ザポリージャ原発で爆発があったら、 どうなるのか? ー METROより

英国の日刊紙METROのウェブサイト
より
Map reveals what would happen if Zaporizhzhia nuclear plant explodes | World News | Metro News

Map reveals what would happen if the
Zaporizhzhia nuclear power plant
explodes?
(ザポリージャ原発で爆発があったら、
どうなるのか?地図がそれを示す)
* 元記事には地図があります。
上のリンク先でご覧ください。

そのうちドッカーン ・・・ しちゃ、困ります!

「原発で爆発」というと、すぐに
「わ! 核爆発!?」と反応して
しまう方々がいまだにいらっしゃる
ようですが ・・・ 「やかんをのせ
たら~」でたびたび申してきました
ように (たとえば、ページ p-3) の
中ほど)、原子炉で使うウラニウムは
U-235 の比率が3-5%程度なので、
90%以上ある原爆用ウラニウムの
ような爆発はしません。
福島第一の大災害の直後でも、巷には
「核爆発だ!」と叫んでいる人たちが
一部にいて、正直なところ私も呆れて
いました。
実際に起きたのは、メルトダウンです
よね。で、メルトダウンが発生したの
で、水素爆発などが起きたと。水素
爆発と核爆発は、全く別物です。
ただし、水素爆発であっても原子炉内
や使用済み核燃料冷却プールなどに
ある放射性物質が飛び散ることは、
あります。(軽水炉の炉内はかなりの
高圧です)

では、現時点で大問題のザポリージャ
原発っで爆発が発生したら??
その恐ろしい結果について、英国の
METROが報じています。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
で、紹介します。

終わらない にらみ合い・・・

***********************************
Gergana Krasteva記者、
Ben Ashton記者
2023年11月17日

ロシア軍が占拠中のザポリージャ原発
の安全性は、今週 <11月12日から
18日> 幾度かの「緊急事態」が発生
したため、「脅かされて」いる。

現在の戦争の初期段階でロシア軍が
このザポリージャ原発を占拠したが、
それまで同原発を運営していた
ウクライナの核エネルギー企業
<Energoatomのこと> が警告を
発している。<原発の稼働に関する>
要求されている規定に、なんとごく近日
11月14日にも「無能な」作業員たちが
違反したという警告だ。

Energoatomのペトロ コーティン社長に
よれば「ロシアの行っていることは、
まったく要求水準に達していない」

「侵略ロシア軍はその行為により、
またもやザポリージャ原発の稼働の
安全性を脅かし、設備を絶えず劣化
させ、障害の発生という危険を増大
させている」

「そしてそのため、いつ何時、緊急
事態が発生するか分からない」

ザポリージャ原発で大規模の核事故が
発生するならば、中央ヨーロッパの
数か国は深刻なリスクに直面することに
なりうる。

ヨーロッパ大陸が核事故が発生した場合
にどのような影響をこうむるか、ある
モデリング マップが示している。その
マップを見れば、セシウム137が放出
されたらどこまで届き、どのような
濃度で散乱するかも分かる。それに伴い
大規模の健康上の被害が発生する。

危険すぎる技術は、いずれ・・・

 

ザポリージャ原発で、今まで
何が起きてきたのか?

ウクライナ南部にあるザポリージャ
原発はヨーロッパ大陸では最大の原発
であり、全世界でもトップ10に入る。

同原発はエネルホダルという町にある
のだが、ロシア軍が2022年早期に
侵入、同原発の職員を人質に取り、
原発を占拠した。それ以来、ロシア軍
が同原発を制圧している。

それ以来、<同原発の本来の稼働企業
である> Energoatom社によれば、
ロシアの人員、特に化学ワーク
ショップのシフト監督者が「特殊な
水浄化フィルターが飽和してしまって
いたのに管理できずにいる」

同社によれば、「一次冷却系の冷却水
にはホウ酸を混ぜてあるのだが、それが
発電用タービン ホールの空気分離機に
侵入を始め、さらにそこから蒸気
発生器全体へと入り込んでいったのだ」

「さらにザポリージャ原発の現時点
での ”マネジャーたち” が無茶な決定
を下し、同原発を ”ホット シャット
ダウン” 状態 <この下の11月23日
の記事を参照> に変更することにした
のだ。そのため原発では放射性の液体
廃棄物が増大、職員にも公衆にも自然
環境にも危害が及ぶ危険性が生じて
いる」と、同社は発表している。

今年の7月、国連の核エネルギー監視
機関 <IAEA> の査察官たちが確認した
ところでは、堂宇原発には地雷が設置
されていた。ヴォロディミール
ゼレンスキーはそれ以前から、ロシア軍
が同原発に爆発物を設置していると
ロシアを非難していた。

汚染 ・・・・

Paul Dorfmanは核エネルギー安全性の
専門家で、英国とフランスの政府に対し
顧問を務めてきた。同博士によると、
ザポリージャから放射性物質の噴出が
あった場合、ウクライナだけでなく
ロシアの一部もヨーロッパ中央部も
汚染されるリスクを負う。

「今までのところ、ラッキーで
<そんな事故を免れていた。>
今までのところは、ザポリージャ原発
からは大がかりな放射性物質の漏出は
ない。だが、幸運に頼るのは、賢明な
策ではない」と、同博士はMetro.co.uk
に述べている。

「何か問題が発生すれば、あとは
放射性物質の流れがどちらに向かうか、
それがどのような事態なのか次第で
<諸国の命運が決まる>
そうなれば、経済的にも巨大な損害が
生じ、多数の人命も失われる」

