前にはフランスはニジェール
産ウラニウムの価格をkgあたり€0.80
に設定しており、これは世界の
ウラニウム市場での価格よりもかなり
低いものであった。他国産の
ウラニウム、例えばカナダのものは
今回の値上げ後と同様にkgあたり
€200 であった。
値上げの理由
ニジェールがウラニウム価格を世界
市場の相場に合わせることに踏み
切ったのは現実的・経済的な動きだと
ニジェールに本拠を置くニュース報道
機関The Spectaclesは報じている。
この価格変更により、ニジェールに
とっては収入が大幅に増大し、重要な
インフラストラクチャー プロジェクト
や社会開発計画への投資が可能になる。
さらに、ニジェールのウラニウム資源
がもたらす利益を、ニジェールが本来
受け取るべきシェアで受け取ることが
確実になる。
自国産ウラニウムの価格を国際市場
での価格に合わせることで、ニジェール
のウラニウム資源は適正な評価を得る
ことになる。それまでの €0.80/kg と
いう価格は、ウラニウム資源としては
あまりにも安価で、世界市場でのある
べき価値を表していないとも、
The Spectaclesは述べている。
フランスはニジェール産ウラニウムを
大量に消費しているが、今回の値上げ
については憂慮を表明する可能性が
ある。だがThe Spectaclesによれば、
この値上げをきっかけに、フランスは
ニジェールとの公正な取引条件を
再考し「より公正な長期的関係」を
打ち立てるべく交渉を始めることが
できる。
注意すべき点として、フランスの
核発電の20%はニジェールからの
ウラニウムによるものとされており、
2022年には1,440トンのウラニウムを
ニジェールから輸入していた。 同年の
ニジェールによるウラニウム生産量
2,020トンの過半数を占めていた。Kg
あたり€0.80 という価格では、フランス
が支払ったウラニウム代金は合計で
€120万と推定されている。今回改定
された価格だと、この金額は跳ね上がり
€2億8,800万になる。
自国産ウラニウム価格を国際市場相場
に合わせようという今回のニジェール
の決定により、世界のウラニウム市場
全体に波紋が及ぶ可能性もある。他の
ウラニウム輸出諸国の価格設定戦略や
交渉のあり方にも影響を及ぼし、価格
決定慣行の公正化のための先例となる
可能性がある。
ニジェールとその以前の宗主国
フランスの間の関係が緊迫しているが、
その緊迫化が始まったのはこの7月の
クーデターの時であった。そのため、
モハメド バズーム大統領の追放劇と
なった。フランスのエマニュエル
マクロン大統領はハッキリとその
クーデターを非難、この地域での脅威で
あるだけでなくより広域に影響を及ぼし
えると主張していた。
ニジェールの現在の軍部政権に対しては
国際社会からの制裁が実施されており、
それを受けフランスの核企業グループ
Orano SAはニジェールにある同
グループの施設の1つでのウラニウム
鉱石処理を一時停止すると発表した。.
そのため、Oranoはニジェール以外の
ウラニウム産出諸国への依存を高め
ないとならなくなりそうだ。たとえば
カザフスタンやカナダ、
オーストラリアなどだ。
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それにしても、日本語メディアでは
このU価格大幅正常化の件はあまり報道
されておらず、
「石油やガス価格上昇中 ⇒ 原発再稼働
を」といった主張は見かけますよね。
いったい、どういう見識なのでしょう、
そうした日本語メディアは??
では、近いうちにHALEU問題に
ついての報道も紹介しますね。