Beyond Nuclear Bulletinより、核発電業界の現状

Beyond Nuclear Bulletin
2023年12月7日号より、2件

今回はBeyond Nuclear Bulletinの
2023年12月7日号より、記事2つを
紹介しますね。2つを合わせて読めば、
核発電業界の現時点でのトレンドが
浮かび上がってきますよ。

いつもどおり、
私の日本語化
< > 内は私からの補足説明
です。

COP28の報道だけ見てると「また原発の時代か」
と思ったけど、他と見比べてみると~

まず、1つめはCOP28会議でアメリカの
代表が「原発の発電量を3倍に増やそう」
と呼びかけている件に関する記事です。

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Nuclear Nonsense
Fantasy plans announced at
COP28
(核のナンセンス
COP28で夢物語を発表)

<アメリカのCOP28での> 気候問題
代表であるJohn Kerryの指示のもと、
ドゥバイで開催されたCOP28気候問題
サミットで、アメリカを含む22か国が
「2050年までに原子力発電容量を3倍
に増やす宣言」を発表した。 (後に
Kerryは、気候変動対策として核融合
エネルギー利用を実現するという、
さらにひどい夢物語を発表している)
従来の大型原子炉でさえ、ここまでの
急拡大に近い増大を実現したためしは
ない。工期の延長、キャンセル、コスト
超過といった諸問題に付きまとわれて
きているのだ。<そこで原発推進勢力は>
小型モジュール式原子炉 <SMR> や
先端型原子炉各種を提唱し、それらなら
この大規模な目標を実現できるとしている
のだが、そうした原子炉は今もまだ紙の上
の問題の多い設計段階に過ぎない。
アメリカでSMR開発の先頭を走っていた
NuScale社は、先月同社のビジネスが破綻
<右の「アーカイブ」で2023年11月を
クリック ⇒ 11月19日付の
「Reuters報: あるSMRプロジェクト
の終焉」も参照>、
SMRならできるという約束ははかなくも
露と消えた。各発電よりもはるかに現実的
な選択肢として、今回のCOPでは
118か国が世界での再生可能エネルギーの
発電容量を2030年までに3倍に増やす
という宣言を発している。

カネがかかり過ぎる電源は・・・

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上記の下に Read More ボタンがあるの
ですが、それをクリックすると
At COP28, Countries Launch Declaration to Triple Nuclear Energy Capacity by 2050, Recognizing the Key Role of Nuclear Energy in Reaching Net Zero | Department of Energy
というEnergy.govのページに飛びます。
これはBeyond Nuclearさんのサイトでは
ないので、無断で翻訳できません。
ですから、上のリンク先をご自分で
お読みくださいな。

では、今回紹介する2つ目の記事に
進みますね。

Nukes decline despite hype
World Nuclear Industry Status Report 2023
World Nuclear Industry Status Report 2023 – Beyond Nuclear

結局は斜陽産業の悪あがき??

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2023年12月 6日

Nuclear industry continues in
decline despite hype of a
“renaissance”
(「原発ルネッサンス」騒ぎに
関わらず、核エネルギー業界の衰退
は続く)

「真実と核発電産業とは、仲が良かった
ことがほとんどない。実際、この産業の
ヴァイタル サイン(生命兆候)に
ついては、正確な情報を見つけるのが
容易ではない場合が、たびたびあった。
だからこそ、World Nuclear Industry
Status Report (WNISR)
 <「世界の
原子力産業の現状報告書」とでも
言えばよいのか。日本語にはなって
いません> が、商用核発電産業の現状
を知りたい全ての人々にとっての
必読書となる」 そう記しているのは、
ベテランの核エネルギー ジャーナリスト
Stephanie Cookeだ。 2023年12月6日
公表の WNISR 2023年版の前書きに、
またベルギーのブリュッセルからの
多様な内容の報告にもそう記している。

ご自分でお読みいただくしか~~

World Nuclear Industry Status Report
(WNISR)
 は
World Nuclear Industry Status Report 2023 (worldnuclearreport.org)
にあります。私が勝手に大量に翻訳する
わけにいかないので、リンク先の英語
原文で必要なページをお読み
くださいな。549ページもあるので、
必要な個所を読めばよいでしょう>

このstatus reportの見出しとしては、
“Nuclear Production Sees Biggest
Slump in a Decade
” <核発電量、
ここ10年間で最大の落ち込み> と
いったものもあり、そこには次の記載が
ある:「2023年半ばの時点で、全世界で
稼働中の原子炉は407基、合計発電能力
は365 GWで、前年より4基減り、
今まで最大であった2002年の438と
比べれば31基の減少だ 」 世界を
見渡すと、新たな原子炉の稼働開始より
も恒久的な閉鎖の件数のほうが
多かった。ここアメリカでは「商用発
電量のなかで核発電が占める比率は
18.2%にまで低下した。ここ25年間で
最低のレベルだ。<ジョージア州に
ある> ヴォートル (Vogtle) 原発
ではこの10年間かけて原子炉2基を
建設してきたのだが、その1つ
(3号機)が2023年4月にグリッド
への送電を開始した。この2基に
かかったコストは350億米ドルを
超えている」 フランスを見ると、
「核発電量は1990年のレベルよりも
下にまで低下した」  英国では
「稼働しているのは、9基だけだ。
ヒンクリー ポイントC原発
(Hinkley Point C) で2基が建設中
だが、そのコスト推定は2023年2月
時点で440億米ドル(2021年基準)
に達しており、グリッド送電開始の
予定も2027年6月まで延期されて
いる」

あれもある、これもある~~

その他の重要な話題としては、
「福島の現状」、「核発電の経済と
財務」、「小型モジュール原子炉
(SMR)」、「廃炉」、「再生可能
エネルギー、各発電よりも何桁も先行」
といったものがある。

WNISR 2023は549ページある無料の
概要レポートで、オンラインで入手
でき、核発電に関する考察や統計、
最新のトレンドなどを述べている。
国連のIAEAも尊重し採択している。
もっとも、それは ”しぶしぶ” の
採択ではあるが。

++++++++++++++++++++++++++++++

必要な個所を

まあ、549ページの報告書をすべて
読むのは時間がかかりすぎるので、
目次を見てご自分の関心がある項目を
お読みになればよいでしょう。

「英語の報告書なんて、読めない~~」
と仰る方々のため、「やかんをのせ
たら~~」ではそのフォーカスである
proliferationに関するページ、
pp. 385 – 388のSecurity and
Proliferationという箇所を部分的に
抜粋・日本語化して紹介する予定です。

About FrancisH

A freelance painter, copywriter, and beading artist
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