今回の戦争が始まって以来、
ザポリージャ原発は熾烈な戦闘の最中に
あり、ロシアとウクライナは非難合戦も
繰り広げている。

この闘争によるスタッフ配置レベルの
「不適切さ」もあいまって、既に
1986年のチョルノービ原発事故で辛酸
をなめたウクライナが、「またもや
核事故に苦しむリスクが大幅に増大
した」

総体として、国連もDorfman博士の
ような科学者も、ザポリージャ原発の
「恐れおののくべき状況」に「肝を
冷やし」続けている。

いつ崩れ落ちるのか ・・・

この6月には警察官たちや救命士たちは
放射線事故対応の訓練を実施しており、
緊急事態に対応する備えをしていた。

同原発の最後まで稼働していた原子炉が
「コールド シャットダウン」と
呼ばれる状態に移行したのは2022年の
ことで、それに先立ち背部からの電源
供給の復旧がなされた。それにより、
安全にシャットダウンすることが可能
になったのだ。

Dorfman博士はパリを本拠とする
専門家であるが、「ザポリージャの
原子炉の多くは今ではコールド
シャットダウン状態にあるが、
ウクライナでは冷却システムを維持する
ための外部電源の供給が不安定だ」と
述べている。

「正常な状態では、炉心をパイプが
取り囲んでいて、冷却を保つ」

「その冷却ができなくなると、メルト
ダウンとなる。まさしく、日本の
福島第一原発で起きた事故だ」

飛び交う放射線
このまま増殖を続けると、解決不能になる恐れも

「稼働中の原子炉には冷却が必要だが
<外部から供給される> 電力が
途絶えると、冷却ができなくなって
しまう。こんなことは決して起きて
ほしくはないが、原発に攻撃がなされる
と、実に悪夢としか呼びようのない
シナリオが展開される」

「現時点では、まだそのリスクは極めて
小さい。だが、極めて危険な状況である
ことに変わりはない。原発が軍事攻撃に
さらされるというような事態は、
前代未聞だ」

「本格的な軍事攻撃に耐えられるような
原発など、世界に存在していないことが
その主な原因だ」

Dorfman博士は、ザポリージャ原発の
状況がまだ解消されてはいない点を
強調するとともに、「sod’s lawという
経験則がある。何か問題が起きうる
可能性があるなら、いずれそれは現実
に発生してしまうだろう」とも述べて
いる。

この博士の指摘によれば、防御が
<原子炉本体よりも> ずっと脆弱な
使用済み核燃料の冷却保管プールは、
オリンピック プールと同程度の
サイズで「池」と呼ばれたりしている
が、これも重大なリスクを伴っている。

「そうした”池”への電源供給がなく
なった場合には、冷却水が蒸発し重大な
核事故が発生してしまう。高レベル放射
性廃棄物が爆発してしまうのだ」と、
博士は専門家として語っている。

最新のモデル作成を見ると、放射性噴出
の大半はウクライナとロシアの国境地帯
とに降下する。

ヨーロッパ中央部とトルコも含めた
中東の北端部分も放射性物質を浴びる
リスクがある。

生きるか死ぬか、それは風次第
そんなことが、あってよいのでしょうか?

 

「すべてが、風と拡散の様子しだいだ。
さらに、風は向きを変えることがある」
と、Dorfman博士は述べている。

「だから、放射性物質の種類や事故の
あり方、そして風向き次第で変わる。
それは間違いない。それ次第で、
重大な事態になりえる」

そうした「破局に発展しうる事態」が
始まらないうちに、同博士はウクライナ
やロシア、ヨーロッパ中央部、中東北部
に安定ヨウ化カリウム <放射性ヨウ素
の悪影響を防止するための薬剤です>
を配布しておくことが「重要だ」と
呼びかけている。.

このヨウ化カリウムの錠剤は使用される
ことは稀だが、人体特に甲状腺が放射性
ヨウ素を呼吸あるいは飲食で取り込んで
しまった場合に、それを吸収してしまう
のを防ぐ。

ザポリージャ地区の知事である
Oleksandr Starukhがこの8月に
Ukrainian TVで述べたところでは、
同地区の住民にはこの種の緊急錠剤を
配布したそうだ。

Dorfman博士は他の諸国の人々に
対しても、ヨウ化カリウムを用意して
おくよう強く求めている。ただし、
「厳密な指導の下で、ある種の条件下
においてのみ」服用せよと注意して
いる。

指示を守らないと~~

 

同博士は、こう述べている: 「ヨウ化
カリウムは人体に入った放射性汚染物質
の過半数をブロックし、甲状腺がんの
発生確率を優位に下げてくれる。特に
児童や乳幼児に有効で、その様子は
チョルノービ原発災害の時に見た
通りだ」

IAEAは2022年9月にも短期間
ザポリージャを視察したが、同原発に
核安全・セキュリティ保護地帯を
急いで設けるよう要請していた。

世界の指導者たち、また全世界の
核エネルギー業界も、それを
支持していた。
***********************************************

遠方にも、思いをはせましょう
私のパステル スケッチ

「日本から遠いウクライナで核汚染が
あっても、日本には大した影響なんて
・・・」と軽く見ないで下さいね。
ウクライナは穀倉地帯ですから、
そこからの穀物で生存してらっしゃる
方々も、世界には多数いらっしゃい
ます。その穀物が放射性物質で汚染
されて食べられなくなったら?
世界の飢餓にも関わり、下手すると
何万人ものが死につながりかねない
深刻な問題なのですね。

その意味でも、1日も早くロシア軍が
撤退してウクライナに平和が戻ることを
祈っています。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
This entry was posted in Uncategorized. Bookmark the permalink.

Comments are closed.